■ 高取川を遡る ■
吉備川を撮ったあと、地図を見ていた相方が高取川へは行かないのかここからすぐだとそそのかすので、国道169号鶉町交差点から高取町下子島の古い市街へ入る。とたんに道に迷う。一方通行に入ってしまったうえに左右の路地は狭くてどこへも行けない。しまいに吉野へ行く道が見えてきてしまう。こんな田舎道でなんで一通なのよ、という感じだが、飛鳥から吉野への道はよく混むので、高取の古い狭い路地を抜け道に使う者がいるせいかも知れない。
仕方なく169へ戻り、大回りして高取町南部・上子島地区へ。高取川沿いの道を行く。高取山に近づくに従って川は細くなってゆく。と、いきなり谷が開け出現したのはこれ ↓
砂防ダムのひとつくらいは驚かない。しかし砂防堰堤の下にこんなものが作られていて、なにやら岩を敷き詰めた水路には表流水すら無いとは。つらつら水路の仕様を見るに、大き目の切石を敷いた下にはちょろちょろと水がわずかに流れている。そして水は怪しの青いホースから放たれているではないか。右写真中央に見えるのがそれである。そして考えるに、切石の下はコンクリート三面張りの例の奴と推測される。
工事の人がいたから、まだ作り中なのだろうが、どうもいただけない。苦労して上がってきて(勝手に上がっていったのだが)これは情けなかった。
溜息をつきながら車をUターンさせ来た道を戻る。帰路、この砂防ダム公園のすぐ下で往路には気づかなかった水車小屋跡を発見。
高取川に流れ込む小さな谷水を利用していたものと思われる。谷が涸れたからか、需要が無くなったからかは判らないが、ご覧の通り今は使われていない。使用目的はここが高取だということを考えると、漢方薬製造に用いた粉砕用の水車かとも思われる。近年、水車は現役のものはもちろん、跡形すら無くなっているものが多いので、朽ち果てる前に見られてラッキーだった。
ここで時計を見ると2時過ぎ。急に腹が減ってきたので国道に取って返し、とあるお好み焼き屋に入る。あまり期待していなかったが案に相違して美味い。そういえば奈良でハズレの食い物にあたったことは無い。粉モノを食わせておけば上機嫌の大阪者はご満悦なのであった。
撮影日 2001.4.22