川を訪ねる旅

三川合流

− 橋本・樟葉の河川敷から −

府道13号の走る淀堤(枚方市樟葉) 淀川河川敷のヨシ原

 淀川の左岸堤上を府道13号京都守口線が走る。これは旧京街道で、鳥羽伏見の戦いの場ともなったところ。例の官軍の歌にも地名が織り込まれている。
この道の大阪府枚方市と京都府八幡市の境付近にある信号「樟葉中ノ芝2丁目」のそばに河川敷に下りる工事車両の入口がある。ここをまっすぐ川に下りると、宇治川と桂川の合流が望まれる。河原は重機でならした跡があり、怪獣の背のようで歩きにくい。

宇治川・桂川合流 対岸の天王山

 川面は晴天の空を映しあざといくらい青い。上の写真の砂州の向こうが桂川。背割堤と砂州の間が少し切れている。
今日のお目当て・宇治川と木津川の合流へ汀伝いに行こうとするがヨシに阻まれる。一旦堤に戻り堤下を上流に向かって少し行くと、丈高く繁ったヨシの間に何本か踏み分け道がついている。人が行き来しているのか獣道かも定かではない。

ヨシ原

 こういう場所によく死体遺棄なんかあるんだよな、と思いつつ顔や手を切らないように留意しつつ進むと、藪の中からは無数の小鳥たちの声が聞こえてくる。ウグイスのまだ下手な囀りが聞こえる。季節に先駆けて鳥たちは繁殖期を迎えている。そうこうするうちにヨシの間から水面が見えてくる。

宇治川・木津川合流 木津川の作る砂州
砂州の終わり・対岸は桂川との背割堤 宇治川・木津川背割堤の端

 こうして両川の合流を見ると、川相の違いがよくわかる。宇治は深いが木津のほうはどうかすると歩いて渡れそうである。決定的な差は流送土砂で、木津は派手に白砂を押し流しているが宇治にはさほど見られない。合流に際して木津は大きな長い砂州をいくつか形成している。

宇治と木津の水が混じる 木津川の汀
木津河原の鳥の足跡 合流後の宇治川

 両川とも思ったより流れは速い。砂州の先では宇治川の水と木津川の水が混じりあうさまが見られる。
木津河原の砂の上には獣の足跡や鳥の足跡が無数に刻まれている。
 人の姿も全く見られず、悠然と合わさってゆく大河を眺めるのはまことに気分のよいものであるが、上に幾つものダムがあることを考えるとのんびりキャンプというのは危険だろう。こんなところで流された日には淀川大堰あたりまで一気に行ってしまいかねない。

撮影 2002.2.24 大阪府枚方市樟葉〜八幡市橋本


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