木津川が峡谷を抜け、みかの原へ出て行こうとする手前、伊勢街道と信楽道の別れとなる地に清水が湧いている。井平尾という地名も、この二つの井に因む。 かつて街道を往来する旅人の喉を潤した水は、地域の人々によって大切に守られてきた。 満々と湛えられた水は溢れ、和束川へと落ちてゆく。 |
樫の井 | 柏の井 |
樫の井の水槽 | 柏の井の湧き口 |
利用度の高さをうかがわせる作りの水槽に導かれる清水は、上下ふたつある。樫の井のすぐ南に柏の井、樫の井はパイプで導かれ、柏の井は崖下からじわじわと浸出していて、屋形が設けられている。 いただいたところ、樫の井のほうが幾分まろやかで、こなれたふうに感じられた。 水槽はけっこう深いのに底までくっきり見通せる清冽さ。 |
樫の井へ降りる坂 | 春日神社 | 伊勢街道の交差点 |
井のある場所は、国道の崖下となる。樫の井のほうへは、国道から降りられるよう階段がついている。国道は伊賀へ抜ける道で、頻繁に車が走り抜ける。 井の脇には春日神社があり、境内には巨木が天を突く。付近は、京都の自然200選に指定されている。 |
撮影日 2003/10/5 京都府相楽郡加茂町井平尾