鵜飼のウ

鵜船 喜撰橋

 平安の昔から宇治では鵜飼が行われ、古典にも平安貴族が船を出して遊んだという記述が散見されます。
今も宇治では夏に鵜飼が行われ、観光客の目を楽しませています。
しかし風流と縁の無い身、夜に宇治に遊ぶなどという粋な真似はしたことがないので今まで何度も宇治を訪ねていながらウの姿を見ることもありませんでした(カワウなら見ていますが)。
夏の一日、木津川流れ橋の下で川遊びの帰りに時間が余ったので茶そばと抹茶ソフト目当てで宇治を訪問した折、中州の塔の島のトイレの向こうに網を張った小屋を発見。ぐぇっぐぇっと鳴き声、いましたいました鵜飼のウ。小屋の脇にはウを入れる竹篭もあります。北の海辺に行かねば見られないウミウをしかもこんな間近に見られることはあまりありませんから早速撮影。

 青い目、噛まれたら痛そうな鋭い嘴、くねくねと伸縮自在の首、とぼけた横顔がなかなか可愛い鳥です。
鵜飼に使うこのウはそのへんにいるカワウとは違うウミウです。茨城県の十王町で捕獲されます。以前テレビでその捕獲の様子を見ましたが、断崖に設けられた目隠し塀の下から崖にとまっているウを引きずり込むという荒っぽいもので、しかしすぐ隣にとまっているウは仲間が捕まって引きずり込まれたのに気付かず平然としていたのを見て大笑いしたのを覚えています。気付かなかったのではなく平気なのかも知れませんが。一度その碁石ケ浦の「鵜の岬」に行ってみたいものです。

 夜にお仕事なのだから休んでいればいいのに、小屋の中ではばさばさと飛び違い水槽に潜りと騒がしいウミウたち。潜ったらまた羽を丁寧に乾かさないといけないのに…乾いたらまた潜るし。
眺めていると彼らが活躍する鵜飼を見たくなりました。

撮影日 2002/8/12 京都府宇治市・宇治公園


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