関東から西に多く、九州・四国のある地域ではタンポポといえば<これしか見たことのない人もいるとか。多年草で学名 Taraxacum aibidum 。水道局の敷地内にまばらに生えていたタンポポのうち二割くらいが白花でした。根方にはオオイヌノフグリが青い花をつけていました。黄色い花のタンポポはセイヨウタンポポのようです。
春を実感する植物というと爛漫の桜花、という方が多いでしょうが、私は道端や川原にいちどきに萌え出す草花に春を実感することが多いようです。むせかえるような青草のにおいとともに可憐な小さな花をつけるオオイヌノフグリ・ホトケノザなどの草丈の低い雑草に会えるのを例年楽しみとしています。
いわゆるペンペン草。暖かくなるといつの間にか生えているアブラナ科の草。瓦に詰まった僅かな泥にも生えます。しばらく屋根に登っていないのでウチにも生えているかも。
垣根の下からこぼれ咲く星型の白花。原産地はアルゼンチンで、日本には明治中頃に欧州を経由して伝わったといいます。このユリ科の球根はよほど頑健なようで、花の時期にはあちこちで顔を覗かせています。最近はやりの小道具で飾り立てた、こじゃれたガーデニングの庭より、下町のおばちゃんが昔から植えている無秩序な軒先の鉢植えの隙間から生えているのをよく見ます。
このような路地に植えられた植物を煩わしいと嫌うドライバーもいます。確かに角地だと曲りにくいし、ここ道じゃないの勝手に物置いたりしないでよという意見もありますが、別の見方をすれば、このような人の最小単位の生活圏に車がずかずか入るのもいかがなものかと思います。家がびっしり建て込み、道もアスファルトで固められた都市という環境ではこのようなささやかな緑が野鳥のオアシスとなっている事実もあり、四角四面な理屈でばっさり切り捨ててしまってはならないように感じます。世代間の価値観の相違もあるだろうし、難しいですね。 撮影日 2001.4.1 撮影地 大阪府東大阪市 |