川を訪ねる旅

竜鎮渓谷

− 竜鎮の滝 −

山道から滝を見下ろす 対岸の祠 竜鎮神社入口の鳥居 県設置の看板

 渓谷沿いの山道に入ってほどなく竜鎮の滝に出会う。
ゴルジュから落ちる一筋の流れが深いポットホールを穿ち、清冽な水を湛えている。滝壺は陽をはじいてエメラルドグリーンに輝き、底まではっきり見通せるほど澄んでいる。
 流れを挟んで対岸には祠があり、竜神への崇敬がうかがわれる。境内には「竜のなんとか」と名付けられた奇勝が点在する。岩を穿つ水流の妙に人々が神秘を感じたであろうことは疑いない。

竜鎮の滝 滝下の渓流
滝上のゴルジュ 滝壺
主瀑下の段瀑 滝下の甌穴

 竜鎮の滝はさほど水量の多いものではない。よって水は激しく岩を跳ねず滝上では細いゴルジュを岩盤に穿ち、そのまま滝壺へ落ちてゆく。
滝壺は甌穴であると言ってよい。まるく滑らかに削られたそこに清澄な水が湛えられ、折からの落ち葉が絶妙のアクセサリーとなっていた。
 滝壺から出た水はゆるく段を刻み、河床に二個所の大きなポットホールを造り流れてゆく。一枚岩を削る見事なものである。


 昼なお暗い滝をあとに山道へ戻る。
この先もずっと深谷川の流れに沿って遡ってゆくことになる。

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