桃太郎侍

第3話 「大名屋敷に鬼二匹」 1976.10.17

 お家の秘事を見てしまった植木屋が始末され、というよくある話。武士の体面を保つため外聞を憚り、無辜の民を始末に走り、結果無為の屍累々と積み上がる愚かさを描く「結束節」がツボ。
刃傷は二人の江戸家老の諍い、因は芸者の取り合い。その芸者・おりんを、つばめの知人にしてあるのも面白い。

大覚寺

ロケ地

  • 植久が仕事に入っている、赤坂南坂下の屋敷(藩名は詳らかにされず)、サブタイトルカバーの絵は大覚寺大門。イメージの縁先は不明。宗吉が庭の手入れをするシーンの背後の破風は大覚寺観月台のそれに似る。このあとセットにスイッチ。
  • 久兵ヱが遂に帰らなかった翌早暁、松戸の実家から戻る宗吉を街道筋に迎えに出る桃さんとおしま(久兵ヱの娘、宗吉の許婚者)北嵯峨農地竹林際。
  • 事のあらましを確かめた桃さん、くだんの藩の留守居役に面会を申し出るくだり、屋敷へ入った桃さんを案じて待つつばめたち、大覚寺大門(夜)。桃さんが出てきて、久兵ヱの死を告げて去ったあと、門を叩いて父を帰せと泣くおしまの姿が哀れ。
  • 父の墓に参るおしまと宗吉、二人を見てそっと立ち去る桃さん、招善寺墓地。導入は墓地全体を俯瞰、桃さんが去るシーンは墓地参道坂の上部(石段や塀などは映らず)

桃太郎/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 熊造/茶川一郎 おはる/玉川スミ 仙太/雷門ケン坊 おみよ/吉本眞由美 ちょろ髭/下之坊正道 おりん/岩井友見 井上文五郎/草薙幸二郎 小笠原帯刀/勝部演之 おしま/市地洋子 宗吉/中田博久 久兵ヱ/村上冬樹 吉川/剣持伴紀 北島/酒井哲 石田/渡辺清盛 若侍/小代研一 猿の伊之助/植木等

脚本/結束信二 監督/松尾正武

※ラス立ち二段構え、前段は防御するため小突いただけ、後段は問答無用のマジ斬り大量殺戮・真っ向割りで顔面血塗れのヒトも。
※帯刀を斬ったあと、桃さんが残った藩士にこれ以上の行為を諌めるくだり、顔を伏せる藩士の一人に福ちゃん・どアップ。


  → 桃太郎侍 表紙

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