矢橋帰帆島の汀

 内湖は琵琶湖の風景の特徴のひとつで、流入河川の河口に形成される静水域である。汀にはヨシ原が広がり、魚が卵を産みつけ鳥が巣をかける重要なハビタットとなる湿地である。大中の湖・津田江・木浜など各所で大規模な改変を受け失われつつあるが、ラムサール条約が効いて開発に歯止めがかかることを願う。

 矢橋帰帆島は近江八景のひとつで帆掛け舟の白が青い湖水に映えるさまを愛でたものだが、湖東の米出荷基地として栄えた矢橋港も昔日の面影は全く無い。現在ある矢橋帰帆島はゴミ処理施設を埋め立ててできた人工島で、浄化センターをはじめとする諸施設が乗っかっている。

 帰帆島の東側は広い水路状になっているが、ところどころの汀にかつての琵琶湖畔の風景を偲ばせる湿地が形成されている。

 柳の根方、ヨシ原に濃密な生き物の気配がする。バス釣りもいっぱい出るが。

撮影日 2002.3.31  滋賀県草津市矢橋町


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