時代劇拝見日記 2004年11月

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2004/11/30

■ 暴れん坊将軍 II 第172話「十手無用の父娘鳥!」1983-1987テレ朝/東映

 芝一帯で阿漕な取立ての両替商、裏には野心満々の火盗改長官。火除地を巡る汚い陰謀に立ち上がる下っ端同心と、その恋が描かれる。相手が元岡っ引の喜平の娘だからひと悶着あったり。
 ロケ地、花房右京之介邸、大覚寺大門。喜平のことを報告の才蔵、上様と忠相は仁和寺茶店でお茶中(窓の桟越しショットも)。花房と両替商が火除地の薔薇色アフタープランを嬉々として話す向島、大覚寺大沢池畔。ラス立ちは心経宝塔(基壇のみ)から護摩堂天神島(祠越しのショットあり)を使って繰り広げられる。
*喜平に和崎俊哉、渋い。火盗長官には田口計。

■ あばれ八州御用旅4 第3話「悲恋の行方!欺かれた八州廻り」1994TX/東映

 抗争の果て殴りこんで放火の博徒は風を食らって逃げ、青梅に潜伏。これを追う八州の柳田は、博徒とグルの陣屋元締にたばかられ無罪の若者を捕縛、その許婚者が柳田の逃げた情婦に酷似していたため悲劇は起こる。
 ロケ地、深谷から青梅への道で柳田が旅人を不審尋問し打擲、酵素ダートから河川敷。深谷から逃走の博徒が青梅付近の漁師を襲う、罧原堤下汀(後で夜に上陸も同じ)。恋人は取り調べ中死亡と柳田に嘘をつかれたおうめが入水、大覚寺放生池堤。見に来た柳田をなじる藤堂、五社明神前。おうめの墓、不明(どっかの勅使門みたいなのの脇)
*嘘情報を吹き込んだ元締を難詰し消される柳田、虫の息で藤堂に「この無念を」。なんか殺し屋と間違えてるっぽいが、藤堂のほうも「俺は影の八州」なんて名乗るし。*ラス立ち福ちゃん入り、陣屋の侍。襲われる漁師もセンセイ。

■ 必殺橋掛人 第3話「神田のゆうれい坂を探ります」1985.8.16ABC/松竹

 神田春日坂は「出る」と噂の通称幽霊坂、亭主殺しで死罪となった女が啜り泣くのだと囁かれるが、出ているのは無実の罪で斬首された母を泣く娘であった。その女は身を汚してまで真犯人を追うが敢無く消され、しかし頼みの筋は直前に橋掛人たちに届いていた。
*ワルの与力に西沢利明、真面目くさった顔で紋々は背負ってるし畳裏に小判敷いて夜中に数えてるし変態じみててコワい。
2004/11/29

■ 忠臣蔵 第七話 2004.11.29ANB/東映

 東下りがメインで、著名なエピソードをつないでゆく。右衛門七の母の覚悟の死、日野家用人・垣見五郎兵衛との「対決」、高田郡兵衛が叔父に仇討ちか養子か迫られる話、前原伊助の米屋が吉良家付け人にボッコボコ等が描かれ、絵図面入手で苦悩の岡野は中程。
 ロケ地、矢頭家にズームの赤穂城下イメージに赤穂城大手東北隅櫓塩の国(赤穂市立海洋科学館)姫路城好古園路地。母に諭され一人江戸を目指す右衛門七、妙心寺大庫裏脇路地琵琶湖西岸松原〜汀(漁具セット)。大石一行がゆく東海道、嵐山自転車道(遠景に富士山合成)。川崎在平間村の農家に入る大石、民家門。多摩川は桂か。高田郡兵衛に悩みあるのかと質す安兵衛、大覚寺御殿川河口(有栖川岸から見下ろし)。兄の家へ赴く郡兵衛、妙心寺大心院前路地〜福寿院道。
*右衛門七の母は萬田久子、垣見五郎兵衛は江守徹。騙りと怒って入ってきた垣見に見せる道中手形は白紙、しかし袱紗に違鷹羽の紋という趣向。紋を目にした途端泣きモード垣見、金打して去る大仰ぶりが面白い。対峙した瞬間デカさで勝ってる松平健もなんかおかしい。
*テレ朝サイト「祇園 東下り 垣見五郎兵衛」、朝日新聞ラテ欄「討ち入り前夜(1)危機一髪!武士の心、男の涙…」

■ 暴れん坊将軍 II 第171話「謀反人の娘」1983-1987テレ朝/東映

 将軍暗殺に失敗しその場で自刃して果てた尾張の江戸家老、残された娘のその後を描く情話。騙されて岡場所に売られたその娘を救う南町のベテラン頑固同心が、娘の出自でワルに脅され窮地に陥るエピソードが主軸となる。
 ロケ地、遠乗りの上様が襲撃される、下鴨神社馬場。馬をおりてチャンバラは池跡、尾張の江戸家老が罪を一身に背負って自刃も同所。財宝を狙って妾囲いの浄雲寺の住職を脅す栄五郎一家、神光院中興堂(方形の堂と鐘楼は他所か)。自刃した江戸家老の妻子が門前払いを食う武家屋敷の門、大覚寺大門。寺宝を奪い霊岸島へ運んでくる栄五郎一家、琵琶湖岸、ここがラス立ちの場になる。
*熱血の老同心に長門勇、ヤクザを操って抜け荷のお宝を集める周防屋に名和宏。*上様珍セリフ、勝手に罪の軽重を決める「冷や飯食い」を訝かしむ同心たちに「狙われた本人が言ってるんだ」と身分告白。これはまだいいほうで、連座すべき娘を見逃したことを忠助に「俺は法を破ったぞ」は抱腹ものの口調。*足抜きのおみわを追うチンピラの一人に福ちゃん、セリフは無いけど女に簪で刺されたり、新さんに「正義の扇」でしたたかにぶっ叩かれてうわぉとのけぞり。刺された腕を庇ってかさこそと移動する姿もラブリー。

■ 月影兵庫あばれ旅 第1話「消えた姫君を追え!(前)」1989.10-12TX/松竹

 素浪人・月影のダンナとはちょぉーっと違う、総髪の茶筅髷が柳生十兵衛みたいな「村上」兵庫、その「旅」のフォーマットの、とっ掛かりとなる一話。
 お話の背景に知恵伊豆と老中・牧野備前守との対立があり、女好きの将軍に伊豆が宛がおうとした公家の姫が牧野の陰謀で逃亡、その場に居合わせて女を助け逃がしたことで叔父の伊豆に怒られ追走を命じられてしまう月影兵庫、牧野方には怪しの強敵がいたりして、今回の「旅」は川崎まで。
 ロケ地、松平伊豆守邸から出動する侍たち、大覚寺大門妙心寺大庫裏付近路地。綾姫の駕籠が逃げ込む麻布・東福寺、随心院薬医門、大玄関。ここから出る駕籠を追う兵庫たち、宗像氏が追うのは妙心寺衡梅院前、黒祖・岡島組が追うのは玉鳳院前、兵庫が追うのは大覚寺放生池畔、全部偽者でカラ。姫をむざむざ逃した兵庫にお冠の桔梗が路銀を渡し品川へ向かえと指示、五社明神。綾姫一行が船に乗る、セット水際から広沢池東岸にスイッチ。江戸城、伊豆と牧野が陰険漫才の御廊下は相国寺方丈(座敷から法堂屋根を望むショット)。牧野邸、飼っていた剣客・幻一角に兵庫と戦い綾姫を京に送り届けるよう命じる備前守、相国寺大光明寺(門、石庭。中仕切りから石庭を見るショットも)。一角に斬られて果てた岡島の荼毘、酵素河川敷。川崎宿、夜間逃げる姫の駕籠、中ノ島橋上。兵庫と死闘のすえ傷ついた一角がおしまに発見される水辺、広沢池西岸湿地
*兵庫の前に立ちはだかる剣客・幻一角には目黒祐樹、名前からして異様に怪しいが天空剣士ほどではない。兵庫に髷切られちゃったうえ桔梗に猫引っ掻きされて散々のスケベ宗像氏も傑作。スムーズな形で兵庫の傍にいることになる合点の安に大和田獏、彼が唯一月影のダンナと焼津の半次を偲ばせる役回り
2004/11/28

■ おしどり右京捕物車 第6話「奪」1974/4-9朝日放送/松竹

 右京夫婦が寄宿している寺の和尚の弟弟子の寺がヤクザに狙われる。葛飾の寺は朱引きの外で、市中での博打をためらう旦那衆を呼び込む狙い、寺社方大検使が裏にいた。
溜めた家賃を礼金がわりと乗り出す右京、一家の用心棒の鞭使いとの対決が見応えあり。
 ロケ地、了善の住持する葛飾・蓮乗院、龍潭寺山門。一件を仕事にせよと秋山に掛け合うも不調、帰り道は大覚寺放生池堤。右京の前に立ちはだかる鞭使い、地蔵の首を落としてみせるのは天神島。死地に自ら飛び込む下総・街道の一歩松、不明。

■ 新選組! 第47話「再会」2004.11.28NHK

 勝海舟に体よく江戸から追い払われる「甲陽鎮撫隊」、多摩で歓待を受けたあと向かった甲府でき既に城を奪られており勝ち目なし。軍議の席では、今までの鬱憤をぶちまけた永倉が離脱、原田も同調、しかし斎藤一珍しく猛る。
勝の意図を理解している設定の近藤、次回は流山だが行動原理をどこへ持っていくのかな。
*トシちゃん洋装お似合い、デザインは「写真」に忠実。似合ってるけど細すぎかも。アップの見せ場に選挙速報被ってちょっとイヤンな感じ。
2004/11/27

■ 女殺油地獄 1992.5.23京都映画 五社英雄監督作品

 近松の世話物を美麗そのものの映像で見せる一作。原作は事件をダイナミックに描く秀作なれど、殺しに至る動機が些か不条理に感じられる部分をうまく衝いた脚本も秀逸。
お吉と与兵衛の密通が主軸となるゆえ、放蕩息子が女郎を追っかけて野崎参りの徳庵堤で騒動を起こすくだりや、河内屋でのDVなどは省かれている。
性悪な小菊に入れあげる与兵衛を見ているうち、身の裡に魔性の火を灯すお吉の変化が丁寧に描かれ、かたや与兵衛の人格は一貫して変わらないあたりも見もの。
そしてなんといってもクライマックスの殺し、豊島屋の土間に油をぶちまけてのからみはほぼスローモーションで、ぬたぬたぴちゃぴちゃの油の音と樽をひっくり返す音が利いている。無論油の質感が伝わってくるカメラワークが素晴らしいことは言を俟たない。冒頭に検屍シーンを持ってきてあるのと、死んだお吉の手に虚空蔵さんのお守りが握られている演出で結果が語り尽くされているので、茫然と立つ与兵衛で終わるのも余韻を残してイイ感じ。
 ロケ地、バレて引き離されたあと小倉屋から小菊をさらって逃げる与兵衛、追っ手の男衆をふりほどき乗る船、八幡堀明治橋下堀端。土砂降りの中を逃げたため濡れた衣を絞り干す二人、西の湖畔。小菊を持て余したすえお吉を呼ぶくだり、男衆に連れ帰られる小菊が船に乗る川端、嵐峡左岸(嵐亭あたりにある建物はセットか合成か、暗くて判別し難い)。小菊の嫁入りのくだりの堀端、群衆の橋は八幡掘白雲橋でバックで花火が上がる演出、堀端に紅白飾りの桟橋がセットされている。油搾めの追い回しをしている与兵衛を呼び出す、大家の御寮はんとなった小菊、西の湖水郷。小菊の嫌味により火がついたお吉が、名を騙って与兵衛を呼び出す船宿も西の湖畔。お吉に狂った与兵衛が傍目も気にせず迫る釈迦誕生会の花供養が行われている寺、神光院本堂(見返りのシーンで蓬月庵が映り込む)。お吉になんで避けると迫るシーンはの前。とりあわないお吉に焦れて無理やり手を取って登る石段、西教寺御廟への石段にスイッチ、駆け落ちを迫る墓地、本堂大屋根をバックに(湖面は映らず)。お吉の亭主に斬りかかられ、全て自分のせいにされていることに茫然と佇む与兵衛、西の湖畔。
2004/11/26

■ 最後の忠臣蔵 第4話「死を賭けて」2004.11.26NHK

 大目付のもとへ出頭の寺坂、評定は一旦流罪と決るが、近衛公のマザコン位打ちで遺児赦免・寺坂にもお構いなしの断が下る。この間の動きが丁寧にしっとりと描写される。御前での問答のシーンは秀逸、落ち着いたトーンで進むので綱吉の狂態も目立つ。
 ロケ地、天川屋が寺坂を見送る道、酵素ダート。箱根を越えた先の海辺の道、琵琶湖岸汀。泉岳寺、本物の山門〜手水使うお堂前は西教寺本堂。義士らの墓、相国寺墓地か。大目付・仙石伯耆守邸、随心院薬医門、大玄関。荻生徂徠に寺坂の扱いについて相談の柳沢吉保、六義園は彦根城玄宮園。屈伸運動の寺坂に声をかけ処分のことを告げる伯耆守、鹿王院客殿縁先。江戸城、姫路城天守。桂昌院一周忌法要の増上寺、三門から大殿を見るアングルの本物(東京タワーは木でうまく隠れている)。伯耆守邸を辞し帰途の寺坂に立ちはだかる元吉良家中小姓・山吉新八郎、走田神社本殿、参道(原作設定では愛宕権現、シチュエーションは違う)。お土産も買って嬉しげに道をゆく寺坂、琵琶湖西岸松原

■ あばれ八州御用旅4 第2話「狼たちの哀歌!疑惑の賞金首」1994TX/東映

 城代家老の不正に気付いた若者は証拠の書付を持って出奔、江戸の殿様に訴えようとはかるが、手回り窮地に。彼に百両の賞金を賭けて狼どもに狙わせる富商は愛する人の父、苦悩する恋人たちに藤堂は任せておけと白頭巾。
 ロケ地、河津の渡し、罧原堤下河原。新井が潜む山中の小屋、不明。山崎浪人が参る、青木の野末の塚も同所汀。
*義理人情に板ばさみの恋人たちの話に、賞金稼ぎで金を作り仕官を望む浪人の悲話も添えられる。*ラス立ち、一人残った大利根屋にお説教の藤堂、見逃すかと思ったら斬りかかって来たのでバッサリ返り討ち…影の八州の立ち回り、今のところ生存者皆無。福ちゃん、城代の部下で登場。

■ 暴れん坊将軍 II 第170話「め組が消えた異変街道!」1983-1987テレ朝/東映

 埋蔵金もの。舞台は伊豆・修善寺、北条氏の隠し金。
北条征伐に功あった先祖を持つ旗本が、蔵から出てきた古文書で埋蔵金のことを知り密かに山を掘る。人夫は露天風呂でさらってくるという無茶、北条の怨霊鎧武者なんか出て不気味なムードを醸し出すが、実は元伊勢氏に仕えた、お家再興を目論む郷士の仕込み。彼は旧主の財宝を護る衛士であった。
 ロケ地、伊豆へ五里の街道をゆく新さん、日吉大社走井橋。め組が投宿する修善寺温泉の湯治場・天城屋、日吉山荘(飛龍の滝から本館や大宮川べりなど目一杯使われる。スモーク焚いて温泉演出)。騎馬武者に襲われたあと、釣りの郷士・右京を見る新さん、琴滝。右京のことを報告のさぎり、日吉大社六角堂。伊勢新三郎の墓に参る右京、亀岡の墓地。ラス立ちは琴滝
2004/11/25

■ 暴れん坊将軍 II 第169話「恋の九十九里、地獄花!」1983-1987テレ朝/東映

 大身旗本が領地の山で芥子栽培、加えて硝石まで作っているというトンデモ。悪事は、捕われて江戸屋敷に連れ込まれた恋人を案じてやってきた娘から露見する。
 ロケ地、房州から来た娘に「山あいのお花畑」のことを聞く新さん、大覚寺大沢池畔。板倉兵庫助の領地の硝石小屋、酵素(河川敷に小屋セット・これは炎上、騎馬で駆けつける新さんはダート)。八十吉の無事を祈るおくみが襲われる神社、今宮神社稲荷社(ほか境内各所)
*硝石製造に手を貸す医者に河合伸旺、赤いお花(芥子)持ってウフフの画もある。ラス立ちは福ちゃん入り、板倉は追い込まれて「上様、火焔地獄をご覧に入れまする」で小屋吹っ飛びの爆死。

■ あばれ八州御用旅4
 第1話「男涙の大利根無情!抜荷街道の謎を追え!(後)」1994TX/東映

 引き続いて抜け荷の陰謀は進行、邪魔な八州を消す刺客に使われる平手造酒だが、剣戟のさなか互いを認識。造酒は千葉道場の師範代、藤堂は次席の剣友なのだった。このあとは造酒を中心に話が進み、死と向き合っていた彼が生き直す決心をした矢先、飯岡と笹川の出入りの中で無念の死を遂げることとなる。
 ロケ地、造酒に酒をやめろと忠言の政吉、大覚寺護摩堂前。隠密の死体上がる汀、罧原堤下か。政吉に過去のことをちらっと聞く山崎、中ノ島橋下右岸河川敷。飯岡と笹川の大出入り、木津河原。造酒の墓、大沢池北岸・夜泊石のあたり。造酒が大事に持っていた師範代の木札を小川に流す藤堂、下鴨神社泉川。街道をゆく藤堂、木津堤
*郡奉行邸へ乗り込み白頭巾、逆さ屏風を倒して登場。ミキちゃん殺したやつらに私憤八割?の大立ち回り「きさまら人間じゃねぇ叩ぁっ斬る!」(←ホントに言う)。*政吉には「八州の旦那」とバレて「ついてゆきます」…。

■ 大奥 第一章 第8話「将軍倒れる」2004.11.25CX/東映

 大筋は、新規参入の側室とお楽懐妊、上様の痘瘡発病。お万の方は城を退いた笛吹きと再会、春日にチクられて万事休すかと思いきや上様の大事で追求吹っ飛び。
 ロケ地、お万の方を見かけるも娘と認知せず会釈の六条卿、大覚寺五大堂。上様との閨を控え懊悩のお楽に優しく声をかけるお万の方、彦根城玄宮園臥龍橋。御台の誘いで赴いた寺で笛吹きと再会のお万の方、鹿王院(その前に隼人がキリシタン狩りの噂を聞きつけるのは参道、孝子とお万の方が座る縁先は客殿前廊で背景に舎利殿)。春日局にお万の方と隼人のことを聞きクサって鯉に餌やる上様、お万の方が来て疑念を上塗り、玄宮園土橋(背景に臨池亭)
*トリオの食べるのは干し芋?賭けのチップに使ってて、「美味でごじゃりますぅ」はお玉の追求から逃れる道具で旨いかどうかは不明。*笑える、上様がお万の方のギワク聞かされた際の効果「ガビーン」。
2004/11/24

■ 長七郎江戸日記2 第54話「瓦版かっぱ騒動」1989.6.27NTV/東映

 遊び人や鋳物職人の無残な死体は河童の仕業とされ、瓦版で評判に。しかし裏には偽金作りの一団がいた。長さんは河童話を書いた男と息子に肩入れし、悪を暴き剣を振るう。
 ロケ地、「河童にやられた」男たちの死体が上がる竜神池、広沢池(東岸汀、観音島)。大介が銀屋を強請って金を持ってこさせる竜神さま、大覚寺五社明神(本殿、舞殿)
*河童騒ぎの傷は銀屋の手下が持ってるメリケンサックふうのヘンな武器。河童がモチーフのお話に、辰の前髪がなんかおかしい。

■ あばれ八州御用旅4
 第1話「男涙の大利根無情!抜荷街道の謎を追え!(前)」1994TX/東映

 抜け荷を追って出役の藤堂、逃した一味を求め佐原宿へ。小見川藩郡奉行や回線問屋がグルになっての悪謀には、彼らと別に公儀差し回しの隠密も探りを入れる。飯岡、笹川といった親分衆の名が出て平手造酒も登場、怪しの唐人なども立ち現れ、託された蝦夷地図の謎を探る段で中ほど。
 ロケ地、長持改めの藤堂、大覚寺護摩堂裏。飯岡の子分に簀巻きの政吉を助ける藤堂、木津河原。佐原宿口留番所、酵素(ダート、待避所、河川敷)。死んだ隠密から託された蝦夷図について話す藤堂とおりんに手鞠少女の刺客、大覚寺天神島。政吉が詰将棋の商売しているところへ飯岡の手下、大覚寺五社明神舞殿
*竜雷太を残してメンバー一新、水野差し回しの忍び・蛍火のおりんに高島礼子、捨駒の政吉に堤大二郎。*怪しの唐人・陳昌英に西田健、「○○アルよ」をちょっと捻った言い回しが見もの。ワル丸出しの郡奉行は亀石征一郎。平手造酒は萩原流行で、半身のお紺が被って笑える。
・OPロケ地、木津河原、海(不明)、放生池堤、五社明神、心経宝塔、護摩堂裏。EDはずっと海。


■ 暴れん坊将軍 II 第168話「コソ泥入門!かあちゃんが欲しい」1983-1987テレ朝/東映

 狐面の凶盗が跋扈、裏には忠相追い落としを画策する小普請支配がいた。八年前一味と袂を別った蕎麦屋が口封じに消されかかるが、蓮っぱに見えた彼の元女房が娘を庇い落命する哀話が挿まれる。
 ロケ地、賊の出没ポイントについて庭番と相談の忠相、金戒光明寺鐘楼。一味のアジトの唐津屋寮、大覚寺望雲亭。蕎麦屋の半次郎が襲われる、大沢池堤。親子を保護したあと屋台を取りに行く新さんと半次郎、放生池堤天神島。半次郎の元女房・お紋を待ち伏せる新さん、二尊院黒門前。二人をそっとしておいてやれと説得は墓地。唐津屋が小普請支配の松野と会うため船を出す、広沢池東岸(映画村特撮プールとうまく繋げてある)。半次郎が拉致された娘を追って出たと聞いた新さんが歩く道、相国寺大光明寺南路地。半次郎が走る道、望雲亭脇地道(有栖川沿い)。松野邸、大光明寺(方丈、石庭、前庭、門)。ラス立ちは大光明寺から法堂前疎林に移動してゆく。事後、祭りに屋台を出す半次郎、蕎麦を手繰る新さんに父の再婚を告げる娘、大覚寺放生池堤
*唐津屋と松野の密談を探るさぎり、気づかれて猫でごまかしの際使用の巨猫が奇妙…ああいうのも雇っているのだろうか。
2004/11/23

■ あばれ八州御用旅3 第12話「清水の次郎長を叩っ斬れ!(後)」1992TX/東映

 次郎長の夢は、女房の故郷の吉沢村に「こどものくに」を作って孤児たちを養うこと。しかしその村を新たな罪人落としのルートに使おうと画策の郡奉行、手下どもが追い立てにかかって大騒動、次郎長の女房や藤堂の旧友の妻女が巻き込まれて横死するにおよび、表の顔を使う平八郎。そして黒幕の御書院番頭が焦れて当地にやってきたのを白頭巾が成敗。ワルと一緒にとっ捕まった次郎長には、当地お預けの温情を示しメデタシで締めくくられる。
 ロケ地、朝練の兵庫がお百度の母子を見る、下鴨神社河合社(門と向かいの祠)。休んで汗を拭いていると殺された密偵の血がぽたぽた、池跡倒木。吉沢村の鎮守、鳥居本八幡宮(鳥居下、舞殿)
*今回は八州関係者に殉職はなし、若手に「影の八州」の正体は知られぬまま終わる。*ラス立ち福ちゃん入り。

■ 必殺橋掛人 第2話「佃島のおとめ魚を探ります」1985.8.9ABC/松竹

 将軍がお召しになってからでないと獲ってはならぬ定めの「御留魚」のしきたり、これを利用して密かに道楽者を集め初物食いの会を催し大儲けの料亭。その主に借金漬けにされ、密漁の道具に使われ、邪魔になれば口封じに密殺される佃島の漁師たち。「依頼」はその一人から来る。
 ロケ地、佃島、琵琶湖西岸にセットか。密漁を摘発され斬られた仲間の死に落ち込む浅吉に声をかける新吉、嵐山公園中州湛水域右岸堀端。密殺された浅吉夫婦の死体が流れて来る川、中ノ島橋上手堰堤(新吉が橋上から見る)
*仲間の死にアツくなる漁師・浅吉に本田博太郎。ワイルドな漁師のなりがよくお似合いでマル。

■ 暴れん坊将軍 II 第167話「哀しい夜明けを待つ女!」1983-1987テレ朝/東映

 凶盗と火盗改がグルになり、儲けを折半で凶行を繰り返す。金を預かっていた賊の情婦は、逃走のため我が子を犠牲にした男が許せず、復讐の刃を突き立てるという悲話。
大筋よりも、情婦の端唄の師匠のお向かいの夫婦に尺がとられ、見張りのためその家に間借りする新さんも入って繰り広げるほんわかドラマになっていたりする。
 ロケ地、賊の金を隠してある子の墓、亀岡の墓地。
*賊を操る火盗改長官に菅貫、出番は少ないが大金ゲットしてうはうはの顔や、ラス立ちの存在感はなかなか。
2004/11/22

■ 忠臣蔵 第6話 2004.11.22テレ朝/東映

 浅野大学の処分が確定しお家再興が消え、浮様は眠りから覚め東下りを決意する。
加古川本蔵が身を捨てて娘と主税の復縁を願うエピソードが挿まれ、りくが出石へ去り、円山会議のあと江戸へ発つ大石一行で幕。
 ロケ地、茶店で花嫁行列を見る本蔵の妻子、山室堤道。山科の大石寓居、酵素河川敷(民家セットの前に草戸セット)。大石を見張る吉良方の密偵たちがツナギをとるお堂、鳥居本八幡宮舞殿に壁をセット。りくに嘆願するも追い返され、絶望の裡に自刃しようとする本蔵の妻子、大覚寺天神島(大楠と祠の間)。浮様が浮橋たちと船着きへ向かう際くぐる戸、大沢池木戸(スリットに障子張ってライティング)。刺客が殺到する水辺、大沢池畔(屋形船にぼんぼりあしらい)。出石へ去る母を追ってゆく主税、野道不明。大石の決意が述べられる円山・安養寺、西明寺(山門、境内)。東下りの大石一行、流れ橋
*テレ朝サイト「山科 永遠の別れ」、朝日新聞ラテ欄「明かされた涙の本心!そして妻と永遠の別れ…」

■ 暴れん坊将軍 II 第166話「小判を拾った幽霊娘!?」1983-1987テレ朝/東映

 悪企みは勘定奉行の贋金つくり、いやいや従うふうの両替商は、流出した小判を拾ったことで命を狙われる奥山芸人のお京の父であったという悲劇。新さんに狙う娘の素性を聞かされた両替商はすぐに翻心、しかし勘定組頭の中田博久に斬られてしまう。グルのお奉行は宮口二郎で、本性はワルでない両替商が引き立つ。
 ロケ地、浅草奥山、仁和寺(境内、茶店、護摩をかぶるシーンは中門内側・二王門が見えている)。娘は大火で死んだと思い込んでいる大口屋が日参する空の墓、化野念仏寺石仏群脇に「京」マーク入りの墓碑。父の死後、芝居で勘定組頭を脅迫し伝通院裏の地蔵堂へ呼び出すお京、大覚寺護摩堂。ラス立ち、堂前から放生池堤護摩堂裏へ移動。堤上での殺陣は池ボチャもあり。
*勘定奉行配下の侍に福ちゃん、さぎりにぐっさり刺されて前のめり。*タイトルはお化け屋敷で働くお京が、逃げた飾り職人殺害現場で偽小判を拾うことから。
2004/11/21

■ 新選組! 第46話「東へ」2004.11.21NHK

 主戦論も玉に去られては無駄、新選組は軍艦で江戸へ。勝海舟による「あんな時代遅れの剣術屋」呼ばわり、加えて逆賊の汚名を恐れる慶喜の恭順姿勢から、邪魔者決定の事実上の崩壊。上様を小馬鹿にした勝の論陣は良し、捨助もうまいところで登場、近藤と土方の志向の違いもちょろっと出てくる。戦闘シーンは相変わらず迫力なさすぎ。
 ロケ地、大坂城、大手門

■ おしどり右京捕物車 第5話「蹄」1974/4-9朝日放送/松竹

 津南藩主と北町奉行の個人的な確執が、一人の同心を死に追いやる。奉行所の体面のため存在を抹消される老同心、己が運命と重ねた右京はタダ働きで死闘を繰り広げ、津南藩の博労たちと用人を仕留めるが、これは必殺でないので上の二人に手は及ばず。
 ロケ地、博労たちの報告がなされる津南藩邸の庭、不明。北町奉行所、御所長屋門。常念寺、神光院(中興堂前、蔵)。博労たちが走る越谷宿への間道、酵素河川敷。博労たちを待ち構える街道、谷山林道(切り通しに小屋セット)。ラス立ちの野原、酵素
*崖から落とされて単身這い上がってくる右京が迫力。老同心に織本順吉、津南藩用人に菅貫、博労の一人に白影さん。
2004/11/20

■ 大奥 第34話「仇討ち神田祭」1968.11.23関テレ/東映

 前二回の「刃傷お鈴廊下」、「鮮血の誓い」と三部構成のお話。
お局さまのイジメが昂じて中掾E千保の方を死に追いやるのが発端、その後も関係者いびりは続くが、心ある女たちは血盟して遂に主君の仇を報じるという、まんま忠臣蔵仕立てのエピソード。もう、お廊下でのブチ切れ刃傷にはじまって、死を賜る席の幔幕には違い鷹羽の紋あるし、藤岡さま額切られて向こう傷残ってるし、勅使ご接待で襖張替え・お料理違いとかもあり、血判ももちろんある。浦路の韜晦も大石じみて、討ち入りに至る。
 この大奥は初代から順に辿る編年形式のものなので、もちろん綱吉の代に忠臣蔵はあるのだが、「亡君のお恨みを晴らす」に最も適したテンプレートを大奥に持ち込んだ工夫はなかなか興味深い。トンデモ作品に類する際物なれど、抱腹絶倒の面白さ。あっこれもやるかおっ次にはアレが来るかなと、忠臣蔵フリークにはたまらないのである。
 ロケ地、岸田今日子の大奥解説ナレーションに姫路城天守から西の丸へパン、化粧櫓にズーム。浦路の態度に悲観した伊吹とお琴が吹上の庭で野点の藤岡に斬りかかり忍びにやられて敢無く散る、大覚寺天神島。田沼屋敷へ赴く藤岡の駕籠が出る平河門、彦根城天秤櫓。神田祭の夜、鶴松ぎみ早世の件を田沼に相談に来た藤岡が浦路たちに襲われ逃げ込む門、西本願寺大玄関門
2004/11/19

■ あばれ八州御用旅3 第12話「清水の次郎長を叩っ斬れ!(前)」1992TX/東映

 三国街道に出没する逃がし屋、佐渡送りの唐丸を襲う。これが手配中の清水の次郎長の仕業と流される噂、敵対する二足草鞋の背後に巨悪の気配。殺された「依頼者」の持っていた千両の手形を懐に、事件に関わってゆく藤堂たち。次郎長と歓談し、なにやら思惑と見えるあたりで中ほど。
 ロケ地、猿ヶ京の関所で唐丸破り一味を見破り捕縛の「八州」藤堂、谷山林道。次郎長と松五郎の出入り、川辺の葦原?不明。
*お役を退いたら江戸に施療院を作って、と小百合に話す藤堂。女房が出てこないと思っていたら、前シリーズの設定はクリアされていて、「手伝う」という小百合となんか雰囲気出してる。

■ 最後の忠臣蔵 第3話「男と女」2004.11.19NHK

 篠の夫と対決は無事済み、京で結ばれる二人。瀬尾の行方に関して、大石の愛人の線からヒントが浮上。そしてなかなかうまく運ばない連座した義士遺族の赦免嘆願に、天川屋と進藤から破天荒な提案が持ち出される。
 ロケ地、有田と対決の河渡八幡宮、粟生光明寺石段上部。京イメージ、東寺南塀越しに塔、および金戒光明寺鐘楼越しに三門。近衛家二条河原町別邸、大覚寺大門長岡天神の大石元寓居を見に行く寺坂夫婦、本物(天神さんの石鳥居〜錦水亭東屋の草戸、「貸し家」の札が下がっている)。大石の愛人・かるの墓(今出川千本・上善寺)くろ谷墓地

■ 暴れん坊将軍 II 第165話「稲妻に裂かれた二人旅!」1983-1987テレ朝/東映

 一代で財を築いた男が、上昇志向をワルに利用され使い捨ての道具にされる悲話。小林昭二演じる材木商が実にいい味。彼の娘がライバル店の息子と恋仲という、よくある設定も氏の渋い演技によりしっとりとした情味を醸し出す。
 ロケ地、身投げの福島屋の娘・お登世、中ノ島橋。め組の衆が「」の前へ通りかかり、助けに走る。襲われている木曽屋の息子・佐太郎を助ける新さん、今宮神社東門〜石橋。お登世のことを佐太郎に話す新さん、大覚寺放生池堤(家出したお登世をめ組へ送ってゆくのも同所)。福島屋が呼び出される備前屋の寮、中山邸通用門、庭。
*備前屋が雇う用心棒に福本センセイ、今宮神社で新さんにぶっ叩かれるほか、中山邸で福島屋の娘を刺そうとして小柄投げられて腕にぐっさり。「徳田新之助だな」と凄む台詞あり、役名は「高沢」。
2004/11/18

■ 暴れん坊将軍 II 第164話「夫婦飛脚の夢便り!」1983-1987テレ朝/東映

 公儀御用の三度飛脚問屋・木津屋が欲をかき、中小の同業者を潰して一手にと企む。道中奉行が抱き込まれており、手先となって弱き者を苦しめる弟を、今は飛脚屋の女将に納まった母代わりの姉が諌める情話。
 ロケ地、飛脚が襲われる板宿はずれの船着、広沢池東岸。逃げた強盗が馬を止めてある、下鴨神社河合社脇。八州屋の飛脚が襲われる浦和宿はずれの街道、馬場。おくらが新さんに弟の愚痴を漏らす、大覚寺大沢池船着(大)。庭番が強盗は木津屋の差し金と報告、五社明神。八州屋の主・定八が自ら向かう高崎への道、嵐山自転車道。馬で追う新さん、襲撃に危うく間に合う山道、酵素ダート

■ 大奥 第一章 第7話「新たな側室」2004.11.18CX/東映

 次なるお部屋様を画策の春日局、魚屋までゲット。アピールにぱっと脱いでみせる女と、お家再興のため恋人と涙の別れをしている女と、波乱の予感。
大きな動きは、囚われのキリシタンの姫の自刃。これを受けて笛吹きは上様に斬りかかるが果たせず、なんか一応そのまま仕えるっぽい。
昔の大奥と違い、いけずにも何らかの理由付けがなされているのは時代か。
 ロケ地、おらんが恋人と別れの水辺、広沢池観音島。姉を牢から出した隼人がゆく道、大覚寺有栖川畔。おぶった姉の異常に気づき下ろす、天神島大楠の根方。

■ あばれ八州御用旅3 第11話「野州路の女 涙あふれて思い川」1992TX/東映

 日光街道で多発する凶行、三件目が本命で、代官が巻き添えを食らって頓死。実は現地を取り仕切る元締手代が後釜を狙っての陰謀だった。
小百合がかつて亡くした恋人とそっくりの目明しに出会い、悲しい記憶を揺り起こされる哀話が底に敷かれる。
 ロケ地、小百合が藤堂に野木宿に出た凶盗の情報を報告している茶店、神護寺和気公廟所前。小山宿での凶行について報告の小百合、思川の橋は中ノ島橋(橋標に「思ひ川」と大書)。小百合の回想、お役目のことで喧嘩した恋人を追い思いを確認しあう、神護寺石段。残党狩りに遭い捕縛される男を見る小百合、中ノ島橋(捕物は右岸堀端)。亡くした恋人を思い出しベソかき小百合が佇む、嵐山公園中州舳先。恋人の墓参帰りの目明し・伊平次が「呉服屋の手代」に声をかけられる西福寺門、不明。誘われて乗る船、広沢池東岸〜船上。賊一味の雲水が代官所から渡された根付(凶行現場にあった証拠品)を持って入るアジト、普済寺萱葺の堂。根付の男を尾行した兵庫が襲われる、神護寺鐘楼。ラスト、四人が渡る思川の橋、中ノ島橋
*元締手代に雇われて凶行を繰り返す侍集団、福ちゃんや峰蘭太郎氏入り。お二人タッグ組んで目明しを葬ろうと船上でバトル。福ちゃんは船頭、峰氏は呉服屋の手代。福ちゃんはほかに兵庫を襲ったりお使い務めたり忙しい。惜しいことにラス立ちには出られず、山道で田口計の姦計に落ち撃たれちゃって終わり。峰氏が福ちゃんを「松井」と呼ぶがクレジットには役名なし。
2004/11/17

■ 長七郎江戸日記2 第53話「下総一ノ瀬変り桝」1989.6.20NTV/東映

 病弱な藩主をよいことに苛政をしく一ノ瀬藩江戸家老、一升桝を五合と言い立てる悪辣ぶり。一揆寸前の民衆を止めた名主が江戸の殿に直訴にやって来ての難儀を救う長七郎ぎみ、義民としての死を望む男に説得のシーンも。
 ロケ地、名主・清兵衛の妻子を送ってゆく中川の渡し、広沢池東岸汀に船頭の小屋と桟橋セット(船を繋ぐ鎖を斬るかと思いきや杭のほうをバッサリやる長さん)。事後、定法通り唐丸で一ノ瀬へ送られる清兵衛(赦免予定)を見送る野道、北嵯峨農地北辺・陵前。
*名主を処分しようとする際、彼を苦しめるため幼い娘から打ち首にしようとする悪家老、剣を構える家士は福ちゃんで、長さんに小柄を投げられて腕にぐっさり。もちろんラス立ちにもいて、余りな高速のけぞりはフレームからはみ出ている。駕籠訴のくだりでも股立ちとったお供にいたような気がする。

■ 必殺仕業人 第16話「あんたこの無法をどう思う」1976.4.30ABC/松竹

 十年前心中し、互いに相手は死んだと思い絶望と自棄の裡に生きてきた二人が出会う。しかし邂逅の場は終焉の場となる。
やけっぱち女が思いつきで見ず知らずの女の仇討ちを「依頼」という切り口からはじまり、最終的に二人の仇となる乱暴旗本たちをからめて進行するお話。惚れた男に財を残し旗本に斬りかかる女将や、大恩あるその人を見捨てておけぬ男、心中の理由も胸を刺す恋人たちのこのうえない悲惨な再会を見せつけるなどべったべたの設定で、仕業人たちが当初尻込みした相手に決然と向かってゆく理由付けとなっている。
 ロケ地、フラれた捨三が酔っての帰り女の死体を見つけ、そばにいた鳥追いに奇妙な依頼をされる、広沢池東岸。赤鞘組が無法をはたらく縁日、相国寺方丈前回廊から庫裏前、鐘楼にわたってセット(赤井夫婦が筵敷いているのは鐘楼基壇、鳥追いに無体の旗本たちは法堂前にセットの茶店)。鳥追い女に本名で呼びかけるお歌、広沢池東岸。赤鞘組首領の陣場弥平次邸、相国寺大光明寺(やいとやが船宿の女将を保護して逃げ佇むのは湯屋前、出陣の主水が小走りにゆく塀や仕置は南塀際、捨三が一味を誘い出すのは門)
*二人を磨き上げて会わせようとうきうき準備をするやいとやと赤井夫婦、このくだりが面白くて切ない。死んでしまった二人を前に、大の男が三人もいてときっと睨むお歌の表情は、もっと切ない。

■ あばれ八州御用旅3 第10話「呪いの伝説隠し銅山の罠」1992TX/東映

 足尾銅山の隠し鉱をめぐるお話。飢饉続きで年貢の払えぬ村に隠し銅山を掘らせる人夫を供出させる銅山奉行や代官たち、そのヤマは地獄だった。藤堂たちは、あまりの過酷さに逃げた人夫が追われ斬られたのを救い、事に関わってゆく。
 ロケ地、あかがね街道・花輪宿手前でお昼をつかう藤堂と兵庫が土左ヱ門を見る川辺、清滝か。大根泥棒の哲之介が侍に斬られた吾作を助けて駆け込む谷中村の寺、不明。足尾銅山三の間歩、砕石場か。谷中村庄屋屋敷、民家門。寺を嗅ぎ付けられ逃げる道、酵素ダート〜河川敷(住職が斬られる)
*事後、兵庫の「また影の八州が」今回は妙にこだわり設定。今度ばかりは影の振る舞いを許せると吹く兵庫、一度会ってどんな奴か見てみたいと正体を詮索。*表題の「呪い」、これのせいで村人は祟りに脅えて唯々諾々と従う設定だが、ラストにちょろっと語られるだけ、よくある落武者伝説ぽいもの。

■ 暴れん坊将軍 II 第163話「新さんに再び悪女の深情け!」1983-1987テレ朝/東映

 幼い頃生き別れた兄妹の再会ばなし、兄は無宿人と成り果て、大店の養女となっている妹をそれと知らず誘拐する。これがとんだ仕込みで、町名主が頭取年寄に選ばれるための芝居に養父まで一枚噛んでいるのだった。身代金を入れた狸の置物を取ってくる役に、江戸入りしていた「火の玉お銀」が登場し新さんを悩ませる。
 ロケ地、お銀が持ってきた「狸」を受け取って船で逃げる誘拐犯、嵐山公園中州湛水域。追う庭番が浪人に囲まれる、右岸堀端の林間。誘拐犯が黒幕の町名主に消される、中ノ島橋たもと中州側護岸堰堤脇。駆けつける新さんとお銀、橋上。兄・秀次郎を襲う町名主の手下、広沢池東岸。所払いの兄と江戸を発つ妹、広沢池東岸(船上シーンも)
*「信濃路、新さん賭場荒らし!」で出た女道中師、森マリア演じるお銀が話を引っ掻き回す。市中で見掛けてあちゃーの新さんに「将軍!」と呼びかけるのが傑作。どうにかして江戸から出て貰おうともてなすお庭番たちも面白い。へばりついていたさぎりなんか、お酒にしびれ薬を盛られてワヤ…しかしさぎりのほうから盃ねだったような。
2004/11/16

■ 必殺橋掛人 第1話「江戸絵図の謎を探ります」1985.8.2ABC/松竹

 橋掛人の元締・多助が殺されるのが端緒、十三箇所のマーク付き地図を託された娘の春光尼は父の配下を求める。
多助殺しは、殺しの的だった楼主が反撃に出たもの。父の遺志を継ぎ、やり残した13件の殺しを遂行する意を示す尼に賛同する多助の配下たち、楼主殺害を依頼した元花魁のつながりで、足を洗っていた殺し屋・柳次が参加することになる。
 ロケ地、瑞観寺、不明。鳥刺しの新吉が柳次の娘・お咲にまとわりつかれる林、下鴨神社糺の森池跡。元吉原の太夫・尾上に事情を聞くおくら、大覚寺大沢池(放生池堤、護摩堂)
*ターゲットの阿漕な楼主に八名信夫、彼に逆らい顔を灼かれ切見世女郎に落とされた尾上に本阿弥周子。

■ あばれ八州御用旅3 第9話「年増殺し最後の賭け」1992TX/東映

 舞台は下総・松戸、色悪に引っかかり騙される女の悲哀を描くお話。
武州・草加で髪結い殺しに行き合わせる藤堂、成り行きに違和感を持ち調べさせると類似の事件がぞろぞろ。姿を消した亭主を追うが、その男は十日も経たないうちに次のターゲットをコマしにかかっていた。
 ロケ地、年増キラーの徳三郎が侍に殺しの手付金を渡す下総松戸の妙願寺、粟生光明寺山門〜石段。石段はこのあともツナギの場や兵庫がチクリ男をシメる場に使われる。徳三郎のターゲットにされた上総屋の女中に事情を話す藤堂、広沢池東岸(簡素な船着をセット)

■ 暴れん坊将軍 II 第162話「秘境!湯けむりに消えた女」1983-1987テレ朝/東映

 上様の剣友である秩父代官は清廉にして熱血漢、吉宗に倣って目安箱を設けるなど善政を敷き、卑劣な商人を排するなどして功を称され、勘定奉行に抜擢される。しかし彼は贅沢好きの奥方を籠絡され窮地に陥っていた。
 ロケ地、秩父イメージに保津峡、以降も各所が使用される。秩父代官の奥方が離れに滞在の温泉宿、日吉山荘。め組の衆が舟遊びの武家女を見る、保津峡落合落下岩(船は保津峡)。誘拐された奥方の身代金を持って来いと指示の秩父神社、鳥居本八幡宮(小芝垣道、舞殿、本殿)。代官に討ち込まれ逃走の上州屋、保津峡。上陸してチャンバラは広沢池東岸にスイッチ。お城の庭、代官と話す上様、枳殻邸印月池畔。代官の回想、任地から江戸へ騎馬で取って返す道、木津堤。事を質され窮した代官が斬りかかる、傍花閣前・遣水脇。
2004/11/15

■ 忠臣蔵 第5話 2004.11.15テレ朝/東映

 浮様ではじまり浮様で終わる一話。
大小も売り払ってしまった若い同志は水茶屋女と心中、庶人も大石の遊興ぶりに呆れ果てあからさまに軽侮、吉良邸ではガードを固める動き盛んで清水一角は付け人となり、焦れた江戸組から使者が立てられる。
 ロケ地、内匠頭を暗君と呼ばわり高田郡兵衛と喧嘩した一角と話す安兵衛、広沢池観音島(遠景に民家)。山科の大石寓居、酵素河川敷と民家セット。
*遊里で酔いつぶれ店前の床机に寝そべる大石、江戸にもいた薩摩浪人が真意を隠しての行動とぶつくだり、長い尺をとって見せる。エピソードの面白さより、浮様のデカさに目を奪われてしまう。
*テレ朝サイト「遊興に隠された真意」、朝日新聞ラテ欄「同志の死と妻の愛…涙の一周忌に散る祇園の桜」

■ 暴れん坊将軍 II 第161話「のぞきは下手な鬼同心!」1983-1987テレ朝/東映

 粗暴な同心が妹の恋人を水銀泥棒と疑って動くのと、新さんがメッキ仏像の線から怪しの虚無僧たちを追う線は現場で鉢合わせ。正体を現した悪党を乱戦のすえ討ち取るが、同心の追っていたほうはとんだ誤解の親の仇討ちだったり。
 ロケ地、虚無僧たちのアジトとなる柏木村の禅寺、勝持寺(山門、参道、塀際に境内各所が用いられる)。鍍金に使う水銀を薬種問屋から強奪した虚無僧たちが帰りにめ組と行き会う京橋付近、大覚寺五社明神。桜井同心の粗暴な行為を注意した新さんが喧嘩をふっかけられる、梅宮大社神苑(門越しのアングルもあり。桜井の妹と伊勢屋のデートも同所、池中亭の土橋も使用)。桜井が虚無僧に押し包まれ脚を斬られる、上賀茂神社神事橋たもと。

■ 必殺仕業人 第15話「あんたこの連れ合いどう思う」1976.4.23ABC/松竹

 一旗あげようと江戸へやってきた小悪党が、大悪党にしてやられるお話。
身持ちが悪く離縁されかかっている大店の後妻と連れ子、手続きに主が雇った公事師とつるみ乗っ取りを企む。菅貫太郎演じる小悪党は、女房の稼いだ銭で博打に狂い、金欲しさにみみっちい強請りを思いつき失敗しているところを連れ子に見られ、目をつけられてしまう。
 ロケ地、江戸入りし意気軒昂の岩松、金戒光明寺三門下石段。赤井夫婦が芸をしているのは石段上・鐘楼下。岩松が女房に指示して座らせるのはすぐ下の石段。事後、再び縁日で三味を弾き歌うおふく、石段下部植え込み
*菅貫にベタ惚れの女房が市原悦子だから血も凍る凄まじさ。
2004/11/14

■ お助け信兵衛人情子守唄 1995.7.25NTV/東映

 1973年のシリーズ「ぶらり信兵衛」とほぼ同設定、しかしこふね姐さんはおらずおのぶは妄想しない。
裏長屋の日常と信兵衛の道場破りがひとくさり描かれたあと、お話の主軸となる父子がやってくる。このあと、預けられてしまった赤子を守り育てる信兵衛の日々に、夜鳴き蕎麦屋の老爺が折笠道場の若いのにボコられるエピソードが添えられる。そして季節は夏から冬へ、子の父が仕官の口を得て戻ってくる。
 ロケ地、子を置いて去った沖石主殿を探して歩き回る信兵衛、妙心寺福寿院道から垣間見〜東海庵脇。信兵衛の回想、上意により幼馴染の友を斬った門、金戒光明寺三門。列をなして裏長屋へやってくる折笠道場の若侍たち、大覚寺大沢池堤(長屋の裏の土手設定)。同じ堤が、鶴之助を抱いて去る沖石を陰から見送る信兵衛のシーンにアングルを変えて使われる。
*同じ時期の撮りなのでどうかすると「五月ちゃん」に見えてしまう信兵衛さん、本質はあんまり変わらないけど。蕎麦屋のとっつぁんに織本順吉、道場主に谷啓、ぐうたら左官屋の仁平に岡本信人と渋い脇。沖石役の松村雄基やおよしのスーちゃんもなかなか。

■ 新選組! 第45話「源さん、死す」2004.11.14NHK

 肩を撃たれた近藤は沖田とともに大坂へ。そして江戸薩摩藩邸焼き討ちを機に戦へ突入、錦旗あがり古色蒼然たる幕軍は潰走する運びとなる。今回のメインは淀千両松における井上源三郎の壮絶な戦死、魂は空を駆け大坂城の勇のもとへ…でも「出る」のが源さんなので幽霊だけどお茶目で、以降の近藤の運命を暗示していたりもする。
 ロケ地、大坂城大手門、本物。行軍シーンもあり。
*錦旗のプランが岩倉具視のお部屋飾りだったエピソードは面白い(てっきり捨助が運ぶんだと思ってた)。また、近藤が勝利を約束して京へ攻めのぼれとブチ上げる件は、慶喜の逃走の因となるので「本当かよ」感も薄らぐ。伏見での戦闘シーン、ハネ上がり一派が出て行って帰ってくるだけなのはちょっとイカさない…塀から永倉吊り上げる照英はまんま「鬼若」だし。千両松の画は、納所のへんあんなんじゃないもんと思うが、たいていの作品でおんなじふうなのはきっと撮りにくいんだろうな。なんか弾丸真っ二つになってたのとか、吉村貫一郎がいたような気がするのはきっと錯覚。

■ おしどり右京捕物車 第4話「妖」1974/4-9朝日放送/松竹

 凶賊・鴉一味をターゲットとする右京。探索に出た折り遭遇した一人がはなの唇を奪ったことにキレた右京は、その男を執念で捕えさんざんに痛めつけて奉行所へ突き出すが、これが残った仲間の恨みを買うハメに。気配を察知した右京は自らを囮に賊を湯治場へ誘い出し、絶体絶命の危機を切り抜けてゆく。
 ロケ地、鴉一味出没ポイントにあたりをつけて探索に赴く右京夫婦、出た一味の一人に遭遇するのは大覚寺参道(門は映さず御殿川寄り、逃げる賊は参道石橋)。音三に桶をかぶらせ鞭のトレーニング、神光院中興堂前。夜、探索に出る右京夫婦、日本橋界隈のシーンに中ノ島橋たもと。北町奉行所、京都御所長屋門(今回は内部も使用)
*源次捕縛の件が瓦版に書かれ評判となるが、この際右京夫婦を「おしどり」と表現。
2004/11/13

■ 御用牙 かみそり半蔵地獄責め 増村保造監督作品 1973.8.11勝プロ/東宝

 「日本一の十手持ち」の行動はシンプルにしてストレート、狙うは悪銭改鋳で民を泣かす元凶の勘定奉行の首ひとつ。上つ方にも地下人にもおんなじ啖呵の「おぅ俺を誰だと思ってやがるんでぇ」の北町同心・板見半蔵の破天荒が今回も炸裂。
 発端は堕胎がもとで死んだ女の詮索から。この後は起こりの尼寺へ押し入る、金座へ入り込み凶盗を召し捕るなど八面六臂の横紙破り、大手柄の褒賞に勘定奉行の首を所望のその場にはコマした女が生き証人という粋な設定で、勘定奉行の用心棒との一対一も用意されている。
 ロケ地、子堕し巫女の牛込の天神、日吉大社東本宮楼門か。ヒヒ爺集めて若い娘をオークションの尼寺・開山寺、不明(薬医門)。北町奉行所、御所管理事務所北門。金座、大覚寺明智門
*尼僧を連れ帰った自邸を襲撃されるくだり、怪しい仕掛けフル稼働。尼寺潜入も早桶に忍んで埋められたとこから出て来るトンデモ演出。今回も「鍛錬」シーンあり濡れ場あり、尼さんを拷問して石抱かせるなんてのもあり。

■ かあちゃん 石原興監督作品 2000松竹

 下町の長屋を舞台の人情劇、これでもかと涙腺を刺激する仕立ての、お上ご認定の「教育的」山周原作ドラマ。勇吉が「かあちゃん」と口にするくだりは、市川崑の前作と少し趣きを変えるものの昇華の具合はなかなか良し。
 ロケ地、勇吉がお勝の家に入る前の九つの鐘が鳴らされる寺、丹波国分寺(鐘楼と本堂)。盗人・勇吉の事情を聞いた翌朝のイメージカット、琵琶湖(東岸と思われる)か。普請場から帰る勇吉を呼び止める釣りの「向かいのご浪人」鳴海、大覚寺護摩堂前。勇吉の回想、食い物を分けてくれない兄と姉、流れ橋上。祭りの日、お勝の悪口を言う長屋の衆に突っかかる勇吉、大覚寺五社明神(屋台セット、神輿も出る)
*お勝は野川由美子、ご浪人さんに本田博太郎。
2004/11/12

■ 最後の忠臣蔵 第2話「無念の逃亡」2004/11/12NHK

 鎌倉の明石茶屋で討ち入りの評判を聞き、大坂・天川屋において義士切腹の報に接する寺坂吉右衛門。広島の本家お預けの浅野大学に労いの言葉を賜るも、寺坂には柳沢から抹殺指令が下っており退去を余儀なくされる。そしてお篠の婚家へと向かう寺坂、DV夫と対決の運びに。
 ロケ地、鎌倉明石茶屋(大石が買い取り)、宝厳院通用門(暖簾あしらい)。大石らがお預けの細川家下屋敷、大覚寺明智門(衛士あしらい)。江戸城、姫路城天守。広島へ向かう寺坂、海辺の街道は琵琶湖西岸松原。孫左衛門の夢を見る野宿のお堂、鳥居本八幡宮舞殿(木の壁をセット)。美濃大垣、お篠の婚家へ赴く寺坂、子守女に道を聞く塀際、。有田邸、不明。お篠を呼び出す宝光院、西明寺(山門、境内)

■ あばれ八州御用旅3 第8話「川止め、足止め、地獄越え!」1992TX/東映

 竜神川の増水で川止めの水沢宿、藤堂らが投宿した旅籠で展開されるグランド・ホテル形式のお話。藤堂が追っているのは金の出処、山辺藩では藩政を壟断する城代が隠し金山を私し、更なる野望を抱いていた。
川止めの旅籠では、様々な人間模様が交錯する。女衒から逃げた幼女と女衒と実は娘らの父の出稼ぎの「椋鳥」、直訴の百姓衆、お忍びの若殿まで同宿し、ある者は泣きある者は沈思しある者は死地へと向かう。終焉には白頭巾が出て城代を誅し、熱血の若き藩主に事を託して去る。
 ロケ地、川止めの水沢の渡し、罧原堤下桂川(川は増水時のさまを巧みに利用、汀には渡し場のほか、船頭の小屋もセットされる)。間道の山道や山辺在の風景は不明。
*山崎哲之介が同宿の喧しい浪人を黙らせるのに使う「方便」は落語の「宿屋の仇討ち」、本作の旅籠も「武蔵屋」だから笑える。*「若殿」に沖田浩之、つくづく惜しい役者。また事後渡し場の段、ようやく解けた川止めで着いた船から降りてくる旅人はさりげなく福ちゃんだったり。

■ 暴れん坊将軍 II 第160話「にわか侍、破廉恥武士道!」1983-1987テレ朝/東映

 森川正太演じる放蕩者の若旦那が話を起こし、締めくくる。
ワルは普請奉行で、口入屋と組んで公共事業の入費を水増ししてピンハネ。常々煙たがられていた改役の老武士は、借金のカタに系図を売り渡すハメに追い込まれる。これを買った魚政の馬鹿息子は、にわか旗本となり汚職奉行にいいように利用される運びとなるが、新さんにお灸をすえられ改心し御家人株は元に戻されメデタシ。
 ロケ地、系図を借金のカタにとられ役宅を出た又左衛門が辻謡いをする神社、今宮神社高倉脇坂。ラスト、弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔芝地、幔幕巡らせ。
*頑固親父の元改役に内田稔、馬鹿息子の「与之助」に森川正太。
2004/11/11

■ 暴れん坊将軍 II 第159話「暗殺計画、手引きは御生母!?」1983-1987テレ朝/東映

 生母・お由利の方の「過去」を利用して上様の命を狙う尾張の陰謀、今回の首謀者はメチャ怖のおばさん、老女・初音。昔の恋人への思慕に揺れるお由利の方、娘を人質にされて苦悩する「過去の人」小谷右近、互いに死を覚悟しての最後の逢瀬は悲劇となる。
 ロケ地、由利の方の住まい・小梅清涼庵、中山邸(通用門、参道、門、庭)。公家の姫とお見合いの庭、枳殻邸印月池(野点)。尾張藩下屋敷、大覚寺大門。遠乗り上様、大沢池畔並木〜民家(萱葺、不明。爆破は酵素か)。由利の方を呼び出し上様への目通りを依頼する小谷、仁和寺御室桜林(背景に蔵、塔、観音堂)。由利の方の小刀を我が胸に導く小谷、九所明神前疎林。小谷の墓、化野念仏寺石仏群脇に卒塔婆セット。
*お見合い相手の姫に素破が成り代わってて毒殺されかけるし、女の子の悲鳴聞いて田舎家に飛び込んでみると爆弾炸裂するし、母上には泣かれるしさんざんな上様、ラスト市中を浮かない顔でぶらぶら。いっちばんカワイソーなのは父君が由利の方を略奪したのを知らされたことかも。*「母上」は玉緒ちゃん、初出か。右近に高松英郎。

■ 大奥 第一章 第6話「覚悟の夜」2004.11.11CX/東映

 春日局の説く「徳川家存続による平和と安泰」のため、世継を産む女となる決心をするお万の方、お褥が無事済みほっと安心の幕閣。しかし春日局は女はお万一人でないと発言、参詣に出た寺で物売りの娘に目をつけるのだった。
 ロケ地、中の丸御廊下、不明。音曲の宴、姫路城西の丸。春日局参詣の寺、清涼寺本堂
*お玉、トリオに水ぶっかけの無茶が幸い、朝日奈さまに声をかけられ「尼君」と再会を果たす運びに。罰の桶持って立たされの表情が可愛い。トリオのつまみ食いは長崎回りの「コーシー」砂糖入れてないので「美味ではございませぬぅ」。

■ あばれ八州御用旅3 第7話「地獄に落ちた女郎蜘蛛」1992TX/東映

 舞台は下野・鹿沼宿、一帯を荒らし回る凶賊を求めて藤堂たちが乗り込む。そこで見たのは薄幸の女、大事にされている商家の御寮人と見えて内実は空虚、どころか実は亭主が生家を襲った賊の頭で、彼女を監視していたのだった。
 ロケ地、町で万引きをはたらいたおさきに事情を問う兵庫、鳥居本八幡宮舞殿(蜘蛛下がってきてキャー)。強請りが転じておさきと深間に落ちたちんぴらが殺されて見つかる水辺、広沢池西岸の養魚場あたりか(暗い)。再出発のおさきを送ってゆく藤堂、嵐山自転車道
*実は凶賊の頭の利根屋に和崎俊哉、善人を装うのがまた凶悪。女房をおさきの侍女にしているがこれが紅萬子、嫉妬に狂っておさきに包丁かざして迫る鬼気迫る演技。*今回も兵庫くんの「影の八州に先越されて」アリ、バレるのが楽しみ。
2004/11/10

■ 長七郎江戸日記2 第52話「闇を斬る女医者」1989.6.6NTV/東映

 天誅と称し腐れ役人や富商を暗殺する一団あり、根城は六間堀のスラム。彼らに力を貸すかに見える謎めいた女医は目付方の密偵で、しかも実の娘という複雑な事情を抱えていた。
 ロケ地、六間堀へ潜入しようとする女医・弥生を止める目付・鏑木、広沢池東岸か(暗すぎ)。鏑木に放たれる刺客、広沢池湿地。スラムから出た黒幕を追った弥生が気づかれ囲まれる、妙心寺黄鐘調鐘楼下。娘の危機に駆けつけ撃たれる父、法堂と方丈間の渡廊の下(狙撃手は廊上)

■ あばれ八州御用旅3 第6話「赤いほおずき怨み節」1992TX/東映

 かつてカッコよく野盗を退治して鷹巣宿に平穏をもたらした藤堂、宿役人の娘の祝言に招かれる。しかしそこには御用林を盗伐し横流しの代官がいて、目障りな藤堂を消すのに懲役中の、藤堂を恨んでいる野盗を放つという陰謀を企てるのだった。村人が怯え助勢のないまま藤堂は一人賊に立ち向かうが、凶弾から彼を庇う一人の女あり。元野盗の情婦で藤堂を慕っていた女の死に白頭巾怒り五割増、上意の書状を掴みしめて悪党に投げつける。
 ロケ地、二年前野盗の紋次たちを懲らしめた原っぱ、酵素河川敷(小屋セット炎上あり)。宿役人屋敷、民家。紋次一味に呼び出される鬼面ヶ原、酵素河川敷(先の小屋炎上の時とはアングルが異なる)

■ 暴れん坊将軍 II 第158話「地獄行き、母が担いだ玉の輿!」1983-1987テレ朝/東映

 川船奉行の側用人が船宿の主と結託し通行手形を横流し、抜け荷横行。これにからんで、奉行の奥方は殺されるは、ごまかすのに顔の似た役者の娘を連れて来て奉行と心中に見せかけて殺そうとするはの大騒動。娘が分限者の養女になって玉の輿と目論んだおばさんの夢は露と消える。
 ロケ地、富士の山開きに詣でるめ組の若い衆、白水峡。河畔で警戒中の川船奉行の役人に抜け荷船を捕えてと叫ぶさぎり、罧原堤下汀。母の振る舞いに傷ついたちどりを慰める新さん、錦水亭を望む池端(南東側)。手形の密売が行われる屋形船、罧原堤下桂川。玉の輿で有頂天のあやめに忠告する新さん、錦水亭を望む池端、こちらは中堤に茶店セット。奥方が湯治から帰還と奉行を騙して連れ込む渋谷村の別荘、不明。
2004/11/9

■ お祭り銀次捕物帳 第17話「もどってきた十手」1972.5-8CX/東映

 銀平のとっつぁんの十手が盗まれ、殺しに使われてしまい窮地に。落ち込む父を見た銀次は自ら申し出て田村から十手を貰いうけ、事件解決に奔走する。
事は阿片がらみ、田村の密偵が殺され、彼が掴んでいた証拠の品をめぐってワルとの攻防が繰り広げられる。銀次は容疑者にスッポンのごとく張り付くほか、情ある態度で死んだ密偵の妹の頑なな心も解いてゆく。そして息子の成長を確認した銀平はお役を退き、銀次に拝領の十手があらためて手渡される。
 ロケ地、ラスト「名残の太鼓」を叩く銀次たち、豊国廟石段
*他のメンバーは銀次の下っ引として働くと宣言、食ってけるのかその人数で…。

■ あばれ八州御用旅3 第5話「一天地六賽の目地獄」1992TX/東映

 賭場で借金を作らせ、首の回らなくなった者に強盗をさせる娘を女郎に叩き売るなど極悪非道のヤクザ、代官とつるむこやつらの前に白頭巾が現れる。
今回、山崎哲之介ぼろぼろ。打ち首になったかしらの仇と襲われて槍で刺され、イカサマ博打バレて落とし前要求されて辻斬りに出たら藤堂だし、とどめは恩ある娘をかばって撃たれ満身創痍。
 ロケ地、藤岡宿で両替商に押し入った賊が消される炭焼小屋、酵素河川敷。賊を追ってきた兵庫が現場に駆けつける、ダート降り口。岩鼻代官所が手配する街道封鎖、酵素ダート。安中付近を江戸へ向けて行く哲之介が仇と襲われる、大覚寺有栖川(助っ人の浪人たちが集まるのは五社明神裏)。這ってゆき倒れこむ念仏堂、護摩堂。おかよ一家に見送られ旅立つ一行、谷山林道切り通し。
*ラスト、兵庫の「藤堂さんまたです影の八州ですよ」が入る。

■ 暴れん坊将軍 II 第157話「天晴れ!赤穂の竹光夫婦」1983-1987テレ朝/東映

 忠臣蔵から二十年、赤穂義士の人気いや増し、城中でも議論がなされたり。そして今回のお話は、愛する女のため義挙に加われなかった男の哀話。出自を隠し名も変え鬱屈の時を過ごしてきた男は、剣を抜かぬと誓ったことで恩人をみすみす死なせてしまう。新さんの厳しい叱咤を受けた彼は、もののふの道に立ち返り恩人の仇を討ちに出てゆくのだった。
 ロケ地、忠助が刺客に襲われた目付役・小堀に事情を質す、中山邸庭。世話をしている道場主・杉戸十内を釣りに誘う小堀、嵐山公園中州舳先。刺客を防戦の小堀の家士、大覚寺大沢池堤。杉戸が徒手で防ぐも空しく斬られてしまう小堀、天神島
*仇の勘定奉行を討ち果たしたのち、上様に「吉宗様が元禄の世にあれば」と杉戸、冒頭上様だったらどうなさるとの問いと対応させて締めくくり。でも上様ってば、「俺だったら」の空想に浅野内匠頭になって切腹するとこ想像してるんだけど。

■ 必殺仕切人 第18話「もしもソックリの殺し屋が現れたら」1984.12.28ABC/松竹

 タイトルどおり各人に酷似した殺し屋が現れ、外道仕事をしてのける。相手が百化け一味と知り、一時活動停止を決め嵐の過ぎるのを待つ仕切人たちだが、江戸を出ろと迫られ、お国にハメられ危地に陥ったことの報復に勘平家の雇い人が殺され、仕切人たちの詳細を記した高札を立てられるにおよび反撃に出る。依頼は殺された雇い人から、彼は裏家業に手を染めていたが元締の死に遭い、陽の当たる道を歩もうとしていた矢先だった。
 ロケ地、偽者と対峙するお国、大覚寺五社明神。別れに際して集まる林、下鴨神社糺の森池跡(紅葉)。勇次が去る道、泉川畔。新吉がゆく野道、北嵯峨農地。鳥を放つ龍之助、谷山林道頂上付近。船でゆくお国とお清、罧原堤下桂川。追ってくるスキゾー、左岸汀
*冒頭、ニセ仕切人が行う殺しをそれぞれが目撃する仕立て、もちろん反撃に際しても各人が自分の偽者と戦う作りとなっている。チームの人数が多いので長い尺となる。反撃のくだりは、同じ技を使う者との戦いとなり見せ場多し、しかしスキゾーのはなんだかよく判らないまま相手が倒れ「とにかくV」…。
2004/11/8

■ お祭り銀次捕物帳 第16話「殺し屋が来た」1972.5-8CX/東映

 連発銃をぶっ放す上方ヤクザが大暴れ、江戸ヤクザと大抗争と思われた騒動には黒幕あり、巻き込まれたふうを装ってライバルを抹殺しようとした札差の仕業。これにからんで子供がさらわれ、珍しく長兵衛から銀次たちに依頼が来る。闇の勢力を動かそうと企んだもので、子は長兵衛が隠して育てている一人息子なのだった。
 ロケ地、上層部からの指令に不機嫌な銀平が息子のところへやって来る、木島神社本殿前。
賭場荒らしを警戒して旗本屋敷を回る銀平、相国寺大光明寺門。派手に賭場を荒らした上方者二人が銀平のうしろをこそこそと行く、方丈塀際。上方者の一人・三次を見つけシメる銀平、鐘楼(三次を口封じの政は林光院北西隅塀上に乗っかっている)
*珍しい長兵衛さんの内面描写が見もの、ナイショの奥さんは藤田弓子。*長兵衛の息子・金太と知り合うきっかけも、彼を探す手段も太鼓。捜索には江戸中の「太鼓好き」が集まってきて町なかで大真面目に合図の太鼓をとんつく叩いたりする…ふざけてるようにしか見えない…けっこう深刻なお話なのに。三次に佐藤蛾次郎、ベタのクレジットには川谷拓三の名も見える。

■ 忠臣蔵 第4話 2004.11.8テレ朝/東映

 大石の江戸下向、江戸組や瑤泉院と会い泉岳寺墓参。不破帰参の一件が千坂兵部の耳に入り、会見を申し入れられる運びに。
 ロケ地、東海道をゆく大石一行、琵琶湖西岸松原(砂州先端に灯台セット)。上杉家の庭、不明。泉岳寺の内匠頭墓、大覚寺大日堂の南ににセット。千坂の誘いに乗り上杉家へ赴く大石、道は妙心寺玉鳳院前〜大通院裏の路地。藩邸、天祥院。あとをつけてきた浪士たちが身を隠すのは寿聖院の築地。山科へ帰る道、木津河原
*味方には韜晦しているような大石、千坂との会談ではけっこう物騒な発言もアリ。そしてエンディングクレジットのバックは「浮様」。
*テレ朝サイト「静かな決闘…千坂兵部」。朝日新聞ラテ欄「涙に濡れた松の廊下…妻への誓いと主従の絆」

■ 暴れん坊将軍 II 第156話「庭番慕情、禁じられた恋の笛!」1983-1987テレ朝/東映

 佐倉藩の内紛、藩政を壟断し民を泣かす江戸家老を糾弾しようとした有志が江戸へ。リーダーの目付方の妻女は、かつて才蔵が思いを寄せた女だった。しかも彼女は嫁してなお才蔵を慕っており、再会により情熱はぼうぼうと燃え盛る。加えて上様は心のままにせよと任務を解く示唆を与えるが、才蔵が女の気持に応えることはなかった。
 ロケ地、夫を尋ねて江戸入りの香織が才蔵と再会、金戒光明寺三門。佐倉藩有志のアジトが焼かれた火事へ出動のめ組が鎮火後帰る道、本堂西側の道。傷ついて倒れこんでいる目付役・佐竹主水を拾う寺、本堂前(樋の回所あたりに血のついた脚がにゅーっと出ている)。自身の長屋に香織を連れ込んでいたことを忠相に質される才蔵、香織のことを語る回想シーン(和歌山時代)琵琶湖西岸松原。江戸入りした佐竹の同志が刺客に遭う道、大覚寺大沢池堤。佐倉領、一揆の相談がぶたれる鎮守、鳥居本八幡宮(舞殿、石段)。佐竹のことを香織に知らせにゆく才蔵、金戒光明寺石段鐘楼脇。香織に接触し才蔵をあきらめろと諭す新さん、大覚寺天神島。家老と結託した両替商の手先に拉致される香織、金戒光明寺長安院下坂。脅迫状を受けて出た佐竹を追って道をゆく新さん、大覚寺放生池堤(バックの池、水無)大沢池木戸。上総屋の寮、望雲亭。国へ発つ佐竹、この期に及んで才蔵にアタックの香織、流れ橋下。夫とともに渡し舟に乗り込む香織、見送る才蔵と新さんは橋上、その下を船がくぐってゆく。設定は行徳河原(普通、渡し場に使うときは橋を映さないが、これは橋をくぐって先へ行くのでアリ)

■ 必殺仕業人 第14話「あんたこの勝負をどう思う」1976.4.16ABC/松竹

 棋士の勝負がテーマとなる一話。二人の棋士につくパトロンは彼らの勝負にそれぞれ五百両を賭け、つごう千両の大勝負に。一人は将軍家指南役でも適うかというベテラン、かたや赤貧洗うがごとき暮らしを女房が支える若手。一戦は若手の勝利となるが、ベテラン棋士の申し立ては、若手側の女房に体を預けて負けろと頼まれたというものだった。
 ロケ地、亭主の勝利を祈願してお百度を踏むおかな、今宮神社境内の普段酒樽を積んである舞台。来合わせた道安に勝ち目は無いと言われ、土下座して負けてやってと頼み込むおかな、高倉脇坂下。対局が行われる料亭・富清、嵐山公園料亭・(桜膳の看板がそのまま、竹垣には若竹がぼうぼうに茂っている)。赤井夫婦が芸をする、今宮神社楼門、夫の対局中家で待っておられずふらふらと出てくるおかなと会う。お歌に将棋狂いの亭主の愚痴をたれるおかな、高倉下に茶店セット。夫にもう帰ってくるなと言われたおかなが身投げ、死体が上がる、中ノ島橋下河原。見て駆け寄ろうとして剣之介に制止されるお歌、橋上。
*道安のイカサマを天井裏から「捨三は見ていた」。依頼は命がけの再勝負で殺された竹次郎の老母から、やいとやが受け取る。殺しのシーン、ビジュアルが凝っていて見せる。道安側の侍が手水を使う、その水に主水の刃、あたかも介錯のごとき演出。障子に浮かぶやいとやのシルエットが火種で赤くなるのも見もの。*「男の勝負」にこだわる剣之介、不正の事実を知るやかさこそと金を掴む仕草は中村敦夫ならでは。
2004/11/7

■ 必殺からくり人富嶽百景殺し旅 第1話「江戸日本橋」1978.8.25ABC/松竹

 広重に続いて今度は北斎の絵を道しるべの殺し旅。前作「新からくり」の設定を受けるが、メンバーは山田五十鈴と雁之助を残してあとは入れ替え。
 お話は天保の改革による禁令で一座取締り、江戸払いからはじまる。小屋を壊されたからくり人たちの前に、手持ちの仕事人を失った元締・永寿堂が現れ殺し旅を依頼し、あぶり出しの絵を託す。
今回の仕事は江戸、津軽に産した麻薬で阿片窟を営む御用商人がターゲット。絵によって標的は指定されているが、阿片運びに利用され殺された瞽女からも恨みの筋を託される。
 ロケ地、引越しの荷を乗せた大八を引く北斎の娘・おえい、金戒光明寺東坂、設定は富士見坂。このあと三門越しに北斎たちを見るショットも。天保一座に江戸払いが申し渡される北町のお白州、相国寺方丈(座敷越しに前庭、バックに門)。日本橋の掘割に面した井筒屋の蔵、渡月小橋下手南岸堀端(渡月小橋自身も堀端も、様々なアングルで用いられる。昼間の画も夜間撮影もある)。江戸を発つ一座、凱風快晴の下部に野道合成。
*殺しの指標となる絵のほか、華麗な北斎の浮世絵が処々に使われる。今回は北斎の紹介を娘が語るかたちで、北斎自身の絵のほか、印象派の洋画もたくさん映し出される。また、日本橋の堀端に画材を求めて出る北斎が、自身の「富嶽三十六景・江戸日本橋」の中にいる合成映像もあり面白い。また、北斎阿片でトリップの際に描いた絵として五図しか残っていない貴重にして奇抜な妖怪画シリーズ「百物語」から「お岩さま」と「さらやしき」が採用されている点も凝っていて、ビジュアルも秀逸な本作に華を添える。*阿片窟を燃やして立ち去る際、お艶が旧知の瞽女のことを語るシーンがあり物語に肉をつける。

■ 新選組! 第44話「局長襲撃」2004.11.7NHK

 王政復古の詔が下され、緊迫する情勢、将軍慶喜の決断で幕軍の過半は大坂へ。直々のお言葉により当初二条城守護を仰せつかる新選組だが、水戸藩の意向により伏見へ、そして街道で近藤は肩を撃ち抜かれる。
 ロケ地、二条城に本物の北大手門唐門。墨染の街道筋は茨城県か(山道が採用されているのには些か違和感あり)
*竜馬暗殺に際して救おうと動くのは本作の大筋ではアリだが、薩摩の挑発に乗らぬよう主戦派と激論して恭順を説くのはナシなような気がする。…この先を見てみないと判らないが。

■ おしどり右京捕物車 第3話「讐」1974/4-9朝日放送/松竹

 遠島になった賊が島抜けしてお礼参り、岡っ引や同心の家族を殺害。そして、当時の担当与力は神谷なのだった。
その賊・浅造は、遠島が決った際に妻が子とともに自死したのを深く恨んでおり、同様の苦しみを与えようと妻子を狙う。標的となるはな、危機一髪の緊迫した戦いが繰り広げられる。
 ロケ地、神谷が身を寄せる本所・常念寺、神光院(今回の主舞台、山門内外のほか境内がたっぷりと使われる)。神谷の上申により島流しを免れたことで恩を感じて寺に出入りする、元浅造の手下の納豆売りの三次の住む駒込の里、酵素河川敷。襲撃を受ける墓地、不明(池端に墓地)。北町からの帰り、橋上で車を止め浅造の妻子が身投げしたことを述懐する神谷、京都御所厳島神社内の橋(事後、三次の墓に詣でる際も同所。身投げ死体の上がる河原や、はなが供花を投げる水面はどこかの川にスイッチ)
2004/11/6

■ てなもんや大騒動 古沢憲吾監督作品 1967.3.12東宝/宝塚映画

 日曜の夜「俺がこんなに強いのも、当たり前田のクラッカー」ではじまる懐かしシリーズの劇場版。設定は幕末、薩長連合の直前。歌があって踊りも入り、立ち回りとすかたんがあってという作りはほぼ公開録画のシリーズと同じ。
 勤皇は女にモテると考えた時次郎が京行きを思いつき、珍念とスチャラカ道中を繰り広げるいつものパターン。京都ではニセ坂本竜馬に金をふんだくられ、新選組でバイトしたり、姉ちゃんにコナかけたりと騒がしい。女にいいところを見せようとして桂小五郎の密書を託され、今度は坂本・西郷が会談するという尾張へ向けて旅がはじまる。
 ロケ地、珍念の寺(園城寺?)、不明。はさ木と思われる並木が沿う川、は不明なるも遠景の湖は琵琶湖、対岸に近江八幡の鶴翼の山並み(舞子までも行かない、ひょっとしたら大津、もしかして真野川か)。珍念曰く「京都支店」の証城寺、穴太寺(境内をたっぷり、導入の際には周囲も映るが、県道が地道)。桑名の渡し場、琵琶湖西岸(冒頭のとこと同じ、このあと湖をゆく船のシーンもある)。太郎長一家と村田屋の出入り、不明(天井川に木の高橋)
*終了後に藤田まことインタビューがあって、今朝の朝日新聞の別刷り特集に前田のクラッカーというのはできすぎの偶然。…ヘリで行ったり来たりの「宝塚の奥」の山あいの川って…ナニ?
2004/11/5

■ お祭り銀次捕物帳 第15話「鬼勘の黒い罠」1972.5-8CX/東映

 北町同心・鳥居は鬼勘と異名をとるやり手、容赦ない取調べで恐れられる。お話は、その鬼勘が人生に疑問抱いちゃって方向転換、殺しの犯人強請って大金ゲット、代わりに無実の者を犯人に仕立てるが銀次の介入でおじゃんというもの。今回、安五郎が鬼勘の仕事を褒めちぎりチームと離れ、あろうことか鬼勘の下っ端になるという珍しい展開。
 ロケ地、清兵衛の地鎮祭、不明(公園のグランドみたいな広場)
*鬼勘は名和宏、ぎらついた同心役もなかなか。冤罪でとっ捕まる大工は島田順司、責め問いシーンがよくハマる。殺された棟梁んちの若頭?に福ちゃん、立ち回りなしで悪者でないフツーの人、ラストの宴会には大鯛もってニコニコ登場。しかしクレジット(役名なし、劇中呼称は勝五郎)は一本足らずの「福本清二」…。

■ 最後の忠臣蔵 第1話「吉良邸乱入」2004.11.5NHK

 寺坂吉右衛門を主人公とする異色の忠臣蔵、最初のメインエピソードは討ち入り。
恋人との別れ、友の逃亡を経て仇の屋敷へ討ち入る寺坂、使番をつとめる。そして修羅場を駆け回ったその役目ゆえに、生き証人としての役割を荷うこととなる。
 ロケ地、篠に別離の許しを乞う寺坂、琵琶湖西岸松原。江戸城イメージ、姫路城天守閣。寺坂が瑤泉院に報告に赴き門前払いを食らう三次浅野藩下屋敷、随心院長屋門
*吉良邸での立ち回りに福本先生ご登場。役名は無かったが、雪の庭で「内蔵助と見受けたり」と大石に殺到、寺坂に討ち果たされるオイシイ役回り、通常の忠臣蔵なら清水一角か山吉新八郎ってスタンスの扱い。フレームの端っこでのけぞりもアリ。吉良方では峰蘭太郎氏のお姿も見られて楽しい。*高張提灯エピもあり、土屋さまは出ないが隣家の屋根から「火事ではないのか」と誰何っていうのが新味。

■ あばれ八州御用旅3 第4話「風が泣いた宿場の女」1992TX/東映

 日光例幣使道の宿場で起こる陰謀、新田郡の代官は情婦を使い大儲けして享楽の日々を送る腹づもり。この過程で蹂躙される人々、その中には兵庫が淡い思いを抱いた女も含まれていた。
 ロケ地、玉村宿の火事で死んだ楼の主と飯盛女の葬儀が行われる明尊寺、西明寺山門。放火犯を追う兵庫が材木落としに遭う山道、谷山林道。傷を洗う小川、酵素河川敷。見かけて手当てをしてくれる女・おさきの家がセットされている。勤務先の木崎宿へおさきを送ってゆく道、大覚寺放生池堤。放火犯が隠れている大越屋の山荘、普済寺茅葺の堂。塙の要請をいい加減に処理と笑う岡っ引をシメる山崎、鳥居本八幡宮鳥居前。大越屋の女将と代官が密会する妙光寺、普済寺鐘楼門。おさき親子の墓、大覚寺天神島池端。
*兵庫はおさきが宿場女郎と知らず接する。事後、嘆きに沈む彼に女の生業は告げずにおく藤堂たちが泣かせる。*他を排してのし上がる木崎宿の楼主(女将)に風祭ゆき、背後で操る代官は亀石征一郎。ラス立ちは福ちゃん入り、代官の家士、タメつけてのけぞり。

■ 暴れん坊将軍 II 第155話「悲しい嘘に惚れた奴!」1983-1987テレ朝/東映

 がちがちの猛母を持つ牢屋同心の、泣き笑い人情話。
捕われた凶盗・鬼薊の銀次の情婦は、残党に強いられおかしらを救出すべく牢屋同心・五味勘助を籠絡にかかるが、母思いの勘助にほだされ使命を果たせず、凶刃から彼を庇って果てる。
 ロケ地、鬼薊の残党が隠れ住む寺のイメージ、仁和寺(茶店屋根越し)。酒肆・桔梗屋の女将が鬼薊残党とツナギの汀、広沢池湿地。おもんの亡骸を船に乗せ川を下る勘助、桂川罧原堤付近(岸におもんの母が旅に死んだ際の「菜の花」を配してある)。鬼薊一味が集まる采女ヶ原、白水峡
*猛母に辟易の、恋の遅花を咲かせる牢屋同心に松山英太郎。彼を籠絡しようとした鬼薊の情婦に金沢碧。銀次には内田勝正で凶悪さ満点。*銀次捕縛の際の立ち回りに福本先生、暗いが「おわぁ」の声で判る。
2004/11/4

■ お祭り銀次捕物帳 第14話「反乱の城下町」1972.5-8CX/東映

 松前藩の不正を糾そうとした浪人を助けて動く銀次たち、今回銀平のとっつぁんが大活躍、浪人の家に書付を取りに行ってやり斬られて負傷。悪者が処分を受け、浪人は復帰叶い昇進という結末に釈然としない若者たちが描かれるあたり、制作時の時代を感じさせる。
 ロケ地、松前藩邸から美乃を呼び出し話を聞く茶店、大覚寺放生池堤。捕り方から逃げた石原浪人を案ずる銀次たち、天神島(ラストも同所)
*今回田村さま旅立ち設定(姿は見せず)。長兵衛は皮肉っぽくヒントを与えてゆく。生硬な石原浪人に睦五郎。

■ 長七郎江戸日記2 第51話「別れ霜」1989.5.9NTV/東映

 大身旗本家で起こる事件、繕われた嫡男の死には二重の裏。首斬り役人だった父が不祥事で切腹、お家断絶の際受けた多大なトラウマから、その娘は長じて嫁した家の存続の危機に、放蕩者の嫡男の首を刎ねるという大事を仕出かす。これは女のトラウマを利用した用人の企み、使い込みを隠蔽するための悪謀だった。
 ロケ地、一膳飯屋の亭主の死体が見つかる川端、桂川か(ロングから導入)。平河町の戸沢家、相国寺大光明寺(前庭、玄関は南塀越しのショット)。屋敷を辞した鉄舟に追いすがり剣を教えてくれと土下座の戸沢家の次男坊、法堂南の林間。戸沢家の後妻・於滝の身の上を語るお銀、嵐山公園中州舳先(南側)。於滝の父は剣を封じていたと報告のお銀、中ノ島橋たもとに茶店セット(己の過去を語る一幕も)。戸沢に嫡男の死の真相を告げる鉄舟、南禅寺三門
*於滝は暗殺者として出る際紫頭巾で登場、剣は首斬り役の父に教わった刀を担いで首を狙う殺気こもる技、これ一つしか習得していない事が猟奇な結果に。

■ 新必殺仕事人 第30話「主水御用納めする」1981.12.25ABC/松竹

 夜歩きのおよめに気をつけるよう優しく声をかける商人、双親の顔も知らぬ女はこれに父を感じ慕う。しかし武蔵屋を抹殺しようとはかる一味に女は斬られ、武蔵屋自身もあらぬ罪を着せられ親族ことごとく獄門に。女の亭主は二人の仇を討つため、仕事人を求める。
すれっからしだが稚いおよめと、亭主の掏摸・耳次が実にいい味。チーム各人との関わりもうまく描かれ哀感をもたらす。耳次が引かれゆく武蔵屋に真実を問う場面や、どうしても狙えなかった勇次の懐に頼み料を差し入れて去る場面は見どころ。耳次ははしだのりひこが演じる。
 掏摸のあがりを勘定していて通りがかった主水に捕まる耳次、大覚寺護摩堂。南町での叩刑は明智門。武蔵屋に銃の密輸を迫る老中・堀内邸、相国寺大光明寺から塀越しに方丈塀を見るショットがイメージに使われる。耳次がおよめを葬る野末の塚、木津川流れ橋下に土盛り。堀内の政敵の駕籠がゆく、大覚寺参道石橋、堀内の手下が御殿川に潜む。老中暗殺と抜け荷の咎で獄門と決し引き回しの武蔵屋、小休止の際耳次が走り出て事実の有無を問う、流れ橋上。

■ 新必殺仕事人 第31話「主水蜂にゴマする」1982.1.8ABC/松竹

 橋の上で男を待ち続ける女に心打たれる勇次、親身に構うが、約束した男は彼女を道具としか思っていなかった。裏に男の公金持ち逃げがあり、女も加担していたが已むにやまれぬ事情と男を信じ分け前も碌に貰っていない純愛設定。
片や男は大金つかんで放埓の限りを尽くし、男の奥方も金しか見ていない卑しい人間に描かれ、女の純情が踏みつけにされる哀れを強調する。
仕事では、女への思い入れ深い勇次と、毒婦に辟易主水のウェットな殺しが見られる。
 ロケ地、女が待つ約束の深川太鼓橋、中ノ島橋(勇次の仕事場から見える設定で、円窓から橋がのぞく画面を作ってある)。金を持って浜松を去る男が約束の場を口にする、広沢池観音島(水無)。女を消す男、広沢池畔湿地(勇次が看取り恨みを託される)

■ 暴れん坊将軍 II 第154話「吉宗婚約五郎左は家出!?」1983-1987テレ朝/東映

 新さん、いたずらガキを追って入った屋敷で孤児を養育する娘を見てぞっこん、もういきなり御台にする話に。役目を終えたとじいが寂寥に沈むエピソード描かれ、しかし結局断られて「美しい思い出」にされてしまう上様、笑ってる場合か。
「事件」は不行跡の旗本が働く辻斬り、きっちり成敗はするのだが、なんだかラス立ちの際「上様」とバレるのに用意されたシナリオにも見える。
 ロケ地、辻斬りの段、夜回りが斬られるのは大覚寺放生池堤、職人が斬られるのは有栖川(河床から見上げ)。志乃の家である長崎奉行・服部の留守宅、中山邸(参道、通用門、庭、門)。子らと相撲とる新さん、日吉大社西本宮。拉致された志乃とじいが監禁される飛鳥山麓の寺、不明(方形の堂と大笠燈篭)
*ラス立ち福ちゃん入り、きれいにのけぞってフレームアウト。

■ 大奥 第一章 第5話「囚われた尼君」2004.11.4CX/東映

 権勢いや増す春日局、悩みは家光の女っ気ゼロ状態のみ。だから珍しく上様が女見てたと聞くや、それが尼さんだって還俗させて大奥取り込みという無茶をやらかす。
今回は髪が伸びるまで座敷牢に監禁して、めでたく将軍の寝所に侍らせるまでを描く。監禁部屋には謎めいた狂女もいて、家光お気に入りの笛吹き青年の姉だったり。
 ロケ地、御所廊下をゆく慶光院、平安神宮橋殿。民に施しをする慶光院、大覚寺勅使門と橋(門は開いていて宸殿がのぞく)。隙見の家光は大沢池畔に駕籠。お玉と話しながら歩く慶光院、天神島朱橋放生池堤(家光の駕籠が放生池北岸をゆく)。慶光院江戸拝領屋敷、随心院薬医門。江戸城天守に姫路城天守
*今回トリオが貪るのは草津名物・姥ヶ餅。R1傍に店あり、「美味でごじゃりますぅ」。

*あばれ八州御用旅3第3話 「縁切り寺異聞 尼寺の罠」ロスト
2004/11/3

■ あばれ八州御用旅3 第2話「てるてる坊主が泣いている」1992TX/東映

 舞台は駒留の宿、女のためヤバい橋を渡り逐電した男が帰還する。しかし女は人のものになっており、男には犯した覚えのない罪状がつけられていた。全て悪代官とつるんだ地回りの仕組んだことで、藤堂らが動くも女は男を庇い落命という悲劇に終わる。
 ロケ地、駒留へ向かう街道筋、不明。三年前、土地の親分を痛めつけ遁走した半次郎がゆく街道筋、罧原堤下河原。おひさを拉致し半次郎を普源寺へ呼び出す源蔵、普済寺仏殿。おひさの墓、亀岡の墓地。おひさのてるてる坊主を携え駒留を去る半次郎、酵素河川敷(見下ろし)。そののち藤堂が耳にした半次郎の消息、山あいの居酒屋の里、美山か。
*帰還する半次郎、先におさに文を書き、待っていてくれるなら軒先にてるてる坊主を吊るしておいてくれと依頼、ほぼ「幸福の黄色いハンカチ」。*ラス立ち、福ちゃん入り。代官の直前に斬られる。

■ お祭り銀次捕物帳 第13話「御用太鼓が闇を裂く」1972.5-8CX/東映

 贅沢禁止のニセ高札が立てられたかと思うと、芸者に小判をばらまく富商やエロ坊主が懲らしめられて晒される。彼らの額には「楽」の字。これは前大老・松平定信こと「白河楽翁」が再び政界に返り咲くのを阻止しようとの企みであった。
 ロケ地、実行犯を銀次と思い込み怒鳴り込んだあと息子に怒られて神社を出てくる銀平、木島神社舞殿前。虚無僧寺の目黒・東昌寺、不明。ニセ虚無僧の伊賀組がアジトにする長徳寺、金戒光明寺長安院下坂。伊賀組が銀次らの動きに金を移す源正寺、西寿寺(山門、前庭、本堂)、ラス立ちもここ。
*今回、合図の太鼓に記号としての意味を持たせる銀次たち、無茶苦茶複雑な伝言をやらかして傑作。後味のわるい結末に沈む銀次を慰めに来る親父、ここでも小道具は太鼓。

■ 暴れん坊将軍 II 第153話「永代橋に消えた恋!」1983-1987テレ朝/東映

 永代橋架け替え工事にからむ陰謀、町営推進派の町年寄が殺される。これを目撃して犯人の材木商を強請る者あり、彼女は忠相と経緯ある女だった。
 ロケ地、樽屋長右衛門暗殺の芝一の橋五社明神、大覚寺五社明神。大川端の父を訪ねるお滝一家、罧原堤下桂川(船を出して網を打つ)。回想、養子と苛められる幼い忠相、嵐峡船着き汀。回想、大槌屋に騙され飛騨山中で崖から落とされるお滝の亭主、落下岩か谷山か。逃げ出した作事奉行と大槌屋を追う上様と忠相、品川御殿山裏間道、酵素ダート、退避所。作事奉行らが来かかる道、河川敷(見下ろしのショットあり)、ここでラス立ち。事後、やれやれと述懐のじい、嵐亭延命閣
*忠相と元辰巳芸者の関係がクローズアップされる。辰巳芸者の求愛を不器用に退ける忠相が見もの。舞台の永代橋は映画村日本橋に雨を仕立てて。*樽屋の死体検分、筵をはぐってる同心に福ちゃん、一瞬だけ。
2004/11/2

■ お祭り銀次捕物帳 第12話「罠にかかった安五郎」1972.5-8CX/東映

 大酒食らって正体をなくした安五郎、殺人犯に仕立てられ捕縛さる。いつものように事件操る役人と岡っ引、裏には銀平の捜査の目をそらしたい抜け荷商人がいた。
 ロケ地、銀次たちが屯する神社、木島神社(参道、石段下)。悩む銀次に声をかける長兵衛、渡月小橋(銀次は橋上、長兵衛は橋下に芸者連れで船遊び。このあと新川筋へ出て、指し示す浜は映画村特撮プール)
*ワルが豪華キャスト、抜け荷の安房屋に名古屋章、手を貸す同心に近藤洋介、安五郎をハメた遊び人には中田浩二(途中で消されて、凄い顔で死んでいる)。

■ 暴れん坊将軍 II 第152話「吉宗泣かせた悪いガキ!」1983-1987テレ朝/東映

 忙しい母に構ってもらえない正太は寂しさからイタズラを重ね、肝心のときに信じて貰えない。自らの幼時を彼に重ねた上様、危機から助けた子をぎゅっと抱きしめ、大人たちに身を震わせて説教垂れるのだった。
事件は、下田奉行と組んだ海賊がまんまと逃げおおせ市中に潜んでいることから起こる。
 ロケ地、下田奉行と海賊一味の密会の茶席、錦水亭東屋。正太が岡っ引をからかう厩河岸、広沢池東岸(水無、池底のヌタ場へ突っ込む岡っ引たち、汀に漁師小屋セット・ここへあとで海賊が入ってきて正太が殺しを目撃)
*下田奉行が一味を消しにかかる際の手下に福ちゃん、そのままラス立ち。今回これで終わりとならず、正太が賊の一人に襲われかかる。新さんが戦ってる最中に火の見櫓なんか登って声かけたりするから…その上櫓がコケかかるという間の悪さ…。

■ 必殺仕切人 第17話「もしも江戸に占いブームが起ったら」984.12.21ABC/松竹

 父を亡くし叔父の家に寄食する若者、城郭の図面コンテストでトップをとり仕官を夢見るが、悪辣な叔父の手により母は汚され、図面を奪う過程で恋人を殺され、遂には若者自身も消されてしまうのだった。恨みの筋は、息子の墓前で自害した母が旧知のお国に託した形見によって果たされる。
 ロケ地、お勝が占い師の口車に乗り勘平にすっぽんを捕らせる水辺、大覚寺放生池堤。麟太郎の墓、くろ谷か。
*占いブームは勘平夫婦の艶ネタに使われるほか、お国と麟太郎の接点の小道具。仕切の段で唐突に龍之助も帰ってきてフルメンバー揃う。

■ 子連れ狼 第1話「斬れぬもの、父子の絆!」2002.10.14テレ朝/東映

 依頼者は元壬生藩士、ターゲットは藩政を壟断する家老で息子の仇。刺客依頼を果たす過程で、一刀は子を奪われた哀れな女に亡き妻の面影を見るのだった。
 ロケ地、道中陣を守り依頼者を待つ大五郎、化野念仏寺(石仏群に灯ともり夜更けてゆくさまが鬼哭啾々)。依頼者の回想、息子の死体見る河原、罧原堤下汀。壬生藩家老杉戸監物邸、相国寺方丈(前庭、座敷は南北開け放ち、縁先)。壬生藩城イメージ、姫路城天守遠望。汀で遊ぶ大五郎が子を奪われ言葉を失くした十文字屋のお菊と出会う、沢ノ池汀。依頼者の頼母が壬生八人衆に連行され刺客依頼の件を質される、大覚寺放生池畔。頼母を隠す小屋、茅葺の苫屋、不明。無外流の剣客と対決の滝、菩提滝

■ あばれ八州御用旅3 第1話「帰ってきた白頭巾!仇討人情に泣く女」1992TX/東映

 一旦引いていたお役を再びつとめる藤堂平八郎、密偵の小百合はそのまま、賞金稼ぎもくっついてくる。新メンバーの若手は旅先で合流の手筈、藤堂との出会いは渡世人と侮って無礼を働くお笑いではじまる。彼をからかう掏摸女と連れの男もいて賑やか。
 日光御成道に出没する凶盗の調査に赴く藤堂、岩槻藩領へ。そこで出会ったわけありそうな女は、夫の仇を求める長い旅の果て、同道した夫の弟とわりない仲となり子を孕んでいた。
郡奉行が飼う凶盗に加え、仇は彼の甥という因縁、哀しい結末を迎えた女に藤堂はお家再興の道ともうひとつ別の道を示唆し、送ってやるのだった。
 ロケ地、日光御成道に谷山林道各所。堕胎を求める綾を諭す藤堂、西明寺か。夫の形見の逆とんぼの簪を川に流す綾、清滝か。
*凶盗のヘッド・西浦十蔵に福本先生、台詞もたっぷりあり、見せ場も多い。綾に目撃される際の頭巾からお目目ぎょろりも可愛いが、背に紋紋もなかなか。「影の八州」に斬られる順番はいちばんあと。*今度の若手も熱血漢、最後には「藤堂さん大変です郡奉行が影の八州に斬られて」とわぁわぁ喚く。
*OP、谷山林道、摩気民家、民家。ED、広沢池に船、摩気橋と燈篭。
2004/11/1

■ お祭り銀次捕物帳 第11話「脱獄親子の十手」1972.5-8CX/東映

 立て続けに三人もの盗っ人が破牢、裏には逃がし屋がいた。
今回のお話は、逃がし屋を捕まえ損ねて謹慎食らった銀平のとっつぁんの汚名挽回に奔走する「孝行息子」銀次の活躍が軸。義母にたばかられ逃がし屋の片棒を担いでしまった回船問屋の娘を心配する蘭学兄ちゃんのエピソードも挿まれる。
 ロケ地、銀次らに正体が割れてしまった逃がし屋一味の牢屋下男が消される、鳥居本八幡宮(舞殿を眼下に見る崖)。父の墓参りをするお千加、黒谷墓地。盗っ人に化けた銀次が長持から出される品川沖の船、不明(なんか船が洋風の立派な帆船)。事後、出頭すると挨拶に来るお千加、大覚寺天神島(太鼓据えてある)。神社を去るお千加、豊国廟石段
*父を案じ十手を黙って持ち出す銀次、悪者を括って十手を返すが、対面はナシで窓から放り込み。差し入れが夜店の金魚なのもファンキー。*逃がし屋に手を貸す同心に南原宏治。

■ 忠臣蔵 第3話 2004.11.1テレ朝/東映

 追い腹殉死の席で内蔵助の「真意」発表、収城使が来着し滞りなく開城、までを描く。
加古川家との破談、天野屋利兵衛の藩札破棄、寺坂吉右衛門の残留懇願、大野九郎兵衛の夜逃げ、脇坂淡路守と内蔵助の会話などを散りばめ、大石親子は今生最後のお城を仰ぐ。
 ロケ地、竜野藩領を駆ける主税、木津河原。加古川邸、不明。殉死のくだりの赤穂城、本物の大手東北隅櫓。収城使のくだりの赤穂城、脇坂淡路守の入る大手、彦根城大手橋。木下肥後守の入る搦手(塩屋門)天秤櫓。幼時の内匠頭が内蔵助に跨って遊ぶ回想シーン、梅宮大社神苑汀。城を去る大石父子、天秤櫓
*大きなイベントはあるが静謐な一話、藤田まことの天野屋もまだサワリ、幼い内匠頭は「大五郎」がつとめる。鳥追姿の千坂兵部の密偵の姉ちゃんが印象的。
*テレ朝サイト「赤穂城明渡し」、朝日新聞ラテ欄「赤穂城涙の明渡し…狙うは吉良の首でござる!」

■ 暴れん坊将軍 II 第151話「あかりが欲しい!恋の辻占」1983-1987テレ朝/東映

 江戸の悪事の過半を牛耳る「闇の五郎兵衛」の正体は小普請支配の旗本、放火も仕出かし社会不安を出来させ忠相失脚を狙う。
お話は、五郎兵衛を追っていて殉職する火盗改与力の遺児を軸に進む。目の悪い彼女を陰から助けるちんぴらは、かつて簀巻きにされかかっていたところを彼女に救われた男だった。
 ロケ地、五郎兵衛一味が盗品の荷運びをする湊橋船着き、嵐山公園中州湛水域岸辺。捕えた一味の男が釈放されたあと消される橋、中ノ島橋渡月小橋をミックスして使用(狙撃には中ノ島橋上、案内の男が橋から船に飛び乗るシーンに渡月小橋)。船が逃げてゆくシーンには罧原堤下の桂川。留吉が片桐父子に助けられた神社、大原野神社(父子お参りは本殿、掏摸たちに追われる留吉は鯉沢池畔)。志乃が拉致されたことを知り走る留吉、嵐山公園中州岸・右岸側。下谷池之端の伊那屋寮・古松庵、料亭・

■ 必殺仕業人 第13話「あんたこの神隠しどう思う」1976.4.9ABC/松竹

 依頼は牢で病死した女から来る。この女の転落の因と、日蔭長屋で起こっている事件は同じ蔓から派生していた。
長屋は以前やいとやが住んでいた所で、「商売抜き」で面倒を見ていたが、忌避されるようになる。やいと治療など無駄、苦しみはなくならない死が唯一の苦難からの解放と説く「死のう教」が蔓延っていたせいだが、おろく婆さんの娘が亭主に死なれて帰ってきたあたりから、宗教かぶれは沈静化する。しかしその娘が大金を所持とのネタがエセ宗教家夫婦に知れ、赤子をさらわれたうえおろくと娘は殺されてしまう。この間、牢で病んだ女が死に至るスパンとなる。
 ロケ地、赤井夫婦とお眉が会う、今宮神社楼門。赤井夫婦のヤサ、罧原堤下河原
*今回やいとやが大ブレイク。長屋で忌避されて赤井夫婦のヤサに赴き、自棄酒飲んでぶちぶち愚痴垂れたあと管巻いてタイヘン。主水も調査に疲れてやって来るが、このときもやいとやが呑んだくれて寝ている。泣くは怒るは、ダンディーさのかけらもない酔態を見せるやいとや、可愛いの一語に尽きる。*死のう教主宰の玄拓に山田吾一、総髪のビジュアルも邪悪さに拍車。この連れ合いの悪女には荒砂ゆき、早口が印象的。*捨三不在回。
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