時代劇拝見日記
2003年4月

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2003/4/30

■ 暴れん坊将軍IV 第52話「誇り高き逃亡者!」1991-1992ANB/東映

 竹馬の友にして娘の舅となる勘定吟味役を斬って脱藩し仇と追われる老武士、離縁される娘、敵討ちを迫られる婿。三者の苦悩が描かれ、娘が城代家老に拉致されるに及び勘定方を巻き込んでの城代の公金横領が明るみに出る。藩邸で危機一髪の場面には幔幕をばさっと落とし上様登場。
 ロケ地、娘に刃傷の原因聞かれ酒のうえでの喧嘩と繕う父、南禅寺三門。城代が佐倉より出府の街道筋、山室堤道。冒頭OPの伊右衛門がゆく道もラスト僧形の彼がゆく道も同所。佐倉藩邸付近で城代の駕籠に斬り込む伊右衛門、黒谷塔頭道真如堂境内。志保が額づく芝の神社の祠、今宮神社稲荷社。佐倉藩士に拉致される、同合祀摂社前。江戸城庭、二条城清流園
*上様、ラス立ちの際最初にかかってきたのを殴り倒し、倒れた背中をぎゅっと踏んで刀を抜きポーズ決める。なんか笑える。

■ 新必殺仕置人 第33話「幽霊無用」1977.9.2ABC/松竹

 御船蔵番人の娘婿・伊之助が黄金の金具を偽物とすり替え闇で捌き大儲け、船奉行も一枚噛んでいる。この作業を糊塗するのに幽霊騒ぎを仕込む。船蔵へ女を連れ込んだ正八は「伊豆へ行こうー」と響く不気味な「亡霊」の声に脅えまくり。調べに来た主水に渡した袖の下が大金だったことから所業はバレはじめ、遂に舅を殺すに至る。父の死を見たお糸は夫が投げて寄越した金をとらの会へ。
仕置の際には見届けるとの言葉通り、隣室で仕掛ける気配にも内職の手を止めずのお糸のシルエットが怖い。鉄の手がそれに重なり現れるのも秀逸なビジュアル。
*屋根の男、幽霊見たと脅える正八の顔に赤褌を落とし、屋根の上でフリチン。
2003/4/29

■ 暴れん坊将軍IV 第51話「鳩笛慕情!姫君の供は将軍さま」1991-1992ANB/東映

 新さんが釣りに出た先で拾った娘は公家の西小路桜子、津軽藩正室の姉を案じて出府したもの。お転婆の桜子に振り回される新さん、津軽藩の後嗣巡る騒動に介入。
 ロケ地、釣りの新さんが桜子を刺客から守る、広沢池畔。桜子の叔母の尼僧の東光院、梅宮大社神苑。江戸城の庭、二条城清流園。桜子を江戸見物させる芝の八幡さまの縁日、真如堂(参道坂・本堂・水場)。津軽藩主逝去を知らせる早馬が走る、嵐山自転車道。桜子と遠乗りの新さん、木津河原

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖
  第二話「狙われた千人の命!!初恋の男に哀しき天罰」2003.4.28ANB/東映

 湯島中町で白昼大勢の人がばたばたと倒れ苦しむが原因不明という、どこかで聞いたような事件が勃発。紅の息子も被害に遭う。運び込まれた寺で「霊水」を貰うと不思議に回復、しかしこれのため紅の夫は刀を売り払ってお布施をしていたのだった。
一方、酷似の事件で家族を亡くした村娘が江戸で始末されるが、今わの際の「天罰を」との願いを元締が受け取っていた。調査に入る天罰屋チーム、息子の看病のためツナギに現れない紅だが別方面から核心に迫る。結果明らかになったのは事件当日に紅が再会した幼馴染の男が計画した毒を撒いたあと解毒剤を餌に大儲けという悪企みだった。
 ロケ地、解毒剤の霊水を配り大金を毟る尼僧の寺、不明。元締にツナギ欠席の詫びを入れる紅、仁和寺手水場付近。

■ 必殺渡し人 第12話「秋雨の中で渡します」1983.10.14ABC/松竹

 大奥へ上がることとなった大黒屋の娘、これと関係のあった男が次々と消される。忍の患者で、やっと子を授かったと喜んでいた夫婦も惨殺される。
相手が大奥と知りつつ渡しを受けるチーム、事後散ることを期して大黒屋親子に仕掛ける。
その帰途、忍の前に大奥から依頼を受けて男たちを始末した外道の殺し屋が立ち塞がる。その男はかつて忍の恋人だった医師、難病克服の資金作りと己を正当化する男に一人立ち向かう忍、その夜のうちにチームは江戸を去り「けもの狩りに出会う道」へ。
道連れにできず愛妻を捨て置く惣太、夫も隣家の友人夫婦も雇い主の忍も消え夢だと泣くお直が哀れ。
2003/4/28

■ 暴れん坊将軍IV 第50話「非情の掟!激突、父と子」1991-1992ANB/東映

 御三家の要人が次々襲われ横死、「全国に」吉宗が御三家を取り潰そうとして庭番を派遣しているのだという噂が立つ。暴将では上様に対する陰謀は尾張と相場が決まっているが、今回宗春くんはなんにも知らなくて尾張藩の要人。富山藩江戸家老と結託していて、全国に噂を広めたのは富山の薬売りネットワークという設定。ふつうの薬売りと別に組織された忍者みたいな地下組織で、この一味の一人が尾張のお土居下衆の息子だったことで悲劇が起きる。
父はかつて掟に従い泣く泣く妻を斬り、赤子は妻の最後の頼みで難を免れたがそのまま生き別れ、憎悪と後悔の二十年を過ごした父子が和解したのは父の死の間際だった。
 ロケ地、尾張藩上屋敷、妙心寺(玉鳳院を放生池越しに見たショット/門に涅槃堂/駕籠行列のシーンに東海庵付近)。尾張の駕籠を付け狙いお土居下衆に囲まれる神明組の弥吉、仁和寺塀九所明神(塀に手裏剣刺さるシーンあり)。訪ねてきたお里と話す弥吉、仁和寺塔前。事態について図る上様トリオ、二条城清流園池畔。ラスト逍遥の堀端は二条城内濠松並木下。
*ラス立ちに福ちゃん発見、尾張の侍。

■ 新必殺仕置人 第32話「阿呆無用」補遺

 阿波のおみつの家、例の「庄屋屋敷」、ここも未だ不明。鉄がゆく街道筋、罧原堤っぽいけど確証なし…木の影見えるような気するけど。渦潮はもちろん、阿波踊りのシーンは現地撮りだろうな、あの人数京都へ連れて来るのタイヘン。
 屋根の男、阿波から江戸へ切り替わるところで「そして三年」のアイキャッチ。
 鉄、松っぁんから小銭掠めるのに小屋根に上がって木切れで作った道具使い引き上げようとする…照れ隠しに人殴るし。
2003/4/26

■ 暴れん坊将軍IV 第49話「みちのく純愛行進曲!」1991-1992ANB/東映

 南部から江戸に嫁を探しに来た炭焼きの平吉は縁日の雑踏でいきなり女スリに遭うが、その女を「めんこい」と惚れ込んでしまい、周囲が止めるのも聞かずまとわりつく。女スリ・お甲には情夫がおり、これがとんでもない悪党・夜鴉の伝兵衛。こいつが火盗改と組んで凶行を繰り返す。
そのうち、怪しまれぬため人身御供を立てようと画策の一味は平吉に目をつけ、お甲に手管を使わせハメる。お甲との約束と火盗改の責め問いにも頑として口を割らぬ平吉の態度を新さんに聞かされた女心はほだされ、火盗改に自訴して出るお甲だがそこは一味の巣。平吉と二人して始末されかかるところへ正義の扇が飛んでくる。
 ロケ地、平吉がお甲と出会う縁日、仁和寺(塔前、参道、中門)。お甲に呼び出され足を洗う話を聞かされる平吉、大覚寺放生池堤・護摩堂。事後、お甲を連れ故郷に帰る平吉、嵐山自転車道。お城の庭で今回の経緯語る上様と田之倉、嫁の話持ち出される、二条城清流園

■ 新必殺仕置人 第31話「牢獄無用」1977.8.19ABC/松竹

 禁制品取り扱いのかどで欠所のうえ死罪となる鳴海屋、残された娘はとらの会に依頼、ターゲットは偽証の船頭頭・十郎太、付句あり。
標的の十郎太が牢内にいることから巳代松が潜入、しかしこの牢でとんでもない大騒ぎが持ち上がる。病身の奉行を人質に立てこもる十郎太たち、様々な策を用い解決に当たる奉行所の企みはなぜか悉く失敗する。また、この騒ぎのため市中の警戒が薄れた隙に両替商が次々と押し込みに入られる。この背後には回船問屋・渡海屋と筆頭与力・高岡がいた。十郎太と密かにツナギをとり奉行所の計画を漏らす高岡、松は密書を入手し主水にツナぐ。囚人が解放され混乱するなか、仕置人たちがワルの背後に忍び寄る。
 ロケ地、小伝馬町牢屋敷近くでおていとツナギの主水、大覚寺勅使門橋。これを見る戦慄コンビ、大覚寺参道橋
*高岡刑部に今井健二、凶悪な態度が見物。牢内で進行する仕立てもなかなか。*屋根の男は連絡無いのに焦れた鉄が垂れ下がる赤褌を引っ張り、落とされる。正八がどないしたんと尋ねるのに「落ちたー」。*松を牢に残したまま始動するチーム、正八が松っぁん死んだらこれでと竹鉄砲持って構えるのを戸口に立ってからかう鉄の仕草が面白い。*牢から出た松っぁんは正八の着物を脱がせ囚人服と替えるが、みごとに寸足らずなのが笑える。
2003/4/25

■ 暴れん坊将軍IV 第48話「剣鬼が走る!江戸の闇」1991-1992ANB/東映

 縄張り争いでいがみ合う口入屋、丁子屋と千成屋。双方とも外様の雄藩をバックにしたい放題、抗争は激化する。
ここに娘の仇と道場破りを生業とする浪士・月形呂久平に千成屋の殲滅を依頼する商家の女将あり、苦界に身を沈めたわが娘のため金を貰い受ける月形。あらかた始末し後金を貰う段になってこれが丁子屋の仕組んだ大騙りと判明、月形は毒殺されてしまう。遊里の月形の娘は父の異変を感じ(ニュータイプか)自死を遂げる。
月形浪人と関わり、後金を貰いにゆく月形を忠相から逃がしてやった新さん、遊里に残された娘の気遣いに感謝との文を読み、風花散る町を復讐のため丁子屋へ向かう(朝右衛門つき)
 ロケ地、冒頭市中で抗争の丁子屋と千成屋の若い衆、大覚寺有栖川御殿川。川から上がって縁日でも抗争は心経宝塔前。千成屋を襲う月形を諭す朝右衛門、妙心寺涅槃堂前路地

■ 新必殺仕置人 第30話「夢想無用」1977.8.12ABC/松竹

 軽い気持ちで食った娘・おたみとままごとのような暮らし続けるうち深みにはまってゆく正八。身籠ったおたみを持て余し子を流そうとしたりするが、おたみの爛漫さは遂に正八の心を捉える「海よりも、好き」。おたみと甲州の田舎で暮らすことを決めた正八は足抜けを申し出るが、許されるはずもなく鉄にギタギタにボコられる。あきらめぬ正八はすぐに江戸を離れようとし、旅支度を整えて帰った家に待っていたのは前の勤め先での毒殺事件の真相暴露を恐れた仁吉の手にかかり瀕死のおたみだった。
 腕の中で息絶えたおたみの亡骸を弄び容易に現実を受け止められぬ正八、慟哭の果て寝かせて手を組んでやる。なお愛しげにおたみの顔を撫でる正八の目に首の絞め跡、女を捻り殺すと言った鉄の言葉が甦る。鉄のヤサに走りこみ斬りつける正八、巳代松に押さえられ自分の尾行のまずさが招いた結果と知らされる。鉄は畳に落ちた匕首を差し出し仇討ちを示唆。正八は匕首を手に括り付け松のフォローで仁吉を刺殺。
初めての殺しのあと夜の海へ来た正八は、おたみが用意していた赤子の衣類と夫婦茶碗を投げ捨てるのだった。
 ロケ地、船宿を出た客らが毒を食らって落ちる大川、広沢池。子を流そうとおたみを跳んだりはねたりさせる祠、大沢池天神島心経宝塔。砂丘のある海辺、日本海と思われるが不明。
2003/4/24

■ 暴れん坊将軍IV 第47話「血涙!愛しき忠義」1991-1992ANB/東映

 仇持ちの旅の途次江戸に辿りつく主従あり、ふと知り合った新さんは何かと気にかける。日数過ごすうち見つかった仇の武芸者は旗本の家督を継いでいて、公儀と事を構えるのを恐れた藩留守居役は仇討ちを無かったこととし国に帰るよう命令する。しかし一分立たぬと斬りかかる若侍、敵わず叩き伏せられるが下男の市松は主の刀をとって走り出し仇の家に斬り込み壮絶な最期を遂げる。一足遅く駆けつける新さん、無惨な死を見て怒り爆発。うるうる目で「お前のような者が余の旗本か無念に思うぞ」で戦闘開始、人数を叩き伏せたあと旗本をマジ斬り。この際庭番に「手出し無用!」と叫び制する上様、コミカルな上様もいいけど峻厳なのもイイ。
旗本が凶悪な賊で目撃者の市松の女房を傷つけるエピなど霞む後段の展開、仇の家へ走る市松のバックにはメロウな挿入歌が流れる。
 ロケ地、お城の庭に二条城清流園。仇の武芸者が旗本の長井であることを確認する柿岡のくだりに大覚寺心経宝塔大沢池畔。市松の女房が長井の手下に斬られる、五社明神。長井に斬りかかる柿岡、妙心寺玉鳳院前。
*呑み屋で聞き込みの才三たち、長井の評判を話す中間(二)に福本先生。

■ 新必殺仕置人 第29話「良縁無用」1977.8.5ABC/松竹

 鉄、珍しく素人女に岡惚れ、うきうきとその女のいる得意先の呉服屋・唐津屋へ通う。舞い上がる鉄の暴走は止まらずしまいに屋根の男と並んで座り、裸でだらだらと汗をかきながら夏空を見て呉服屋小町・お京とブランコに乗る幻想…しかし鉄のカッコは妄想のなかでも赤褌一丁。
浮かれ気分のまま出るとらの会、ターゲットがお京と聞き驚愕の鉄は30両の仕事を二両で競り落とす。仲間に拝み倒し調査を頼む鉄、明らかになるお京と旗本の次男坊の関係。長年弄び金を無心し子まで生ませておきながら出世のため捨てられるお京、怒って乗り込んだ唐津屋は謀殺されてしまう。鉄は虎のもとに怒鳴り込み筋違いの依頼を受けた虎を責める。新たに発生する仕事、ターゲットはお京を騙した旗本親子と唐津屋を斬った勘定奉行所の役人。
川開きの日の婚礼の夜、混雑と花火に紛れて仕置が行われる。
 ロケ地、細井邸、相国寺大光明寺(門、南塀、庭の中仕切り門)。勘定奉行邸、大覚寺大門。お京が弥一郎を難詰してボコられる邸近く、鐘楼
*屋根の男は鉄と並んで座り、下でからかう正八と松っぁんに「馬に蹴られて死んじまえー」を鉄とデュエット。あと、小博打(暑さにやられいつ落ちるか賭けてる)の銭を掠める主水に「見たぞー」。*松っぁん、小道具に大玉を使うがふっとい青竹を持ち込んでいるのがおかしい。この点火は正八が担当し名台詞「あー正ちゃん頑張ってるぅ」。*弥一郎にボコられ倒れたお京を助け起こす鉄、恨み晴らしたいと泣く涙拭いてやり「ブッ殺してやる」と出陣、弥一郎を二つ折りにして仕置。
2003/4/23

■ 必殺渡し人 第12話「二人がかりで渡します」1983.10.7ABC/松竹

 忍の手術で死の淵から生還した大野屋だが、身代を狙う弟夫婦に謀殺されてしまう。この際両親の殺害現場を目撃した幼い娘は失語症に陥り、その後これも密殺され、弟夫婦に疑いを持っていた番頭は奸計に陥ち罪に落とされる。引かれてゆく際惣太に投げた視線を依頼とし、大野屋夫婦が治療代とは別に置いていった心尽くしの金子が渡し料となる。
 ロケ地、黒幕の松井忠直が家老を務める津山藩下屋敷、大覚寺大門。津山藩主催の野試合が行われる森、下鴨神社糺の森馬場(幔幕が巡らされる)
*タイトルは渡す相手の一人・津山藩士の剣客が示現流の強者で、惣太・大吉二人で渡すことから。

■ 新必殺仕置人 第28話「妖刀無用」1977.7.29ABC/松竹

 半分「向こうの世界」へ行ってしまっている首切り役人の左母次郎、夢にも日常の起居にも亡霊の声を聞く。一方、目をつけた女には何の抑制もなしに無体を働くなど生臭い生き地獄のなかにいる。
この左母次郎に幾度も「お試し」を依頼する馬鹿殿あり、名刀に狂い用人を嘆かせるほか気に入らぬ家臣を陥れ「お試し」にかけたりする。謀殺された家臣の妻は自分に無体を働いた左母次郎と馬鹿殿をとらの会にかける。仕置は一度失敗、改めて鉄に依頼が来る。主水は楽には殺さん、刀の痛みをたっぷり味わって貰ってからとの言葉通り左母次郎をいたぶり殺すが、半ば以上魂を彼岸に引かれた男は夢うつつの裡に逝く。
 ロケ地、馬鹿殿・三田村采女の組屋敷に相国寺大光明寺南塀通用門。屋敷の正門に大光明寺門。屋敷の塀に南塀
*鉄の付け馬連れてる姿が傑作。*屋根の男はおていの傷の血止めに赤褌を正八に取られ「恥ずかしー」。*仕置の際正八が中間のなりをして殿をおびき寄せる、新入りの左母次郎と名乗り馬鹿殿が呵呵と笑うのを受けて偉そうに「ふっふっ」が笑える。*松っぁんは道に埋まってズドン、鉄は蔵の中で甲冑着込んで獲物を待つ。総面の奥でにたぁと笑う鉄、凶悪。

■ 暴れん坊将軍IV 第46話「恋山彦 幻の花嫁!」1991-1992ANB/東映

 下野・大滝藩のお家騒動、特産の絹を横流しし私腹を肥やす江戸家老、これを糺さんとした脱藩藩士は返り討ちに遭い、腰を上げかけた国家老も奸計に落ち殺されてしまう。国家老は碁仇のお抱え医師が私怨で毒殺とされ、医師も手討にされてしまう。その娘も追われ、斬られて崖から落ちなんとか助かるものの記憶喪失となる。一連の事件に不審抱いた上様は密偵を放ち事の真相を突きとめ、わが世の春を寿ぐ江戸家老のもとに乗り込み成敗。
これに、医師の娘・綾乃の記憶の回復に絡めた同心とのラブストーリィが挿まれる。
 ロケ地、旧知の神主に旅立ちの挨拶をする綾乃、上賀茂神社鳥居。恋占いをする綾乃、ならの小川神事橋上。下野へ旅行く綾乃、広沢池西岸(農地からの撮り)。綾乃が追い詰められ落ちる小峰峠、保津峡落合落下岩。お城の庭で白菊眺める上様、二条城清流園。綾乃の記憶を戻すべく「恋占いの再現」、ならの小川神事橋と水場
*綾乃の記憶戻るシーンで上様の顔が同心にモーフィング…。
2003/4/22

■ 暴れん坊将軍IV 第45話「春一番!天狗の子がやってきた」1991-1992ANB/東映

 大奥の中揩役者遊びの件で脅し、江戸港通行鑑札を上様に上申させる回船問屋、若年寄が結託。このワルどもが役者を惨殺する現場を仕事に来ていて目撃の植木職人、役者が隠した中揩フ恋文をゲット、恨みを晴らしてやるべく南町に訴えようとするが手回り殺されてしまう。
残された植木職人の息子と弟分にも魔手伸び、これにめ組が関わり、おせいは我が子とも思い庇う。文を得るため子をさらう一味、おせいが乗り込み危機一髪に新さん。
 ロケ地、植木職の松造の死体上がる、大覚寺大沢池畔。これを見に来た弟分が編笠の武士に追われる、有栖川畔〜五社明神。新さんに事情話す弟分の回想、回船問屋の根岸寮から逃げる松造たちが隠れる、御殿川河口(橋の上を追っ手が走って行く)。才三に回船問屋調査命じる新さん、上賀茂神社ならの小川畔。江戸城庭、二条城清流園の池の切石橋上。一味に追われた梅吉が登る木、大沢池北西畔の楠

■ 新必殺仕置人 第27話「約束無用」1977.7.22ABC/松竹

 佐渡で助けられた恩人がとらの会に掛けられたのを庇う巳代松、ついて回りしまいには主水を利用したりと立ち回る。合間には馴染みの妓訪ね、男に騙されぼろぼろになった女の世話を焼いたりもする。そんな人のいい松っぁんに待っていた結末は妓を騙した男が恩人の仙三であるという事実だった。仲間のリンチに遭い仙三の正体を知らされた松っぁん、追い討ちをかけるように正八が妓が仙三に殺されたと報告に来る。
アジトの卓から六文銭だけ取り仙三の仕置に向かう松、仙三が以前作った壕に押し込め竹鉄砲を放ち、冥土の渡し賃の六文銭を壕に落とし突っ伏す。
*仙三に綿引洪、若い五郎蔵さんは色悪も似合う。亭主の仇とるため付け狙う女仕置人もなかなか。*鉄が土間に西瓜叩きつけ割ってむしゃむしゃ食うシーン、絶妙。*今回屋根の男出まくり。松の長屋に足止めされクサる仙三のくだりでいきなり入ってきて釜から飯とって持ってゆく。長屋へ仕置に来た女仕置人が気配に立ち去るが正体は深夜屋根で竿を上下させる赤褌男。仕置の最中を主水に阻まれ斬られる女、堀の対岸には鶏持った赤フンが座っていて目撃し「死んだー」と呟き堀にボチャ。

■ 剣客商売4 第9話「勝負」2003.4.22CX/松竹

 以前田沼に頼まれるものの大治郎が断った笠間藩の指南役に抜擢された谷鎌之助、しかし仕官には大治郎に勝つことという条件がついていた。
小兵衛も三冬も揃って負けてやれと言い、挙句は谷の女房の父の小間物問屋が手心加えてくれと申し入れてくる。笠間藩邸で行われる試合に負ける大治郎、しかし芝居うったのではとの噂が立ち、再度立ち会う二人、小兵衛は笠間藩家老を伴いその野試合を見せ皮肉を言うのだった。
 ロケ地、田沼屋敷、随心院薬井門。大治郎が村田屋に声を掛けられる神田橋御門外の外堀付近、随心院土塀。公式の立ち合いが行われる牧野家下屋敷、随心院本堂(薬井門内側に幔幕)。再度の立ち合いの橋場・総泉寺西方の野原、仁和寺疎林(小兵衛らは塀際で見ている)。高橋道場に「例の塀」と長屋門、うねる形状・腰高の石垣…うーどこなんじゃ。
2003/4/21

■ 暴れん坊将軍IV 第44話「上様 とんだ剣客商売」1991-1992ANB/東映

 御前試合に勝って老中職ゲット狙う相模・大野藩主、藩士の中から腕利きを選び鍛錬させる。その中には小身の若侍あり、訪ねてきた恋人も眼中に無く出世ばかりを目指す。
新さんは市中で侍同士の喧嘩を鮮やかに止め、大野藩に御前試合用の剣客として目をつけられる。誘いを一旦は断る新さん、大野藩の内情にキナ臭いものを感じ「仕官」しちゃったりする。
入ってみると果たして藩主以下江戸家老と剣術師範が公共工事一手にしようとする材木商と結託し、ライバルの商人を次々暗殺し賄賂を受けていた。そのうち、例の若侍が悪事に利用され消されようとしているのに介入の新さん、悪党一堂に会する座敷に乗り込み成敗。
 ロケ地、大野藩武勇館道場、相国寺大光明寺(門、庭、木戸)。新さんが仕官を進められる料亭、中山邸通用門。若侍にすげなくされた娘が入水しようとするのを止める新さん、中ノ島橋下手中州護岸。材木商殺しの件で庭番の報告受ける新さん、今宮神社東門内石橋上。祠で恋人の無事を祈る娘、今宮神社稲荷社。すっかり騙された若侍が加納屋を殺しに「出る」、大覚寺五社明神。事後、庭で剣振る上様に田之倉がからかわれる、二条城清流園
*今回、ほとんどいたずら小僧の顔で上様イチビリまくり。大野藩に仕官しにゆく際は紋次郎に裃着せ兄に仕立てて支度金ふっかけるという悪ふざけ。何も知らず大野藩邸に招かれたじいと立ち合いわざと負けてみせる際の「自分で木刀ヘディング」もなかなか。極めつけは商人暗殺実行犯の藩士が引っ掛かれた傷の件で「殺された商人は破傷風」の大騙り。

■ 新必殺仕置人 第26話「抜穴無用」1977.7.15ABC/松竹

 自邸に抜穴を作り小悪党を逃げ込ませ上がりを掠める将軍家御用「お月見屋敷」の月峰、穴を作った大工とその父を殺し、遺族にとらの会にかけられる。珍しく超安値をふっかけられ競り負ける鉄、入った仕置人は返り討ちに遭い、ばかりか月峰は虎に手打ちを申し入れてくる。
そのうち南町同心たちが決まって悪党を見失うお月見屋敷を疑いだし、危機を感じた一味は大金を餌に雇い入れた元大工の中間を使い「逃げ込ませ町方に突き出す」自作自演を企図。中間は言われたとおりの芝居を打つが一味の岡っ引に謀殺されてしまう。
残された女房は夫がお月見屋敷から貰った金を仕置料として差し出すのだった。
 ロケ地、お月見屋敷、相国寺大光明寺の門と南塀通用門。小悪党を引き入れる裏木戸は南塀の門で、何度も効果的に使われる。ラストに主水が小博打で追われる男たちを騙し小銭せびるのは鐘楼基壇部分(袴は映らず)。屋形船を仕立てて金をばら撒き遊ぶ男、嵐峡。これを見ていた大工の清次が道具箱を川に投げ捨てる、渡月橋上。再びのとらの会、会場へ赴く虎と死神、金戒光明寺石段。遅参した鉄が死神に突き転ばされる、三門。抜穴の出口の墓地、黒谷墓地
*小博打に負け市中をゆく正八、道端に金見つけ素早く拾うが「紙」、嘆く顔に垂れかかる赤褌は屋根の男、腹を立てた正八が「馬ぁ鹿めー」の憎まれ口に「落ーち目ー」と返す屋根の男。*二度目のとらの会に欠席の鉄、正八にツケ回されて遊里で女たちに布団蒸しにされていて動けず。正八はみんなにボロカスに怒られるが、このとき鉄が遅参したため月峰一味に見つからずに済み仕置を任されることになる。布団蒸しの鉄を請け出しに行った正八に「正ちゃん、今日何の日か知ってる?」とくつくつ笑いながら言う鉄のくだりは傑作。*そのほか、松っあんの鉄砲が抜穴で炸裂し、おていと正八がどっかと座っている「出口」の石が衝撃でぐらぐらと揺れたり、煙が隙間から立ち昇るのも見もの。

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖
第一話「恨みはらします!!刺客になった良妻賢母」2003.4.21ANB/東映

 仕官を餌に謀殺される浪人、夫の身の証を立て恨みを晴らすべく「天罰屋」に依頼のため髪を売るその妻、しかし思い敵わずワルの手に落ち母子とも虫けらのように殺されてしまう。長屋でその一家と親しくしていた同じく浪人の妻・松坂紅はこの死に遭い嫌っていたはずの父と同じ稼業に足を踏み入れることとなる。
 ロケ地、冒頭紅の夢・父の殺しを目撃した娘の頃の悪夢、足元の石礫・植生・川水の色からすると山室か。ぼやけていて確信持てず。絶望した三枝の妻が天罰屋からコンタクト受ける水辺、上賀茂神社ならの小川畔。独自に調査する紅の前に立ち塞がり手を引けと迫る天罰屋チーム、仁和寺御室桜林。天罰屋元締の文三が紅と父・語らずの玄馬の話をする、仁和寺観音堂(バックに塔)
*紅の父に本田博太郎、怖い顔と激情の表現、特マル。
2003/4/20

■ 必殺渡し人 第11話「浮世絵の舞台で渡します」1983.9.23ABC/松竹

 得心のゆく画を描きたいと精進する絵師、それをけなげに支える妻。惣太らと同じ貧乏長屋に住み、ささやかに生きる二人に変態目付夫婦の魔手が忍び寄る。絵師がむかし勉強のためにと描いた春画「色暦」を職権乱用し入手する目付だが、八月の欠落が惜しく絵師に描かせる運びとなり、目付に輪をかけて好色な奥方が鬼くさい仕掛けを思いつく。それは絵師の妻をモデルとすることであった。
描きあげたあと妻に気付く絵師、絵を返せと迫り妻の目の前で斬られてしまう。妻は夫の枕頭で渡し人への依頼状を書き縊死。文は発見者の惣太の手にわたり、渡し料が置かれる。
 ロケ地、絵師がスケッチに出る水辺、大沢池畔。色暦の作者見つけたと語る目付の用を仰せつかる与力と徒歩目付、大覚寺参道石橋上。
2003/4/19

■ 暴れん坊将軍IV 第43話「男一匹!め組の紋次郎が燃えた!!」1991-1992ANB/東映

 大工の茂平を説き伏せ凶賊・かま鼬の儀助の名をお上に届けさせた紋次郎は、約束通り意趣返しから茂平を護ろうとめ組に暇を貰い張り続ける。
五千両もの金を盗みながらなぜか遠島で済んだ儀助は一年後赦免となり、きっちり茂平のもとへお礼参りに来る。からくも防ぐ紋次郎、この裏には盗賊を追い使いあがりを掠めていた寺社奉行がいて、儀助一味は隠し金を奪われ始末されてしまう。見届けた才三の報告により上様が乗り込み。
 ロケ地、儀助の御赦免船が着く浜、大覚寺放生池堤天神島を複合、柵などをあしらう。儀助が手下を使い同心をまく、中ノ島橋上。お城の庭で忠相に茂平を守護するよう命じる上様、二条城清流園。儀助一味のアジトの寺、大覚寺聖天堂。ラスト、紋次郎見舞った帰りの新さんがゆく水辺、嵐山公園中州(桂川バック)

■ 新必殺仕置人 第25話「濡衣無用」1977.7.8ABC/松竹

 虎の命の恩人・庚申の月三が金貸し・三本杉をとらの会にかける。因縁は二十年前同心・平田にたばかられ強盗殺人の罪を着せられた月三の恨み。平田は直後に職を辞し、今は札差から奪った金を元手にたいそうな羽振りの金貸しとなっている。偽証した月三の女房・お秋も三本杉の女宰領として幅をきかせている。
ひどく用心深い三本杉、しかし庚申待ちの夜に催される百芸の会に潜り込んだチームは手際よく三本杉とお秋を仕置。門外で追っ手を阻むは主水、死闘の末辛勝。
 ロケ地、月三が引っ掛かる大川の杭、桂川大堰。降り続く雨に増水の大川で堤補強の土嚢が積まれる、柊野堰堤。三本杉邸、相国寺大光明寺。偵察の正八とおていは向いの方丈の塀の上。
*百芸の会、正八は上方落語、おていと巳代松は中国奇術、鉄は阿呆陀羅経の扮装で入る。正八の饅頭こわいはなかなか上手。正八が饅頭食う所作に重なる三本杉の札差毒殺シーンの回想が見せる。*巳代松が庚申待ちの宵拾った記憶喪失娘は三本杉の娘と正八の調査で知れるが松っぁんに語られることはなく、また仕置から帰った朝娘の姿は掻き消えていた。*屋根の男、庚申待ち明けの朝正八の釣れたかの言に「夜ぉーが明ーけたー」。
2003/4/18

■ 暴れん坊将軍IV 第42話「おやこ喧嘩の大手柄!」1991-1992ANB/東映

 忠相の評判と上様の信頼が悔しい北町奉行、自作自演で手柄を立てて出世を目論み浪人を雇って押し込み強盗を働かせる。最後はこれを斬って下手人として扱う算段は一人の岡っ引の息子によって阻まれることとなる。
 その息子・勘太は遊び人だが引退間近の父に手柄立てさせようと事件を調べる。しかし息子を信用していない父は事件現場に残る息子の足跡を早合点し犯人と思い込む始末。この行き違いが主たるストーリィとなる。
 最後は北町奉行邸に入った親子が危地にあるのを新さん乱入でメデタシ。
 ロケ地、茶店の娘とデートの勘太、大覚寺天神島。勘太の隠れ家周辺、大沢池堤・放生池堤・護摩堂脇の石仏
*父・岡っ引の勘助、通称ドジ勘に猫殿。

■ 新必殺仕置人 第24話「誘拐無用」1977.7.1ABC/松竹

 畳奉行の娘を女房にし身代築いた畳表問屋・備後屋、女房と連れ子を疎ましく思い始めた矢先、妾の件でチンピラに脅迫される。これを奇貨とした備後屋は金を捻出するためとチンピラを騙し連れ子を誘拐させ、身代金授受の場で昵懇の南町与力に女房ともども始末させる。とらの会には備後屋と与力がかけられる。釣りの畳奉行がインサートされ依頼人を暗示。
 ロケ地、畳奉行田原兵助邸、相国寺林光院。釣りの川は桂と思われるが場所特定できず。
*正八、開店の支度しながら鼻歌はジュリーの「勝手にしやがれ」。*屋根の男は正八が町娘と戯れる上から赤褌を垂らす。ひっぱたかれた正八見て「痛ったー」。*巳代松の鉄砲で射抜かれる備後屋、蚊帳を引き毟り倒れるビジュアルが面白い。鉄は屋形船で芸者遊びの与力を擦れ違いざま鮮やかに仕置。
2003/4/17

■ 暴れん坊将軍IV 第41話「天下一の夢を語る男」1991-1992ANB/東映

 狩野探幽の軸を偽造して売りつける一団あり、描かせていた絵師を殺すなどの血腥い真似もしてのける。次の描き手として目をつけられた市井の画家・村井秀太郎は実は狩野派の現当主・秀徳が昔侍女に産ませた生き別れの息子だったりする。
田之倉のじいを好事家に仕立てて贋作商売の一味をあぶりだした上様は黒幕の旗本屋敷に乗り込み成敗。
 ロケ地、芝の縁日で似顔描く秀太郎(恋人の働く茶店がある)真如堂門・塔・本堂・鐘楼。絵師・夕斎の死体が上がる大川端、桂川松尾橋上手汀。秀太郎を脅すため拉致された娘が始末されかかる、大覚寺大沢池堤護摩堂前。一味の僧正が住持する上野・明光院、相国寺大光明寺(門・南塀・湯屋前)。田之倉邸、相国寺林光院(門)。ラスト、田之倉が秀太郎に甲冑姿で似姿を描かせる、仁和寺金堂前。
*一味の黒幕・一色左兵衛介に菅貫、金ぴか衣装にフランス人形、ワインをあおって女を侍らせふんぞり返る。ちょっと狂乱の殿様っぽい。断罪されたあと「もはやこれまで上様とて死ねばただの人」と言い放ちすたすたと背を向けて座敷に上がる姿はやはり独特。

■ 新必殺仕置人 第23話「訴訟無用」1977.6.24ABC/松竹

 盗癖のある女房をよく庇い店を切り盛りする辻屋の入り婿・仙蔵。隠居が娘のため転地療養を勧め、店はその弟の与吉に任せると言い出したことから歯車は狂い出す。
女房の万引きのごまかしを頼んだ公事師・長十郎に仙蔵が依頼したもうひとつの頼みは、弟・与吉の抹殺だった。公事師一味が与吉を死刑囚とすり替え始末したあと多額の金品を要求された仙蔵は隠居に与吉が獄門になったことを告げ公事師抹殺を示唆する。とらの会に公事師殺しを依頼する隠居、しかし仙蔵の目論見は正八の密告により露見し、付け句が追加されることとなる。
 ロケ地、南町奉行所門に御馴染みの大覚寺明智門。奉行所出入りの公事師が主体の話なので奉行所周辺として御殿川がさまざまなアングルで使われる。ことに偵察中の正八が有栖川に飛び降り御殿川河床を走るグラサン姿は印象的。
*屋根の男、雷雨のなか竿を出し「暑い冷たい寒い」。*巳代松の大雨のなかの仕掛けは傘を用いて。
2003/4/16

■ 暴れん坊将軍IV 第40話「戦慄!狙われた養生所」1991-1992ANB/東映

 美濃・岩田藩のお家騒動、病中の殿をいいことに江戸家老が美濃紙で汚職。国元からは密偵が放たれるが家老の手先に斬られ重傷、養生所に運び込まれる。これを診る若き医師は岩田藩の出、患者を殺せと命じられ苦悩する。藩邸に赴き医師としてできないと宣言、始末されかかるところへ新さん登場。
医師を慕うお葉のエピや家老の手先の用心棒から印籠掏るめ組の知り合いのエピ、医師の兄の公金横領・女と逃亡などてんこ盛り。
 ロケ地、高輪大木戸、琵琶湖・舞子浜松林。忠相に岩田藩密偵襲撃の報告受ける上様、二条城清流園。医師の兄に追っ手かかる大川、山室の桂川か。

■ 新必殺仕置人 第22話「奸計無用」1977.6.17ABC/松竹

 油問屋・山崎屋がとらの会に伊豆金山総支配をかけるが、渡した金が贋小判。虎は鉄に調査依頼し一任。伊豆へ向かうチーム、総支配は悪人でもなんでもなく配下の組頭・黒井が悪評を撒き散らしているだけ。黒井と山崎屋が結託し金の横流ししているのを確かめ、仕置が行われる。
 ロケ地、伊豆との往還、谷山林道と清滝川と思われるが確信なし。採掘場はどこかの砕石場か。伊豆金山総支配邸、大覚寺大門(正八が松の木に登って偵察)
*今回の屋根の男は正八に鯛釣れたら食わせろと言われ「ムリや」。正八の鼻歌は解明できず。しかし上ゲ句は湯の町エレジーっぽくて笑える。
2003/4/15

■ 暴れん坊将軍IV 第39話「女賞金稼ぎ子連れ旅!」1991-1992ANB/東映

 またまた登場の夜叉面のお銀、旅先で預かった男児・真吉を連れているが複雑な事情が。世話してやりながら人殺し呼ばわりされているお銀、実は真吉の父はお銀が賞金首と戦っている場に割って入り返り討ちに遭い死んだが、父の胸に刺さっていた匕首がお銀のものだったことから誤解しているのだった。その父に女房の実家へ子を届けてくれと託されたお銀、訪ねた先の東海屋はけんもほろろ。しかもこいつは口入屋や林奉行と組んで阿片を売りさばく大ワル、なんと真吉の父を斬った賞金首が用心棒におさまっていたりする。
東海屋に殴りこむお銀、続いて上様も登場、断罪し成敗の末真吉には仇をとらせてやる。
 ロケ地、冒頭賞金首の股旅者二人をやっつけるお銀、下鴨神社泉川。阿片中毒の弥八が用心棒に始末される芝浜、琵琶湖西岸(浜と松原)。新さんに真吉との関わりを話すお銀、大覚寺天神島。お銀の回想、浜松で斬られた真吉の父、琴滝前。忠相が上様に東海屋が阿片製造密売の報告するお城の庭、二条城清流園。旅立つお銀を見送る水辺、木津か桂か。

■ 新必殺仕置人 第21話「質草無用」1977.6.10ABC/松竹

 巳代松の長屋に転がり込んだ浮浪児の姉弟、口も聞かず笑いもしない。きつい目をしたその女児を見て鉄は恨みのこもった目だという。飯を食わせてやったりするうち、正八曰く「慣れてくる」その女児に「おねこ」と名づける巳代松。鉄に子を探してくれと頼んだ敵娼あり、もしやと遊里に二人を連れてゆく松、しかしその女郎は殺されてしまう。弟は母に縋って泣くがおねこは黙したまま。そのうち、おねこの父は以前松が仕置した男と知れる。思い悩みおねこの母が殺された経緯を探る松、騙した相手を突き止め金を出しとらの会にかける。
 やはり母が必要と二人を里子に出してやる松、別れの橋上最後の最後に立ち止まり振り返りおねこが叫ぶ「松おじちゃん、私を忘れないで」。
 ロケ地、おねこが弟に盗った食物を運ぶのに駆け上がる石段、金戒光明寺石段。母の死を見たおねこが駆け出し佇む水辺、広沢池東岸。親子連れを羨望の目で見るおねこと弟、金戒光明寺三門敷居。
*草紙を盗ったおねこを追い走る正八が見る「屋根の男」、釣り糸を垂らす・初登場。台詞は「アッタマ痛い」。*鉄、白塗りメイクにメキシコのレスラーふう隈取・白のシャグマ・まっかっかの襦袢というなりで遊里の真ん中を走りぬけながら仕置、ほとんど通り魔。

■ 剣客商売4 第八話「逃げる人」2003.4.15CX/松竹

 大治郎がふと知り合い水魚の交わりを持った老武士、しかし彼は親友が父の仇と狙う男だった。苦悩の果て親友に早飛脚を送る大治郎だが、帰って来た文は親友からではなく寄宿先の主から彼の急死を知らせるものであった。幾度と無く二人語り合った語り合った蕎麦屋の定席で父・小兵衛としみじみ呑む大治郎の姿を窓外より眺めやり仇持ちの老武士は黙して去り、再びの逃亡の途につく。
 ロケ地、老武士と大治郎がならず者の中間から助けた娘を送ってゆく山谷浅草村の名主宅、不明。老武士の寄宿する新鳥越町の貞岸寺、不明(どこなんだよぅいったい…この土塀)。釣りの老武士に声をかける小兵衛、大覚寺放生池堤。三ノ輪往還で中間が意趣返しのため雇った浪人に老武士を襲わせる、山室堤上。
2003/4/14

■ 暴れん坊将軍IV 第38話「土くれ愛妻武士道」1991-1992ANB/東映

 百姓あがりの勘定方が臨時扶持米での不正を追求。勘定奉行と結託した札差の妨害激しく一時は失職し家つきの女房に愛想をつかされかけるが新さんの働きで不正は糺されメデタシ。
幼時より算盤勘定が得手で旗本・的場に見込まれ婿に迎えられたり、米の素性をぴたりと言い当てるなどの技能の持ち主の弥一郎くん、「ムコ殿」と呼ばれているのがなんか笑える。
 ロケ地、勘定奉行・久松伊勢守邸、大覚寺大門(式台玄関がのぞく)。公儀御米蔵、大覚寺明智門(蔵部分が見える)。弥一郎の女房に言い寄る旗本・小牧、仁和寺九所明神。小牧が弥一郎に因縁つけ斬りかかる、仁和寺観音堂脇〜御室桜林
*武蔵屋を探る弥一郎は米俵に潜んで…無茶すぎ。ラス立ちに福ちゃん発見。

■ 新必殺仕置人 第20話「善意無用」1977.6.3ABC/松竹

 ならず者に襲われた娘を助け傷害事件起こし遠島になった軍鶏の清吉が帰還、更正を期す清吉は木曽屋のもとで木場人足として働く。額に汗する彼の元へ助けた町年寄の娘が足しげく通い世話を焼くが、娘を息子と娶わせて家名取得を狙う木曽屋にハメられ町年寄殺しの下手人として追われる身となってしまう。清吉が捕り方に目の前で斬られるのを見た娘はとらの会に金を積むのだった。
 ロケ地、御赦免船が着く浜、広沢池東岸に船着や柵をセット。深川の木場、中ノ島橋周辺(働く清吉を見るお加代、橋上。清吉に詫びを言うお加代、橋下背割堤上。町年寄・喜多村勘右衛門に娘とつきあうなと手切れ金渡される清吉、中州舳先河川敷)
*島帰りは裏街道をつっ走るべきなんだと説く鉄、善意など信じられないと呟く巳代松、ふと覗くペーソスがドラマに奥行きをもたらす。
2003/4/13

■ 暴れん坊将軍最終回スペシャル
「黄金の島佐渡!吉宗を狙う美女軍団!?凶悪、鬼火一族との激闘!!」2003.4.7ANB/東映

 佐渡奉行が凶賊に惨殺されたとの報入り騒然となる幕閣。一同を鎮めお忍びで佐渡に赴く上様、奉行を殺したとされた不知火組が実は隠し金山に連行された夫たちを救い出そうとする女ばかりの集団と知る。佐渡は鬼火一族なる暴力集団に牛耳られ、役人たちも見て見ぬふり。幕府御用達の回船問屋・北国屋がこれに手を貸していた。
解決に奔走する上様、たまたま墓参に来ていため組の兄妹も巻き込まれる(小頭つき)は、不知火党のヘッドの美緒を庇って撃たれるは、鬼火幹部らに大苦戦するは、最後は坑道の落盤に巻き込まれかけるという大騒ぎ。
 ロケ地、馬を駆る上様にじいが凶報を告げる、下鴨神社糺の森馬場。江戸城、姫路城・三国濠から天守。忠相が不知火党の行動に疑問と話す城の庭、二条城清流園。佐渡の海のシーン、現地ロケ。鬼火一族に襲撃された村へ乗り込んだ美緒を助けに入る新さん、酵素。美緒を連れて逃げる、酵素ダート。囮になり美緒を逃がしたあと追い詰められ狙撃されて崖から落ちる上様、保津峡落合落下岩。隠し金山はどこかの砕石場か。
*北国屋の用心棒で実は忠相の放った密偵の秋月梅軒に本田博太郎、独特の台詞回しと仕草が渋い。鬼火の下っ端に福本先生、派手な着物でご登場。*スペシャルらしく派手で凝っているが長期シリーズの掉尾を飾るにはなんか違和感。通常のスペシャルのつもりで作ったような感じ。*坑道へ上様を追って入った隼人があとどうなったか言及されておらず妙に気になる。
2003/4/12

■ 暴れん坊将軍IV 第37話「いなせ新さん 渡世人修行!」1991-1992ANB/東映

 お話は、父を亡くし一人になってしまった娘のために家出兄貴を探してやるという単純なもの。その兄は博打打ちになっているということで、「目印」がいつも腰に気に入りのひょっとこのお面をぶら下げている…というあたりから雲行きが怪しくなる。もちろん家出兄はそのお面をかぶってひょっとこ踊りをするのが大得意なのである。サンバの足音が聞こえる。
上様はあろうことか三度笠ルックに身を包み武州をゆく。家出兄とそっくりのなりをして道中し、家出兄の名を騙って歩けば行き当たるというすこぉし乱暴な上様のプラン。でも引っ掛かってくる、家出兄を謀殺した貸元とか、家出兄の恋人とか。十手持ちでもある貸元の裏の顔は武州一帯を荒らす凶賊・鬼火に人手を供給するワルで、最近は江戸で鬼火の被害頻発。このバックには無役の旗本がいたりする。貸元を叩き伏せて家出兄の死亡を確認した新さん、江戸へ取って返し旗本宅に現れ大立ち回りの末成敗。
 ロケ地、遠乗り上様がゆく武州の山道、谷山林道。水を貰った娘の様子が気になり数日後来てみて娘がならず者に追われるのを助ける、保津峡落合河口落下岩(娘は崖から落とされ重傷)。回船問屋に入る賊が船で逃走する、大覚寺大沢池船着に桟橋ふう飾り。法教寺で紋次郎に仁義の切り方習う新さん、上御霊神社本殿裏透垣前。武州下練馬宿、野博打を追い散らす貸元・定五郎一家、鳥居本八幡宮舞殿竹林。鬼火について才三の報告受ける新さん、仁和寺御室桜林(遠景に塔)。貸元をぶちのめしたあと家出兄の事情聞く新さん、広沢池西岸
*ひょっとこ踊りについては、家出兄・お神楽の新太郎(…)であることの証明に貸元に踊るよう強要されるが家出兄恋人が出てきてナシに。ちっダメかぁと思っていると、ラストに城中で鼻歌を歌いながらお面かぶりひらひらと踊る上様の姿が。田之倉のじいまで乗せられて踊る…。*旗本宅では上様乗り込みの直前追い使っていた鬼火が消されるが、これを斬る家来の一人に福本先生。もちろんラス立ちにも登場、上様に二回ぶっ叩かれる。

■ 新必殺仕置人 第19話「元締無用」1977.5.27ABC/松竹

 阿漕な検校を殺しにゆく老仕置人・さそりの弥八、何者かの妨害受け失敗。弥八はその後町方にチクられ捕縛される。とらの会では緊急の寄合がもたれ、弥八がこれを最後と引退を願い出ていた件もあわせ紛糾する。その席で虎に公然と反旗を翻す猫の勘兵ヱ、以後確執が続き牢を出て再度検校を狙いに行った弥八は刺されてしまう。重傷をおして検校を仕置した弥八は娘の待つ両国橋に辿りつくことなく虎に看取られて死ぬ。この後、虎から鉄に勘兵衛の仕置が依頼される。弥八の娘は実は虎の娘だったというエピが語られるが、遂に名乗りをあげることはなかった。
 ロケ地、おしんが許婚者に別れを告げられる橋下、牢を出た弥八がおしんと会う船、橋上で父を待つおしん、死神が橋上で露天出しているおしんに金を置いてゆく、両国橋に中ノ島橋。検校・道海宅、相国寺大光明寺門。弥八が勘兵衛一味に刺される、南塀通用門前。
*鉄の薀蓄たれ、「三頭筋と四頭筋の炎症による神経系統の圧迫感による鈍痛感」云々、立て板に水の早口言葉が傑作。ほかに正八の鉄コスプレも見もの。仕置の際拳法使いにはずされた足を自分ではめる鉄…痛そう。

■ 必殺仕事人 第77話「盗み技背面逆転刺し」1980.12.5ABC/松竹

 南町奉行の指図で下総高岡藩の借金証文を消すため札差に賊として押し入る仙造、しかし奉行の奸計にあい町方に固められてしまう。仕方なく立てこもる仙造一味、長い膠着状態が続く。上役に交渉役として立てこもり現場に入らされた主水は鋭く事態を察し、奉行に撃たれた仙造を手当てしてやり事情を聞く。
その後、人質に高岡藩主の三男がいるにも関わらず奉行は鉄砲方を動員して仙造一味を人質ごと斉射させてしまう。しかしその前に主水に仕事料が託されていた。
 ロケ地、出陣の秀が走る高岡藩邸近くの掘割、大覚寺御殿川河床。参道橋から上がる秀。左門は参道橋を渡り御殿川沿いを歩く。主水がうっそりと立つ南町奉行所門前、明智門
2003/4/11

■ 暴れん坊将軍IV 第36話「乙女の祈り お手つき志願!?」1991-1992ANB/東映

 女衒に追われる田舎娘たちを助ける新さん、江戸へ出てきたのは将軍の側に上がりお手つきになるつもりと聞きちょっとどぎまぎ。しかし娘たちの狙いは将軍に直に会って、家老から贋金作りを強要される村の窮状を訴えることだった。田之倉にはかり二人を大奥に入れる上様、頑固なお局様と家老の手先の中揩ノ阻まれ大騒動、逃げ回った末将軍のもとに辿りついた娘に「余の顔見忘れたか」とやる。その後贋金作りの家老一味のもとに乗り込み大立ち回り。
 ロケ地、釣りの新さんが娘たちを助ける、大覚寺大沢池東堤。家老の手下に斬られた女衒の回想、道中で追われる娘たちを匿ってやる、保津峡落合河口。江戸城に西の丸ほか姫路城各所。
*将軍に会うまではと出身地を偽る娘たち、口にする架空の地名は「上州利根郡三日月村」…アレは新田郡か。

■ 新必殺仕置人 第18話「同情無用」1977.5.20ABC/松竹

 鋳掛屋の礼二郎は井筒屋の経理を任されているおようといい仲、しかし腰定まらずおように金をねだる日々。男に貢ぐためおようは遂に店の金に手を付けてしまうが、これに付け込まれ番頭と岡っ引と北町同心に強請られる羽目に陥る。それでもおようは自分を強請るため牢に入れられた礼二郎に済まなく思い、三人をとらの会にかけ自訴して出ようとするが二人してワルの手に陥ち消されてしまうのだった。
 ロケ地、とらの会会場イメージに相国寺庫裏上部。一時解き放ちの礼二郎がおようと束の間会う鳳神社の神輿小屋、今宮神社合祀摂社。出頭場所へ急ぐ礼二郎が走る、大覚寺放生池堤。北町同心に斬られてしまう、有栖川畔。探しに出た巳代松が瀕死の礼二郎を発見する、有栖川河床。おようが岡っ引に殺される、金戒光明寺塔頭道。ラスト、おようの死体が打ち捨てられているのを見る巳代松、桂川樋ノ上町右岸河原。
*今回鉄は素人娘に手を付けたかどで入牢中、ここへ礼二郎が入ってくる。鉄、きっちり牢名主におさまり凶悪に偉そう。解き放ちは赤猫。
2003/4/10

■ 暴れん坊将軍IV 第35話「才三覚悟!黒髪の刺客」1991-1992ANB/東映

 薩摩の江戸家老が陽の当たらない甲賀忍の雲井一族をだまくらかして、上様を亡き者にせんと陰謀を企てる。庭番衆が次々殺され、大岡さまも自爆テロ食ってさんざん。
そんななか才三に幼馴染の学文路のお京が接近、しかしお京は既に亡くなっており、正体は雲井のくの一。たばかられたことに気付いた才三が責任とって切腹しかける一幕も。
上様は接触してきたくの一に諄々とお説教、兄に吹き込まれた上様悪者説に疑問抱くように。解放された彼女は兄に上様を討つことはできぬと食ってかかる。兄妹抜きつれるところへ乗り込んだ才三は雲井の首領をさくっと始末、意外と善人の首領は罪は自分一人と言明し、くの一の妹は実は父が学文路の里からさらったお京の双子の妹と明かし果てる。朗報待ってる江戸家老のもとには上様が乗り込み大立ち回り。
 ロケ地、庭番のことが語られるナレーションに被る才三と茜、彦根城佐和口多門櫓前。弓のお稽古上様と、ラストの逍遥の庭は玄宮園。お京の「妹」を伴い紀州へ旅ゆく才三、谷山林道

■ 新必殺仕置人 第17話「代役無用」1977.5.13ABC/松竹

 ふとしたことで幼馴染の友吉と再会する正八、今宵祝言という友吉は新居に帰らず酒を浴びる。不審に思った正八は見張るが、判明したのは彼らが偽装結婚させられているという事実。勤め先の甲州屋が手をつけた女中・おいとを家つき娘の女房から隠すためだった。苦悩する若い二人、束の間心通じ合い甲州屋から離れることを決意するが友吉は雇われた殺し屋に消されてしまう。おいとは正八のもとに駆け込み、ここから殺し屋と仕置人たちの死闘がはじまる。
 処々にきれいな回想イメージ入る正ちゃん主役の一編、本人の歌う挿入歌もあり。火野正平がメインになるときは、長七郎だろうが商売人だろうがたいてい近しい者が不幸のどん底に叩き込まれる設定なのは絶対あのえぐえぐ泣く正ちゃんの画が欲しいからだな、と忖度してみる。
 ロケ地、甲州屋が折れてくれたと思いおいとのもとへ走る友吉、回想の犬コロのように戯れる幼時の正八と友吉、河原の友吉の墓、罧原堤対岸の樋ノ上町付近の桂右岸か。

■ 鬼平犯科帳2SP 通算27話「殿さま栄五郎」1990.4.4CX/松竹

 口合屋・鷹田の平十に持ち込まれた急ぎ働きの助っ人探し、凶盗・火間虫の虎次郎の仕事と見極めた鬼平はみずから乗り込むことを決意。この際蓑火の軍師と名高い殿さま栄五郎と偽って入る。信用させるため捕えた火間虫の手下を牢から「救出」してみせたりする。偽装は本物を見知っている火間虫配下の者から露見、急いで仕事にかかる一味が侵入した回船問屋には手が回っていた。
 急ぎ働きの火間虫が効果的に悪どく描写され、いまどきのお盗めを嘆く鷹田の平十と相俟って雰囲気を作る。見逃してやる筈だった平十が連行される船上から身を躍らせ自死してしまう悲劇が際立つ。
 ロケ地、火間虫が口合人を探すと見込んで密偵が走るくだり、伊佐次は金戒光明寺石段から東の坂、塔頭道と駆ける。鷹田の平十が花屋を営む麻布法住寺(原作では谷中)の墓地、黒谷墓地(バックに三重塔)。平十身投げのシーンは大沢池か広沢池か(薄暗いうえに周囲の風景全く映らず)
2003/4/9

■ 暴れん坊将軍IV 第34話「対決!凶賊七変化」1991-1992ANB/東映

 忠相がお縄にした凶盗・矢車一味の生き残りが江戸へ舞い戻り、仇と付け狙う。その際流れ弾に当たって死んだ職人の許婚者の父・梅吉は以前岡っ引で、その賊を追っていた。娘というのが養女で、梅吉が盗賊を追う経緯のなか死に至らしめた一味に加担していた職人の遺児だったり、因縁が巡りめぐる。
 ロケ地、忠相が狙撃され若い職人が流れ弾に倒れる、上賀茂神社ならの小川畔。矢車一味の手配書を庭番に渡される上様、大覚寺護摩堂前。梅吉の娘が新さんに生い立ちを語る、放生池堤。忠相が矢車一味の果し状受け赴く不忍池、大沢池。ラスト、お城で梅吉のその後を話す上様トリオ、大覚寺宸殿前白州
*矢車一味の浪人に福本先生、急ぎ働きの凶行の際とラス立ちに登場。梅吉には綿引勝彦、渋い。七変化は矢車のおかしらが黄門ふうの老人から浪人に化けたり虚無僧になったりすることから。

■ 新必殺仕置人 第16話「逆怨無用」1977.5.6ABC/松竹

 冒頭、鉄が見る殺される悪夢、正夢。鉄と松と主水のもとに届く「殺してやる」の文。以前仕置した相模屋のあとを継いだ二代目と島帰りの息子が仕掛けたもの。金を出し合いとらの会に掛けるチーム、当のとらの会から裏切者発覚、改めて相模屋一味に仕置の依頼が下る。
 ロケ地、とらの会ハネたあと俳諧師たちが渡る橋、大覚寺勅使門橋。裏切者の阿片漬けの俳諧師の女が入る料亭、望雲亭。鉄を呼び出し裏切仕置人の始末を見せ相模屋への仕置を示唆する虎、中ノ島橋堰堤下。
*脅えまくりの鉄が描かれなかなか。こんななか鉄は松っぁんにいたずらの脅迫文仕掛けたりする…ボコられてるけど。仕置シーンはトリッキーで見せる。

■ 必殺渡し人 第10話「湯女風呂で渡します」1989.9.16ABC/松竹

 上方の元締から入った「渡し」のターゲットは大吉の幼馴染だった。調べてから、と猶予を願い出る大吉だが、迫る日数にいらつきお沢をスパイと思い込んだりする。しかし忍が診ていた患者の息子夫婦が借金のためその男の嬲り者になりのちに心中、ケジメを迫られ渡し料は置かれる。
 お沢との間に交わされる渡し人としての立場と夫婦の情と、極限の果ての信頼が再確認される一幕が描かれる。
 ロケ地、幼馴染の仙蔵を訪ねたあと悩み立ち尽くす大吉、大覚寺護摩堂。仙蔵を再訪したあと上方の使いに掟破りを戒められ脅される大吉、大沢池北西畔
*仙蔵の用心棒の浪人に福本先生、台詞いっぱいあり。しかし松竹作品ゆえか「のけぞり」は無し。

■ 必殺仕事人 第76話「詰め技王手飛車駒落し」1980.11.28ABC/松竹

 旗本の間で流行る賭け将棋、解けぬ一手を求め棋士を連れ込む火盗改の駒木根監物。解を出さぬ棋士は斬って捨てるという極悪ぶり。これに左門が師事する町場の棋士が目をつけられ師匠の娘ともども惨殺される羽目に。町の弟子たちから木更津へ依頼が行き、仕事料が置かれる。
 ロケ地、駒木根に殺された棋士の死体が上がる、中ノ島橋上堰堤脇。拉致された棋士のため旗本の情報聞き込み左門に報告の秀が走る、中ノ島橋下河原。夜鷹が将棋指し、負けたらタダの趣向に誘い込まれる駒木野と与力、大覚寺天神島。秀が与力殺るのは紅橋上。左門は護摩堂でブレーンバスターかましたあと二つ折り。
*旗本の勝負将棋は人間将棋、芸者を駒に見立てて野外で行われる。悪趣味なことに成駒となった女は湯文字一枚に剥かれたりする。
2003/4/8

■ 暴れん坊将軍IV 第33話「雪国からの椿姉妹」1991-1992ANB/東映

 遊女上がりの大店の嫁が義父を殺したかどで死罪に。しかし死因に不審な点があるのと、刺したシチュエーションが義父から身を護ろうとしてのことなので忠相と上様は女を密かに落とし牢死と繕う。果たして一件は父を殺して後を襲うのが目的の息子の犯行、バックには賄賂目的の勘定奉行。女を落としたことも嗅ぎつけ忠相失脚も狙う。ここに女の義兄弟という紫頭巾の女が出羽から出てきて、妹は死んだものと思い忠相を仇と付け狙ったりして大騒ぎ。最後は忠相のあとに南町奉行に就任と目論み高笑いのワルの座敷に上様が乗り込んで成敗。
 ロケ地、父を殺してしまったと絶望し入水しようとする女を止める釣りに来ていた新さん、広沢池東岸。勘定奉行にたばかられ秘密を喋ったあと殺された南町の同心の死体が上がる、嵐山公園中州下の岸辺。勘定奉行らの企みについて才三の報告受ける上様、同公園中州舳先(バックに中ノ島橋映りこむ)
*父を殺したトリックは足袋のなかに仕込まれた琉球の猛毒のハブ貝…あんな大っきい貝を足袋に仕込まれて気付かず履くか、糸月屋の大旦那。だいたい「刺す」って…。*義兄弟というのは「椿姉妹」という寒村で行われた身分越えた相互扶助システムと説明入る。

■ 新必殺仕置人 第15話「密告無用」1977.4.29ABC/松竹

 仕事を見られてしまう巳代松、目撃者の女は松に役者の菊之丞を殺してくれと言う。松が迷っているうち女は消されてしまい、死に際に事情を打ち明け恨みを託す。
足抜け女郎のその女はもと大店の女将で、役者買いの席に岡っ引に踏み込まれ亭主も脅しつけ離縁の態をとり女郎にされていたのだった。菊之丞も妓楼の主人も岡っ引もグルと調べ上げたチーム、「松の依頼」で仕置に入る。
 ナイーブな松っあんが悩みまくる姿が見物。岡っ引に石橋蓮司、酷薄なワルを好演。
 ロケ地、松が殺しを見られる池辺、大覚寺大沢池北西畔、現場は護摩堂前。女に脅された直後現場に戻った松が死神の幻影見るのは石仏の間。
*菊之丞をおこわに掛けに入るおていに付き添う丁稚姿の正八、前髪付きの三尺しめた着物が可愛い。そのあと松の鉄砲の仕掛けに協力し鉦太鼓でひとり騒ぎ立てる姿も傑作。
2003/4/7

■ 暴れん坊将軍IV 第32話「命無用!おやこ十手」1991-1992ANB/東映

 踏み倒された紙屑同然の古証文を買い取り、公儀に訴えると脅し旗本連中から大金を毟り取る一派。しかし脅される側にもたまに奸計を用いて証文を取り戻そうとする者も出る。その一件で刃傷沙汰あり、脅迫団の浪人を捕えた岡っ引は一味に子供をさらわれさんざんな目に。生さぬ仲の子を必死に探す父の姿に感応の新さん、張り付いて世話を焼き解決。
 ロケ地、岡っ引の女房が経営する茶店のある元教寺に大覚寺(心経宝塔前広場・大沢池・護摩堂・五社明神)。江戸城の風景に姫路城西の丸と菱の門、はの門。出牢させた浪人が船で逃げるのを見る岡っ引、中ノ島橋。一味の黒幕の目付・小田切図書邸、大覚寺大門
*一味から証文取り返して逃げる途中斬られる旗本の家来に小峰隆司、一瞬どっちがワルか判らない。

■ 新必殺仕置人 第14話「男狩無用」1977.4.22ABC/松竹

 鉄が連れ込まれた戸田の下屋敷は変態姫の住む千姫御殿。しばしウハウハ状態の鉄、拘束されてとらの会に遅参したりする。ターゲットは当の戸田の息女・小夜。屋敷に戻った鉄、色仕掛けで侍女を誑かし抜け道をゲット、チームを引き入れ仕置。
やらしい素材を鉄の飄化た演技でかるく処理。小夜が参詣の尼寺に妙心尼がいて「なりませぬ」を披露、石屋の回想ショットも挿まれる。
 ロケ地、下谷金杉の美濃大垣藩下屋敷、相国寺(方丈通用門・大光明寺南塀・方丈)。妙心尼の心行寺、西寿寺山門。鉄が正八をサクラに使い営業宣伝、今宮神社楼門。主水が浮気と誤解され戦慄コンビに薙刀を突きつけられる八丁堀近くの稲荷、今宮神社合祀摂社。新三郎と小夜の回想シーンに金戒光明寺(放生池太鼓橋・石段)。小夜の侍女が「宿下がり」の鉄を尾けてくる、金戒光明寺塔頭道。色仕掛けのあと襦袢一枚で逃げた鉄が衣服を整える、三門
2003/4/6

■ おまたせ必殺ワイド仕事人VS秘拳三日殺し軍団「主水競馬で大穴を狙う!」1988.9.30ABC/松竹

 賭場で死一倍の証文を書かせ荒稼ぎの滝夜叉のお兼、裏には護国院の僧正。次に仕掛けるは尾張と紀州の馬競べ、怪しの拳法を使う僧の集団が暗躍。試合に出る両藩の馬術方はそれぞれ身に拳を受け混乱、しかも事後不名誉な死を強いられることに。
 紀州の馬術方の家から出奔した蝶々の朝吉と、馬術方双方と親しかった政と、死一倍の証文書かされ父を殺されたうえハメられた若旦那に依頼を受けた加代と、ノミ行為を行いからっけつになった主水と、チームが動き出す。
 ロケ地、近江屋が三日殺しの拳受ける、中ノ島橋。大吉の御神籤を引く主水、大覚寺五社明神。紀州と尾張が張り合い競べ馬の話出る江戸城、姫路城。競べ馬の練習場と本番、下鴨神社馬場。護国院、相国寺(庫裏、方丈)。紀州馬術方の平尾が拳受ける道、嵐山自転車道。政が尾張馬術方と平尾の娘を取り持つ、木津川流れ橋。主水がノミ行為の後勘定する、大覚寺護摩堂。両馬術方が殺される、妙心寺大庫裏西塀。朝吉が政に迫る、大覚寺天神島
*黒幕の僧正を綿引勝彦が怪演、主水のノミ行為に乗る「五時から侍」の長谷川平蔵なんかも出てくる。怪しの拳法は三日殺しのほか四半刻殺しや部分痛めつけなど多彩。
2003/4/5

■ 暴れん坊将軍IV 第31話「頑張れ!登城拒否侍」1991-1992ANB/東映

 旗本の名家の次男坊が侍を嫌い勘当され古道具屋に勤めるが、跡取りの兄が暗殺されたことと恋人の母が相手は侍でなければというのに家へ戻り、お城に出仕。しかし職場で執拗な苛めに遭い嫌気さす次男坊・平四郎、しまいに自害しようとまでするが、その現場で暗殺されかかる。実は兄の暗殺の前にも殺された改め役がおり、それはなんと恋人の父。残された勘定奉行の悪行の証拠書類めぐり一騒動ののち、新さんに乗り込まれた年貢ナイナイのワルは成敗される。事後、結局侍を捨てる平四郎、妙にあっけらかんと軽い。
 ロケ地、恋人に職場のこと愚痴る平四郎、および入水しようとする場面は広沢池東岸。とぼとぼ出仕するも踵返し、のシーンは姫路城菱の門

■ 新必殺仕置人 第13話「休診無用」1977.4.15ABC/松竹

 親切な蘭法医・玄庵が死んだ患者の妻に恨まれ、とらの会にかけられる。その女が流産し苦しんでいるのを巳代松が助け連れて行った先は玄庵宅。休診の札掲げてあるが、中に主水が斬るも取り逃がした手負いの賊が入り込んでいた。玄庵は賊を説き伏せ女を診るが、その夜顔を見られたとして女は殺されてしまう。依頼者が死に、しかし気が悪いと仕置に入る鉄たち。事後、仕置料は虎に返されるが「取っておけ」と微笑まれるのだった。
*ホン荒いかな、と思わせる作だが仕置人たちの日常がコミカルに描かれ見せる。ギックリ腰の主水宅に往診の鉄の乱暴さなどが笑える。
 ロケ地、ラスト虎に金を返しにゆく鉄、広沢池西岸
2003/4/4

■ 暴れん坊将軍IV 第30話「将軍暗殺!女豹が飛んだ」1991-1992ANB/東映

 山田朝右衛門のところへ来た暗殺のバイト、来合わせた新さんが依頼を聞いて三人の浪士たちと挙に加わることに。陸奥藩主がターゲットと依頼者は言うが、折りしも将軍の日光参拝が計画されていることから狙いは上様であることが明白。道中の駕籠には庭番の才三が乗り込み、大目付が裁可を仰ぎに来るのを声音使って誤魔化したり。「刺客の朝右衛門」に化けた新さんは才三の駕籠を襲いうまく芝居して殺ったように見せ掛け、その後刺客団を始末にかかる依頼者を成敗。人質をとられ仲立ちに立たされ最後は新さんを庇って死ぬ女忍や刺客に雇われた浪士三人との交流が見物。浪士の一人は仇持ちで乱戦のさなか襲われたりのエピもあり。ことに豊臣忍の末裔という女の死に怒った上様は刀を返し黒幕の大目付をマジ斬り、太刀行きの迅さが見せる。
 ロケ地、上様を狙う怪しの動きを探っていた庭番が斬られる、妙心寺玉鳳院前路地。刺客に雇われた浪士一行が身の上を話しながら行く奥州路、大覚寺大沢池堤。才三の乗った「上様」の駕籠が利根川を渡る手前で小休止、大覚寺大門内。大目付が去ったあと才三がそそくさと入る、式台玄関。宿を出た小笛を尾けた新さんが詮索無用と斬りかかられる、大覚寺天神島。将軍の駕籠が銃の襲撃を受ける、谷山林道。襲撃後、浪士たちが依頼者の大目付の手先と落ち合う岩井村の鎮守、鳥居本八幡宮、ラス立ちもここ。浪士たちが始末されかかる、落合河口落下岩。小笛が上様を庇って矢に倒れる、酵素。浪士たちが立てる墓は同所二本の木そば。江戸へ帰る浪士一行、嵐山自転車道

■ 新必殺仕置人 第12話「親切無用」1977.4.8ABC/松竹

 お尋ね者を雇ってしまった鳴戸屋から賄賂とり不問に付す主水がハメられ、恨みを買いとらの会にかけられてしまう。依頼者は鳴戸屋へ養い子を出した取り上げ婆のお米、チームの奔走で疑いは晴れ、もう一人の養い子の雇い主が消されたことからお米婆さんも真実に気付き依頼を取り下げる。そして、鳴戸屋の財目当てで裏で糸を引いていた勘定奉行と口入屋が新たなターゲットとなる。
 はじめ半ば本気で主水を仕置しようとしていたような鉄の態度や、自分がターゲットにされたことを知った主水が見せる凶悪な一面が陰影の濃い画で表現される。
 ロケ地、南町前でコロと戯れる主水、大覚寺御殿川河床。ターゲットとなった主水を呼び出すチーム、大覚寺護摩堂。勘定奉行所、相国寺林光院。極楽屋を呼び出し話す主水、大覚寺天神島
2003/4/3

■ 暴れん坊将軍IV 第29話「お役者新さん 花の廻り舞台」1991-1992ANB/東映

 上野秋月藩の若様が後嗣を狙う家老一派に命を狙われる。めぐり巡って旅芸人をしている生き別れの双子の弟なんか出てきたりして、新さんのサポートで悪者をやっつける。傷ついた兄に代わって若様として藩邸に乗り込む弟についてく新さん、役者の新之丞という触れ込みで町人姿に身をやつし入り込む。ラス立ちもその姿のままで行われる。上様の着流しスタイルの裾かっさばいての立ち回りは…体が大きすぎるのかな、袴のが似合う、やっぱり。
 ロケ地、双子は不吉と城を出される弟を見送る正室、彦根城。守人の綾が旅の一座に助けられる、谷山林道。国へ帰る兄と旅を続ける弟が別れ行く街道筋も谷山林道

■ 新必殺仕置人 第11話「助人無用」1977.4.1ABC/松竹

 鉄が入れあげる茶屋女には年の離れた亭主があり、二人が町ゆく姿に人は耳目をそびやかす。茶屋の女将が地所を狙う地回りに殺害され、残された幼い娘はたまたま訪ねて来た鉄に仕置人のことを尋ねる。女房の病のため金が入用になった年老いた亭主は昔馴染みの虎に仕事を貰いたいと申し出る。彼は昔虎の兄貴分の殺し屋であった。老齢を案じた虎は鉄にサポートを依頼、老殺し屋に「わからないように」仕掛けるチーム、仕置は無事済むが老殺し屋は事後鉄に「わしも歳、死んだ人間相手にしとるようじゃいかんわな」と呟くのだった。
*老殺し屋をアラカンが怪演、地回りの手下に志賀勝が凶悪。親分の経営する七福神のキャバレーのビジュアルも見せる。アラカンに「わからないように」破れ釜でサイレンサー作る松っぁんも傑作。
 ロケ地、虎とツナギとる天狗の鞍三、今宮神社高倉下。掲げられた絵馬には虎と天狗が描かれているという演出。虎が鉄にサポート依頼も同所。

■ 鬼平犯科帳2 「下段の剣」通算46話1991.3.20CX/松竹

 坪井道場へやって来た剣客の下段の剣に心惹かれる鬼平の息子、風体を聞いて正体に気付く平蔵。その剣客は「本所の銕」が盗っ人の片棒を担ぐのを諌めてくれた剣の先輩だった。
その男・松岡重兵衛は昔馴染みの盗賊におつとめの助力を要請され、山城屋の押し込みを手伝うが一味に加わった錠前はずしが鬼畜で金を盗ったあと裏切る。乱闘のなか斬られてしまう松岡、忸怩たる思いで調書仕上げた平蔵は庭に出て息子と立ち会う。その木刀の構えは「下段」だった。
 ロケ地、下段の剣の研究する辰蔵、大覚寺五社明神。松岡が斬られる水辺、広沢池東岸
2003/4/2

■ 暴れん坊将軍IV 第28話「紀州の海鳴り おやこ波」1991-1992ANB/東映

 幼い新之助を破傷風から救ってくれた狩人が盗賊となって「母上様」浄円院のもとへ逃げ込んでくる。やむなく高飛びに手を貸す浄円院、しかし不行跡を咎められ失職寸前の大目付の魔手が忍び寄る。紀州までついていって解決の上様、勘助は大目付らの凶刃に倒れるという後味ちょっとわるい結末。
 ロケ地、小梅清涼庵、中山邸通用門。勘助が逃げ回る清涼庵付近の堀川に大覚寺有栖川(勘助は川中、捕り方は岸)和歌山城、本物(外観と庭)。広川町養源寺、本物。海浜は雑賀崎か。

■ 新必殺仕置人 第10話「女房無用」1977.3.25ABC/松竹

 阿片を使い女郎を操る両国の元締・相模屋惣五郎が仕置のターゲットとなるが初手に仕掛けたチームは失敗。詫び料が添えられ再びとらの会にかかるのを鉄が落とす。
依頼者の船頭・政吉は知らずに運び屋にされていて、断ると女房をタテに脅され、しかも阿片投与で女房を殺されてしまっていた。身の危険を感じ微罪でわざと捕まり牢に入るが、担当者の主水がりつをさらわれ脅される始末。チームは政吉を使って相模屋の手下を誘き出し松っぁんの爆裂弾で始末し、鉄が乗り込む。
 ロケ地、相模屋を尾けて排除される正八と松っぁん、今宮神社参道(縁日セット)・高倉脇坂・楼門。子供を使って相模屋を探索させる正八が寝そべる、今宮神社東門内側石橋そばの木の根方。松っぁんの爆裂弾が相模屋の手下に炸裂、中ノ島橋

■ 鬼平犯科帳2 「春の淡雪」通算45話1991.3.13CX/松竹

 与力・天野が形容した「遠い空から降ってきた生き物」の同心・大島は平蔵の危惧通り迷い道へ踏み込んでゆく。使っていた密偵に借金の枷から悪事に引き込まれ、大盗・池田屋五平の娘をさらい脅すというところまで行ってしまう大島、腹心の密偵・おまさや五郎蔵の働きで平蔵は事件の核心を掴み踏み込む。最後はおかしらの前で自刃し介錯を頼む大島。事後猫殿の鰯のなめろうを待つ平蔵の見る窓外の春の淡雪で幕。
 ロケ地、大島が先陣を任される野の小屋、いずこかの砕石場か、バックに滝も見える。平蔵が強請りの浪人の片耳を斬りおとす芝・西の久保八幡宮、今宮神社東門内側石橋上。おまさと五郎蔵がつなぎ笛で誘い出す清松のアジトの千束池、不明・キャプチャ(睡蓮がびっしり)。人質交換の目黒の一本杉、不明・キャプチャ…遣水が上賀茂神社っぽい…。
2003/4/1

■ 暴れん坊将軍IV 第27話「女大学!亭主を男にする法」1991-1992ANB/東映

 船手奉行・木暮長門の働く抜け荷、彼がルソンで作った混血児が刺客の「紫頭巾」となり暗躍する。これに息子を殺された駿府の目付役・丸山文五郎は仇を討つべく妻を伴い江戸に出てくるが、放蕩の日々に倦み妻は別居を申し出る。しかし無頼は息子の死を自らの責と悩む文五郎の苦悩から。彼は死を覚悟しており妻と距離を置いていたのだった。夫婦の機微を「立ち聞き」新さんは妻を宥め、仇討ちを支援し遂げさせてやる。
 ロケ地、紫頭巾が泉屋を暗殺する小名木川の桟橋、中ノ島橋下手右岸にセット。丸山文五郎が鳥刺しを相手に対フェンシングの稽古、大覚寺大沢池畔。木暮邸を探っていた庭番が見顕わされ逃げる、有栖川の中。夫と別居した良江が身を寄せる浅間寺、善峯寺(山門他境内各所)。忠相が新さんに丸山勝次郎の件を報告、大覚寺護摩堂前。駿府を出てすぐの山道で勝次郎が紫頭巾に襲撃される、酵素ダート。ラス立ちの船着、広沢池東岸。江戸城庭、姫路城西の丸広場。
*船手奉行の息子の「紫頭巾」右京之介、茶髪のビジュアルおよび丸山に斬られて絶命する際の「母上…madre…」もなかなか乱暴で笑える。それより笑わせるのはラスト、お城の庭で田之倉が取って置いた羊羹を盗み食いしたとからかう上様…取り置くって、どこに。徳田新之助が丸山夫婦の話を聞いてしまう理由が、貰った土産を取りに帰ったためっつうのもなかなか。土産を忘れたのに気付いた新さんの表情が笑える。

■ 新必殺仕置人 第9話「悪縁無用」1977.3.18ABC/松竹

 深川の売れっ子芸者のおりく姐さん、正八の売るおりくを描いた浮世絵を見てぽーっとなる巳代松。たまたま頼られたことから思い入れはますます深くなる。
 とらの会にかかる無宿・音吉。これがおりくの子の父親で、しかし女を蹂躙し尽す大ワル。瓦版屋と結託して再びおりくを苦しめる。子を楯にヌードモデルをさせられたおりくは仕置の依頼を「追加」、受ける鉄。松っぁんは五発同時発射の竹鉄砲を作り仕置に向かう。この際の掘割の橋上での仕置シーンはのちに重要なファクターとなる。
 ロケ地、梅見の宴に偽装したとらの会、大覚寺五大堂観月台。事後、プランコで遊ぶ母子を影で見遣る松っぁん、大覚寺天神島

■ 必殺渡し人 第9話「無縁墓地で渡します」1983.9.9ABC/松竹

 スパルタ教育の私塾・赤松道場、武家の親たちは跡取りの鍛錬と競って息子を送り込む。塾長と密通の旗本・萩原の後妻は腹を痛めた実子に跡を継がせるため道場へ長男を送り込み謀殺させる。さすがに息子の死に不審を抱いた萩原は奉行所に訴えようとするがこれも密殺されてしまう。関わった萩原の息子に香華を手向けようと来ていた大吉に、瀕死の萩原から渡し料が託される。
 ロケ地、赤松道場の鍛錬の川、罧原堤下桂川
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