番川

大阪湾流入河川 ☆番川水系二級河川 訓:ばんがわ

 大阪府泉南郡岬町淡輪地区を流れる、大阪湾に注ぐ川。
岬町淡輪畑の和歌山市園部との境の札立山(349m)北麓付近に発し北流、別所の台団地付近で山から出て向きを北西に振り、淡輪漁港のすぐ西で大阪湾に注ぐ。起点は岬町淡輪畑の本谷川合流点。全長約3km。
 淡輪地区の平地は番川が運んだ土砂によって造られた三角州である。地図で見るときれいなデルタが海に突き出しているのがよく判る。
また、府下の河川中でも水質の良さで知られている。

■ 上流

 上流部はほぼ山峡を流れる。谷筋にところどころごく狭い盆地を造る。川は岩盤を削って流れてゆく。
河床には大きめの石がごろごろ転がっている。
上流域の植生は照葉樹を中心とした混交林で、生物相を豊かなものにしている。

淡輪16区 左は上流、右は下流方向を見る
岩がちの河床 右岸の山のガレ場

■ 中流

 国道26号をくぐる頃には川幅を太くし、水量も増す。河床には草が生い茂る。その草の中に不法投棄の家電品などが見えるのは残念である。
この川の中流域には初期大和王朝の古墳が散在する。二つの巨大古墳が川を挟んで二基残されている。中でも宇度墓古墳と称される一つは垂仁帝の謎の第一皇子・五十瓊敷入彦命(イニシキリヒコ)の陵とされるもので、海上交通の要衝として重要な地域であったことがうかがわれる。

国道26号田身輪橋下 左は上流、右は下流方向を見る
左写真奥の橋が田身輪橋

■ 下流・河口

 最後の橋が架かる付近は既に汽水域である。河床には塩水性の植物が茂る。堤は防潮堤で、高い。
河口は現在砂を積み上げて閉鎖してある(何の意味かは不明)。川側の水を舐めてみると僅かに塩気が感じられた。

最下流の橋・古田橋から 左は上流、右は下流方向を見る
河口の堤防・左岸汀から 河口左岸汀
閉鎖されている河口部  写真左の奥は海

■ 河口付近の海

 河口左岸側には玉石の浜が広がる。遠くに半島状に突き出して見えるのは岬公園が乗る長崎。この下の海岸・長松海岸は自然の海岸だが、番川河口に広がるこの玉石の浜は、整然とし過ぎの石を見るとどうも再生された人口海浜のようである(未確認)

河口左岸の汀
右岸はテトラポットで覆われる
河口左岸側の浜
遠景は岬公園
左岸側浜の汀

■ 淡輪漁港

 新鮮な前浜の魚を水揚げする港はまた波止釣りのスポットで、突堤には多数の釣り人が張り付いている。
ガシラやメバルなどの魚も釣れるという。

淡輪漁港

撮影日 2002/11/24


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