広大な奈良公園の、春日大社参道の南に広がる芝地が飛火野です。
観光シーズンには思い思いに春日野に遊ぶ人でいっぱいになりますが、お水取り前の冬ざれの野には人はまばらで、鹿のほうが多いくらいでした。
なだらかな丘陵となっている飛火野の中でひときわ目を引く大樹、日立のコマーシャルの「この木なんの木」のモンキーポッドの木にも似た枝の広がりが見事です。奈良公園には他にもいろいろ大樹がありますが、孤立木は少なく、この木は飛火野の象徴とも言えるでしょう。
大昔から生えているような風格ですが、この木は明治41年の陸軍大演習の際、明治天皇が飛火野で休まれた御座所を記念して植えられたものです。それを記した碑が樹下に立っています。
鹿が樹皮を食べないように木の回りには柵が巡らされています。根方を見ると、三本の木が左右に広がって伸びているのがわかります。
大クスの幹
大クスを西側の雪消の沢付近から見たもの。背後の山は春日山。
撮影日 2001.2.25 奈良県奈良市