近木川

大阪湾流入河川  近木川水系二級河川 訓:こぎがわ
近木川支流 ・秬谷川

 大阪府貝塚市を流れる、大阪湾に注ぐ川。
貝塚市南部境の和泉山地・高城山(649m)麓に発し北西流、貝塚市中央部を貫流し二色ノ浜で大阪湾に注ぐ。
起点は貝塚市蕎原(そぶら)。全長約15km、別訓:ちかぎがわ。

■ 上流

貝塚市蕎原

蕎原の里から葛城の山なみ 近木川の源は左写真の葛城山から来る。麓には蕎原の里があり、川沿いに棚田が作り出される。
山はブナの南限で、天然記念物指定を受けている。河畔にも豊かな林が繁り、一枚岩を噛む瀬に覆い被さる。
水間さんの奥にある里はまた、和泉層群の露頭からアンモナイト等白亜紀の化石が出ることでも知られる。
流水は小魚を抱いて澄み、緑濃い里には野鳥の声が響く。

貝塚市水間 水間観音脇

水間寺 阪和道をくぐり国道170号旧道をくぐった川は、古刹・水間寺の脇へ出て寺域の北で秬谷川と合流する。
寺は落合の巌頭部に位置し、寺名も合流点であることに由来する。
両川とも岩盤を削る渓流で、落合は聖地とされている。ここは川が山から出る谷口でもある。
水間寺は聖観音を祀る天台の寺で、行基の開基と伝える。厄除けの観音さんとして広く信仰され、境内には歌舞伎で知られる「お夏清十郎」の愛染堂がある。寺の裏には自然公園があり、市民の良き憩いの場となっている。

■ 中流

貝塚市名越 千石橋から 左上流、右下流望

 水間から清児あたりまでは、丘陵地に谷を削って流下する。蛇行が激しい。
建て込んだところでは崖が整備されているが、竹等から成る河畔林も豊か。
中流ではよく砂を流し、ごく浅い。
川中にはサギ等の水鳥が見られる。

貝塚市橋本 福永橋から 左上流、右下流望
右写真の橋は30号大阪和泉泉南線

 和泉橋本駅付近では、流域は都市部となる。
川幅はかなり広がり、水量も増すが同時に汚濁も目立ちだす。
河畔林は豊かで、汀にもよく草が繁る。
上写真地点は根来衆の砦・積善城があったところ。
ここには熊野街道も通じており、交通・軍事の要衝であった。

■ 下流

府道204号堺阪南線近木川橋から  左は上流、右は下流方向を見る
左写真の橋は南海本線   貝塚市脇浜・浦田境

 中流部からはじまった汚濁は、下流部ではかなり強い濁りとなる。
河畔にはよく草が茂る。

■ 河口

貝塚市二色・澤境
左上/脇浜潮騒橋から上流望
左下/右岸埋立地から河口望 橋は上が湾岸線、下が潮騒橋
右/潮騒橋から河口望 橋梁は湾岸線

 この川は河口部に三角州をつくる。今も河口には運んできた土砂が州を形成している。
脇浜潮騒橋は公園内の歩道橋、最後に高速道路の湾岸線が架かる。

■ 海

二色浜 北望 右岸側の砂浜
右岸側埋立地の公園 関西国際空港

 左岸側には二色浜海水浴場がある。右岸側にも小さな砂浜がある。
河口州にはたくさんの水鳥が群れている。
右岸側には大規模な埋立地があり、水際は公園として整備されている。
沖には関西国際空港が望まれる。


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