川を訪ねる旅

鯖街道

■  2.小浜 魚と名水  ■

 日本海に面した福井県小浜市は古来より異国文化の上陸するところであり、当時の都であった奈良・京都とのゆかりも深く、古社寺も多い。
また、慶長年間に京極氏によって開かれた城下町でもあり、幕末、安政の大獄に斃れた志士・梅田雲浜を輩出した酒井氏10万石の文化的な町であった。

 左は小浜港。奇勝・蘇洞門(そとも)めぐりの観光船船着場付近。

2-1 

 小浜漁港新港の埋立地に「若狭フィッシャーマンズワーフ」を訪ねる。特産の海産物を山ほど売っている。駐車場には手に手にアイスボックスを持った人が行き交う。
ここで名産の「焼き鯖」を求め、昼食をとる。若狭カレイの焼き物・鯖の味噌煮・鯖寿司、美味。鯖寿司の肉厚さには脱帽。

若狭フィッシャーマンズワーフ 焼き鯖

 焼き鯖は生のサバを長時間かけて丁寧にじっくり焼き上げたもので、脂が適度に落ち身はしっとり柔らかくあっさりした絶品。


2-2  名水

 かつての城下町の名残・小浜城を見上げる入り江のそばに位置する小浜市一番町は地下水の豊富なところで、昔は家々に自噴井があったという。
今も24号小浜上中線沿いの道路脇には「雲城水」がこんこんと湧いている。

雲城水 道すがら喉を湿す人も 湧き口
道沿いの小さな林の中に湧き出す ここまで海に近い場所に真水が湧く不思議

 この「雲城水」のほど近くに老舗の菓子店「伊勢屋」があり、店先には湧水を導いた水場がしつらえられ、名物の「水まんじゅう」を盛った器が冷やされている。店で供される際には湧水も一緒に出してくれる。
酷暑の折から、冷菓を求める客が次々とやって来る。水はこの店の駐車場の脇からも湧き出している。
 水まんじゅうとはふるふるに仕上げた葛餅で、特産の良質の熊川葛を用いごく淡い味の漉し餡を包んだもの。福井県一帯には冬限定の名物の水羊羹があるが、それに通じる絶妙の逸品である。

湧水で冷やされる水まんじゅう 作るそばからケースに盛られ、売れてゆく

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撮影地  福井県小浜市川崎、一番町         撮影日  2001.8.14


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