その木は大阪の繁華街の中の駐車場に生えていました。
正確には駐車場の塀と建物の間の人が一人入れるかどうかという狭い空間から無茶な生え方をしているのです。
コンクリートブロックの塀はこの木が伸びたためにたわみ、駐車場側に傾いています。崩れる危険性もありそうです。
この木の存在に気づいたのはもう四、五年前になるでしょうか。
せいぜい建物の二階に届く程度の高さだった木は大木と呼んでいいほどの高さに育っています。
これほど大きな木なのに道行く人でこれに関心を払う人はほとんどいません。木のすぐ傍の駐車スペースを借りているRV車の持ち主は気にしているでしょうが。
キリの実を食べたヒヨドリなどの鳥が偶然ここに播種することになったと思われますが、少し行けば日本橋の電気街や黒門市場、ミナミの繁華街もほど近いこのような場所に大木が育つのは珍しいことと言わねばなりません。
ここまでは看過してくれているここの方々も、塀を壊すようでは危険なのでいずれ伐採ということになるでしょうが、このところ日本橋の電気街への行き帰りにこのキリと会うのが楽しみです。
建物と塀の隙間から伸びるキリ | 駐車場から見たキリ RV車、危うし |
元気よく葉を茂らせるキリ 下から見上げる
撮影地 大阪市中央区難波千日前 酒井精肉店横(堺筋西側) 撮影日 2001.6.17