東福寺のコルチカム

 京都・東山の古刹、東福寺の北大門脇の植え込みにひっそり咲いていたコルチカムのひと群れ。和名はイヌサフラン。
彼岸花などと同じく葉見ず花見ずの球根性植物です。花はサフランに酷似しますが、サフランはクロッカスなどと同様アヤメ科、これはユリ科の全く違うもので、ゆえに「犬」の名がついたものと思われます。鱗茎からはアルカロイドを含むコルヒチンという痛風の薬がとれます。
原産地のアルメニアの古都コルキスが花名の由来とされます。

 寺の植え込みのなかにぽっと明かりを灯したように、そこだけ異空間を形成していました。
机の上に転がしておくだけで開花する球根ですから、誰かが落としていったものが根付いたのかも知れません。
 禅の古刹にはおよそ不似合いの明るい淡いピンク、何かくすぐったいような嬉しい出会いでした。

撮影日 2002/10/13 京都市東山区本町、東福寺境内


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