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遠山の金さん  テレビ朝日/東映

21〜40話

キャスト
遠山金四郎/高橋英樹 お千親分/樹木希林 猫目伝蔵/秋野太作 捨六/小島三児 お竜/美雪花代(−27話)、伊藤美由紀(28話−) 虎さん/古代一平 熊さん/北野清治 お光/萩原佐代子 早田彦十郎/宮尾すすむ 常平/金田龍之介(−24話) お志津/あべ静江(26話−) 利助/鳳啓介(25話−) おかつ/京唄子(25話−)


第21話 「母の告白!二十年の秘密」 1982  51

 幸せな一家に垂れ込める暗雲は過去の因縁、「母」を捨てた情夫が凶賊の顔で現れ盗みを手助けするよう強要するが、全て飲み込んだ桜吹雪と、全て知りつつ妻を愛する夫の情が打ち克つ。

ロケ地

  • 金さんにお藤の前歴を報告するお竜、大覚寺大沢池畔か(茶店しつらえ)
  • お藤の元朋輩の回想、捨てられて絶望し入水のところを今の亭主に助けられたお藤、中ノ島橋
  • 元情夫の賊に鍵型を渡したあと物思いに沈むお藤、大覚寺護摩堂前池畔。
  • 金さんの説得を振り切り駆け去ったお藤が祈りを捧げる祠、大覚寺天神島(導入は鳥居越し)
  • 事後、幸せそうに一家で縁日に繰り出す一家、大覚寺心経宝塔前に露店あしらい(金さんとお竜が見届け微笑む)

*お藤は弓恵子、実は菊蔵の子だった娘は島村美妃、亭主は唐沢民賢。お藤の元情夫の凶賊は黒部進。


第22話 「夕陽の渡世人!子連れ旅にござんす」 1982  

 むかし恋した女の遺児を連れ、出奔した父を捜しに江戸へやって来る渡世人。しかし求める男は悪事に手を染めていた。

ロケ地

  • もうじき多摩川と連れの坊に彼方を指す長次郎、北嵯峨農地・農道。
  • 金が無いので渡船に乗らず坊を負い川に入る長次郎、広沢池東岸(六郷の渡し)
  • 南蛮渡来(お奉行はインド産と表現)の福兎を売り出す長次郎、仁和寺観音堂脇。金さんが彼と話す茶店は水場下にあしらい。
  • 坊をいじめる子らを散らす金さん、大覚寺五社明神
  • 長次郎の回想、親友のため好きな女を諦め故郷を出るくだり、およびその女と坊を連れ伊豆を発つくだり、海浜は琵琶湖東岸(沖ノ島の見え方からして牧町付近か)。女が体調を崩す小田原宿の茶店、北嵯峨農地・竹林際にあしらい。
  • 親友を問い詰め故郷へ帰ろうと諭す長次郎、仁和寺九所明神拝殿脇。友は、本殿前を観音一家がゆくのを見て立ち去るよう促す。
  • 友と約した泪橋で待つ長次郎と坊、中ノ島橋(橋標変え)。旅姿で約束の橋へ行く途中観音一家につかまり斬られる友、大覚寺大沢池堤(堤法面へ転げ落ち)、駆けつけた長次郎が長ドスの封印を解きチャンバラ・途中で金さんが介入し刀を引かせ代わって大立ち回り。
  • 金さんが伊豆へ帰る長次郎と坊を見送る橋、中ノ島橋

*漁火の長次郎は五木ひろし、劇中自身の歌うエンディングテーマが流れる。押し込みに利用されていた親友の大工は大場順、客死した女房は黒田ふくみ。観音一家の親分は岩尾正隆、手下に福ちゃん、大工見張り役の「女房」は湖条千秋、裏で糸を引いていた男伊達の火消しは原口剛で実はヤクザの実兄設定。
*福兎は観音一家に買わされた白ウサギのおでこに赤い丸を描いて売り出すインチキ商売、長次郎所払いの判決理由に。元々はヤクザがいたずらで射殺そうとしていたのを止めて大量に売りつけられ。
*泪橋については、約束の橋設定だけなら小塚原のアレでOKだが、見送りの段では行くのが伊豆なので奥州道中途中のそれはおかしいかも。


第23話 「浪花の母!巾着切おえん」 1982  51

 稼業ゆえ娘に背かれた母の哀話、それに付け込んで強請りをかける悪党は、まるっと金さんに懲らされて一巻の終わり・縺れた感情も解かれてメデタシ。

ロケ地

  • 家出して江戸へ出た娘を思い水辺に佇むおえん、大覚寺大沢池畔。彼女の元手下が辻強盗を働いて逃げてくるのは放生池堤、アガリを確かめているところへおえんが出て叱りつけるのは天神島
  • おえんの回想、亭主に死なれ幼子を抱えさすらうも世間は冷たく、行き暮れて佇むお堂は大覚寺護摩堂。このあと掏摸の元締に拾われてしまうくだりへ。
  • おえんの娘をさらい監禁する辻強盗一味、神光院蔵。金さんが出て立ち回りの段では中興堂も映る。

*おえんはミヤコ蝶々、娘は加山麗子で亭主の越後屋は小林芳宏。おえんの元手下のチンピラは西田良、今のかしらの乱暴極まりない山伏は五味龍太郎、ラス立ちに出てくる手下の一人に福ちゃん。


第24話 「二人の母が情けに泣いた」 1982  52

 外道のしでかす営利誘拐、子をさらわれた双親の嘆きと、とんだ悪たれを亭主に持ち辛酸を舐める哀れな女を描く。もちろん悪党どもはまるっと金さんに叩きのめされお白州へ。

ロケ地

  • 赤子をさらわれた丹後屋が身代金を用意して待つ杉森稲荷、相国寺宗丹稲荷。物陰から近づく者を見て飛び出し、猫目に邪魔されてしまう金さんは鐘楼裏手碑のそば。
  • 再度身代金受け渡しに指定の面影橋、中ノ島橋下河川敷。
  • 故郷の木曽谷へ帰る常平とお光を見送る金さんたち、広沢池東岸(渡船場)

*DV+博打狂いの亭主を持つ薄幸の女は水原麻記、亭主は沖田駿一でつるむ貸元は汐路章。赤子をさらわれた丹後屋夫婦は石山律雄と大竹あかね。
*川常は故郷の老親からの要請で店をたたむ運び、別れ際金さんに意味深な台詞を吐くがギャグ落ち。


第25話 「あばれ神輿に祭りが燃えた!」 1982  52

 祭りに配下の臥煙を繰り出し冥加金を強請る旗本、彼が宰領する火消し屋敷に紛れ込んでいた入墨者の青年の哀話を絡める。

ロケ地

  • 祭りで乱暴をはたらく臥煙の中に兄を見た妹が「あんちゃんじゃない」と呟き通る道、広沢池東岸
  • 浪花屋の「下りもの」の夫婦が喋くる大坂自慢、天神祭のイメージ映像挿入(天神境内や船渡御など)
  • お使い中の妹を呼び止め、二度と火消し屋敷に来るなと諭す兄、広沢池東岸(並木と池端)

*妖怪・鳥居の片手落ち裁き(後で無実と判るが「一事不再理」)で入墨者となった青年は森次晃嗣、妹は遠藤真理子で夜鳴き蕎麦屋の父は岩田直二。若年寄狙いで資金を町役たちから分捕る旗本は南原宏治(金箔元結など付けて派手)、腹心の与力は八名信夫、臥煙に白井滋郎、家士に峰さんや福ちゃん(?)ちらり。
■浪花屋夫婦は京唄子と鳳啓助、格段のエピソードなく川常の常連が移動してきている。
■あべ静江クレジットこの回から


第26話 「お奉行に惚れた女賭博師!」 1982  2

 素人衆を博打に引きずり込む悪党、彼らの親玉を親の仇と狙う姐さんに肩入れする金さん。お裁きが堅気に立ち戻る契機となる、粋な展開。

ロケ地

  • 掛取り帰りの紀州屋の手代が野博打に誘い込まれる八幡境内(縁日)仁和寺観音堂脇石畳に露店あしらい・お銀はかりんとう売り。引っ張り込まれる賭場は境内に莚掛けの小屋あしらい、消されたあと吊りで見つかる林も境内、瓦練り込み塀や金堂がちらちら映り込み。
  • 秋虫を売るお銀、大覚寺五社明神鳥居脇に露店。近くで山十一家が野博打開陳。仕舞って帰るお銀を送ってゆく金さん、放生池堤護摩堂(金さんに叩きのめされた山十一家が人数を繰り出し立ち回り)

*山十の陰謀で父母を亡くしたお銀は岩井友見。元八王子千本槍同心の博徒・山十は菅貫太郎、子分に峰蘭太郎と平沢彰、賭場でラス立ちのシーンではこの二人とともに福ちゃんが中盆をつとめる。


第27話 「大屋根に立つ美貌の女賊!」 1982  52

 盗っ人に翻弄された親娘を、お奉行は粋なはからいで安楽の地へ導く。賊の手先をつとめていた娘の理屈が些か通りにくいが、手裏剣で目潰しとか、志賀島へ帰りたいとか、伏線はちゃんと引かれている。

ロケ地

  • 文三が参るお菊の墓、二尊院墓地。
  • 賊一味のアジトである雑司ヶ谷の古道具屋、不明(地道に面して簡素な門あって二階家、北嵯峨か)。合流した文三と金さんがイモ焼いて食う林も不明、池畔か。
  • アジトを探ってきたお竜が金さんに報告のお堂、大覚寺護摩堂

*大盗をお縄にするも恨まれ家に放火され目を潰され娘を失った目明し・文三は岡田英次。実は生きていて賊の仲間になっていた文三の娘は栗田陽子。獄門になった賊の弟は浜田晃、手下に曽根晴美や小船秋夫。


第28話 「手裏剣使いの女参上!」 1982  52

 手裏剣投げの見せ物で評判をとる娘は訳あり、父恋しさゆえ海を渡ってきた彼女の心を汲んだ金さんは、悪者を一掃したあと「国禁」の括りはそのままに、父子に幸あれと配慮の裁きを下す。

ロケ地

  • お吉の父・陶岳が宋三彩の偽物を作らされている工房、鳥居本八幡宮広場に窯をあしらい。父を求め忍んでくるお吉が見つかり追われるくだりでは舞殿が映り込む。早田さまが捕り方を連れてやって来る際には小柴垣道も。

*阿蘭陀お吉は中村晃子、元は日本の漁師で漂着して清国の陶工となった父は内田稔、彼を陥れ贋作作りを強要した唐物商は江並隆。


第29話 「驀走する裸馬の女!」 1982  2

 「暴走族」の若者たちの青さが悪党に利用されてしまうところへ、「暴走」奉行が乗り出す情話。馬目立ちまくり、迫力の曲乗り必見。

ロケ地

  • 若天狗党が流鏑馬を奉納する白川八幡宮、下鴨神社。馬場で曲乗り、宮司が射殺されるのは二の鳥居前、金さんが香具師の元締に口止め料をふっかける林は糺の森。
  • 若天狗党が村へ帰る道、北嵯峨か(竹林〜野道)
  • 口止め料を要求された件を新宮司にはかる稲造、大沢池か(屋形船のシルエット)
  • 若天狗党のねぐらがある葛飾村、酵素河川敷。河畔に小屋しつらえ。

*若天狗党リーダー格の青年は中島俊一、太股丸出しの女の子は諏訪裕子。宮司を殺して後釜にすわる悪党は亀石征一郎、意を受ける香具師の元締は中田博久。


第30話 「晴れ姿!ヘボ同心の初手柄」 1982  52

 贋金作りの父を持つ女は、素っ堅気の恋人を巻き込みたくなくて身籠ったまま姿を消す。しかし七年の時を経て、欲をかいた子分どもが鋳型目当てに「母」の前に。子を守るための母の方便で、猫目同心が巻き込まれてゆく。

ロケ地

  • 猫目さまに会わせてと南町奉行所へやって来て門前払いを食らう松吉坊、大覚寺明智門
  • 松吉の母・お俊が監禁される両替商・白金屋の根岸寮、大覚寺望雲亭(門)
  • 松吉が持っていた守袋の茂林寺、不明(塔頭か)
  • 猫目の回想、悪者にからまれていたお俊を助けた市中、大覚寺境内か。金さんとお俊の話をする水辺は大沢池畔、屋形船映り込み。
  • 白金屋の寮へ連れ込まれた猫目が解放される泪橋たもと、大覚寺天神島朱橋。そのあと大手柄と飛び跳ねて歩く猫目は放生池堤、しかし困じ果てて金さんに助けを求めるのは大沢池(途中、一旦「南町」の明智門へ現われ)

*お俊は宮園純子、別れ別れになっていた大工の亭主は坂口徹郎。白金屋は神田隆、金さんに罪をなすり捕えろと大声←即桜出しのタイミング大笑い。お俊の父の子分だった重三は若林哲行、白金屋に刺され。


第31話 「大奥絵巻!呪いの丑三つ刻」 1982  52

 姪の中臈のためライバル蹴落としを企むお局さま、というよくあるお話。やり口が陰湿な割に頓馬な悪党と、腰元の姉を訪ねてくる田舎娘のエピソードが妙な具合にからんだ一話。

ロケ地

  • 上野山内をゆく春日井の局の駕籠、仁和寺五重塔前石畳〜参道石畳。お籠りの塔頭は大覚寺心経宝塔(階のすぐ際に「柵」あしらい、その柵越しに見上げの構図で軽くライトアップ)
  • 呪詛を見た腰元が翌朝死体で見つかる山内は大覚寺護摩堂脇、背景に心経宝塔が来る。後段、姉を捜し山内に入り込む妹の段でもこの付近が使われる。
  • 当地へ出張してきた早田が語る姉妹の母の野辺送り、北嵯峨農地畦道。石仏などあしらい、けっこうワイドに周囲が映り込む。武州在設定。

*母を亡くし江戸へ出てくる妹・おさるは渡瀬ゆき、お局さまは絵沢萌子でグルの伊賀者は石橋雅史。お竜や早田さま大奥潜入があるがカルくて、お局さまに一晩中腹下しのツボ打つ場面なんかもある。


第32話 「悪徳与力に狙われた若妻!」 1982  52

 脛に傷持つか弱き者たちを強請り、しゃぶりつくす悪党ども。古傷を亭主に言えずにいた若妻は、勇を鼓して向かってゆき、金さんが助け舟の運び。

ロケ地

  • 駕籠寅が営業中強請られる市中、仁和寺塔前林間
  • 強請られていた芸者が縊死を装い発見される林、仁和寺観音堂(林越しに塔が望まれる)
  • おせいを拉致しかけるところへ金さんが出て阻止するのは仁和寺観音堂脇石畳、露店等あしらい。
  • 口入屋と南町与力が密会する屋形船、広沢池東岸に繋留。船頭は福ちゃんで、船をつけて中の話を聞こうとしたお竜に針飛ばされて昏倒。

*過去の犯科帳を精読し強請りネタを作る南町与力は平泉成、グルの口入屋は永野辰弥で強請り実行犯の子分は岩尾正隆に峰蘭太郎。前科者でなく被害者なのに強請られていた夫婦蕎麦の女房は早乙女愛。


第33話 「戦慄!十五発の殺人爆裂弾」 1982  53

 磔になった兄の仇討ちを兼ね、大きな盗めを企む上方の賊。彼らに利用された、もうすぐ父親になる若い職人は、金さんの意にこたえ町を危機から救う。

ロケ地

  • 試しに爆破される新シ橋、広沢池東岸にあしらい。
  • 爆薬仕掛けに協力せよと迫られる新次、大覚寺五社明神祠脇。
  • 一味のアジトの向島長命寺近くの空き屋敷、広沢池東岸の料亭跡か。
  • お竜が金さんに報告していると浪人に襲われるお堂、大覚寺五社明神本殿前。

*新次はにしきのあきら、女房は日向あきこ。上方の盗っ人は遠藤太津朗、手を貸す新次の師匠は水嶋道太郎。


第34話 「愛か恨みか慕情の女!」 1982  3

 友を斬って苦悩する男と、恋人の父を討たねばならぬ青年。仇討ちの裏に巨悪ありと見た金さんは、老中に願い出て荒療治を敢行する。

ロケ地

  • 金さんが木元浪人と知り合う釣り場、広沢池東岸に「足場」あしらい。
  • 町であやとばったり会った新八郎、二人が話す河原は中ノ島橋下手河川敷。橋上から猫目が新八郎を見咎める。追われた新八郎が逃げ込むお堂は大覚寺護摩堂、猫目をやり過ごし出てきたところで金さんに声を掛けられる。
  • 木元を見かけ斬り付ける家老の腹心たち、吉田神社竹中稲荷本殿前。
  • 老中に許可を願うため登城するお奉行、お城イメージに姫路城天守
  • 木元と新八郎を会わせる金さん、下鴨神社河合社脇。金さんの企みで家老をここへ呼びつけてある趣向、ラス立ちに移行。

*新八郎は草川祐馬、木元は黒川弥太郎で娘のあやは芦川よしみ。高崎藩城代は高野真二、新八郎の仇討ち旅につけてある腹心は阿波地大輔←木元と間違って別人をばっさり、これが事件の発端に。新八郎の父は藤尾純、老中は中村錦司。


第35話 「浮世風呂からくり殺人!」 1982  53

 父と恋人を殺された娘は裏事情を知ったのち、身を捨てて仇討ちをはかるが、金さんはお見通し。湯屋の二階で服を替えて遊ぶ風俗を、うまくお話にからめてある。

ロケ地

  • 飛脚殺しの検分、下鴨神社河合社脇。設定は角筈はずれの街道筋。
  • 故買の疑いを掛けられた古着屋が百叩きの刑にあう南町奉行所門前、大覚寺明智門(回想シーン)
  • お糸の回想、恋人の飛脚が帰ってくるのを待ってデートの林、下鴨神社糺の森
  • 恋人と父の墓に参り決意を固めるお糸、くろ谷墓地

*お糸は三浦リカ、父の古着屋は谷村昌彦、恋人の飛脚は中島俊一。法の網をくぐり損金丸儲けの飛脚問屋は穂高稔、グルで殺しの実行犯をつとめる御家人は木村元。


第36話 「悪酒が招いた生花師匠殺人事件!」 1982  53

 酒でしくじった覚えのある親爺は、記憶にない殺しをやったと思い込み。引き回しの際の、娘の悲痛な叫びが事態を動かす。

ロケ地

  • 引き回しの途中川に身を躍らせ逃げた吾平の捜索、罧原堤付近桂川(船を出して捕り方が乗り込み)中ノ島橋上と中州法面。

*吾平は山田吾一、娘は里見奈保。吾平をハメた実は極悪人の養子若旦那は高峰圭二、グルの番頭は田中弘史、ボケ扱いされて気の毒な大旦那は永田光男。ラス立ち福ちゃん入り、チンピラ姿。


第37話 「炎の女!死ぬのは奴らだ」 1982  54

 盗みのうえ放火してゆく賊が跋扈、しかしある日一味の女は赤子の泣き声を無視できずに戻る。火事場で、飛び込んできた火消しに助け出した子を託した女、その男は二十年前別れ別れになっていた角兵衛獅子の相棒なのだった。

ロケ地

  • 近江屋へ赤子の様子を見に行った直吉が、同じく様子を窺っていた、火事場で見た女に気付き追ってゆく道、大覚寺放生池堤
  • 直吉の回想、角兵衛獅子の親方の捕縛騒ぎで二人散り散りになった浅間神社、松尾大社本殿前。ここで親方が二人に同じ守袋を買い与えた設定。この浅間神社については、お奉行が近くに温泉があって傷の養生にいいと発言していることから、静岡浅間神社とも思われる。

*鳶の直吉は伊吹剛、むかし角兵衛獅子の相棒だったお京は鈴鹿景子。座頭で赤猫一味の首領は内田勝正、彼らに知恵を授ける代官手代は田口計。


第38話 「浮世絵美人が招いた将軍暗殺!」 1983  3

 派手なミスコンが開催され、民衆は熱狂し参加者の娘たちはライバルとバチバチ火花を散らす。一等の町娘は将軍のお茶接待に上がることになっており、それが陰謀の的になってタイヘン、将軍を亡き者にして転覆をはかる者や、将軍側室になろうとしてライバルを狙う者など入り乱れて大騒ぎ。やっと事をおさめたお奉行は、溜息ついて「一件落着!」。

ロケ地

  • ミスコン参加者のお披露目がなされる寛永寺境内、仁和寺塔下に舞台しつらえ。
  • ミスコンを凝視していた怪しの虚無僧を追ったお竜が囲まれピンチの竹林、鳥居本八幡宮小柴垣、広場。
  • 駒清が屋形船で殺されて見つかる大川端、広沢池東岸
  • 将軍の御成りは予定通りと申し渡される段、お城イメージに姫路城天守
  • 将軍を殺しに向かう虚無僧一味を、素浪人として叩っ斬るお奉行、放生池堤か。

*ミスコンに勝って父に人参を買おうとしていた花売り娘は佳奈晃子。息のかかった娘を将軍の側室にしてウハハを企んだ版元は須藤健、殺人担当の絵師は松橋登、グルの小町娘は湖条千秋。虚無僧のなりをして将軍暗殺を狙う尾張忍のリーダーは曽根晴美。


第39話 「女賞金稼ぎ!鬼薊のおりん」 1983  3

 タイトル通りの姐御が登場、江戸へ入った百両首を狙って奔走。彼女の身の上を聞いた金さんは、哀れさにホロリ。その涙を見たおりんは足を洗うと決心、ずっと傍にいてくれた男に応えるのだった。

ロケ地

  • おりんがむささびの常吉を斬る街道筋、酵素河川敷〜降り口の坂。設定は甲斐谷村代官領。
  • 集金帰りの油問屋が安五郎らに斬られる夜道、大覚寺大沢池畔。昼間の検分の絵もあり。
  • 岩熊に連れ出された両替商が殺されて見つかる川端、広沢池東岸

*おりんは木の実ナナ、相棒の三次は冷泉公裕。百両の賞金首・安五郎は和崎俊哉、彼を匿うものの欲をかいて裏切る口入屋・岩熊は小田部通麿で二足の草鞋。冒頭、おりんに始末される常吉は福本清三(ベタでクレジット)、三両首のもよう。おりんが賞金稼ぎになったきっかけの、ヤクザ宅に押し入った賊は峰蘭太郎。


第40話 「投げ縄おけい 私の過去をあばかないで!」 1983  54

 過去のある女は幸せを諦めかけるが、相手の男は真実を知っても怯まない。はじめから全てを知っていて手厚いケアをした金さんを、恋人たちは陰で拝んで江戸を去ってゆく。

ロケ地

  • 勤め先で昔の仲間の死体を見て飛び出したおけいに、過去を清算せよと促す金さん、下鴨神社泉川畔。
  • ひそかに昔仲間の寺男を訪ねるおけい、神光院本堂前の橋を庵のほうへ渡ってくる。爺さまの住まいは切り替えてセットで別撮り。後段、爺さまが吊られて見つかるのは本堂脇。
  • 江戸を離れるおけいと新次、下鴨神社参道

*おけいは永島暎子、幼くして殺し屋に仕立てられ、捕まって遠島ののちみごと更正という設定。しかし危機にはかねて用意の得物を出し切り抜ける場面があり、投げ縄の端つかんでキメるところはかっこイイ。恋人の板前は真夏竜、彼の雇い主でなかなか理解のある親爺は北見唯一、おけいが仲間のうちたった一人消息を知っていた寺男の爺さまは河合絃司。保身のため昔の手下を消してゆくおかしらは深江章喜、今の手下は黒部進。単に自堕落な女と見えて実は悪党の妾な旅籠の女将は三島ゆり子。


→ 遠山の金さん 表紙


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