時代劇拝見日記 2003年9月

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2003/9/30

■ 名奉行 遠山の金さん 第9話「正当防衛の男?」1988テレ朝/東映

 奥祐筆組頭と組んで米相場を操り大儲けの相模屋、この男は先代を暗殺して後釜に座った大ワル。その罪を知る幼馴染の二人は踏み躙られ、残った女も殺されかかるところへ遠山桜。
 ロケ地、芳松の墓へ参る金さんとおすま、大覚寺五社明神裏手に卒塔婆をセット。おすまの回想、ならず者に襲われ、清七が一人を刺殺してしまう水辺、広沢池東岸
*今日のお白州では、金さんをここに呼んでくれたらとのおすまの言葉に「さっきからココにいるぜぇ」と肩を抜く。*ラス立ち、福ちゃん槍持って登場(なりはノーマル侍)。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第79話「天下御免!おふくろの味」1978-1982ANB/東映

 唄子師匠再登場、恩ある得意先のことでメゲかける息子を叱咤激励、ワルに真っ向から悪罵を浴びせる。
 ロケ地、天満屋おまさと新さんに恵比寿屋差し回しの刺客、大覚寺大沢池堤。地回り酒の蔵元を狙う高利貸しの件を上様に報告の忠助、姫路城西の丸。のちに庭番からこの件の調査報告受ける城内の坂、はの門下坂。房州佐原流山付近を探索の庭番、松本酒造前東高瀬川左岸堤に茶店セット。銀屋の駕籠がゆくシーンで映る鉄パイプ欄干の小橋は、確かもうなくなってる一件と思われる。銀屋に拉致されたおまさの息子が監禁される小屋、大沢池北西畔。拉致されたおまさの乗った船は大沢池上。騎馬で駆けつける新さん、大沢池堤。ラス立ちは五社明神をフル活用、舞殿に駆け上がっての殺陣もあり。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第22話「脅して勝負」1975.5.30ABC/松竹

 狼同心と異名をとる北町の神尾仙三郎、前歴ある者を脅し金を毟り取る。この狼に猟官運動の資金を無心する与力あり、金を工面してきた神尾は用済みとばかりに始末されてしまう。
しかし、神尾に金を強請り取られた挙句息子を殺された商家の主から嶋屋に依頼が来ていて、長崎奉行就任も夢と消えるのであった。
 ロケ地、美濃屋の変事を聞き駆けつけた半兵衛が、主に叩き出されたあととぼとぼ歩く道、大覚寺大沢池堤。半兵衛を呼びとめ、巻き添えで殺された妹が不憫と泣く佐八は水門下の汀に座っている(水量少なし)。与力・岡村新兵衛邸、相国寺大光明寺(門、路地)
*今度の仕事はヤバいと渋る政吉、情婦に大金与え死に脅える姿が印象的。
2003/9/29

■ 名奉行 遠山の金さん 第8話「ひょっとこ面の女」1988テレ朝/東映

 大奥に納める絹を一手にしようと図る絹物問屋が、地回りを使い同業二人を殺害。その親分に一宿一飯の恩ある凶状持ちの壺振り女は殺害時手を貸すはめになるが、彼女は水木同心の実母だったという哀話。
 ロケ地、一人目が白昼暗殺される薬研堀不動の縁日、今宮神社参道に屋台セット。この商人の葬儀が営まれる下谷清雲寺、大覚寺大沢池木戸に幔幕等あしらい演出。壺振り女の昔を語る釣りの老爺、大沢池畔。浜町大宮神社で下っ引きたちに剣の稽古をつける水木同心、今宮神社東門内石橋付近。金さんの示唆で来たおふじが水木と話す、石橋上。おふじが水木の息災を祈り絵馬を捧げるのは高倉
*暗殺シーンは必殺ノリ。生き別れの母子再会の感動話なのにタイトルは…。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第78話「天下を狩る男」1978-1982ANB/東映

 狩り大好きな上様、普段は民の迷惑を避けるため少人数のお忍びだが、泰平の世に晴れやかな出番の無い大御番衆の不満を抑えるため、巻き狩りを行うことに。
しかし根性の腐った旗本たちは、上様の言いつけにも関わらず民衆に無体を働く。
はじめから徳田新之助として現地入りしていた上様、百姓の女房にまで悪さをする侍たちを成敗。
 ロケ地、上目黒村駒場野の一部(村の衆と喧嘩の鶴吉)酵素河川敷(有栖川の水量多し)。他の野面、不明なるも苗木の様子などからは商業ベースの植林地でもないような。
*ワルの親玉、私腹を肥やすつもりで臨時奉行に就任の大御番頭に高品格、女に手出すヒヒ爺はあんまり似合わない。
2003/9/28

■ 子連れ狼 その小さき手に 1993.2.6松竹 井上昭監督作品

 線の細い、総髪で巻き舌の田村正和の拝一刀。箱車は押してないので、もちろん堺筒なんかは無し。柳生烈堂に仲代達矢、弟で「表」柳生の備前守が悪辣っぽく描かれる。拝一族滅亡から、流浪の旅を経て烈堂との対決で終わる。父子の旅の情景は砂の器みたい。
 ロケ地、拝家へ走る柳生の七生、大覚寺放生池堤。拝家での乱闘は沢ノ池東岸へ移動し、水切りの太刀で蔵人斬殺。旅ゆく父子、遊ぶ子らを羨望する大五郎は山室堤道。魚とりして西瓜食う大五郎は罧原堤あたりの桂川か。夕暮れ、数え歌うたう大五郎、木津川堤。母の墓のある寺、龍潭寺。磐城平藩領で御用金一行に荒技仕掛ける一刀、クレジットにある奈良の若草山か(ガソリン撒いて火を放ってるので、饗庭の演習場かとも思ったが…確信なし)。大五郎が置いていかれる磐城平藩の城、福井の丸岡城。橋上から放尿し咎められる大五郎、木津川流れ橋。この後烈堂に拾われ野営&烈堂とお相撲・一刀が現れチャンバラ・七生が割って入り斬られる、一連のシーンは酵素(派手なセット建ててる)。七生の荼毘、桂川松尾橋上手か(判断材料少なし)。烈堂と一刀の対決の錦の浜(八丁河原ではないみたい)間人の立岩と久美浜町の小天橋海岸
*現在ヨロキン版子連れを連日視聴中なので違和感ありまくり、しかし大五郎変更ショックほどではなし。鬼気迫るヨロキン拝はもちろんベストだが、田村拝の殺陣も見所多し。

■ 鬼平犯科帳3 「忠吾なみだ雨」通算64話1992.4.28CX/松竹

 木村忠吾が惚れた素人女、珍しく相愛になるも相手は火盗が追う盗っ人の娘。平蔵の前ではいさぎよく明るくあきらめたと言う忠吾だが、おまさらを前に悲嘆の涙にくれるのだった。
 ロケ地、新堀端・竜宝寺でお雪をならず者の浪人たちから救う忠吾、真如堂境内(本堂、水場、塔)。お雪とデートの待ち合わせの同門前は神泉苑。お雪が「叔父」善四郎に連れられゆく東海道、山室堤道か。ラスト、酒肆で突っ伏して泣く忠吾のシーンに重なるお雪の道中、谷山林道
2003/9/27

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第77話「紀州から来た花嫁」1978-1982ANB/東映

 大火に心痛める上様、民家の瓦葺化推進を打ち出す。しかし火事で大儲けの材木商らが作事奉行と語らい、瓦問屋の妨害に走る。
これに、上様や加納じいと旧知で、紀州・善明寺から来た陶工の娘が絡む。
 ロケ地、瓦並べて品質詮議の上様、姫路城西の丸。船着きの茶店で菊枝と語らう新さん、広沢池東岸。深谷へ赴く瓦問屋・万年屋と菊枝が襲われる赤羽の荒川、木津川流れ橋。上様がじいとタンデムで駆けつける、木津川堤

■ 新・三匹が斬る! 第21話「さらば三匹、死出の旅への王手飛車」1993.2.25テレ朝/東映

 三匹の別れは、妖怪じみた姫によってもたらされる。
お話は、隣り合わせた藩の領土をめぐる紛争、実戦の代わりに将棋で勝負の運びとなるが、次々と繰り出される汚い手に三匹の堪忍袋の緒が切れる。将棋のくだりでは、厳格な棋士の父に反発する若者のエピソードが挿まれる。そして、三匹を解散に導く姫の正体は妖怪の娘であることが明かされ、一人捕まってしまう陣ちゃんなのであった。
 ロケ地、永山藩将棋役・生駒仁左衛門邸、妙心寺衡梅院門。平沢藩の軍事教練、彦根城二の丸。永山藩の幼君に将棋での代理戦争を提案の殿様、料亭坂口庭。鳥居甲斐守の娘・小百合姫と元京都町奉行・板倉内膳の行列がゆく海辺、琵琶湖西岸松原
2003/9/26

■ 名奉行 遠山の金さん 第7話「美女が恨みの刃」1988テレ朝/東映

 深川の再開発で私腹を肥やさんとの策謀、放火のうえ火消しをハメる富商と幕閣。パトロンとの確執に悩む火消しだが、火事で親を亡くした娘の怒りを見て心を決める。
 ロケ地、お仙が金さんに報告の小川べり、上賀茂神社ならの小川畔。放火犯の浜吉が刺客に襲われる道、金戒光明寺長安院下路地。おこまが北十二組の鯉太郎を手裏剣で狙う、今宮神社境内(合祀摂社前ほか、高倉裏手の石垣など珍しいアングル)。おこまが河原で手裏剣の芸を披露、木津河原。帰途渡る橋、中ノ島橋
*ラス立ち、繰り出す地回りの手下に福ちゃん。

■ 痛快!河内山宗俊 第26話(終)「無頼六道銭」1975-1976勝プロ/フジ

 別れの予感を孕みつつ進行するストーリィは、水野失脚の仕上げを図る鳥居耀蔵との対決を描く。小判改鋳の書付と共に金座後藤拉致って来る森田屋、対する鳥居はお滝を拉致。荒れ屋敷での鳥居との対峙、自分はいいから思い通りにと訴えるお滝にあの世で夫婦にと返す宗俊、乱闘の口火を切るは森田屋の銃ぶっ放し、甲斐守は宗俊にのされる。
市中をゆく若者三人組、船出の森田屋と金子市、そして堤上をいちゃつきながら行く宗俊とお滝の姿で幕。
 ロケ地、宗俊とお滝のラブラブ堤道、伏見・松本酒造前東高瀬川左岸堤。金子市が捕り方を斬ってしまう浜辺、広沢池東岸。千代がねちねちと話しかけて金子市に逃げられる、嵐山公園桂川右岸・栗石の河川敷

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第76話「正体見たり枯尾花」1978-1982ANB/東映

 物堅い作事奉行が御用商人と用人にハメられ、あと一歩で廃人の危機。仕掛けは自害した妻が夜な夜な化けて出るというもので、お化け屋敷から人を雇ってきてというとんでもなさ。そのうえ妻の自害もワル一味が仕組んだ殺人、からくりを解いた上様が乗り込んで一掃。
 ロケ地、忠助と作事奉行の変事について話す上様のくだりに、姫路城はの門下坂西の丸。作事奉行が思いつめて参る妻の墓、西寿寺山門(墓地も同所と思われる)。用心棒を買って出た新さんが刺客に襲われる、相国寺仏殿跡林間路地
*作事奉行藤山外記に五鉄の亭主。

■ 新・三匹が斬る! 第20話「出雲崎、嘘を並べて唐丸破り」1993.2.18テレ朝/東映

 会津藩家老の悪事を暴いた侍が家老にハメられ罪に落とされ、彼の妻と、妻の亡母に恩を受けた元盗っ人が奪還に動く。元盗っ人の捨蔵は、昔取った杵柄とばかり三匹を騙し利用しようとするがことごとく果たせず。たばかられたことを怒る三匹だが事情を知って協力、しかし捨蔵は証拠の書付を守って落命。三匹の怒りの鉄槌が下る。
 ロケ地、唐丸が渡る橋、木津川流れ橋。捨蔵が千石を騙す街道筋、谷山林道分岐道。騙された千石が唐丸護送の用心棒に斬りかかる、沢ノ池東岸汀とダート。書付を隠してある絵馬堂、鳥居本八幡宮(本殿、広場、竹林)。書付持って逃げる捨蔵、保津峡落合河口。追い詰められて身を流れに躍らせる、保津峡。榊原夫妻を見送り旅立つ三匹、琵琶湖西岸松原
2003/9/25

■ 名奉行 遠山の金さん 第6話「お奉行が消えた」1988テレ朝/東映

 本格の老盗賊、手下の殺人のため自首して出るが、庇われた女房は欲深の毒婦。隠し金欲しさに夫を牢から出そうとして北町奉行誘拐を画策、ホントにさらうから怖い。女に利用される爆薬使いの浪人が遠山の旧友というエピソードが挿まれる。
 ロケ地、金さんが黒木浪人におびき出される浜町河岸、木津川流れ橋下。仁蔵殺害を示唆され女の心底を見て翻心の黒木が刺され川落ち、中ノ島橋
*黒木に綿引勝彦、不遇に世を拗ねた生硬な男を好演。水木同心は吉川に泣きつかれ助力、はじめ嫌がるが意外や金につられる。

■ 痛快!河内山宗俊 第25話「桜吹雪江戸の夕映え」1975-1976勝プロ/フジ

 さんざん儲けたすえ森田屋を切る上つ方、捕縛の指示が遠山金四郎に下され、「いい顔」した悪党をお好みの北町奉行は河内山に下駄を預ける。
宗俊は身代わりを立ててと示唆するが奉行のもとに出頭の森田屋、証拠の割符をむしゃむしゃ食ってしまう御数寄屋坊主の無茶苦茶で幕。
森田屋が掏られた割符を横取りの女スリのエピソードが絡み、河内山若者組がセイシュンしたりもする。
 ロケ地、遠山奉行がスリの親方と引き合わされる、粟生光明寺石段(大屋根映り込み)。事後宗俊が割符を消化するためランニングの石段も同所。遠山が宗俊を呼び出す汀、怪我したおまきを匿う夜鷹の苫船、出頭するという森田屋、広沢池東岸。スリの親方に追われるおまきのくだり、中ノ島橋上〜河川敷。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第75話「失踪!加納五郎左衛門」1978-1982ANB/東映

 尾張大納言を推していて冷や飯食いの旗本、将軍に目にもの見せんと加納じいを拉致、辻斬りの汚名を着せる陰謀をめぐらす。しかし策謀はじいにシンパシーを抱いた妾により崩される。
河合伸旺に江幡高志など典型的悪役衆が揃い、白木万理のお局さまも意地悪っぽく絡む。
 ロケ地、じいが月に一度の休みにお散歩、大覚寺有栖川畔〜五社明神大沢池畔でさしこみ女を介抱、送って行って殴られ拉致監禁の丸一の竜佐宅、望雲亭
*城中、加納じいが辻斬りして失踪・上様も大変なことにと騒ぐのを見て呵呵大笑の河合伸旺、何を笑っておるとじいに前に立たれすわ幽霊かと足元を見る目線がキュート。

■ 新・三匹が斬る! 第19話「越後路は、水燃え人燃え怨み節」1993.2.11テレ朝/東映

 臭水(くそうず=石油)をめぐり色と欲と、貧しき民の思いが交錯する。
旅役者に拾われ育てられ美しく成長し、故郷に巡業に来た娘が巡り合った父は、18年も探し求めた石油を掘り当てるも悪家老の手にかかって頓死。か弱き者を踏みつけ私腹を肥やすワルに怒り心頭の三匹、根こそぎ成敗。
 ロケ地、一座が小屋掛けの広場、大覚寺大沢池畔。旅立つ三匹、山室堤道
2003/9/24

■ 名奉行 遠山の金さん 第5話「闇のおんな仕事人」1988テレ朝/東映

 南部からはるばる江戸へ許婚者を探しに来た女、再会を果たすも男は世を拗ね闇の世界の住人となっていた。
 ロケ地、闇の殺し屋が依頼人とツナギをとる大隅神社絵馬堂、大覚寺護摩堂。島屋が白昼暗殺される浜町の茶店、大覚寺天神島にセット。吉川が盛岡藩から取り寄せた資料を抱えて金さんのもとに届けに走る、中ノ島橋
*冤罪で捕縛され拷問を受けたことから世間を恨み、破牢の仲間と殺し屋を結成する一石屋に寺田農。ロケットパンチは出ず、手槍の名手設定。

■ 痛快!河内山宗俊 第24話「手玉にとられた鬼三匹」1975-1976勝プロ/フジ

 鬼三匹は宗俊・森田屋・金子市の三人、将軍のお手つき中揩ニなるを厭った御台所づきのお菊にたばかられ、婦女暴行犯として罪に落されかかる。しかしお菊の意図に反し養親の旗本が事件揉み消しを図り、加えて水野忠邦への反逆をはかる。宗俊はいつもの強引な手で事を収めるが、仕儀に感謝の御台所から下された音物は山ほどの羊羹、中を調べるも小判なんて入っちゃいねー始末。そして晴れて自由の身になったお菊につきまとわれたり、小悪魔に振り回される男たちなのであった。
 ロケ地、金子市が店を広げていてお菊に声を掛けられる、今宮神社高倉下。森田屋不在で行われる抜け荷、町方に邪魔される夜の浜辺、広沢池東岸。事後、羊羹にゲップの男たちが水を飲みにゆきお菊に絡まれる、松尾大社亀の手水場。宗俊を残しそそくさと立ち去る男たち、楼門

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第74話「江戸煩いを叩き出せ!」1978-1982ANB/東映

 謎の病・江戸煩いを解明し治療の君島志乃、見立て違いをやらかし地位の危ない典医が彼女を亡き者にと策謀をめぐらす。こやつの裏には実兄の寄合旗本、弟の地位を利用し大儲けを企むワル。再度の襲撃を画策するところへ乗り込む新さん、大うつけの兄弟を成敗。
 ロケ地、剣のお稽古上様、枳殻邸(池とゲストハウスの間の芝地・両方に幔幕)。トリオで江戸煩いについて協議、枳殻邸印月池畔。典医・渋沢法印道伯邸、大覚寺望雲亭
*謎の病は脚気、白米を食べる習慣が広まり蔓延というお話。上様は七分搗きの粗食ゆえ病知らずというオチ。

■ 新・三匹が斬る! 第18話「羽黒山、天狗も泣いた色と欲」1993.2.4テレ朝/東映

 天狗騒ぎの鶴岡藩藤島代官領、代官が正体は露人と決め付け追うは陰謀、羽黒山中に隠れ住む元船乗りの露人を抹殺せんがためのもの。裏には家老、その昔前藩主暗殺の毒薬を抜け荷でゲット・その折オロシヤ商人と船員を惨殺、一人逃れた船員・サハロフは山中に潜み、土地の娘をさらい妻としていた。
病を得た父のため金髪碧眼の身を曝し里におりた少年・浦次(ウラジーミル)を助け動く殿様、前藩主頓死の謎を追っていた忠義者の藩士と関わり剣をふるう千石、危機には陣ちゃんも駆けつける。
 ロケ地、雨宿りの殿様が天狗にさらわれた娘を待ち続ける老婆を見る最上川ほとりの山門、不明・キャプチャ。そこから見遣る雨に煙る最上川、桂川(罧原堤上から嵐山東公園を望むアングル)。陣ちゃんが天狗の温泉の素売ってて捕縛される、仁和寺塔前。浦次が殿様についてくる街道筋、およびラスト三匹旅立ちの街道筋、山室堤道。羽黒山中のサハロフの小屋へ赴く殿様が見下ろす谷、保津峡(大悲閣下)
2003/9/23

■ 水戸黄門32 第8話秋の二時間スペシャル「決戦!加賀百万石」2003.9.22TBS/東映

 今回の漫遊の目的・加賀藩の騒動を収める老公、お話はお世継騒動。SPだけあって炎上爆発もあり、ご当地ロケもあり、いつもは出てこない回もある夜叉王丸も何回も湧いて出る。忍者寺での殺陣は見もの。
 ロケ地、一行が金沢目指してゆく街道筋、および嫡子がお国入りの際さしかかる倶利伽羅峠付近、谷山林道。華風と会う友禅流しの川(犀川か浅野川設定?)桂川松尾橋上手右岸。若侍たちがたばかられて呼び出される犀川の屋形船、広沢池東岸妙立寺、本物(門)。忠八郎が由紀にラブレター返却にかこつけ文渡す、嵐山自転車道川側からの撮り。なんか唐突な鬼若と夜叉王丸の立ち合い、嵐山自転車道下桂川右岸河原、夏草でジャングル状態。城代隠宅不明、キャプチャ。

■ 名奉行 遠山の金さん 第4話「標的は純情くノ一」1988テレ朝/東映

 遠山を陥れようと失脚材料仕込む鳥居甲斐守、しかし甲賀くノ一はおかしらの冷酷さに嫌気さし、また金さんの優しさに打たれ、わざと仕事を仕損じたうえ、白州で真実を述べるに至る。
 ロケ地、来島虎太が八州役人と斬りあい、木津川流れ橋下。釣りの金さん、中ノ島橋下右岸・堰堤バック。飛脚姿のお仙が走る甲州街道、嵐山自転車道、江戸へ着き金さんに声かけるのは中ノ島橋上。登城の遠山が吉川と話しながらゆく坂、知恩院黒門道。甲賀くノ一がお仙と立ち合い、下鴨神社河合社塀際。甲賀の五太夫が老中・真田の駕籠を襲う、相国寺方丈南西角大光明寺南路地

■ 必殺必中仕事屋稼業 第21話「飛入りで勝負」1975.5.23ABC/松竹

 足を洗った盗っ人が回船問屋の番頭となり、篤実に勤める姿は実は擬態。おかしらを売って盗み金を隠匿した男の実態をはなから知っていた頭の娘は、裏切者を父として暮らしつつ復讐の機会を待っていた。
「実はこうだった」話が二転三転、善人の仮面をかなぐり捨て金持って高飛びの番頭の企みは潰え、仕置されたうえ金は「世のため人のため」回される。
 ロケ地、政吉が仕込みと知らず盗っ人の手先・銀次と渡り合い川ボチャ、中ノ島橋(その後揉みあうのは堰堤上・下)
*話のモチーフとなる三つの杯使ったイカサマを披露するはゼンジー北京。いつまでも仕掛けにこだわっている半兵衛さんが傑作。源五郎親分のからみも多し。
2003/9/22

■ 名奉行 遠山の金さん 第3話「引き裂かれた妻の夢」1988テレ朝/東映

 息子の出世の登竜門となる試験、奔走する御家人の妻たち。これを食い物にする教授方、結託の札差と凄腕の用心棒。ワルの企みを阻止する遊び人、白州に桜吹雪が舞う。
 ロケ地、素読試験会場の明誠館学問所、黄檗山萬福寺(試験会場門に開山堂、教授・関原孔山に縋る御家人の妻(のち入水)のくだりでは回廊寿塔が使われる)。御家人の妻(のち斬殺)が札差・森田屋と話すのを見る金さん、松尾大社楼門(茶店セット)。この女が斬られ死体で見つかる桜が池端、大覚寺大沢池木戸。須貝の息子に団子奢ってやる金さん、松尾大社桂川用水の石橋(塀のくぐり戸越しのショット)。用心棒が金さんに斬りかかる山谷掘、大覚寺護摩堂前。孔山堂、大覚寺明智門(松は一致、御殿川に木橋セット、しかし端っこにあるはずの石の手すりが無い…??)
*関原孔山に菅貫太郎、小憎たらしい姑息さ全開。ことにお白州では身分柄縁に座ってるもんだから金さんとのやりとりが迫力、証拠を出せと扇で畳をパンパンパン。*ラス立ち要員のその他大勢の用心棒、先頭きって福ちゃんが出張る。

■ 痛快!河内山宗俊 第23話「真っ赤に咲いた想い花」1975-1976勝プロ/フジ

 宗俊が一目惚れ?の女堕胎医、暗い影のある不思議な女。用心棒を買って出るが、丑直コンビが患者に下手な強請りをやらかしおおごとに。奇妙な経緯の末、女医は刺客の凶弾に倒れるが、実は妹の手伝いの女児は金子市が強請った大金を投げ出し助かる。
陰惨な暗い話だが、最後は刺客の出所を脅しにゆくと明るい一家で締め。
 ロケ地、ラスト、女医とデキてたかと宗俊に聞く金子市、そこへ女児が助かったと報告に来る丑直コンビ、激しい流れのしぶき越しに描かれる、桂川大堰前左岸。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第73話「富士の白雪に燃えた男」1978-1982ANB/東映

 お氷道中もの。ふつうのこれは昼夜駆け続けるスピード感溢れる展開がパターンだが、本作はなんかのんびり展開。宰領役の三日月藩賄役はとびきりの善人で、道中で無体を働くどころか餅の代金まできちきち帳簿つけ、高熱の子を救うためそっと氷を分けてやったり。
途中、頓珍漢な盗っ人が義憤に駆られ氷盗ったり、仲の悪い隣藩の妨害があったりで、艱難辛苦の末小さく小さくなってしまった氷を献上。しかし自分が正規のお役でなく囮と知ってガクーの善人、ずっと道中を共にしていた上様はこれを賞揚するのだった。
 ロケ地、餅を買う甲州街道の茶店、谷山林道。あとの野道山道、検討つかず。

■ 新・三匹が斬る! 第17話「血槍舞い、死んで咲かせた忠義花」1993.1.28テレ朝/東映

 奥州椿藩、不審死の前任者から業務を引き継いだ勘定吟味役は、不正調査の仕事も引き継ぐが、密偵ともども借り入れ米を隠匿し私腹を肥やす勘定奉行一派に消されてしまう。
この侍を倅のように思い育てた中間は、主の死に関わる秘密を知り、主の槍を手にワルに立ち向かうが敢無く返り討ち、これを見た怒りの三匹が血煙を上げる。
 ロケ地、椿城外観、彦根城天守。密偵の女が経営する街道筋の茶店、谷山林道にセット。吟味役・菊岡と密偵が心中立てで見つかる水辺、広沢池東岸。中間・五郎八が殿様と行き合わせ、この道は主との思い出という、仁和寺観音堂前。五郎八が拉致されたと殿様に告げに走ってくる菊岡の妻女、仁和寺塔前。飛地の蔵番所、大覚寺明智門。旅立つ三匹、山室堤道
2003/9/21

■ 乾いて候 1993フジ/東映

 前回視聴分より10年を経て、すこぅしお年を召した田村正和と、あんまり変わらない高廣兄上の姿が見られる。導入部はほぼ前作を踏襲、お話は実は生きていた母との再会と別れが描かれる。ニヒルな主丞も凄絶な母とのからみではうるうる場面多し、上様はおちゃらけ度合を少し減じ、かわりに馬鹿殿を本田博太郎がコミカルに演じたりして。
 ロケ地、宇都宮藩下屋敷、青蓮院(建物はあまり映らず大楠のシルエット越しにちらり)。江戸城は彦根城を使用。忠相が主丞に母の死の経緯を聞くシーンは時報鐘前、背後に街並がちらっと映る。母が尾張の手にあると聞く主丞、太鼓櫓下。日光街道で雨宿りの主丞が甲賀くの一に狙われかける、魔気神社楼門。その後襲撃される汀は沢ノ池かと思われるが、判断材料に乏しい。汀の形状からダム湖か溜池は間違いなし。宇都宮城にも彦根城を使用、将軍来るを告げる早馬が疾駆するくだり、観音台下の坂道観音台前の橋西の丸三重櫓裏手。母のいる千手院は不明。

■ 鬼平犯科帳3 「おしま金三郎」通算63話1992.4.15CX/松竹

 強引な捜査で顰蹙を買う同心・松波金三郎、たまたま転がり込んできた足抜けしたいという盗賊一味の女を利用したあと手ひどく扱い、見返られお役ご免に。その後料理屋の主となった彼のもとに再び現れる女、また撥ね付ける金三郎、しかし彼らに逃げ延びた一味の復讐の魔手が伸びる。
 ロケ地、おしまから足抜けの相談を持ちかけられた密偵・ませの七兵衛が松波に話を上げる、真如堂本堂まわり。おしまに会いに船を出す松波、西の湖水郷。金三郎が門前に店を構える麻布田島町・鷺森神明宮、梅ケ畑の平岡八幡宮(参道に料理屋セット、石段と本殿まわりが沢田同心の見張りやおしまのシーンで使われる)
*ドラマでは盗っ人宿の地下蔵で虫の息のおしまを抱きしめる金三郎のあと、料理屋が売りに出されているシーンを最後に後段は語られないが、原作では京で暮らす二人の様子が、伝聞のかたちで語られる。
2003/9/20

■ 痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」1975-1976勝プロ/フジ

 経費捻出のため貨幣改鋳を図る水野老中、材を産する浜北藩を籠絡するため姪を藩主に縁付かせようとする。
しかし藩主は女嫌いの変人、姪は男勝りの利かん気姫。宗俊は藩主に接近し「柔らかく」教育しようとするが不調、そのうち転がり込んでくる姫とも関わり、二人は宗俊を介して奇妙な出会いを果たしゴールインの運びに。天然系の二人に振り回される一家がコミカルに描かれ、その過程で鳥居耀蔵と確執を得ることとなる。
 ロケ地、地震騒ぎで屋敷を抜け出した夕姫がナンパされる橋、渡月橋

■ 新・三匹が斬る! 第16話「母恋し、狐涙の妖怪変化!」1993.1.21テレ朝/東映

 妖狐騒動の相馬藩、狐憑きと追われる姫、実は飼い狐を騒動に巻き込みたくない一心の健気な行動、騒ぎの裏には藩主にのし上がろうとする側用人がいた。
本物のキツネを使っての演出、今回も千石は怪しの影にひかれる役回り、きっかけはさもしい餌あさりだったり。ポニーテールでむさ苦しい浪人は決まって女と子供と動物に優しい、時代劇の法則のひとつか。
 ロケ地、相馬藩の城、彦根城。イメージに天守上部。殿様が家老以下と会見は天守下、熱血若侍と話すのは天秤櫓下の石垣。鶴姫十五歳の祝いの野点、玄宮園池畔。家老暗殺は天秤櫓の真下。城下で物売りの陣内は仁和寺手水場、のちお蝶と茶店で狐の噂聞くのは中門傍の茶店をデコレーション。陰陽師が妖狐を封じた稲荷の祠、大覚寺天神島の祠に朱の鳥居をセット。姫が追い詰められる国境の谷、保津峡落合落下岩。姫を庇って銀太キツネが墜死、落合河口。事後、銀太の墓前で鼓を打つ姫を見届け旅立つ三匹、常寂光寺仁王門

■ 必殺仕置屋稼業 第14話「一筆啓上不義が見えた」1975.10.3ABC/松竹

 市松の幼馴染・浅吉は米問屋の篤実な番頭。しかし主の囲い者とデキてしまい、逢瀬の夜に目撃した盗賊の件を立場上訴えて出られず悩む。市松のアドバイスもあり、妾との関係を主に告白し、盗賊の件もカタがつくかに見えた矢先、彼らは盗っ人の魔手にかかり、二人ながら落命。行き合わせた主水が、虫の息の女から恨みを託されるが、ターゲットは盗賊二人と、その親玉の米問屋の主だった。
 ロケ地、甲州屋へ入った盗っ人を追い走る捕り方が渡る橋、中ノ島橋。橋下で泥棒たちお着替え、これを見てしまう浅吉カップル、水路分岐の堰堤上。幼時、市松と浅吉の出会いの稔りの田、北嵯峨農地か。おそでが浅吉に逃げようと持ちかける川辺、桂川松尾橋付近(判断材料に乏しいが、右岸であることと流末が大きく左に曲折していることから、松尾橋下手と思われる。市松が二人にアドバイスの川辺も同所と思われる)。夜の六郷堤をゆく浅吉たちが泥棒二人組に刺される、嵐山公園中州
*今回主水の殺しは無し。好人物の裏で酷薄な所業を重ねる長門屋治平に米倉斉加年、これを殺る市松、死体の上に稲穂をしごき籾を散らす、浅吉との思い出への餞か、印象的なビジュアル。

■ 必殺仕置屋稼業 第15話「一筆啓上欺瞞が見えた」1975.10.10ABC/松竹

 才溢れ人気も高い、清元佐太郎の息子で二代目の佐一郎。これがとんだ痴れ者で、座の者を侮り見下し舞台に穴を開ける、片端から周囲の娘に手をつけ物議をかもす、博打で多額の借金をこさえるなど、旗本の若様とつるんでやりたい放題の毎日。先代から託された佐一郎の面倒を何くれと無く見て、悪事の尻拭いに奔走する師匠にまで手を伸ばすとんだ色悪、最後はその師匠を悪たれに売る始末。疲れ果て絶望した師匠は、かねて聞いていた仕置屋稼業を求め深更おこうの店に現れる。依頼には、自分の目の前で佐一郎を殺して欲しいとの注文がつけられていた。
 仲間が次々仕留められ、恐怖した佐一郎は師匠の家に駆け込む。助けて助けて誰かが私をと掻きくどく佐一郎に構わず、師匠は彼が演じるはずだった「保名」を唸る。かさかさと逃げ回る佐一郎の背後に音も無く忍び寄る市松、突き立てられる竹串。ずぶずぶと佐一郎の体内に刺さる音、やむ三味の音、落ちる撥には師匠の血が濡れ濡れと重なるのであった。
 ロケ地、佐一郎にたばかられ旗本の若様に売られた師匠が乱れた姿のまま渡る橋、中ノ島橋。座主の娘に無体を強いている佐一郎は橋下河川敷。開き直った佐一郎が師匠の手を振り解き去るシーンは河川敷に下りる鉄の階、夜間撮影なのでOK。
*師匠に山田五十鈴、「われ中空になすな恋」を弾き語るシーンは必見。端々に見える可憐な色気が凄絶。佐一郎には綿引洪、いつもながらの物堅そうな仕草で見せる、いっぷう変わった理詰めの色悪が圧巻。山田五十鈴を押し倒すなんて、余人にはちょっと無理っぽいかも。
2003/9/19

■ 名奉行 遠山の金さん 第2話「女盗賊の三つの謎」1988テレ朝/東映

 金さんが何くれとなく世話を焼いてやった、死んだ盗賊の薄幸そうな女房は騙り。正体は、父の仇を討つべく盗みを働いていた姐御。父を謀殺した仁平次を殺った女は一家を指揮し大店に押し入り大金をゲット、これを引き金に解散を図るが敢無くおナワ、白州に遠山桜が咲く。
 ロケ地、登城の遠山、姫路城はの門下坂。堀田摂津守に呼ばれる巽の馬場、西の丸。話しながらゆく城中、水四門。「仁平次」を名乗る二人組の盗賊が町方に追われ逃げる堀、大覚寺有栖川河床。町方が出張る橋、勅使門橋。これから身を隠す二人組、御殿川流れ込みの落差。翌日、片割れの死体が検分されるのは落差前の岸。「源三」の墓に参るおしまと金さんが襲撃される、御室八十八ヶ所堂前(地蔵さんも映る)。おしまが入水未遂、嵐峡汀。

■ 痛快!河内山宗俊 第21話「妻恋い、母恋い風ひとつ」1975-1976勝プロ/フジ

 重役の息子に踏み躙られ藩を追われ、別れ別れの母と父子。流れ着いた先の江戸で、かたや女郎、かたや辻斬りに身を落しての再会は新たな悲劇を呼ぶ。
 ロケ地、千代が丑松と直次郎に上月浪人の妻探索を提案する水辺、嵐山公園桂川右岸(中州)。中津奥平藩領、重役の息子に陵辱される上月の妻、大覚寺天神島。宗俊に諭されるも諦めぬ千代が再び丑直コンビと図る、渡月橋上手桂川左岸(大堰と橋バック)。直次郎が探索中上月と行き合わせる、大覚寺護摩堂。娘を抱えて走り出す、大沢池堤。丑松が上月の妻を女郎屋から連れ出し同行を迫る、中ノ島橋上。母子の再会、大覚寺五社明神広沢池観音島を併用。上月が金子市に斬られる、広沢池底。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第72話「紅花で染めた復讐」1978-1982ANB/東映

 夫を殺されたうえ無理矢理妾にされた女は、辛抱強く復讐の機会を待っていた。
次席老中らのチクリから山形藩の紛争を知った上様、側室の悪評を聞くも腑に落ちぬものを感じ関わってゆく。
 ロケ地、最上川の岸で紅花摘みの農夫を蹄に掛ける水野出羽守、木津川堤。水野の正室と側室の評判を忠相と話す上様、枳殻邸印月池(侵雪橋バック)。山形藩下屋敷、相国寺大光明寺(門、庭)。側室が「正義派」藩士に襲撃される、大覚寺五社明神。介入した新さんに、事を大岡忠相にと託し身を躍らせる千鳥ケ淵、大沢池。事後、故郷へ旅立つおていと「若君」、北嵯峨農道竹林脇。

■ 新・三匹が斬る! 第15話「さいはての恐山、津軽娘が死者を呼ぶ」1993.1.14テレ朝/東映

 二年ぶりに故郷へ帰った男が、古馴染みの芸者と共に死体で見つかる。それぞれに二人に関わっていた三匹は、心中と片付けられたことに納得ゆかず動く。
殿様の調査は推理仕立て、千石は男の霊をおろす憑坐となり消耗しまくり、陣内は結婚を誓った芸者の死にめそめそしながらイタコに会ったり。積み上げた事実から犯人を割り出した三匹、辻斬り医者と藩目付をおびき出し大暴れ。
 ロケ地、奥州街道の茶店、山室堤道。千石が追い剥ぎに遭う米吉を助ける、保津峡落合河口(清滝川右岸)。米吉とお駒の死体が上がる川岸、嵐山自転車道下桂川。憑坐千石の託宣する山寺の大きなお堂、神護寺(石段、金堂、多宝塔)。庄屋屋敷と医者登城途中の土塀、まだ不明のアレ。恐山は合成の模様。
*米吉が憑いた千石、にぱーと笑う顔が気色悪くも可愛い。
2003/9/18

■ 名奉行 遠山の金さん 第1話「花吹雪一番手柄」1988テレ朝/東映

 松方弘樹演ずる、北町奉行・遠山左衛門尉景元初登場の一話。
就任のきっかけとなった前奉行殺害事件を解決し内部のワルを始末する桜吹雪、遊び人というよりどこかヤクザっぽい金さんも結構イイ。
 ロケ地、前奉行が「落ちて」死んだ面影橋、中ノ島橋(欄干が壊れて落下という話、一部に紙かなんか貼って補修跡を演出してある)。江戸城イメージ、姫路城。奉行の件を漁師や夜鷹に聞き込みの河原は罧原堤下河原(漁具や小屋をセット)。金さんが水木同心を捕まえ話す、今宮神社境内。吉川が百年前の調書を見にゆく評定所、大覚寺大門。若年寄・堀田摂津守の遠乗りを呼び止める勘定奉行・鳥居甲斐守、下鴨神社馬場

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第71話「日本一の名づけ親」1978-1982ANB/東映

 信州・伊那から百姓衆が江戸へ。逃散者として始末されかかるがめ組が阻む。代官の苛政に耐え切れず、以前現れたヒーロー「信州の虎」を求めてのこと、しかし彼は時を経て一市井人として暮らしていた。
お尋ね者の「虎」捕縛を悩む上様、忠相らを説得するが、代官の魔手が虎に伸び、伊那の衆も斬られてしまう。一人逃げ延びたじいさまが虎にわあわあ縋り、今は蕎麦屋の「虎」が妻子を捨てて代官宅へ斬りこむ一幕もあるが、白イカ頭巾で現れた上様がワルを成敗してメデタシ。
 ロケ地、伊那衆が代官の手先に襲われめ組が介入、大覚寺放生池堤(天神島への橋上)。信州へ走る助八、谷山林道。伊那衆が斬られる、大覚寺五社明神
*タイトルは、「虎」の蕎麦屋に赴いた新さんが出産に居合わせ、喜んだ虎が徳田新之助の一字を貰い、子の名とするもの。慣れない手つきでお湯を沸かす新さんが可愛い。

■ 痛快!河内山宗俊 第20話「おれとあいつの忘れがたみ」1975-1976勝プロ/フジ

 宗俊の元隣人・船倉の板八が20年ぶりに江戸に帰還、昔惚れた女を訪ねたがとうに亡く、忘れ形見の娘がいるという。行き方知れずのその娘、話すうち千代と知れる。慌てて呼びにやった千代、足抜け女郎が生死の境の母に会いたいというのに同情し、セリヌンティウスよろしく身代わりを申し出て廓にいるという始末。
一家は千代の貞操のため居続けを画策、金を掻き集めに走る。このあとは丑松が掏摸して回るは、宗俊は賭場ですってんてんになるは、千代と板八は血がつながっていないと知れるは、宗俊が河豚に当たって砂埋め(毒抜き)になるはとドタバタ大騒ぎ。
そして最後は千代を足抜けさせる騒ぎのさなか板八が刺され、宗俊は千代に父と呼んでやれと頼むのだった。
コミカルな展開のなか、板八の三味の音が哀切に響く。
 ロケ地、再開した板八と宗俊がしんみり話す大川端、嵐峡汀。足抜け女郎が駆けて来る坂、今宮神社高倉脇坂。千代の水茶屋へ駆け込み、かざりや。廓の用心棒に打ち据えられる女郎を庇う千代、東門内の石橋。河豚買って帰ってくる宗俊の渡る橋、足抜けした千代たちが逃げて隠れる橋に中ノ島橋

■ 新・三匹が斬る! 第14話「妖怪のカッパ退治は美女と道づれ」1992.12.17テレ朝/東映

 河童出現に脅える村、寺の和尚や通りがかりの力士など犠牲者も出ているという。しかしその正体は頭をトンスラ剃りした「人間」の男。千両箱を河童淵に隠した盗っ人が人を近づけないよう謀ったもので、代官や寺の現住職もグル。一連の企みで犠牲となった人々の怒りを背に、三匹大暴れ。今回千石は女絡みでさんざん、しかしタイトルの美女は意味深な言葉を遺し千石の腕の中で果てる。
 ロケ地、峠の茶店で河童の噂を聞く殿様とお蝶、谷山林道切り通し。トンスラ男が言い遺した寺・竜仙寺へ赴く殿様、西明寺山門。名主が河童対策を村人にぶつ鎮守、鳥居本八幡宮鳥居下。河童淵、罧原堤下かと思われるが、確信に至る材料無し。
2003/9/17

■ 長七郎天下ご免! 「春を呼ぶ鉄火飛脚」1979-1982テレ朝/東映

 出羽矢島藩の江戸家老が両替商と組んで銅を横流し、贋金作りを働き私腹を肥やす。これを糺さんとした藩目付は、御用達の飛脚屋を見込んで国表に糾弾の書付を届けさせようとする。
主が害され、手代も傷つけられた飛脚屋では、浜乃屋の衆まで出張り刺客と取っ組み合い、家老と富商は長七郎ぎみに乗り込まれ一巻の終わり。
 ロケ地、つばめやの主が斬られる奥州街道千住付近、大覚寺護摩堂。手代が襲撃される道、五社明神。事後、京へ向けて走る飛脚のイメージに放生池堤
*前回に続き犯罪教唆の丹哲知恵伊豆、内政干渉になるし証拠揃えて藩主と協議しなきゃだしメンドーと縷々述べ遠回りと嘆じ、天下ご免の長七郎がやってしまうのが近道と唆す。

■ 痛快!河内山宗俊 第19話「見果てぬ夢の宝の山」1975-1976勝プロ/フジ

 河内山一家に持ち込まれる埋蔵金ばなし、夢のある話スキな森田屋が出資し、親子孫三代で探し続けているという青年を案内に秩父の山中へ。しかしその金は由井正雪の軍資金、見つけられては困る紀州藩の妨害が来る。そして出た紀州の刻印入りのホットマネーは、爆破され瓦礫の下に封印され直すのだった。
 ロケ地、千代の茶屋に文読んで貰いに来る丑松、今宮神社(東門、かざりや)。こけし彫りの金子市が埋蔵金掘りの男に声をかけられる、今宮神社高倉下。登城イメージ、彦根城(天守閣、佐和口多聞櫓)。秩父天目山尼寺跡のガレ場、いずこかの砕石場と思われるが著しく風化している。
*金子市、髭は剃り落としてすっきり。ちっ。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第70話「三万石よりどじょう鍋」1978-1982ANB/東映

 奥州の小藩に起こるお世継騒動。我が子を藩主にと謀る江戸家老に追われた若君、忠実な守役と新さんファミリーに助けられワルは失脚、しかし幼い若君が選んだのは市井に暮らす道であった。
 ロケ地、次期藩主の地位を捨て町で泥鰌掬いの若君、上賀茂神社ならの小川

■ 新・三匹が斬る! 第13話「金儲けのイロハ指南に賭けた首」1992.12.3テレ朝/東映

 財政逼迫の八戸藩に、鴻池から二十五番番頭・平吉が算勘指南として派遣される。たちまち鮮やかに功績を上げるその平吉は、八戸の寒村で間引きされかけた過去を持ち、豊かな陸奥にしたいと理想に燃えていた。しかし財政洗い直しの作業が進み、公金横領発覚を恐れた側用人の魔手が伸び平吉は罪を着せられ投獄。これを救出した三匹、悪の根源の側室と側用人をぶった斬り。
ワルにそそのかされ平吉を罪に落す道具にされた元勘定方の娘が、平吉のマドンナであったというエピソードが織り込まれる。
 ロケ地、八戸への道中、平吉を刺客から救う殿様、御室八十八ヶ所堂前。八戸藩お類(側室)御殿、相国寺(林光院、大光明寺)。川辺に佇み過去を語る平吉、清滝川(マドンナとの思い出も同所)。平吉がたばかられ家老殺しの罪を着せられる料亭・鶯屋、中山邸門。
*如才ない平吉を山田隆夫が好演、仕事人の半ちゃんを髣髴とさせる。

■ 必殺仕置屋稼業 第13話「一筆啓上過去が見えた」1975.9.26ABC/松竹

 印玄を名指しの仕置依頼来る。彼は確かに依頼人の女郎の父を殺していたが、これには暗い過去が隠されていた。観念し、女のもとに赴き仇をとれと申し出る印玄、しかし女は阿漕な女郎屋の親父から同僚を庇い、女衒に刺されてしまう。瀕死の女はおこうに文を残し、それにはターゲットの変更が記されていた。
 ロケ地、上州中宿、妻に去られ幼い印玄を抱き無理心中の父、保津峡落合落下岩。およねの遺体を買い受け埋葬してやる印玄、桂川松尾橋下手右岸堤上。市松が女衒を仕置きする花火見物で賑わう橋、中ノ島橋。出陣シーン他に水路の岸も使われる。
2003/9/16

■ 長七郎天下ご免! 「酒がかたきの極楽とんぼ」1979-1982テレ朝/東映

 呑んべの苗木屋の親父が、掏摸に荷の中に財布を隠され巻き込まれる大騒動、中の書付は磐城平藩のお世継問題に関係していた。これに一人娘の結婚話が絡み、人情話が描かれる。
酒癖のわるい苗木屋に坂上二郎、調子のよい江戸っ子を好演。
 ロケ地、釣りの長さんが伊助に探索を命じる、広沢池水門そばの汀。磐城平藩上屋敷、大覚寺大門

■ 痛快!河内山宗俊 第18話「雪に舞う女の絵草紙」1975-1976勝プロ/フジ

 母を捨てた父に言いたかった、ただひとことのの恨みごとは口に出せずに終わる。
半ば狂気に陥り旅に果てた母の記憶、ひたすらに模写した父の絵、老耄と成り果てた父の呻き声に耳に蓋する娘、恨の一念で生きてきた彼女は、震える父の手に介添えし贋作を切り裂くのであった。
 ロケ地、理恵を連れお参りの宗俊とお滝、木島神社(本殿、舞殿)。千鳥を辞し龍谷宅へ赴く理恵が渡る雪の橋、中ノ島橋(下からアオリ/橋上)。「本物」の龍谷の喚き声にいたたまれず耳を塞ぐ理恵を連れ出す金子市、松尾大社手水場(楼門バック)
*今回の金子市の風貌、髭ぼうぼうのきったない顔。なんでこんなにカッコいいのかなー。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第69話「名刀誇りあり」1978-1982ANB/東映

 妻の病を癒すため佩刀を売る硬骨漢の浪人、しかし未練はたらたら。この男に、若く内政を顧みない藩主の再教育をさせるべく、仕官の口が回ってくる。藩主をお飾りのままにしておきたい江戸家老と、これとつるむ富商が妨害工作を働くが、新さんの活躍で回避、ワルは残らず成敗され、金ずく剣客の手に渡った名刀は上様に真っ二つに折られる。
 ロケ地、松山藩主・板倉伊予守とお城で手合わせの上様、姫路城西の丸(天守バック)。剣をさらう岡本浪人、下鴨神社河合社塀際。売った刀に未練の夫を見ていたたまれず場を去る妻が佇む橋、日吉大社走井橋(大宮橋の透かしからのショット)。職を賭けた試合に赴く岡本が刺客に襲われるのも同所(殺陣は橋下の河床でも行われる)
*指南役を選ぶ御前試合のあとラス立ち移行、この際ヘンな間が空くのは…。

■ 新・三匹が斬る! 第12話「松島や、義賊に惚れた花一輪」1992.12.3テレ朝/東映

 己の私腹を肥やすため苛政を強いる松島代官、これを嘲笑うかのように出る義賊。身を削って漁師たちに給金を支払う網元が捕われ、助けに来たところ奸計に陥ち落命する「義賊」海猫の斉太郎、郷里から訪ねて来た許婚者の腕に果てるを見た三匹の断罪の刃がワルどもに下される。
全編通じて斉太郎節が鳴り響くが、元は石巻のたたら踏みの労働歌が転化したものという謂れがストーリィに絡めて語られる。
 ロケ地、松島のイメージは空撮の本物、荒磯は高浜町。琵琶湖ロケもあると思われる。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第20話「負けて勝負」1975.5.16ABC/松竹

 大和屋のサロンで開かれる西洋博打、大負けのおせいが半兵衛に私情入りまくりの復讐を依頼。ここで千両単位の大勝をおさめる人形師は、果たして大和屋の女主とぐるの大騙りのイカサマ師だった。
半兵衛は大負けを喫するが、イカサマの手口を調査して返り討ちのチーム、政吉をお坊ちゃんに仕立てて嵌め、博打で「殺す」。
 ロケ地、大和屋の女将と密会の伊三郎を尾行の政吉、大覚寺大沢池北西畔〜出合茶屋は望雲亭
*けれん味たっぷりの色悪を演ずるは津川雅彦、タートルネックの衣装が妙ないやらしさを強調。ハメられたことを覚った際の「えぎゃー」の叫び声が秀逸。
2003/9/15

■ 乾いて候 お毒見役必殺剣 1984フジ/東映

 天一坊事件を解決する主丞、自らの運命から天一坊には同情的、将軍にはカニ料理に下剤混ぜたりなんかする。
 ロケ地、ご落胤「亀松君」の駕籠が襲われる浜松付近東海道、琵琶湖西岸松原。江戸城外観イメージ、姫路城。天一坊が宿とする洛北雄山寺、西明寺山門。京都所司代、大覚寺明智門(御殿川の中からのショット)。天一坊の件を聞き上機嫌の吉宗が野点の席ではしゃぐ、枳殻邸傍花閣前。天一坊一行が江戸へ向かう街道筋の山道、谷山林道。尾張の刺客と剣戟の渡海屋寮前、法然院山門。天一坊について城中で話す主丞と忠相、仁和寺宸殿。紀州平沢村で天一坊の昔を知る隣村の松造を尋ねる主丞、酵素(ダート、河川敷に小屋セット)。松造が落される山中、保津峡落下岩。山内伊賀亮が主丞との立ち合いの際の「芝居」のレッスンをつける、桂川臨川寺前付近の堰堤下河床。立ち合いは下鴨神社馬場(スモーク焚、扇風機送風、灯台セット)。事後、僧形の天一坊が「両親」の墓に詣で旅立つ、二尊院墓地。これを見届け去る主丞、紅葉の馬場
2003/9/14

■ お毒見役主丞 乾いて候 1983フジ/東映

 将軍暗殺の陰謀渦巻く江戸城に、お毒見役として乗り込み巨悪を焙り出す男、腕下主丞。吉宗の隠し子という日陰者の身をニヒルに処す彼だが、親子の情から将軍を助け剣をふるうことになる。
 ロケ地、冒頭の江戸城(背景に暗雲ドロドロ)姫路城天守閣。OPに重なる、江戸に着いた主丞の立つ船着き、広沢池東岸(水無)に桟橋セット、引き潮の汀を演出。城に入る主丞を襲う、老中の迎えに偽装した一団と戦闘、彦根城天秤櫓下石垣。大手門から入る主丞、天秤櫓。吉宗が毒を盛られたと主丞を呼びに来る大岡忠相の妹、相国寺(庫裏〜鐘楼)。忠相に今回の事件処理一任を申し出る主丞、枳殻邸傍花閣前。失脚した間部詮房が城を出る、姫路城はの門下坂。落飾し城を去る月光院、姫路城三国濠(天守バック)。江戸を去る主丞がゆく石段、不明・キャプチャ。岩がちの渓谷、天神川河床。甲賀がアジトを構える妙義山奥の院、神護寺(山門、金堂下石段に大屋根映りこみ)。日光街道の宿、紀州の子供時代を回想の主丞、柊野堰堤。日光参拝の将軍の行列が渡る橋、蓬莱橋か(同じ映像をよそでも使いまわしてる気がする)。今市の宿場で襲撃された将軍を隠す小屋、鳥居本八幡宮にセット。甲賀衆と最後の闘争、神護寺(本堂、参道林間)。ラスト、忠相の妹に声をかけず去る主丞、化野念仏寺

■ 鬼平犯科帳3 「二つの顔」通算61話1992.3.25CX/松竹

 ポン引きに声をかけられた平蔵、後学のためと茶屋に上がり、ここから盗賊の手がかりをゲット。生活苦から身を売る少女、自らの生業を罪深く感じ手持ちの女に誠心を尽くす「阿呆烏」の老爺、そして彼らが使う茶屋に巣食う酷薄な盗賊たち。か弱き者に対する鬼平の温情が泣かせる。
 ロケ地、不忍池の弁天そばで阿呆烏に声をかけられる平蔵、大覚寺放生池堤護摩堂。おはるを呼び出す金杉下町の万徳寺、金戒光明寺(三門、御影堂裏手、石段)。阿呆烏の通夜を見舞ったあと事件を述懐の平蔵、広沢池東岸汀。鬼子母神は不明・キャプチャ。
2003/9/13

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第68話「涙のにせ訴状」1978-1982ANB/東映

 一件の岡っ引殺しに絡む夫婦・親子の情と幕閣がらみの悪企み、複雑な裏事情をほどいたのは、目安箱に細かいチェック入れてた上様の目にとまった女文字の一枚の訴状だった。
 ロケ地、呑み屋の女将・お紺が岡っ引殺しを偽証して貰った松造に金を渡し別れる、神光院蔵前(本堂側に足場セットし普請中の町外れを演出)。お紺の亭主が南町与力を呼び出し自首しようとするも斬られる、広沢池東岸汀。
*今回、忠相に捕縛した男の釈放求めるも理をもって拒まれる上様、ちょっとムカ入り。むすっと席立つ姿が可愛い。

■ 新・三匹が斬る! 第11話「非情剣!これが噂のオオカミ男」1992.11.26テレ朝/東映

 殿様も千石も適わない剣の使い手現る。傾いた衣装を身にまとい、女達の熱い視線を浴び山中に起き伏す美男子、五条小一郎。赤子のうちに山に捨てられ、狼の乳で育った彼は、人の情を解さぬ本能の獣。それゆえに起こすトラブル、これを利用し家老を葬ろうとする次席家老の陰謀が、実母の愛で急速に人の情芽生えかけた彼を死に追いやるのだった。
 ロケ地、山道でたちまち多人数を片付ける小一郎を見る殿様、谷山林道。小一郎と対峙し斬られかかる殿様を救うのに落される荷車、切り通しの際。家老がおりきに娘のことでこれ以上血は流せぬと告げる、神護寺鐘楼下。御廟への分岐道も使用。おりきが殿様に娘時代生んで別れた子のことを話す、神護寺大師堂前。家老令嬢・琴江殺害現場となる鎮守、鳥居本八幡宮鳥居下の大木の根方。小一郎が潜む山中の渓流や大石下の滝、天神川

■ 痛快!河内山宗俊 第17話「火と燃えよ恋のかよい路」1975-1976勝プロ/フジ

 異国への渇望を抱く青年に惚れこんだ森田屋、金子市と丑松に依頼し牢から出そうとする。しかしその青年は牢内で運命の女と出逢ってしまうのだった。
つんぼ桟敷のまま奉行に下駄を預けられてしまう宗俊、言葉とは裏腹に恋人たちを逃がそうと剣をふるう金子市、捕縛され引き回しとなる男女、どんでん返しの大騒ぎののち、洋上の小舟には二人を伴い舳先に立つ森田屋の姿があった。
 ロケ地、小伝馬町から浅草溜へ送られる大次郎が救出されてくるのを待つ森田屋、金戒光明寺石段上(御影堂大屋根バック)。金子市の働きで解放されるも、一瞬の邂逅の女の顔が脳裏をかすめ、鎌倉橋の宮津屋へ走り出す大次郎、桂川罧原堤下付近河床。大次郎と雪を中川の船小屋に隠し、森田屋へ船の手配に走る金子市、捕り方と交錯は中ノ島橋(橋上、中州料亭裏岸)。乞食を集め踊らせ誘導する宗俊、遠ざかる船を見て浜を走る捕り方が踊る乞食集団に阻まれる、琵琶湖西岸汀。
*脚本、尾中洋一。見応えある必見の一作。牢名主を演ずる江幡氏もなかなか、丑松が「命の蔓」を「出す」リアルな表情もマル、お滝と宗俊のしっとりも見せる。ラスト、お廊下をゆく宗俊の脳裏に響く大滝秀治の台詞が出色…でもねぇ、いくら仕事とは言え、変なお酢の名前なんか連呼しないでよね…。保険料もっと安くなんないのぉ〜の絶叫とおんなじくらいうるさいぞ。

10月から斬九、全部。一から最終話まで、全部。DVDレコーダ導入を決意。週明け発注、東芝の最新機種がイイかな。また余計な作業が増える…しかし溜めても見るとは限らず、一期一会の方針は貫かないと泥沼ぬたぬたは必定。
2003/9/12

■ 長七郎天下ご免! 「錆びた十手が輝いた!」1979-1982テレ朝/東映

 仏を装い無宿者の世話を見る米問屋、しかし内実は新開地で強制労働、そのうえ公儀から彼らに下賜される蔵米を私するという大悪党。その背後には勘定奉行に蔵奉行、今回長さんは珍しく強権を発動し幕閣をお城で叱責、これは失意の同心と、食うものも満足に与えられずにいる人足たちのための策謀、最後は断罪の二刀流がワルをぶった斬る。
 ロケ地、強制労働の目黒不動谷仏村、いずこかの砕石場と思われるが特定できず。
*不動谷の現場に潜入の長さん、アイパッチつけて変装。股引姿の珍しい立ち回りが見られる。

■ 痛快!河内山宗俊 第16話「夜明けに消えた男星」1975-1976勝プロ/フジ

 宗俊が出会った謎めいた浪人、蘭学の件でお上から追われ、藩主との関わりで国元から追われる。宗俊は悪びれるふうも無いその男と次第に意気投合してゆき、最後は乱暴ないつものノリで助力するに至る。
ワルをはめるのに、丑松と直次郎に「死んだ」と大嘘をつかせ誘き出す宗俊のくだりが傑作。
 ロケ地、大樽転がしてある浜をゆく宗俊たちが竜岡浪人と出会う、罧原堤下河原。千代の水茶屋にみかじめ料取りに来る地回りの前に立ちはだかる竜岡、今宮神社門前茶屋・かざりや。この後、尾行の直次郎をまく(帯解かれてあーれー)竜岡、今宮神社高倉脇坂楼門
*竜岡に石原裕二郎。勝新太郎自身がメガホンをとる。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第67話「大岡越前守自決す!」1978-1982ANB/東映

 幕府の財政について本格的にメスを入れる上様、密かに忠相に調査させる。しかし悪の根源と目される老中の阿部一派はいち早く察し、忠相の旧友を使い捜査資料をゲット、次々証人を消してゆく。一計を案じた上様、忠相に責任とらせる形で切腹を装わせ、ワルを焙り出しにかかる。
 ロケ地、不透明財政について忠相と話す上様、姫路城はの門下坂。阿部の動きについて報告の庭番、天守バックの西の丸。老中・阿部邸、大覚寺大門(御殿川越し)
*ワルのもとに乗り込む上様、白イカ。忠相も黒イカで登場…。

■ 新・三匹が斬る! 第10話「女一匹!わたしゃ闇の逃がし屋稼業」1992.11.19テレ朝/東映

 国安藩郡奉行が大ワル、手下をして富商狙いの凶盗を働かしめ、そのうえ関係の無い民を犯人に仕立てて処分するという悪行を重ねる。ここに義憤をもって無実の罪を着せられた者を逃がす稼業の一団あり、鮮やかに逃がしてのける。彼らに奉行の手伸び、括られ危機一髪に三匹、怒りの鉄槌が下される。
 ロケ地、女郎の恋人を取り戻しに来て捕まった男と、役人殴って入牢中の千石が盗っ人として斬首されかかる刑場、酵素河川敷
*逃がし屋チーム、ツナギの方法や金を貰ってする仕事という掟、なんか必殺っぽい。
2003/9/11

■ 長七郎天下ご免! 「初売り!命を的のかわら版」1979-1982テレ朝/東映

 彦左邸で開催された少年剣術大会で審判をつとめる長さん、以後優勝者の子に稽古つけてやることに。子の家は油問屋、折からの高騰にも安値で分ける良心的な店。ここに、値を吊り上げて大儲け企む悪徳商人が魔手を伸ばす。背後には油漆奉行と南町与力がいた。
子の父は元武士、文をもって身を立てようと大望を抱く男、長さんはこれを焚き付け油問屋と幕閣の癒着を批判した瓦版を書かせる。練りに練った美文は評判を呼び、焙りだされたワルどもは長七郎ぎみに乗り込まれてしまう。
 ロケ地、小太郎に稽古つけてやる長さん、大沢池北西畔。これを襲う浪人者が集結するのは五社明神
*小太郎の父に犬塚弘、理想をブチ上げるさまを熱演。*浪人者に福本先生、長さんに籠手打たれて悶絶。ラス立ちにも登場。もしゃもしゃのもみ上げ姿。

■ 痛快!河内山宗俊 第15話「地獄に花をつみに行く」1975-1976勝プロ/フジ

 通い髪結いの身分を蔑まれ、亡き兄まで誹謗されるも愛想笑いの男が牙をむく。相手は両替商の平戸屋、裏では買い叩いた娘たちを使った変態じみた絵草紙屋を営む。
間に入った宗俊は、髪結いがさらった娘を取り返し、平戸屋には今回のことは身から出た錆、人の痛みを解れと諭し髪結いにやる金を毟ってゆく。
 派手なラス立ち等無い一話、髪結い・長次の心理が細かく描かれる。ゲスト緒方拳。
 ロケ地、集金の金を強奪され入水の平戸屋の番頭、嵐山公園中州岸。長次が番頭をハメて殴り倒す池之端の桜並木、広沢池西岸(水無)。長次の長屋から平戸屋の娘を救出し、岸で待つ宗俊のところへ船をつける丑松たち、嵐山公園中州湛水域。宗俊が置いていった百両を叩き返しに来る長次、殴り合いになる林、大沢池堤水門前。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第66話「だるまが笑った上州路」1978-1982ANB/東映

 辰五郎が昔世話になった、母とも慕うおくめの難儀を救い、繭で大儲け企む悪党を退治る話。
高崎行き、上様は駿河大納言忠長卿の墓参、辰五郎は島崎藩の消防指導の理由づけがなされている。高崎ロケが行われ、少林山達磨寺・妙義神社、大信寺などが使用される。
*おくめに市原悦子。ビジュアルはほぼ「おばさん」。

■ 新・三匹が斬る! 第9話「首一つ、賭けてみちのく影武者哀歌」1992.10.29テレ朝/東映

 ところは奥州・小萩城下。後継ぎ問題で不穏な気配、ほぼ次期と決まっている次男には刺客が放たれる。差し向けるは長子の影虎、人妻に横恋慕の挙句殺傷し勘当の身。左馬之助の身を案じた家老は、たまたま城下で拾った農夫を影武者に仕立てる。
常に危険にさらされ、自由に出歩くこともままならぬ影武者、芸者の小りん姐さんと心を通わすが、最後は無惨な死を遂げる。これを見た三匹、自棄になり武装して城を襲おうとしているトンデモ勘当息子と、取り巻きの「無能の人々」を一人残らず成敗。
 ロケ地、妙法寺で法要に出席の左馬之助を襲う刺客団、神光院中興堂。千石が影虎の野駆弁当にむしゃぶりつき拾われる林、大覚寺梅林(心経宝塔バック)。又八の卒塔婆、広沢池西岸(夕景)
*お蝶と再会、合流。
2003/9/10

■ 長七郎天下ご免! 「恋も蕾の仇討ち」1979-1982テレ朝/東映

 浅草に小屋掛けの娘手妻使いの一座、花形の太夫は両親の仇を探す元武家娘だった。そして、一座に見かじめ料要求する地回りとつるむ大身旗本が仇だったり。もちろん介入の長さん、太夫が淡い恋心を抱く一幕も挿まれる。
 ロケ地、浅草三社裏で地回りたちに囲まれる太夫、仁和寺九所明神。長さんが太夫に事情を聞く、大沢池堤
*お駒太夫に夏樹陽子、暴将初代女お庭番。歩く姿も凛々しく決まる。

■ 痛快!河内山宗俊 第14話「鉄火肌一番まとい」1975-1976勝プロ/フジ

 町火消しと定火消しの諍いのお話。
矢場の看板娘と祝言間近のい組の纏持ち、宗俊のところへ仲人の話が来ているところ、定火消しとの騒動が持ち上がり、看板娘に言い寄る定火消し取締の旗本などいて深刻なトラブルに発展。乗り出した宗俊は定火消しの太鼓櫓を乗っ取るという無茶に出て旗本以下を土下座させ解決。
 ロケ地、纏持ちの銀二とおしんが逢引の水辺、嵐山公園中州舳先(右岸側)
*喧嘩っ早い銀二に林与一、血の気の多い纏持ちを好演。ちょっと男前過ぎかも。*定火消しの目を欺く芝居の「焚き火」は丑松たちが担当、大団扇であおぐ。正ちゃん、当時のチョコレートのCMのパロなどかますブレイクぶり。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第65話「恐れ多くもお茶壺道中」1978ANB/東映

 阿漕な茶壺道中で街道筋の民を苦しめる御数寄屋坊主、これと結託して私腹を肥やす幕閣は、目安箱をすり替え都合の悪い訴状はナイナイするという大悪党。
こやつらの所為で、茶壺道中から受けた難儀をしたためた訴状は上様に届かず、吉報を待つ日坂宿の庄屋の娘には刺客が差し向けられる。釣りをしていて事に行き合わせた上様、強引な手法で介入、監禁庄屋を救い出し幕閣も処断。
 ロケ地、忠相と相談の上様、姫路城三国濠(天守バック)。釣りの上様と朝右衛門が怪しの頭巾侍を見る、広沢池東岸。朝右衛門がとっ捕まえた刺客が始末される両国界隈、日吉大社東本宮(楼門、境内)。金谷宿で御数寄屋坊主の接待から帰る代官のシーンも東本宮

■ 新・三匹が斬る! 第8話「逃げた女、産めよふやせ悲しき子宝奉行」1992.10.22テレ朝/東映

 奥州・浅倉藩では、飢饉の折り大量に人死にが出たことから出産を奨励。専門の部署も設けられ、報奨金も出す。
藩主のこの政策を常々快く思わない槍組に、家老が結託。加えて、領内で人を殺した遊山旅の旗本たちが、目撃者の娘を匿った子宝奉行の始末を申し出てくる。これらが大挙して小役人の屋敷に夜討ちを掛けてくるが、迎えうつは三匹、当然の如くワル全員皆殺しの憂き目に遭う。
 ロケ地、浅倉藩領の道、山室堤道各所(堤上、竹林の間の通路)。庄屋屋敷や子宝奉行邸、城代家老邸など不明・キャプチャ。民家だと探すのは難しいなー。
*また出たけったいな役職、たった一人で下役もいない子宝奉行に岡本信人、いい感じ。

■ 必殺仕置屋稼業 第12話「一筆啓上魔性が見えた」1975.9.19ABC/松竹

 市松メインの一話。凶盗が入って皆殺しの現場に行き合わせ恨みを託されるのも、いち早く盗っ人のアタリをつけるのも、仕置が動き出す前に襲ってきた盗っ人一味をさくっと始末し、残った盗っ人の頭の女房を密かに送るのも市松。
彼が送った女は、三島宿での幼馴染。彼女は父が盗っ人だったことを通夜の席で同じく盗っ人の夫に聞かされた経緯を持つ。幼い市松もまた父が殺し屋と知らず、三島のあいまい宿に連れられて来ていたのだった。
事後、市松が殺した男を埋め、夫の始末を明るく聞く女。問わず語りに女が話した父の後妻を殺ったこと、そして行灯にたかる蛾を鮮やかに刺す女を見た市松は、閨で静かに女を送る。
 ロケ地、願掛けのおるいに声をかける市松、金戒光明寺三門。話しながら歩く、本堂大屋根をバックの大胆な絵柄。
2003/9/9

■ 長七郎天下ご免! 「唄を忘れた箱入り娘」1979-1982テレ朝/東映

 抜け荷の疑いで死罪確定の唐物問屋、処刑寸前に娘は無実の証拠書類を見つけ奉行所に届けようとするが、途中早駕籠にひっかけられ頭を強打し記憶喪失。浜乃屋へ運び込まれた娘の力になる御馴染みの面々。裏にいた同業者と公金横領の勘定奉行は、長七郎ぎみに処断される。
 ロケ地、書付を持って一夜を行徳橋そばの船で明かす娘、大覚寺観月台下付近の大沢池に屋形船。

■ 痛快!河内山宗俊 第13話「鯉が命の子守唄」1975-1976勝プロ/フジ

 西の丸が焼亡、再建事業のお鉢回ってこないよう狂奔する大名家の留守居役たち。あざとく賄賂をとる水野老中の用人、老中は鯛がお好みと焚き付けまいないの道具にさせる魚河岸の総元締。鯛買占めに疑義を挟んだ棒手振りの老爺が無礼討ちに遭うなど、庶民にも被害及ぶに至り、乗り出す宗俊。荒っぽくもコミカルに相手の喉元に迫り、つるんでいたワル二人を破滅に追いやる、痛快な一話。
 ロケ地、勤務先の水茶屋で手討実行犯の侍を引っ掛ける千代、今宮神社かざりや。千代に両国の料亭への道を尋ねるお糸、今宮神社東門内の石橋。梅本は大覚寺望雲亭か。
*練塀小路で生まれた赤子の件で宗俊に祝儀ねだる姿や、お糸の商売のヘルプ丑松、くねくねした演技が独特、火野正平にしかできぬ仕草が秀逸。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第64話「槍を持つ手に一番纏」1978ANB/東映

 内証の苦しい八王子千人槍同心たちに栄誉の職が与えられる経緯を描く。
千人同心の女達の内職の紬の件で、利権を貪る江戸の呉服商と関東代官の企みがなされ、仲買人をしている男と一番組頭の娘とのラブストーリィが絡む。
タイトルは、千人同心に日光火事番の「武勇」の職が与えられる政策から。
 ロケ地、関東代官所、相国寺大光明寺(門、石庭)。江戸へ紬売りに来た娘を叱り飛ばす父を説得する上様、下鴨神社泉川畔。直訴に八王子を発つ仲買人を襲う代官の手下、相国寺鐘楼前。

■ 新・三匹が斬る! 第7話「密造酒、飲んで飲まれて大作戦」1992.10.15テレ朝/東映

 禁制のどぶろく密造の村、これを守る立場の殿様と陣内、仕官目的で取締方に与する千石、三匹が二手に別れてやりあう一話。コミカルな闘争の果て、いつものように権力に嫌気さし寝返る千石が加わり、あくどい勘定奉行に三匹の鉄槌が下る。
 ロケ地、封鎖された道を大名行列に偽装して通過した村人たちが荷をほどく、鳥居本八幡宮鳥居下広場。事後、一人ゆく千石が村人から貰ったどぶろくの瓢(空)を放る、酵素降り口。殿様がゆく船、木津川か。
*殿様の進言を容れ、どぶろくの一件を解決に導く福々しい大目付に品川隆二。

■ 必殺仕事屋稼業 第19話「生かして勝負」1975.5.9ABC/松竹

 おせいの妹分だった元芸者の桧屋の女将から来る依頼、ターゲットは桧屋の旦那と自称して回り迷惑がられる薄汚れた老爺。しかしその正体は本物の桧屋の主人、御用林伐採で私腹を肥やす作事奉行と組んだ女将が旅先で焼き殺した筈の、生ける屍にされてしまった姿だった。
 ロケ地、桧屋の主の百箇日法要が営まれる寺、西寿寺(石段上部に本堂大屋根、石塔は映っていない)。おせいが女将を呼び出し、申し立てに偽り無いか糺す神社、下鴨神社内陣と楼門、二の鳥居(内陣は格子越しに撮られた印象的な画)。老爺と番頭が争って死んだふうに繕われ見つかる川っぺり、泉川石橋下。
*依頼に疑義挟む半兵衛に気色ばむおせい、私情はさんだうえ誤謬を犯す姿描かれ、行く先の悲運を暗示する。
2003/9/8

■ 長七郎天下ご免! 「大江戸一の与太役人」1979-1982テレ朝/東映

 父を天秤棒で殴り殺された息子の同心は、犯人探しで棒手振りを目の仇にして「蝮」と恐れられる。この事件の真相は、米で不正働く蔵奉行を諫止した同心が暗殺されたというもので、七年後再び同じ奴の企みで蔵米を利用した大がかりな不正が行われ、江戸市民は屑米を食わされ難渋。
真相を知った長さん、先走って敵討ちに走って行った同心の危機を救い、ワルを断罪。
 ロケ地、八丁堀の濠、嵐山公園中州と思われるが確信なし。豆蔵の妹が開く寺子屋、神光院茶室。その他、中興堂、本堂、渡廊も使用。

■ 痛快!河内山宗俊 第12話「ぬれ手に油の三万両」1975-1976勝プロ/フジ

 単に行灯油切れてたから買いに行った宗俊、これがもとで押し込みの黒幕と思われてしまう。油屋は裏で贋金作りをしており、事の露見を恐れ盗っ人を必死で追う。この盗っ人が千代の旧知、ややこしい人間模様が絡む。最後は事情を飲み込んだ河内山一家乗り込みで乱暴に解決、でもまた一文にもならないというお話。男に振り回された千代は、千鳥を出て自立した生活をはじめる。
 ロケ地、金子市が殴られ商売始める縁日、今宮神社境内。千代が仙太と再会の橋は東門内の石橋。千鳥に帰らずほっつき歩く千代が、川を渡って逃げてくる仙太たちと会う、中ノ島橋下河原。千代を探し歩く宗俊が三杉屋の手下に襲われる、中ノ島橋上。追っ手から逃げ回る仙太が走る掘割、中ノ島橋下水路。千代が勤める浅草の水茶屋・かざりや、今宮神社門前茶屋・かざりや(暖簾も提灯もそのまま使用)

■ 子連れ狼 「罠の刺客依頼!この親にしてこの子あり」2003.9.8ANB/東映

 越前・勝山藩用人からの刺客依頼のターゲットは、近隣の藩に難題押し付けまくる福井藩を牛耳る家老。依頼を果たすため行方不明の子を放置する一刀、拾われた先の商家で甘やかされたぼんぼんに押し付けられた罪を黙って着る大五郎。狼の父子は関わった人々の心に感銘を残し去ってゆく。
 ロケ地、道中陣置かれる滝前、琴滝。弱虫と侮られている商家の息子を「助ける」大五郎、上賀茂神社ならの小川畔。ターゲットの家老を襲う一刀、随心院長屋門薬井門(門前、玄関)。旅立つ父子を呼びとめ、孫に詫びを入れさせる岡田屋、下鴨神社河合社前。去る父子、馬場

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第63話「一六勝負に散った花」1978ANB/東映

 賭場のシマ争いに朝右衛門が巻き込まれるお話。賭場の元締が斬られ、その犯人に仕立て上げられてしまうのだが、元締の妹が朝右衛門を好いていたりと複雑。でっち上げには、その元締の義兄弟の同業者と、シマが欲しい大名家が噛んでいた。
 ロケ地、富岡八幡宮で開帳される賭場、上御霊神社境内。加島屋の手下が親分の仇と朝右衛門を襲撃、相国寺林間部の道。加島屋の妹を呼び出し朝右衛門の無実を訴える新さん、上御霊神社合祀摂社前。新さんを襲う加島屋暗殺犯、相国寺鐘楼。逃げた男を追った助八が見失う行き止まりの道、相国寺大光明寺南路地。高垣藩下屋敷通用門、南塀通用門。自分を犯人と言い立てた加島屋の若党に刃つきつけ吐かせる朝右衛門、大沢池堤
*賭場見学の新さん、やり方を知らず丁とか半とか言えばいいとアドバイスされ「よーし、丁とか半とか」とやり笑われる、おきまりのシーンなれど笑える。*高垣藩に取り入り、加島屋に仇討ちを煽る佐原屋に菅貫太郎、辰五郎の人物評「おためごかしの得意な悪党」そのままの姑息さを好演。

■ 新・三匹が斬る! 第6話「座敷童、見たか聞いたか百万両」1992.9.17テレ朝/東映

 舞台は遠野、民衆から金を巻き上げる大騙り集団が現れ人死にも出るお話だが、舞台ゆえか民話調でどこかほんわかした作り。
騙りのメインは、山に金鉱ありと早池峰の神が託宣と偽り、採掘費用出資すると金が五倍十倍という詐欺。はじめ乗ってこない村人だが、奇跡の巫女との対決イベントで砂金出て信じる者多数、争って金を出すありさま。代官までグルだったり。
村人を抑える篤実な農夫の家に投宿の殿様、巫女にきれいに騙され崇めていた千石、わけも判らず引き込まれワラシさまに仕立て上げられた陣内、金を取り返そうとした隣村の農夫が殺害されるに及び三匹が立ち上がる。
 ロケ地、笛吹峠、谷山林道。河童淵、大沢池堤。南部藩遠野代官所、大覚寺明智門。巫女のおひろめ呼び込みつとめる千石、大覚寺天神島(砂金出る椎の木は大楠)。滝行の巫女の様子を見にゆく千石、滝は日吉大社飛竜の滝、巫女が詐欺師の親玉・村雨采女といちゃつく湯治場の宿、日吉山荘。それぞれ得た情報をツナギに集まる三匹、大覚寺護摩堂。ラスト、旅立つ三匹にワラシさまから握り飯、谷山林道

■ 水戸黄門32 第7話「臆病風を吹っとばせ!」2003.9.8TBS/東映

 舞台は高岡、小心者の若侍を励ましワルと対決させ成長に手を貸す老公。彼の上司の筆頭与力は、私腹を肥やすため汚い手を使うほか、常々下僚を苛め若者たちを萎縮させていた。
 ロケ地、高岡藩の政情を老公に報告の助格、京都郊外民家南塀。事後、北国街道をゆく一行、酵素河川敷
*ワルの筆頭与力に林与一、酔態にも気品あり。老公と一太刀交える一幕もあり見もの。引き立てられるシーン、捕り手の手をしゃっと振り払うのもなかなか。*鋳物屋のたたら踏む仕事場の美術、凝ってて○。
2003/9/7

■ 必殺仕事屋稼業 第18話「はめ手で勝負」1975.5.2ABC/松竹

 将軍の若君の学友の地位に手が届きそうと知った馬役人の黒田、息子をスパルタしごきで死なせてしまう。野望潰えるかに見えたが懲りず、下男のデキ良さそうな息子を強引に養子にとり、返還を迫った下男を斬り捨てるに至る。この下男は政吉の博打仲間、そしておせいには黒田の妻女から息子と二人逃亡したいとの依頼が来ていたことから、黒田の始末にゴーサインが出る。
 ロケ地、黒田邸に相国寺大光明寺(門、南塀、通用門)

■ 必殺仕置屋稼業 第11話「一筆啓上悪用が見えた」1975.9.12ABC/松竹

 次々と手柄を立てる岡っ引・黒門町の佐平次。しかし裏では弱味ある人間を脅し大金を巻き上げるというとんだ悪党。この魔手にかかり、何の罪も無いのに島送りにされ帰還後も陥穽に落ちる男。島送りを自分のせいと思い強請りに応じるが、空しく目の前で男の死を見る女、そして女は仕置屋を求める。
手下の駕籠かきは印玄がダブル落しで始末、佐平次の仕置は市松が実行、主水は死因を取り繕い事件とならぬよう計らう。
 ロケ地、佐平次の脅迫現場となる神社、今宮神社(境内、石橋)。印玄屋根落しの下谷正慶寺、今宮神社東門(クローズ)

■ 新必殺仕事人 第3話「主水子守する」1981.5.22ABC/松竹

 主水が捕えた盗賊の一人は女、激しい責め問いにも口割らず死罪確定。しかし女は身重で、執行は出産後、生まれた子は15になったら遠島のきまり。
先を諦めていた女だが、子を産んで生への執着兆し逃亡する。赤子連れで逃げ込んだ先が三味線屋、おりく母子は助けようと動く。女は出生時間引きされかかったのを盗賊のかしらの気紛れで助けられ、長じてのち情婦となった経緯を持つ。この女に心動かす勇次、おりくは快く思わずキツい態度をとり、たまらず金を工面に行った女は一味に見つかり刺されてしまう。
主水らに頭を下げ助力を依頼するおりく、また子の父の命を奪ってしまったことに心痛め、勇次のことを主水に託し旅に出るのだった。
 ロケ地、預かっていた赤子を勇次とお房に渡す加代、大覚寺天神島。盗賊一味に追い詰められたお房が舟で逃れようとするも背に克造の刃突き立つ、広沢池東岸
*山田五十鈴三回でいなくなっちゃう。勇次と二人きりの際の上方弁会話が好きだったのに。

■ 鬼平犯科帳3 「尻毛の長右衛門」1992.3.18CX通算60話

 本格の盗めをなす尻毛のおかしらに縁あって盃を貰った布目の半太郎は、気にそわぬながれづとめ続いたことから張り切る。しかし引き込みのおすみとデキてしまい、しかもおかしらにおすみへの思いを告白され窮地に陥る。女への情を捨て、長右衛門には詫び状書き江戸を売る半太郎だが、道中で無礼討ちに遭い儚く落命。つとめ中止を聞き、裏切られたと逆上したおすみは、復命せず男を追いかけるという挙に出、ここから一味の情報は全て明らかとなる。
 ロケ地、長右衛門と盃を交わした半太郎がゆく雨の橋、中ノ島橋。おすみと押上・法恩寺でツナギの半太郎、真如堂鐘楼(バックに塔)。半太郎を求め中山道をゆくおすみがゴロツキに絡まれる、上賀茂神社ならの小川畔。長右衛門がお縄になる小名木川、広沢池東岸
*尻毛のおかしらに小林昭二、いい味。
2003/9/6

■ 痛快!河内山宗俊 第11話「男が泣いたわらべ唄」1975-1976勝プロ/フジ

 表で用心棒を世話し、裏で盗賊を差し向けるという、二足の草鞋の梵天一家と河内山一家の丁々発止が描かれ、金子市が先天性心臓疾患の少女のため奔走する哀話が挿まれる。
 ロケ地、金子市がこけし彫ってて茶店の孫娘・おつうを見る、今宮神社高倉下。茶店は東門内の塀際にセット。金子市が茶店を訪ねるくだりでは石橋も使用。おつうの死を見て立ち尽くす金子市、広沢池東岸汀。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第62話「黄金の闇に花一輪」1978ANB/東映

 料亭政治一掃を狙い、虚偽の西の丸全面建て替え計画でワル釣りを目論む上様。未曾有の大工事の話に、「夜の御用部屋」と称される料亭・喜楽では富商と高級役人の密議が花盛り。
ワルどもをを引っ掛ける過程で、上役にハメられ詰腹を切らされかかる普請方の小役人あり、この若者の話に加え、父を同様の冤罪で失った娘が芸者に化けて潜入し、ワルの間を周旋して回り真実を求めるという哀話が絡む。
 工事計画立案を仰せつかった普請方の森小次郎が喜びいさんで下城のシーンに彦根城天秤櫓。芸者・小染が森を喜楽に誘うのは櫓下。庭番と上様のツナギのシーンに金戒光明寺(三門、東坂、長安院下坂)
*森小次郎に三ツ木清隆、一瞬左源太かと。

■ 新・三匹が斬る! 第5話「幸運の汗かき阿弥陀が血を流す」1992.9.10テレ朝/東映

 奥州・白石、村人に災い来るを汗かいて知らせる有難い仏様が、秋月藩の変態姫に奪われる。これには公家・学僧・医師と偽った食客が加担、しかし本当の顔はお尋ね者の盗賊。仏を返してくれるよう掛け合いに行った堂守を殺害したりする。
賭場で金を盗られた千石、俳人を気取って姫宅に入ろうとしてつまみ出された陣内、仏様がなくなって天災に苦しむ村人を見た殿様、それぞれに怒りをこめた三匹の鉄槌が下される。
 ロケ地、白蓮屋敷、中山邸門。阿弥陀の堂、正編第五話で出て来た倉賀野の堂と同じ、しかし不明。事後、仏様持って村に帰還の三匹、広沢池西岸農地
*公家を騙る西光に田中さま。*陣ちゃんに生き仏に仕立てられる千石、流すのは血でこれがタイトルに。
2003/9/5

■ 長七郎天下ご免! 「かあちゃんに逢いたい!」1979-1982テレ朝/東映

 駿河大納言に仕えていた女が、卿自刃の折り他家の若党をしていた夫に離縁され、その後縁あって普請奉行の後妻に。夫のもとに残した子らとの十年来の涙の再会が描かれる。これに、同役の普請奉行と、癒着する悪徳商人の魔手が忍び寄る。
 ロケ地、江戸へ来た姉弟が寝泊りの河原の小屋、広沢池東岸にセット。普請奉行谷村右京邸、相国寺(門、南塀通用門)。谷村の奥方(姉弟の母)が松平伊豆宅にワカサギのお裾分けに行く道、相国寺鐘楼宗旦稲荷の前。
*悪いほうの普請奉行に河合伸旺、伊豆宅で長七郎に引き合わされた際のお追従の福福笑いや、乗り込まれた際に長さんの顔見て「いかん本物」と横を向く仕草がラブリー。

■ 痛快!河内山宗俊 第10話「鬼より怖い奴がいた」1975-1976勝プロ/フジ

 森田屋の頼りない娘婿が弱味に付け込まれ、抜け荷情報を狙われる話。婿、森田屋にシメられるは丹波屋に責められるはでボコボコ。この男の尻拭いして回る宗俊、丹波屋に背中刺されて、フラフラ・血ボタボタ状態で乗り込み婿救出してのける荒技をかます。この、鬼のような男が忌み嫌い恐れるのは…鼠。ED、宗俊の悲鳴で埋め尽くされる。
 ロケ地、森田屋でシメられた婿を連れ出し事情聴く宗俊、大覚寺大沢池堤・水門そば。金子市が森田屋の孫娘と鼠逃がす、大沢池畔
*飲み代のツケが溜まり、どぶ掃除のバイトする金子市、ついでに頼まれた鼠退治が正業に?鼠とりって染めた法被作ってるし。金ばさみで鼠を相手に鋭い立ち回りを披露。*丹波屋へ乗り込む宗俊、持ってきた鋸でいきなり大黒柱をギコギコやりだすのにはびっくり。こんな乱暴な男が、森田屋の孫娘のプレゼントの二十日鼠にぎゃーぎゃー大騒ぎは傑作。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第61話「春の嵐に散った恋」1978ANB/東映

 御台所選びの噂たち、上様は大名の娘たちに追い掛け回されたまらず逃亡。そして、焼き芋買ってる最中に「運命の女」にめぐり合う。男装のその女は大名の姫で、娘を御台所にと図り権力への野望ぎらぎらの父を厭い家を出て来たのだった。妙な会話を交わし、め組に連れてゆきするうち、二人の間に思いが芽生える。しかし姫の父は救いようの無い野心家で、姫の幸福を願い徳田新之助との縁談を願い出た姫の実母を手に掛けてしまう。父を断罪する上様を見た姫は髪を切り、尼になると告げ、上様の恋は実らず終わる。
 ロケ地、加納邸回りで繰り広げられる音物届けレース、相国寺放生池天界橋大光明寺前路地(門内から)庫裏。加納邸、林光院。雪姫に事情を聞く新さん、大覚寺天神島。青山備前守邸、相国寺大光明寺門。雪姫のこと話し、備前守は危険と忠相に猛反対される庭、姫路城三国濠(天守バック)。尼僧となった姫が暮らす寺、西寿寺鐘楼石段(上部に十三重石塔)
*大名の娘たちが上様に迫るシーンは傑作。お色気軍団に悲鳴を上げて逃げ回るとこがラブリー。しかし上様が就寝時に思い浮かべる雪姫のくだりで出る「芋のなる木」…作るか、ホントに。

■ 新・三匹が斬る! 第4話「牢破り、女一匹駄賃づけ」1992.8.27テレ朝/東映

 三春藩特産の水晶を巡る陰謀に巻き込まれる、働き者の駄賃づけの女・お政。出奔した夫は我が子を救うため、善良な山奉行は無実の罪で囚われた女を逃がし、それぞれ落命。非道の輩を成敗すべく、三匹が立ち上がる。
 ロケ地、三春藩領の街道筋、山室堤道(堤外地からのアングルもあり)。お政が迷子を届ける日笠村庄屋屋敷、例の土塀と長屋門、キャプチャ。和泉の港、八幡掘新町浜。陣内が野博打開陳している、臨時の関所設置の神社、不明・キャプチャ。さらわれた息子が見つからず沈むお政と殿様が話す浜、琵琶湖西岸(今津付近か。背景に葛籠尾崎・伊吹山・竹生島・近江八幡の山なみ)。出羽の行者・竜海坊の正源寺(盗賊のアジト)、不明・キャプチャ。
*今回もギャグ満開の陣ちゃん、ラス立ち前に爆薬仕込んだ大根投げて「今日のお料理はお大根を使いました悪人のごった煮でございます」
2003/9/4

■ 長七郎天下ご免! 「風が運んだお姫さま」1979-1982テレ朝/東映

 飯田藩の世継巡るお家騒動、守役が密かに落した姫を拾った長さんが大活躍。世間知らずのお姫様が浜乃屋でとぼけたお笑いを繰り広げ、姫を慕いワル一味に潜入した若侍が斬り死にする哀切な一幕も用意されたおきまりストーリィ。
 ロケ地、愛宕下をゆく琴姫一行が刺客に襲われる場面は下鴨神社糺の森(川辺で休むのは泉川、姫を隠すのは当時涸れ川だった瀬見の小川の切石橋、守役たちが斬られるのは池跡、通りかかった長さんに拾われるのは河合社塀ぎわ)。事後、国家老に伴われ行く姫の駕籠も同所の馬場(長さんのいる茶店をセット)

■ 痛快!河内山宗俊 第9話「罠にはまった中仙道」1975-1976勝プロ/フジ

 宗俊が富商の内儀と駆け落ち、と見えたは狐狸の化かし合い。富商の阿漕な商売の黒幕を探りたい宗俊、そして女は自身の旦那を見返りその黒幕と通じていた。
「道行き」の果ての雪の湯治場で用済みとばかり斬られてしまう女、最後の息で呼んだその黒幕から本格的に金を毟ろうと意気込む河内山一家、ぶった斬ると息巻く金子市。しかし結果は、阿漕な富商が我が身を省みずお上に訴え出て、黒幕おナワ、一文にもならないのだった。
 ロケ地、街道筋各所まことに良い画なれど皆目判らず。途中、金子市一行が刺客に襲われる茶店は広沢池東岸
*どうしても女を取り返したい唐津屋につきまとわれる金子市が傑作。タカるし、呑んだくれるし、途中で帰ろうとするし、の態度がいちいちなんか可愛い。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第60話「太陽だけが知っていた」1978ANB/東映

 皆既日食に江戸はパニック、日輪が戻った後も市民生活が正常化しないことに胸を痛める上様。しかし天文を学んでいた元侍がおり、日食を予言し、世迷言をと主の長崎奉行に解雇されていた。その主は日食を目の当たりにし、学問が正しかったことを知ったはいいが気象予報をさせて大儲けを企んだりする。学問が薄汚い目的に使われると知った学者はもちろん固辞、しかし娘をタテに監禁されてしまう。偶然事を知った上様、乗り込んで旗本を成敗、禁書の制を緩和し天文方設置。
 ロケ地、お城の庭に坂口?或いは嵐亭か。
*天変地異に大騒ぎの江戸市民、しかし本当の災厄はおさいの天鈿女命に扮した物干し台での裸踊りだったかも(寸前)。

■ 新・三匹が斬る! 第3話「お相手申す、今宵限りの算盤剣法」1992.8.20テレ朝/東映

 意気投合した酒友を失う千石、ひとときの教え子を亡くす陣内、歪んだ正義を強制された孤児たちを憐れむ殿様、それぞれに怒りマックスの三匹が、福島藩家老の大狸を粛清してのける。
武士を捨てた自由の天地を夢見ながら、妹の幸福のため自刃して果てる勘定方に目黒祐樹。親切ごかしに孤児を養育し憲兵隊に仕立て上げ、弱者から金を毟り取る悪辣な家老に菅貫太郎と豪華。
 ロケ地、会津・福島境の峠道で喧嘩の千石と勘定方、谷山林道分岐道。侍志願の子を殿様に押し付けられた陣内が弁当を使う石段、神護寺金堂下。福島城、彦根城天守遠望。隼塾の悪評を聞く野良手伝いの殿様、広沢池西岸農地。

■ 新必殺仕事人 第2話「主水気分滅入る」1981.5.15ABC/松竹

 高輪の大木戸を大手ふって通れぬ罪人や駆け落ち者を、密かに落してくれるという「逃がし屋」、これがまるまるの大騙りで、逃がし料とったうえ女を女郎屋に売り飛ばしたり、二重三重に金を毟り取る大悪党。おりく母子と主水チームはそれぞれ別々に事に絡むが、連れ戻された駆け落ち者の片割れ娘が自死するに及び共に仕事に入る。
 ロケ地、酔って柳橋の汀をゆくおりくが濠から這い上がろうとする女から恨みを託される、中ノ島橋下手右岸河川敷。越後屋の娘と逃がし屋の仲介した加代を殴りつける主水、罧原堤下河岸(魚網や魚籠セット)。越後屋の娘が参詣する神社、今宮神社本殿。帰途、立ち寄る門前茶屋で加代とすりかわり、一和。越後屋の娘とすりかわった加代が荷駄で運ばれる途中小休止の道、松本酒造前東高瀬川堤。越後屋の娘が桟橋で待つ恋人と再会し松原で戯れる品川の浜、琵琶湖西岸。逃がし屋一味の遊び人をシメる勇次、大覚寺有栖川河床。
2003/9/3

■ 長七郎天下ご免! 「酔いどれ女の子守唄」1979-1982テレ朝/東映

 公共工事を巡っての陰謀。御用達の材木問屋から仕事を奪う企みは、若旦那の子を産んだものの引き離されて生きてきた酌婦を利用して行われる。女の心底を信じた長さんが動き、危機一髪で救出、内外のワルを殲滅。
 ロケ地、女が地回りに強請りを持ちかけられる、大覚寺有栖川畔〜五社明神(地回り殺害も同所)。武州屋の工事辞退申し出を聞き喜ぶワル三匹が集う山城屋寮、大覚寺望雲亭(門、玄関)

■ 痛快!河内山宗俊 第8話「三途の川は空っ風」1975-1976勝プロ/フジ

 抜け荷商人たちの縄張り争い、古参の森田屋は新参の碇屋の掟破りの独占を力ずくで阻止する。はじめ碇屋の用心棒として、のち森田屋の妾と関わる金子市の姿が描かれる。トラブルの過程で妾は流れ弾に当たり死亡、身の上を聞いていた金子市は彼女の遺体を船に乗せ送ってやるのだった。
 ロケ地、森田屋の妾・お艶が碇屋に誘拐されかかる神社、今宮神社境内。金子市はこけし売りに高倉下に出ていて行き合わせる。この後、かつての同輩とばったり会うのは楼門。釣りの丑松と直次郎が、通る女の襦袢の色で賭けをしているところへお艶が通りかかる橋、中ノ島橋(釣りは橋たもとの堰堤前、お艶は橋上)。捨て子だった身の上を金子市に語るお艶、罧原堤下汀(夕景)。お艶が拉致され監禁される州崎千本杭河岸の小屋、広沢池東岸にセット。お艶を舟葬の金子市も同所汀(夕景、見事)
*「むさい」けどとっても優しい金子市、女の危機は救ってくれるし、ぶっきらぼうな態度とりながら友達に金作ってきてやるし、なんてイイ奴なんだ設定に?マーク灯る、拉致から助けた女に無造作に手を出す市…原田芳雄ならではの役どころか。金と土産持って帰ったら長屋で友達死んでるし。*森田屋・大滝秀治に対抗する碇屋に戸浦六宏、悪役花盛り。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第59話「賭けた命が纏に燃える」1978ANB/東映

 武張った旗本の一団・鎧組が市中で大暴れ。馬で人を引っ掛けるは、露店を壊すはの果て、難詰した娘を追い掛け回し、庇っため組と大喧嘩、纏を壊す。そのうえ纏を新調しようとするのを悉く妨害、この背後には纏を作る槍師から多額の金を毟ろうと企てる槍奉行がいて、血気の若者を煽り立てていた。
今回、新さんは脅しに屈した槍師宅前で座り込み敢行、夜になっても雪が降っても動かない新さんに根負けした槍師は覚悟を決めて纏を作ると約束。お城に帰った上様は槍奉行と旗本たちを召し出し断罪、の大活躍。
 ロケ地、庭番が槍奉行の素行を報告、大覚寺五社明神

■ 新・三匹が斬る! 第2話「消えた女房、砂金地獄に咲いた花」1992.8.6テレ朝/東映

 会津藩の金山方が悪徳商人と組み砂金を横流し、私腹肥やしまくり。保管には村名主夫婦の古い過去を暴きたて、蔵に置かせ女房を人質にとるという悪行を働く。行方の判らない母を案ずる娘、金山から逃げ出し斬られた山人足、砂金搬出に一役買わされ始末されかかる旅の一座、三匹それぞれに関わった事情から大暴れ、血の雨が降る。
 ロケ地、会津への街道、茶店で休む殿様、広沢池か沢ノ池か菖蒲谷池か不明(変わったアングル、緑眩しい水の色、汀にヨシ生えまくり)。名主宅は前に畑の「庄屋屋敷」…ここもずっと不明のまま。金山番所はいずこかの砕石場跡か(端っこに小滝落ちてるとこ)。花菱屋寮・春宵庵、中山邸門。旅の一座が砂金運びの最中役人に臨検される山道、酵素ダート待避所。ラスト三匹がゆく小沼峠、谷山林道
2003/9/2

■ 長七郎天下ご免! 「殴り込み!鉄火娘」1979-1982テレ朝/東映

 盆栽フェチの小普請奉行、趣味が昂じて自らの悪企みもワヤにしてしまう一話。
荒筋は口入屋同士の対立、浜乃屋とは火事の被災者への炊き出しの際かかわりが出来。浜乃屋と盆栽フェチとのかかわりは炊き出し行為がお上から誉められ、上様御手ずからの盆栽が下賜されたことから。
 ロケ地、神田の火事で焼け出された人々に浜乃屋が炊き出し、神光院中興堂前。釣りの長さんと太助が、豊島屋のアブれ人足に話を聞く、大沢池畔。小普請奉行・倉橋采女正邸、相国寺光源院

■ 痛快!河内山宗俊 第7話「御祝儀放免」1975-1976勝プロ/フジ

 牢屋敷が改築。これを嘉して行われる御赦免のしきたりあり、赦される囚人の指名は担当の棟梁が行う。
道楽息子の赦免願う富商と、舎弟の解放を目論む地回りとが金をもって運動、その間をひらひらと舞い欲をかく役人。棟梁に事を預けられた宗俊は巧みに餌をまき奉行をも動かし、ワルをハメる。冒頭、宗俊たちが書画を偽造している場面が描かれるが、工作に使うテクニックのネタ振り。
 ロケ地、相模屋の駕籠を役人と地回りに襲わせ奉行に見せる橋、中ノ島橋(下方から側面を望む、水面に影落すシンメトリの大胆な図柄と、橋上)。伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門(赦免された男を迎える家族の手前に門前で叩刑受ける丑松を配置)
*ラスト、屋形船で「二瀬川」唸る遠山の傍らで三味弾く宗俊、兄弟競演が渋い。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第58話「江戸一番!桜おどり」1978ANB/東映

 庶民の観桜の場にと、岩井藩主・太田左近太夫に命じ飛鳥山を造成させる上様、このプランに乗じ太田を失脚させ上様の面目を潰そうとする企みがなされる。黒幕には尾張の大目付。
この大筋に、桜フェチの太田が些細な罪で追った家臣の遺恨話が絡む。
 ロケ地、岩井藩飛鳥山番所、酵素(小屋は降り口直下、助八が人足に話聞く現場に河川敷)。朝右衛門が尾張の大目付を斬る、大覚寺五社明神
*岩井藩を追われ、チンピラとつるみ荒れた生活を送るポニーテールの若侍に真田広之。*成敗の舞台となる中村座、おかめの面つけて踊るは上様、決め台詞の際の仕掛けは葵紋高速回転ぐるぐる。

■ 新・三匹が斬る! 第1話「妖怪の美女に惚れたら命がけ」1992.7.9テレ朝/東映

 舞台は那須野、殺生石のある大田原藩領。玉藻ノ前の伝説をよいことに、人を嬲り殺す快楽に耽る次席家老がいる。こやつは欲も深く、養女の姪を道具に次々分限者と娶わせ財産を絞るという悪事も働いていた。
千石がその哀れな道具にされている女にメロメロに惚れてしまい、駆け落ちまでするが結末は悲劇に終わる。
 ロケ地、逃避行の千石と玉絵、清滝川の渓流沿い〜谷山林道分岐道(茶店セット・千石はここで一服盛られ昏倒)
*大ワルの犬追物ならぬ人追物を仕出かす次席家老に亀石征一郎、目つきが凄い。これの配下の一人に福本先生、ラス立ちでは殿様にずんばらりと斬られきれいにのけぞる。

■ 大奥 「明治篇 新しい生命」2003.9.2CX/東映

 時は戊辰の役終結の翌年、真ちゃんと結婚し診療所を開き身重となったまるを訪ねてくる初島さま。二人の会話をフレームに回想シーンがめぐる。
牛鍋屋を開くお笑いトリオの話や、瀧山さまの近況が語られるなか、天璋院の話になるが二人とも消息を知らない。敵方の縁者ゆえ身を潜め暮らすのだろうと忖度する二人、しかし真ちゃんの往診に付き添った帰りまるが見たのは、耳目を集めつつ力車を遣る洋装の篤子だった。
2003/9/1

■ 長七郎天下ご免! 「吾兵衛が惚れた!」1979-1982テレ朝/東映

 長崎奉行と結託し、抜け荷の白糸で大儲けを企む回船問屋あり。抜け荷用の二重底の大船を造るのに船大工集め。この際、入牢している大工を死んだ者と偽り監禁・強制労働という悪行を働く。これに、浜乃屋の吾兵衛の後妻話が絡む人情話が絡んで展開。
 撮りはほぼセット、回船問屋の手下(長さんの表現はゴロツキ)に福本先生発見。

■ 子連れ狼 「来ない明日へ…一刀を愛した女と三度笠の大五郎!」2003.9.1ANB/東映

 酉蔵、拝一刀への純愛の果て散るお話。
 岩田藩代官を依頼により斬る一刀、しかし父子の人相が高札に張り出される。酉蔵は一刀を落そうと企て、理由は素人衆の保護と理屈付けるが、一刀にも部下にもその心の裡は明らか。捨てろと言われ捨て切れなかった名前と純愛と、しかし最後は心のままに惚れた男のため命を散らす酉蔵を池上季美子が熱演、回想に挟まれる「ぶりぶり」の回の映像も美し(酉蔵の遺体を横たえる女郎花の花畑はキレイだけどちょっとあざといかも。池上季美子キレイだから許す)
 ロケ地、酉蔵一行がゆく街道筋、山室堤道酵素。一刀が岩田藩の追っ手を斬り殺す、酵素河川敷(水満々、放水か)。岩田藩の早馬を見る酉蔵、酵素ダート。酉蔵の申し出で股旅姿となった拝父子を含む一行がゆく道、大覚寺放生池堤。日笠代官老ノ木戸、谷山林道。ラストの岩田藩領の浜、琵琶湖西岸松原

■ 痛快!河内山宗俊 第6話「米が仇の八百八町」1975-1976勝プロ/フジ

 米の流通を滞らせ値を吊り上げる悪徳商人と一派を懲らしめる一話。でもきっかけは丑松たちが作った博打の借金返済だったりする、無頼の河内山一家。今回は金子市も参加、乱暴極まりない手口で商家に入り込み、これとつるんでいた勘定奉行を脅しつけ、江戸に米を流通させる。
 ロケ地、賭場の証文を破り捨てる丑松、中ノ島橋(正ちゃん欄干またぎ)。札差の女将と奉行の密会を見張る丑松、背後に桂川大堰映りこみ。事後、米を積んだ船を遣る直次郎と丑松、広沢池東岸
*勘定奉行邸を探り、表札の字を体で宗俊に説明の文盲の丑松が可愛い。どこへどのように入り込んでも変わらない金子市、いっつも七輪で焼いてるのはサンマ。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第57話「百鬼、一刀両断!」1978ANB/東映

 巡察使を勤める使番衆の腐敗を糺す一話。
太平の世、母衣武者の末裔も堕落の極みで、行った先で賄賂を受け饗応に溺れる日々。経費節減を図る上様、メスを入れようとする矢先、内実を告発しようとした侍は斬られ、情報をリークした元奉公人も危地に陥る。ここへ上様乱入、集まったワルを掃討。朝右衛門に新さんの正体がバレてしまう回でもある。
 ロケ地、使番・青山左京太夫邸、金戒光明寺善教院。庭番に青山が任務半ばで帰還していると報告受けるお城の庭、彦根城観音台への橋から西の丸。硬骨漢の使番・彦坂政四郎邸、金戒光明寺龍光院。忠相に報告受ける上様、彦根城西の丸から天守望。朝右衛門をお城の奥庭で謁見の上様、彦根城玄宮園

■ また又・三匹が斬る! 第21話「さらば三匹!今宵お命頂戴す!!」1991.10.24テレ朝/東映

 「また又」最後のお話は、将軍家お世継を巡る大騒動。殿様が将軍・家斉の御落胤?話が持ち上がり、千石と陣内が人から頼まれて真実を探る。
陣ちゃんが書いたでたらめの報告書を利用して将軍の次男坊を装いお城に入った殿様たち、大掃除の粛清の嵐が吹きまくる。
 ロケ地、雨の中身分ありげな頭巾侍に呼び出され殿様の素性調査を依頼される千石、二尊院紅葉の馬場。水野老中の密偵が石翁の手下に襲われる、谷山林道。江戸城イメージ、姫路城天守。お美代の方が参詣する石翁との密会の寺、仁和寺参道。江戸・感応寺で水野の密偵に調査報告の陣内、神護寺鐘楼下石段。小吉の駕籠が襲われる、大覚寺大沢池木戸前〜観月台下〜五社明神。石翁を討ち果たす殿様、石段下の石橋、不明・キャプチャ。家斉と会見の殿様、中山邸無畏庵前苔庭。水野老中に小吉を託し出立の三匹、姫路城三の丸芝地から天守遠望。
*殿様の正体については明かされることなく終わる。千石に神仏の顕現と言わせてある。*石翁の部下・権藤に福本先生、水野の密偵襲撃シーンでは台詞いっぱい・強面の剣客ふう。

■ 水戸黄門32 第6話「肝っ玉女将と意地比べ」2003.9.1TBS/東映

 飛騨高山、夫の死後息子を一人前の商人にと気張る傑物の近江屋の女将と知り合う老公。一行は息子の秘めた恋を成就してやろうと動き、その過程で代官を騙し入り込んだ盗賊を懲らしめることとなる。
 ロケ地、高山入りの一行がゆく水辺の道、上賀茂神社境外・社家町。川端の大楠から見下ろす珍しいショット。ラスト、滝前でトレーニングの鬼若、菩提の滝
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