飛鳥川  上流  明日香村稲淵


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稲淵 神奈橋下付近
稲淵 関大飛鳥文化研前 落ち葉を沈め澄む淵

 栢森との境の狭隘部を抜けた川は、また開けた谷に出る。
稲淵は「南淵」からの転訛ともいい、ゆえに、この付近の飛鳥川を南淵川と称する例もある(別綴・南渕)
里には隋で学問を修め中大兄皇子らに道を説いた南淵請安の墓が残されている。請安は南淵の朝風(平田峠下、左岸側)に庵を結んだとされるが、この付近には帰化人が多く住んだとも伝わり、そのさまを朝風千軒と称したという。
川相は、まだ大きめの石が転がる浅瀬と淵とを繰り返す。

 稲淵の里は右岸側の高台にあり、宅地の下には棚田が作られる。旧道の細い道も高台にある(←写真右)
棚田の収穫後の積み藁(←写真左)は良き被写体となり、三脚を立ててじっくり撮影の向きもよく見かける。

稲淵の谷 ↑堰堤と石橋

 稲淵の中心部では、川は谷底平野の端っこを行く部分もあり、ここでは川面は鬱蒼と茂った木々に覆われる。
里の下あたりでは万葉歌に詠まれた「石橋」が残されていて、傍らには歌碑も建っている。
堰堤は石造りの古風なものが多く見られる。

神所橋 ↑橋下の流れと男綱

 稲淵の北部、バイパスと旧道が会う付近に架かる神所橋上には、勧請縄の男綱が掛かっている。
栢森の女綱と同様里の入口を守る悪疫除けの古習で、こちらは陽物がシンボライズされている。
綱は年に一度架け替えられる。行事は松の内に行われ、最近では観光客の参加も見られる。
河床には一枚岩もあり、激つ瀬と深い淵が見られる。


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