枳殻邸は京都市街地にある庭園で、広い池と明るい林があります。
池には渡りのカモが入り、林間には無数の小鳥がすだいています。
京都も年々緑が失われるなか、鳥たちのサンクチュアリとして貴重な空間です。
夏には河原町通りに面した林でサギの繁殖があると人づてに聞きましたが、これはちょっとヤバいかも知れません。
今回は池の水鳥たちに会ってきました。
裏手の中島に立つアオサギ |
都市鳥たちはほんとうによく「人」を見ています。枳殻邸の池でも、カモたちは人を恐れるふうもなく、個体によってはすーっと寄ってきて餌をくれないとわかるとすーっと帰ってゆくなど、慣れきっています。しかしサギ類などは決して慣れず、人と距離をとっているか或いは人の容易に近づけないポイントを選んで立っています。
カモにとって都市は猟が禁じられているうえ、最近は餌をやって喜ぶ向きが多いのでほぼパラダイスのようです。サギ類にとっても狩猟対象となることのない都市部は安全ではあるものの、その生態ゆえいつ何時害鳥として駆除対象になるか知れない微妙な雰囲気です。そのことを知ってか或いは本能か、サギたちはカモたちとは違った「人との距離」を持っているようです。
オナガガモ雄 | ヒドリガモ雄 |
マガモつがい | オナガガモつがい |
この日、カモは三種が入っていました。オナガとマガモはカップリング中、しかしヒドリは雄が一羽だけ。ピゥーと鳴く声もこころなしか淋しげに響きます。
マガモは雄雌の数が不均衡なのか、激しく雌の取り合いをしていました。
芝地のキジバト |
芝地ではキジバトが人の歩く足元で丸まっています。踏みそうな距離でも逃げません。ドバト並みになってきたのかなと思います。
カメラを向けると嫌そうに羽で顔を隠す、と見えたのは羽を伸ばしているだけでした。ちょっと安心しすぎです。
撮影日 2002/12/15 京都市下京区