時代劇拝見日記 2004年8月

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪目次テキスト ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ

←2004/72004/9→
2004/8/31

■ 名奉行遠山の金さん3 第16話「毒薬を買う女」1990ANB/東映

 家つき娘の内儀を密殺し身代を奪う、よくある話。手立ては砒素でゆっくりと。毒の出所の薬種問屋には妙にアクティブな女中と丁稚がいて、好奇心丸出しでうろつき回り悪企みは金さんの耳に入ることとなる。お奉行、内儀を死んだことにしてワルが馬脚を現すのに網を張るが、手段は薬で仮死状態にして埋葬し掘り返すという荒っぽいもの。心臓のわるい、今さっき発作で死にかけた病人に…出してみて死んでたらどうするんだ。
*オールセット、ロケ無し。薬屋の主人が通う賭場の中盆に福ちゃん。

■ 水戸黄門33 第19話 補遺
 殿様が娘を助けて大八を押してやる「出会い」の野道、大覚寺大沢池堤法面。
*お教えいただいたM.Yさま、感謝致します。

■ 暴れん坊将軍 II 第108話「涙が仇のあで化粧!」1983-1987テレ朝/東映

 勘定奉行が関わった抜け荷を追っていた勘定吟味役が消され、結婚間近だったお糸は芸者となり真相に迫ろうとする。彼女の身の上を知った仲間の芸者衆はいたく同情、稼業を利して捜査に賑やかに協力。お師匠さんに当たる姐さんがお糸の生き別れの姉だったという、くっさい設定もついている。
 ロケ地、小芳とお糸のお稽古を覗いてお団子奢らされる新さん、仁和寺茶店。前の参道を勘定吟味役の死体が見つかったと町方が走る。発見現場、広沢池東岸。嗅ぎ回っていることを勘付かれたお糸と小芳が誘い出される産土神社の祠、仁和寺九所明神脇の祠(バックに瓦練り込み塀)。御用船を使っての抜け荷の荷揚げ場となる将監河岸、大覚寺大沢池船着(大)。着いた船に上様乗り込んでてラス立ち、殺陣は船着きの上から天神島へ移動してゆく。
*仇討ち芸者に西崎みどり、婚約者の勘定吟味役に伊庭剛、どちらも被害者役よく似合う。*お稽古ノゾキで障子倒してダバダバダバダバダー、は普段め組の若い衆だが今回は新さんと辰五郎でなかなかお間抜け。また、ラストには芸者五人衆を上げて騒げば面白かろうとニタニタほくそ笑む上様があり、ちょっとずつオヤジくさくなってゆく松平健なのであった。だんだん「若い吉宗であった」っていうナレーション減ってきてるし。

■ 必殺仕事人V 第11話「主水、送別会費を全額盗まれる」1985.3.29ABC/松竹

 伝説の仕事人・浦島の亀吉が老いた身を引きずって江戸へ。百両の大仕事を抱えていて、ターゲットは役人も恐れるスラム・浮島を牛耳る、正体不明の大ボス・双つ頭の海蛇。
今ばたらきの仕事人たちは、孫娘をさらわれて最終決戦に赴く爺さんのサポートをつとめる運びとなる。
 ロケ地、おりくの回想、おりくの動きに無駄が多いと手本を示す亀吉、大覚寺大沢池船着(大)。亀吉の繰り出す釣り糸に絡めとられる侍は北東畔を歩いて来る。試技に犬を仕留めようとした亀吉、投げた亀つきの釣り糸を竜にキャッチされてしまう、護摩堂(夜釣りに来ていた竜は放生池堤畔)。竜が政にツナギをとるのも同所、こちらは裏側からの撮り。事後、江戸を去る亀吉たちを見送るおりく、北嵯峨農道
*亀吉を演じるは名喜劇俳優・有島一郎、ちょうど暴れん坊将軍第二シリーズの最中。爺さまぶりはさすがの絶品、殺し屋としての凄味も見せるが、終始飄々とした持ち味がたっぷり。回想シーンでのおりくの「娘」の香りを漂わせる怪演も見もの。*スラムのボスには藤木悠、こういう設定ではおきまりの表稼業も面白い。*スラムと外界をつなぐ橋、大して工夫されてないセットが少々残念。
2004/8/30

■ 名奉行遠山の金さん3 第15話「消えた殺人者、美人の仇討!」1990ANB/東映

 狂犬の如き邪剣の主に夫を殺された妻は、正式な仇討免状もとらぬまま息子と二人江戸へ出て仇を求める日々を送る。その仇は旗本とつるみ押し込み強盗を繰り返しており、司直の手に落ち仇は討てずに終わるが、この間頑なな妻女を案ずる周囲の心遣いが描かれる。
 ロケ地、凶盗の一味の狂犬侍と、みきの仇討ちについて話す堀田摂津守と金さん、神護寺金堂前〜石段〜五大堂(弥十郎の邪剣をトレースして振るってみる堀田さまのシーン)。白昼、みきの前に立ちはだかる弥十郎、大覚寺放生池堤護摩堂(編笠の堀田さま現れ防ぐ)。旗本・片岡邸、不明。みきを庇って死んだ嘉助の墓参、神護寺か。弥十郎がお紺に誘導される果し合いの場・下谷糺の森、下鴨神社糺の森(馬場、河合社塀際)
*武家の癖抜けず固いみき、水茶屋で尻を撫でられ「無礼者!」、桜湯で褌男見て「キャー」、米が無くなったら武士の嗜みなどと誤魔化し、強がりの割にラス立ちでは腰を抜かす。この天然系を二宮さよ子が熱演。*下段の剣を使う狂犬、金さんのくるみを真っ二つ。金さん最後は二刀流で大立ち回り。

■ 必殺仕事人V 第10話「主水ヘソクリを盗まれる」1985.3.22ABC/松竹

 竜の組紐納入先の大和屋が罠に落ち、難癖つけられて松尾藩出入り差し止めにはじまり、主は暗殺、竜を慕っていた娘も殺され得物の紐から竜に疑いがかかる。娘は、前もって竜に闇の仕事人への金を言付けていた。
 ロケ地、松尾藩下屋敷、大覚寺大門(騙されて暗殺実行犯に使われる家士たちが化けた股旅者が出入り・最後はカタパルト投石で誘い出され田中さまに追われる)。綾乃さまにランニングさせられる主水、北嵯峨農道か。竜に結婚を迫るお袖、大覚寺天神島。順ちゃんが股旅者が走るの見て「かっけー」の丘、不明。直後現れて楊枝を大根に刺してみせる股旅者・中は玉助の河原、罧原堤対岸の河原
*タイトルは、りつの裁縫友達と称し転がり込んだ喧しい綾乃さまが騙りでヘソクリ隠し場所誘導されまんまと盗られる主水の中村家エピソード、けっこう尺とってある。主水はヘンな髷の綾乃さまを「毒きのこ」と表現。*松尾藩の悪家老は河合伸旺、キンキラ衣装で絵に描いたような「お主もワルよのう」をやる。

■ 子連れ狼 第8話「哀しき一騎打ち!大五郎とほおずきの涙」2004/8/30テレ朝/東映

 刺客依頼の護符は、一刀を過去の因縁と結び合わせる。藩主の死に際して乞われた一刀と高垣藩大番組頭・真壁との立ち合い、互いに寸止めに終わった仕儀は真壁の面目を失わせ、以来藩主の最期の地となった河原に無頼浪人として棲んでいるのだった。呑んだくれ荒んだ彼のもとに更生を促す使者として通う大五郎、その手には真壁が侍の心意気と擬えた鬼灯があった。
 ロケ地、しのぶ川、河畔林と河原の礫から桂川亀岡盆地付近と思われる。高垣藩城天守、彦根城。真壁夫婦がゆく山道、不明。
*真壁将監に「飛び猿」野村将希。大五郎との交流が泣かせる。

■ 暴れん坊将軍 II 第107話「蛸さま命!の女剣士」1983-1987テレ朝/東映

 上様が目をかけた林奉行、身持ちのわるい叔父がいて彼を失脚させようと陰謀をめぐらす。これに道具として使われる蛸踊りが芸の幇間、実は奉行の知行地の寺の者で、ご本尊を盗まれた際女郎買いをしていて居たたまれず逐電したものだった。タイトルの女剣士は和尚の妻女、本尊新調のため江戸へ味噌売りに来て客寄せに習い覚えた剣技を披露。
 ロケ地、林奉行・高林武一郎を召し剣の型を上覧の上様、枳殻邸芝地(ゲストハウス前に幔幕張りめぐらせ)。馬場で馬をやる上様、武一郎叔父の悪企みを庭番に聞く、下鴨神社馬場。「叔父」が悪徳商人と密談の屋形船、罧原堤下か。味噌売りの大黒さま・妙の回想、想像妊娠でガッカリの夫婦、日吉大社走井橋。妙と話す、幇間と成り果てた和尚・タコ善、下鴨神社泉川畔。武一郎が拝領刀を見せに上司宅へ赴く夜道、相国寺大通院西塀際。タコ善と黒イカ集団連係で拝領刀を掠め取る、鐘楼脇。
*林奉行に宮内洋、初代お庭番助八。今回ラス立ちの際彼が「叔父上、このお方に見覚えがございましょう」とやって「カーン」、叔父の介錯もつとめる。

■ 水戸黄門33 第19話「殿が見初めた物売り娘」2004.8.30TBS/東映

 舞台は長岡、城下を忍び歩きの若い殿様が青物の棒手振り娘を気に入ってタイヘン。「じい」はとんでもないことと怒るが、心効いた娘を見て乗り気、茶会に招く運びとなる。娘に同行の老公、殿様の前で娘の父を陥れた奉行と商人のお話をねちねち→ラス立ちへ。
 ロケ地、長岡城、本物(復元)。城内の情景に二条城二の丸各所。冒頭の街道と水辺不明。
*城に上がるのを辞去する娘、うんうん身分制度あるもんねいくらなんでも藩主の妻は無理でしょ水戸黄門でもねと見ていると、再びお忍び殿様出てじいと一緒に腹切るなんて脅迫まがいに娘に迫る…ま、いっか。
2004/8/29

■ 新選組! 第34話「寺田屋大騒動」2004/8/29NHK

 寺田屋で大捕物かと思いきや、局長の妾と正妻がバッタリの馬鹿騒ぎ。これを巡るどたばたがたくさんの人を巻き込んで展開、漫画チックなコメディが描かれるが、ツネさんの冷静な処置で幕。裏では薩長連合の萌芽を見せ、竜馬が近藤に決裂を告げるシリアスな場面も。
 ロケ地、西本願寺、亀山御坊本徳寺
*馬鹿な芝居を打つ源さんとトシも面白いが、俺の所為だとぶつぶつ呟きながら羽織の紐をいじくる斎藤一が傑作。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第20話「奈落の花」1975-1976日テレ/東映

 当代の人気役者二人、一人は殺されもう一人は犯人として捕縛、二番人気の下積み長かった扇蔵が名を上げることに。裏にはタニマチの商売がからんだ対立があり、ただ一人の目撃者の道具方の老爺は、娘が扇蔵の隠し妻ゆえに逡巡し黙り込む。
菊造の、昔馴染みの道具方の仇をとっての一言が泣かせる。
 ロケ地、殺された役者と捕まった役者と、両方のファンがひきもきらずお参りの九丁堀稲荷、広沢池東岸(水無)。道具方の娘に事情を聞く夢之介、錦水亭(東屋外観をズーム、出窓からの画のあと室内にスイッチ、八条池をバックにする)。父の遺骨を抱いて越後へ帰る娘を見送る鉄平たち、罧原堤下河原
2004/8/28

■ 新必殺からくり人 東海道五十三次殺し旅「鳴海」1978.1.13ABC/松竹

 はじめヤクザに無体を強いられる被害者と見えた女は、広重の直感どおりの異常さを現してゆく。魅入られた男は逃れえず非業に斃れ、ちょっかいを出した地回りも巻き込まれるかたちでからくり人たちに始末される羽目になる。深間におちた業深き女はお艶に引導を渡されるが、あとに残るのは遣り切れない後味わるさばかりであった。
 ロケ地、鳴海宿手前の街道をゆく一行、身投げ女を見る汀は広沢池東岸。以降、身を隠す船小屋まわりも同所。旅立ちの山道は不明。
*不倫の果て夫を殺し、なお男を追い求める恋に狂った女を際立たせるため、ヤクザの親分が泣き節お艶の芸も解さぬ田舎オヤジとして描かれる。男を監禁させた屋敷で、お艶に三味を弾かせておいて男を掻き口説く女が凄絶。

■ 女殺油地獄 堀川弘道監督作品 1957東宝

 言わずと知れた近松の世話物、見せ場のお吉殺害で油ぬとぬとのシーンはもちろんたっぷりと描かれるが、冒頭とラストに引き回しのシーンを入れ、殊にラスト投石の民衆に悪態をついてみせる与兵衛の「動機」が新味。引き止める家族に与兵衛は、放蕩者の末路が如何なるものか町衆に示すと言い放ち出頭する、この設定が本作の特徴。ゆえにお吉に言い寄る場面はなく、殺害動機が「衝動」方向にベクトル振ってて、お吉さん底無しにカワイソー。
 ロケ地、野崎参りのくだりのみロケ…寝屋川に擬された水辺の情景、麓の茶店がある地道…全然判んねー。
河内屋与兵衛/中村扇雀 徳兵衛/中村鴈治郎
2004/8/27

■ 名奉行遠山の金さん3 第14話「逆玉の輿を狙った男」1990ANB/東映

 サブタイ通りのお話。貧しい育ちから上昇志向強い男は、恋人を裏切りその父を罪に落として令嬢との結婚を図るが、大ワルの掌で踊ったに過ぎず消されてしまう。
 ロケ地、お弓に別れを切り出す弥之助、大覚寺護摩堂。傷心のお弓に声をかけるお紺、放生池堤。松前屋が船手頭を接待の料亭、中山亭通用門。松前屋用心棒を尾ける金さん、大覚寺有栖川畔の道。斬りかかられるのは五社明神祠前。ワルと被害者勢揃いで菅貫が経緯をべらべら喋る向島寮、中山邸門
*松前屋に菅貫、人殺しの罪を着せられる呑んべ大工に長門勇。

■ 暴れん坊将軍 II 第106話「吉宗、狩り場の標的まとに起つ!」1983-1987テレ朝/東映

 火事で傾き主も縊死した回船問屋、刀を脱し商人となり店を救ったと見えた男は冷血の大ワル、上様の不興を買ってクサる旗本の兄に将軍すげ替え・暗殺しちゃえばとつらっと勧めたりする。お話は回船問屋の火事にまつわる母子の人情噺で、健気な母を白木真理がべったべたに演じる。
 ロケ地、江戸屋の若い衆が水夫を追いかけ殺害の二の橋、中ノ島橋たもと(刺してドボン)。巻狩りの鍛錬上様、枳殻邸芝地に幔幕張り巡らせて(幕の上に傍花閣が頭を出す)。試射の旗本・大槌主計頭の行為に疑義呈し、巻狩り差配にダメを出す上様、侵雪橋たもと。翡翠製品密造工房もある江戸屋向島寮(白雲庵)中山邸門。水夫の遺留品を探す江戸屋の衆、中ノ島橋下に船、囃すめ組は橋上。江戸屋先代の吊り、大覚寺天神島。将軍暗殺トレーニング→ラス立ち成敗の荒野、不明(湖南アルプス?とも見える遠景の山なみ)
*暗殺の練習してるところへ乗り込み上様、「カーン」認識直後間髪入れず「撃て撃て!」のタイミングが笑える。で、テッポも弓も効かない上様…。

■ 必殺仕事人V 第9話「主水、キン肉オトコに会う」1985.3.15ABC/松竹

 仕事人に憧れる上方の若者三人組の巻き起こす珍騒動、実の伴わぬ張り切りは自らを陥穽に落とす結果となる。無惨な死を見た真の仕事人たちは、彼らをハメた公儀勘定方一味を仕置する。
 ロケ地、加代に技を見てもらうため必殺技のトレーニングに励む三人組、流れ橋(橋脚に的置いて卵ぶつける)。敢無く失敗のあと落ち込んだ三人組が佇むのは橋上〜橋脚。勘定方の情婦が騙りの芝居、相国寺湯屋角〜法堂基壇。政が勘定方の家来を仕留める、北野天満宮本殿裏。竜が上州屋を追い詰め吊るす、中ノ島橋(上州屋が逃げてくるのは水路のへり、竜は橋上から紐を投げ、欄干を支点にしたあと下に飛び降り吊るし上げる。堰堤下の瀬をざぶざぶと引っ張られるのが珍しい趣向。最後は川にドボン)
*パロディ横溢し「漫画」も登場のコミカルな回。三人組は事あるごとに歴代必殺のオープニングナレーションを語りキメようとする。仕置人、仕事屋稼業、仕事人、仕事人IV、仕置屋稼業とめまぐるしい。出陣には三味と、おりくにじょんがらを弾かせたりもする。

■ 必殺仕切人 第7話「もしも九官鳥が秘密をしゃべったら」1984.10.12ABC/松竹

 女に無体を働いては死に至らしめる変態色魔・能役者の宝春流家元の八郎。その行為を芸の肥やしとして庇う母や、手を貸す将軍御側用人がいるからたまらない。しまいに勇次を慕っていた娘が毒牙にかかり、託された簪に足し前をして仕事を要請する運びとなる。
 ロケ地、バードウォッチングのお国が崖下に落とされた女の悲鳴を聞く、保津峡落合落下岩(宝春流の弟子二人が逃げ去るのは崖)。同じく悲鳴を聞く森林浴のスキゾーたち、植林地の斜面、不明。宝春流家元邸、中山邸(門、参道)。能舞台は不明。
2004/8/26

■ 名奉行遠山の金さん3 第13話「密入国のジャパユキさん」1990ANB/東映

 「植木屋は見ていた」モノ。婚約者のいる固い職人が異国の遊女と心中、しかし偽装で仕事先の富商宅で大名への貢物の女を見てしまったため消されたもの。金さんは裏切りなどしていない彼の名誉を守り、女に伝えてやるのだった。
望郷の念昂じ正気をなくしたジュリアの「padre,socorro!madre,socorro!」の叫びが泣かせる。
 ロケ地、ジュリアと弥助の心中死体が見つかる、大覚寺放生池堤。お夏の回想、弥助とのデートの宮、神泉苑(法成橋、善女龍王社など使用。鳥瞰のショットがなかなか)
*お夏を羽交い絞めにするヤクザ者に福ちゃん。お白州にもいて原告を嘲笑。*弥助には暴将お庭番、高枝切り鋏を取りにいって被害に遭う。

■ 暴れん坊将軍 II 第105話「偽りの恋七年目の仇討ち!」1983-1987テレ朝/東映

 上様、七年越しで燻っていた乳兄弟の仇を討つお話。死んだ男にはおきまりの「グレて勘当された腹違いの不肖の弟」がいて、彼もまた永年仇を探していた。上様は「弟」の協力者でこれも同じ相手を父の仇と狙う娘の心情を勘案しキューピッドもつとめるマメさを見せるが、政務溜りまくりで加納じいに嫌味をされ「くわぁ」と無言で吠えるのだった。
 ロケ地、刀鍛冶集めてコンテストのお浜御殿、大覚寺五大堂観月台を池越しに見る。銘刀を集める吉野屋に赴きキツイ嫌味を放った帰り、用心棒・岡島に呼び止められる新さん、南禅僧堂坂。その後才蔵に吉野屋探索を命じる新さん、法堂前。岡島を尾けるさぎり、三門。吉野屋を仇と狙い紀州藩邸に腰元として潜伏中の木曽屋の娘・お妙が出てくる紀州藩上屋敷勝手門、僧堂通用門。岡島とツナギをとる妙、仁和寺九所明神(石鳥居〜拝殿〜本殿)。紀州時代の回想、乳兄弟と馬を駆けさせる紀州藩主の上様、下鴨神社馬場。吉野屋が奪った刀を持って入る紀州藩上屋敷、大覚寺大門。妙に仇の正体を聞き闘いに赴く岡島の前に立ちはだかる新さん、仁和寺観音堂脇路地。岡島が紀州藩用人・佐竹を呼び出す護持院ヶ原、下鴨神社河合社塀際→ラス立ち。
*刀フェチの用人に銘刀を貢ぎ材木の入札情報をゲットの吉野屋、小道具に使われる刀さすがに凝っていて丁子の乱れも鮮やかに見せる。中茎の一ッ葉葵も面白い。*今回、乳兄弟の仇討ちゆえ上様マジ斬り「兵馬の恨み思い知れ」でずばーっと斬り下げ。その後乳兄弟の死の因となった神君の佩刀を岡島に渡し「とどめを」。

■ 必殺仕事人V 第8話「加代、モグラ男夫婦にあてつけられる」1985.3.8ABC/松竹

 必殺劇場版に登場した「石亀」が江戸へ舞い戻る。どうしたわけか、キレイで尽くす女房をゲットして。
鎖筒の時次郎の死を見てビビり逃亡、仕事料はきっちり持ち逃げした事実はクリアされておらず、加代に返済を迫られる。なぜか石亀にベタ惚れの女房が亭主を庇い弁済を買って出て、昔とった杵柄で芸者として座敷に。たちまち売れっ子のお絹だが、ヤクザの抗争に巻き込まれ落命。これを受けて加代は返済途中のお絹の稼ぎを仕事料として置く。石亀も仇討ちのため仕事に参加するが穴掘って近付いた相手は自ら斃れ、彼の殺しはなされずただのカボチャ潰しに終わるのだった。
 ロケ地、抗争の果て死んだヤクザの死体上がる河原、罧原堤下汀。名張屋の矢源太に怪しまれた石亀がつけられたことでツナギをとる政と竜、広沢池東岸汀。矢源太がお絹を呼びつける寮、中山邸通用門。名張屋と丸塚の留五郎一家の出入り、柊野堰堤(落差工、大岩、脇の水路と様々に利用した効果的な夜景)。仕掛けは抗争中に傍からピンポイント介入。
*石亀の斎藤清六、なつかしい「必殺!」の流れ橋下採用試験の映像がインサートされる。井戸掘りパイトで旋回土掘りダンシングも見せ、目の当たりにした政が目をまんまるの場面も。*尽くす女房・お絹に萬田久子、絹奴姐さんはとてもキレイ。
2004/8/25

■ 名奉行遠山の金さん3 第12話「説教強盗の女」1990ANB/東映

 油問屋肝煎を殺し後釜を狙う企み、現場を見た女は盗っ人で、世話になった旦那の無念と訴えて出られぬ身の相克に苦しむ…同じく元盗っ人の亭主と賑やかに喧嘩しながら。黙っていられない女は自身番に投げ文、このことでワルに身元が露見、危機には金さんのくるみが飛んでくる。
 ロケ地、佐野屋殺しの大川、嵐峡(殺しは船上、おくまが目撃するのは左岸石垣、死体発見は船着き汀)。おくまに事情聞く金さん、大覚寺放生池堤護摩堂前。肝煎の後釜のライバルの死体が見つかる、五社明神裏手。
*盗っ人の女髪結いは説教強盗、朝丘雪路が演じる。入った先で戸締りがどうとか紀州犬のでっかいのを飼えだとかガミガミお説教を垂れる。これに「いろいろご親切に」と礼を述べる入られた店の主に牧冬吉。ぐうたら亭主には品川隆二、どたばた人情喜劇となる。

■ 長七郎江戸日記2 第41話「妻たちの仇討」1989.2.7NTV/東映

 作事奉行の不正を追っていた徒歩目付、小人目付に協力者の飾り職人、やっと証拠を掴んだ矢先に三人とも消されてしまう。以降、残された女たちが捨て身で仇に向ってゆく物語が描かれる。
 ロケ地、それぞれに仇の周囲に潜入した女たちがツナギをとるお堂、神護寺五大堂裏手。奉行宅へ潜入していて露見し逃げた女を助ける長さん、参道南側の林間。墓参も神護寺か。
*作事奉行に菅貫、もうたっぷりと悪い悪い。瓦一枚十両とか吹いてるし、潜入した未亡人に迫り帯といて「あーれー」もやる。最後も姑息に立ち回り、女二人に前後からぶすぶす刺されてんのに再びぐわぁなどと喚き向ってくるのも凄い。*辰、お薦さんに変装して張りこみの際、また反故でできた妙なオリジナルコスチューム(松本零士ふう)をまとう。また、潜入未亡人に危険を知らせるのに「アンタキケン」と大書した布を掲げるが…アレは褌では。

■ 暴れん坊将軍 II 第104話「母も哀しき女郎蜘蛛!」1983-1987テレ朝/東映

 盗賊・毒蜘蛛の伝蔵の女房・おりんは、足を洗うため自ら捕まり八丈に。年経て赦免となり江戸、見たものは亭主の盗みで祝言間近の娘が追い詰められる姿だった。
 ロケ地、忠相に神君の掛軸が盗まれた件について問う上様、枳殻邸印月池・侵雪橋たもと。お咲に掛軸盗難の件で店も危ないと告げる両替商の若旦那、大覚寺放生池堤。書置して家を出たお咲を追うおりん、嵐山公園内料亭・錦前。お咲が身投げしようとしている橋、中ノ島橋。伝蔵にナシつけにゆくおりん、アジトの妙輪寺、常寂光寺仁王門。奏者番の堀左京亮が伝蔵とツナギをとる屋形船、罧原堤下汀(船宿設定)。伝蔵の手先に襲われるおりんを助ける新さん、今宮神社(石橋、稲荷社、若宮社)。おりんが赤子のお咲を捨てた浅草鳥越神社、楼門。ラスト、馬をやる上様、下鴨神社馬場

■ 必殺仕事人V 第7話「主水、生体解剖に腰を抜かす」1985.2.22ABC/松竹

 出世のため腎臓移植を実践し成果を上げようとする医者、ライバルの良庵を実験台にする。ドナーは、息子を医者にしたい札差が借金で首の回らぬ男に因果を含めて提供。もちろん失敗、男の娘と恋人まで巻き込まれ、恨みの筋は竜に託される。
 ロケ地、父の借金のことでベソをかくお君にプロポーズする弥助、嵐山公園中州下河原。二人を遠目に見る竜、中ノ島橋(ロングとアップ)。政の福寿草畑がある裏山、酵素河川敷(実験用の蛙を掘りに来た順ちゃん、土中から玉助出て引きずり込まれかける)
*竜、出陣に際し紅を引き、酒で紐を湿す。吊り技豪快、屋根瓦割って引き上げのうえダブル吊り…怪力キャラじゃないのに。*タイトルは鯛の刺身でせんりつに脅かされた主水、今回話のボディには登場せず後先と殺しのみ。

■ 竜馬がゆく 補遺
 洛北・岩倉具視寓居、民家門
2004/8/24

■ 名奉行遠山の金さん3 第11話「尼僧に忍びよる黒い影」1990ANB/東映

 富商乗っ取りもの、芸者上がりのやり手の後妻がきっちりワル。亡き主の実弟が消され、魔手は跡取り娘にのびるが、救いの手は隠れ住んでいた実母から差し伸べられる。
 ロケ地、災難続きの橋本屋が一家でお参り、車折神社(参拝は本殿、主が暗殺されるのは嵐電へ行くほうの参道)。葬儀の寺、粟生光明寺本堂(正面ショットのほか内陣、回廊なども)。回想、娘にもしもの時月心尼を頼るよう言い聞かせる橋本屋、大覚寺放生池堤に茶店セット。尼寺・月光院、勝持寺参道石段。ならず者に見つかり逃げる月心尼と娘、妙心寺方丈西路地〜方丈門〜法堂回廊下。水木同心に虚無僧の姿で潜入捜査を命じる金さん、粟生光明寺紅葉道・薬医門前に茶店セット。内与力が橋本屋の主と尼の関係を話す際、イメージに映る秩父の街道筋、嵐山自転車道
*尼さんは元壺振り。旅先の橋本屋を助け、湯治場でいい仲に。*福ちゃん、口入屋の手下とラス立ち用心棒の二態で登場。

■ 暴れん坊将軍 II 第103話「一大事!花嫁候補勢揃い!」1983-1987テレ朝/東映

 許婚者を毛虫のように嫌った水戸の姫、考え付いたのは将軍さまにオネガイ。目安箱に賽銭つきで入ってたソレに乗る上様、しかしこれがもとで姫が営利誘拐されてしまうという仕儀に。実行犯には、身を持ち崩した姫の腹違いの姉が絡んでいるという哀話も挿まれる。
 ロケ地、加納じいらに嫁取り宣言の上様、枳殻邸印月池畔。水戸藩下屋敷、大覚寺(大門の内外、式台玄関)。旗本に使われるお夏がツナギをとる、五社明神裏手、護摩堂脇。身代金授受の船がゆく神田川、嵐峡(船着きも)中ノ島橋(橋たもとで才蔵やめ組が戦闘)。事後、菊姫が上様に目通りの庭、枳殻邸印月池畔〜侵雪橋
*じいが先走っての嫁選び、おきまりのギャグが連続。すっぱだかで風呂に入ってた上様が姫たちに囲まれ、出られず悲鳴を上げる一幕も。*奇策を思いつかせるほど姫に嫌われる許婚者は山内としお、口調も仕草もまんま田中サマで、おカマふうにすりすり寄って甲高い声で鳴く。

■ 必殺仕事人V 第6話「りつ、減量する」1985.2.15ABC/松竹

 唐突に仕事人狩りの動き、主水以外のチームは加代の仲介で雪の温泉宿へ。ここで起こる押し込み監禁騒ぎ、宿の娘と仕事人たちを残して人質が消されるにおよびチームが始動する。仕掛けを持ってきてない各人が、ありあわせの道具で仕掛けるのも見もの。順ちゃんは鹿おどしでカタパルト投石、竜は独楽を鈴代わりに使う。政も氷柱使ったりする。主水は刀を渡す際に例の仕込み細工でぶっすり、後で田中サマの刀検分がある。
 ロケはマジ雪積もる遠隔地、不明。
*押し込み凶悪犯のヘッドに森次晃嗣、はじめ首領と思われた男に八名信夫。こやつらは「仕事人」と名乗っているが、詳細は語られず。
2004/8/23

■ 名奉行遠山の金さん3 第10話「お目付桜の子守歌」1990ANB/東映

 子供の命をタテに富商を強請る一団あり、手違いでさらわれた女髪結いの息子が消されてしまう。遊び人の「金さん」の肩に亡父の温もりを求めたその児の哀れさに、金さん大立ち回り。
 ロケ地、宝徳寺の縁日で間同心の背にいたずらをする勘太、神護寺石段下。金さんに「顔貸せ」と連れてゆく坂、鐘楼下。その夜、赤子を抱いた富商の女将を見る金さん、大覚寺有栖川(望雲亭南、後段昼間のツナギも同所)。勘太の死体が見つかる川辺、保津峡落合河口。墓参の三河屋の女将に話しかける金さん、二尊院墓地。丹波屋が脅されて金を届ける法慶寺の大木、大覚寺天神島大楠。強請り一味の破戒僧の西海寺、西明寺山門。
*ラス立ち、「皆の者」の一人に福ちゃん、浪人態。お白州にも座る。

■ 子連れ狼 第7話「襲い来る賞金稼ぎの群れ!」2004/8/23テレ朝/東映

 笠松代官が賞金上乗せ、欲にかられた者どもが殺到。大五郎を人質にとられながら闘う一刀、怪しげな吹き矢婆の手下をつとめさせられていた娘を解放し、藩の紛争に巻き込まれた若侍たちを感化して去ってゆく。
 ロケ地、足を痛めた前髪の少年を手当てしてやる川辺、不明。偽りの依頼で一刀を襲う船頭兄弟、大覚寺天神島。吹き矢のお熊が大五郎を人質に呼び出す鴉の森、下鴨神社糺の森、林間と池跡。明倫館学生三人組とお千代が行き違う道、山室堤道(学生は堤上、千代は堤下のY字道)、父子が去るのも同所(実った麦の穂が前景に)

■ 暴れん坊将軍 II 第102話「質に入っため組の喧嘩!」1983-1987テレ朝/東映

 両国橋架け替えをめぐる騒動、普請奉行と結託し談合で請負を目論むあくどい商人、これらの妨害に遭い殺されかかった業者はおさいの恩人だった。その道楽息子のケアもし入札を無事果たさせるお話、め組の喧嘩が身請けのカタに使われたり、吉原で成敗の大立ち回りが行われたりする。
 ロケ地、両国橋の測量をする役人、橋脚は渡月橋(橋上の風景は映画村日本橋)。喧嘩できないめ組がならず者にボコボコにされる縁日、今宮神社境内。
*成敗に入る段で夕霧太夫を使う新さん、その前に花魁に誘われてついっと登楼してたり、事後は姿を見せないとして狐狸妖怪みたいに言われてたり。しかし「なか」での剣戟はアリか。

■ 必殺仕事人V 第5話「主水、奉行所の人員整理にあわてる」1985.2.8ABC/松竹

 政を仕込んだ女仕事人が登場、負傷した仲間を切るのに奉行所同心と組む非情な女。かつて政の父も彼女に裏切られ磔台の露と消えた事実が明らかとなり、政は自ら頼み人となって金を置くのだった。
 ロケ地、冒頭の仕事、エレキテルで鐘をつくのは大覚寺鐘楼(東塀越しのショット)。油屋の父を待つお妙をかまう政、桂川罧原堤付近汀。お京チームが集合する、中ノ島橋(襲撃は橋上、油屋の鬼平次が負傷)。お京の悪い噂を政に告げる竜、大覚寺勅使門橋下河床。竜をしばいたあとお京宅へ走る政、大沢池堤。床下に潜み父のことを聞いた政が物思いに沈む、広沢池(水無、夜)。鬼平次の処刑、池床。巡礼となった妙がゆく道、北嵯峨農地畦道(バックに心経宝塔上部映りこみ)
*お京を演じるは野際陽子、政に教授したのと同じ技を使う殺し屋。最後は一騎打ちとなり首に深々と枝を刺されるが、クロスする二人の影がX攻撃みたいで笑える。*今回の玉助アプローチ、順ちゃんと間違えて田中サマにお触り「でもちょっとカワイイじゃない?」…げろげろ。*リストラ最有力候補の主水、お京とつるんだ同心が消えてクビつながる。

■ 水戸黄門33 第18話「帰ってきた風の盆」2004.8.23TBS/東映

 舞台は越中・八尾、風の盆の日に殿様にじかに窮状を訴えようとする百姓衆を援護の老公。同時に、紙漉き名人の父とデキのいい妹の相手に挟まれ立場のない気弱なぐうたら男を掬い上げてやる。
 ロケ地、踊りの練習場となる宮、平岡八幡宮(正面石段、本殿、西側石段)。楮を洗う女たち、清滝水系か。一年前、家老に窮状を訴えにゆく山道で襲われ落とされる文六、保津峡落合(落下岩、崖下巌頭)。風の盆に集まってくる民衆、愛宕神社参道鳥居付近。
*ぐうたら亭主の気晴らしにと、千太の入れ知恵で賭場に誘う老公、三人揃ってイカサマにかかりすってんてん。老公服から杖までとられて、ラス立ち前にお娟が取り返しにゆく羽目に。*家老に中田浩二、ワルでない設定もけっこうイイ。*ラス立ちに福ちゃん、裃つけて立ち回り、助さんにやられて「ワォ」。
2004/8/22

■ 新選組! 第33話「友の死」2004/8/22NHK

 山南切腹でまるまる一話をとる。大津で追いつかれ、からハラキリに至るディティールを積み上げ、肩抱き合って号泣の勝ちゃんとトシで終わる。今回なんといっても明里の使い方が出色。切腹裃の意味を知らないと思わせて、のあたり短い登場期間のなかで効果的。したり顔で追悼の短歌読み上げる伊東が大喝されるくだりは痛快。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第19話「父ゃんが消えた!」1975-1976日テレ/東映

 事の起こりは蜆売り少年の父の失踪、突き止めた居所は牢屋敷の真ん前の駕籠屋で、凶悪犯の息子三人を奪取しようと企む猛母は牢に向って穴を掘らせていた。駕籠で夜中に土を捨てにゆくさまなど、ちょっと大脱走みたいな面白さ。
 ロケ地、少年が行商の途中父の行方を占ってもらう易者は今宮神社石橋たもとに出ている。蜆採りの小川、大覚寺放生池の源頭か(うしろに線入りのクリーム塀、今は土管から出ているが70年代は?)
2004/8/21

■ 切られ与三郎  伊藤大輔監督作品 1960.7.10大映京都

 「与話情浮名横櫛」をベースに、女の業に絡めとられる男を雷蔵が演じた一作。
軸は、義理から大店の跡目を譲ったことが全て裏目に出るというお話。このあと出会う女に惚れられては裏切られを繰り返し、メンに傷負った凶状持ちに成り果て、せめて最後に妹の妾話を潰そうと身を捨ててかかるも、当の妹は彼を男として愛しており別れを悲しんで命を絶ってしまうのだった。もちろん「お富さん」との経緯もきっちり描かれ、源氏店でのキメのシーンもあるのだが、ラストの捕り方が十重二十重で妹と逃避行のくだりが派手なうえ、妹の亡骸を抱いて海に入ってゆく際の呟きからして一味違う「切られの与三」と言える。
 ロケ地、江戸を出た与三郎が木更津へ向う街道筋、広沢池っぽい汀〜白髭神社湖中鳥居。与三郎の企みを山城屋に注進に走るお富、東海道の風景に日野川と思われる木橋を渡る。(緑の茂り具合と河床の干上がり具合、流末にちらっと見える「対岸」の山なみから、野洲や愛知や安曇ではなさそう)山城屋の一行に追いつき話をする茶店は琵琶湖西岸松原(北湖)
*淡嶋さまの甍の波、ラストの海浜などセットも見もの。「粋な黒塀」はフツー、でもちゃんと松の緑は映えていた。
2004/8/20

■ 名奉行遠山の金さん3 第9話「寛永寺炎上、危機一髪」1990ANB/東映

 堀田摂津守失脚を狙う老中の企み、寛永寺修復が佐野藩に降ってくる。工事を不調に終わらせ堀田さまを窮地に追い込む策で、請け負った木曽屋は群がるワルにより散々な目に。血腥い事件相次ぐ過程で、金さんはぎこちなかった木曽屋の若夫婦の仲立ちまでしてのける。
 ロケ地、会議のあとお城の庭で堀田さまと工事について話す遠山奉行、枳殻邸印月池(背後に侵雪橋)。お城イメージに姫路城天守(三国濠から)。寛永寺、粟生光明寺(本堂前、鐘楼、石段)。木曽屋の縊死死体が見つかる、広沢池東岸。木曽屋の婿養子がワルと通じる番頭に詰め寄る、大覚寺五社明神本殿前。
*今回、金さんの危機に白頭巾登場、中の人は堀田さま。ラス立ちにも同じ格好で出てくる。

■ 暴れん坊将軍 II 第101話「春風に消えた恋女房」1983-1987テレ朝/東映

 人を殺め江戸へ逃げてきた女、子持ちのやもめ男に縁付き幸福な日々。だが亭主の就職先がトンデモ旗本で強盗の罪を着せられかかり大騒ぎ、そして女房の「過去」から追っ手がやって来るのだった。
 ロケ地、子を連れてお参りのお夕が小諸から追ってきた目明しを見て逃げ去る、仁和寺金堂・燈籠越しのアングル。お夕に事情を聞く新さん、仁和寺茶店をバックに御室桜林に床机セット。その後歩くシーンはをバックの林間〜観音堂前へ。目明しとともに旅立つお夕を見送る茶店、下鴨神社馬場
*今回のワルは金に汚い旗本寄合席、罷免されたことを恨んでいて、ラス立ち前には「若僧、将軍職など勤まらん」とブチあげる名和宏、マジ斬りの刑に。事後才蔵がさっと懐紙を出し刀を拭う珍しいシーンも見られる。
2004/8/19

■ 名奉行遠山の金さん3 第8話「サギ師金さんの弟現わる!」1990ANB/東映

 祭りの群集の乗った橋が落ちて大騒動、責められた棟梁が自害と見えたは大騙り、裏には談合を繰り返す請負業者と作事奉行がいた。タイトルの詐欺師は、金の匂いを嗅いでうろつくうち棟梁の娘に岡惚れし、肩入れしてゆくことになる。
 ロケ地、落ちる新大橋、木津川流れ橋。民衆が落ちるシーンは普段の橋で撮り、以前に橋桁が流れた際の写真をインサートしてある。袂に石を入れた棟梁の死体が見つかる大川、桂川罧原堤付近の汀。
*ペテン師に桜木健一、お得意の騙しネタは「遠山奉行の腹違いの弟」、騙されるのは間同心。*ラス立ち、美濃屋の用心棒のセンセイ方の一人に福ちゃん。

■ 暴れん坊将軍 II 第100話「吉宗越前白洲の対決!」1983-1987テレ朝/東映

 江戸へ出たままの母を探しに来た男の子、「離れ離れの母子」に弱い新さんの奔走も空しく、岡場所に堕ちた母は子に背を向け無実の罪を着て去って行こうとする。ぎりぎりの切所となるお白州、新さんは町人態に作った「新吉」として現れ、情をもって「母」の心を溶かすのだった。
 ロケ地、駿州宇津谷峠で盗賊・弁天おたきを謀殺するお役者紋左、保津峡落合(母を探しにきた市松と叔母が通りかかるのは崖道、紋左が水筒に毒を仕込むのは河口、虚無僧姿のおたきが水を飲むのは落下岩・石仏あしらい)。市松らが強請りのならず者に絡まれるのを助ける新さん、今宮神社境内。庭番に紋左捜索を命じる上様、嵐亭(ラスト、じいに皮肉を言われるのも同所)
*お白州で顔を上げた「新吉」を見て、大岡さまびっくりして顔歪めるのが可愛い。紋左の悪事が暴かれたあとうるうる涙目で不明を詫びる姿もなかなか。*市松に絡むならず者に福ちゃん、新さんにぶっ叩かれて前はだけて「覚えてろ」退場、役名「亥助」とクレジット。

■ 江戸を斬るIV 第1話「紫頭巾が二人いた!」1979.2.12三船プロ/C.A.L

 お奉行夫婦は相変わらず熱々で痴話喧嘩の日々、おばば様は番町の本宅で登場せず、次郎吉は魚政を出て小料理屋を開店。ぷいっと出てってしまうおゆき、大工のカッコで町をうろつき捕物に口を出す「金さん」、新顔に女岡っ引のお京と冴えない同心の石橋のダンナ。
起こる事件は辻斬りをはたらく紫頭巾、中の人は殺し屋の女で、回船問屋の偽装沈没により生家を潰された哀れな経緯があった。
*根津権現など見えて明らかに東京撮り。以降視るけど記録は取らなくて良さそう。
2004/8/18

■ 長七郎江戸日記2 第40話「不幸を呼ぶ女」1989.1.31NTV/東映

 不幸な身の上を語り鉄舟の同情をひく女、過去の薄幸は本当だったが、今は人を食っても己の利を掴もうとする貪欲な人間に成り果てていた。今回捕縛されるは水落ちはあるは、最後は貧乏人に押しかけられカワイソーな鉄舟先生、裏ではこれを長七郎ぎみ抹殺に利用しようとする柳生の陰謀が渦巻いていたりするが不発。
 ロケ地、主人の病状を鉄舟に聞き、どうか薬を処方してくれと懇願するおつた、神泉苑(法成橋、池畔)。備前屋の変死後、おつたに事情を聞く長さんとおれん、金戒光明寺石段〜長安院下坂。正田藩江戸家老と奥医師が「仲間」の備前屋の弟を殺す屋形船、嵐峡(船着と船上、罪を着せられかかった鉄舟が水に飛び込んで逃れる)
*備前屋に薬包を探しに忍び込む辰、散々探した挙句床の間の壺から見つけるが、跨いで気配に気付く…尻にセンサーでも?

■ 暴れん坊将軍 II 第99話「青春はるよさらば!北の恋唄」1983-1987テレ朝/東映

 雪の夜新さんが拾った田舎娘は女郎上がりなのに天真爛漫、年季が明ければと言った七年前の恋人のことばを信じ江戸へ出てきたが、やっと出会えた男は過去の悪行がばれるのを恐れ彼女を消そうとはかるのだった。
 ロケ地、宿屋を襲った賊について報告を聞く弓のお稽古上様、姫路城西の丸。やくざに絡まれる勘定吟味役の妻女を助ける新さん、大覚寺五社明神。出てきた夫が新さんを胡乱に思い去らせたあと、妻女の子宝祈願のお札を捨てる、有栖川(河床から見上げ)。加納じいが下城する川勝を酒席に誘う、姫路城はの門下坂。うまくいったと上様が出てくるのははの門。新さんの示唆で江戸を去るお国、街道筋に広沢池東岸汀、船上シーンもあり。
*一途な陸奥女に片桐夕子。

■ 必殺仕切人 第6話「もしも惚れ薬と眠り薬を間違えたら」1984.10.5ABC/松竹

 文武両道で鳴らす行いすました松木藩の殿様、裏では自領で作った麻薬を江戸で捌き大儲け。家来の剣客・結城誠之助は殿に妻を所望されたのを機に藩を辞するが、麻薬密売を知る彼にきっちり魔手は伸びてくるのだった。今回の頼み人は、夫妻の世話を焼いていた勇次。
 ロケ地、松木藩上屋敷、相国寺大光明寺(中仕切を望むアングル)。夜釣りの勇次が同じく釣りの結城と出会う、嵐山公園中州(バックに中ノ島橋と堰堤)。連れ立って帰る二人、犬使ったトリックで大八落として結城を負傷させる石段、金戒光明寺石段。片腕での御前試合、相国寺方丈。麻薬を隠した松木藩の荷駄が通る小仏関所、谷山林道か。麻薬で操られたライバルと果し合いの結城、酵素(ダート、河川敷)。殿の意思に従わず自刃した結城の妻女の死体が捨てられる、桂川大堰
*今回飛ばした設定は見られず。タイトルは夜のおつとめ忌避に睡眠薬を求める勘平、片やお姉をコマすため催淫剤を買ったスキゾー、二人のお薬が入れ替わってしまう挿話から。
2004/8/17

■ 森の石松 1992.1.8フジ/東映

 前段は石松の日常と周囲との経緯を描き、後段は金毘羅代参と石松の死を描く作り。間には広沢虎造の口演が挿まれ、キャストも豪華。前段の友人役の火野正平と、後段の都鳥一家の石橋蓮司が殊にいい味。石松はふっくらと天然系、勘九郎が演じる。
 ロケ地、尾張亀崎の保下田一家へ次郎長の殴り込み、土塀長屋門。代官殺しゆえ旅の途にある次郎長一行を囲む大場の久八、琵琶湖(北湖と思われる)。清水の海浜、間人(立岩周辺の砂浜)。石松が簀巻きの都鳥を救う、木津川流れ橋下。簀巻き男が兄弟と合流、摩気神社(本殿、楼門)。祭りの夜、お春に吊りシノブを渡す石松、吉田神社竹中稲荷。代参の金刀比羅宮、本物。芝居にツッコミ入れ喧嘩の金丸座、外観本物。帰途、三十石船道中の瀬戸内、琵琶湖に木船仕立て。立ち寄る草津追分の見受山鎌太郎邸、民家。浜松の街道筋、都田村と清水の分岐道、山室堤道。都鳥の吉兵衛が再び金をすってしまう賭場、鳥居本八幡宮(舞殿、石段、広場)。騙し討ちに遭う閻魔堂、酵素河川敷にセット(堂まわりに水を満たし、ラス立ちでは大放水)。一旦逃れた石松を追う人数、桂川大堰上を走る(石松は堰下に潜む)

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第18話「死を招く黄色い水」1975-1976日テレ/東映

 女中が密談を聞いてしまい命を狙われるというよくあるお話だが、女一人を消すのに長屋の井戸に毒を投げ込み多人数を殺しカムフラージュとするなど、ワルが飛びぬけて悪辣。しかし腰の引けた善人の手代にやらせたもんだから目標の女を殺り損ない、九丁堀に恨みの筋が上げられる運びとなる。事後、家族を失った女に餞別をやってしまい九丁堀はまたもタダ働き。
 ロケ地、九丁堀稲荷、広沢池東岸。呉服屋の手代が物思いに沈む橋、中ノ島橋。千住の親戚に身を寄せた目撃者の娘が襲撃されるのを助けた夢之介が事情を聞く野道、北嵯峨農道。九丁堀チームが脚を引きずって帰る娘を見送る、中ノ島橋(娘は右岸を歩く)

■ 暴れん坊将軍 II 第98話「め組で一番もてない奴!」1983-1987テレ朝/東映

 宇都宮藩のお家騒動、藩主の病につけこみ仮養子の若君を殺めんと刺客を放つ家老。雇われた御家人くずれの侍の悲哀が描かれる。タイトルは、侍の元恋人に入れあげるも結局フラれる九ちゃんを指す。
 ロケ地、豆屋の後家さんちで「泊まった」侍を見て絶望の九ちゃんが首吊りを試みるも失敗、次いで入水を思いつく水辺、大覚寺大沢池(新さんが駆けつけ)。宇都宮藩家老と刺客侍が密談、天神島。そこへ来かかる新さんとおさい、朱橋。若君の駕籠を襲うも中の人は新さん、仁和寺金堂脇。
2004/8/16

■ 暴れん坊将軍 II 第97話「あゝ憎まれて五十年!」1983-1987テレ朝/東映

 上様の防波堤となり、憎まれ役をつとめる加納じいにスポットが当たる。
増上寺改修費用見積りをじいに突っ返された勘定奉行が闇討ちを企てる騒ぎに、五十年前の蝦夷地の戦で十五歳の五郎左に討たれた侍の孫が現れて仇討ちとブチ上げる騒動が加わる。前者は浪人者を引き連れてじい宅に乗り込んだところを上様に成敗され、後者はずっとその侍を尊び供養してきたじいにほだされ和解。冒頭、勘定奉行と一緒に見積りの件でじいにオコられる老中は意外やグルに非ず、ただ喧しいじいを邪魔にしていただけで、満座の中で上様に軽侮の態度を叱責され涙ぐんで恐れ入る、珍しい展開。
 ロケ地、仇討ち孫・左近がいる旅芸人一座が江戸入りの渡し場、木津川(右岸堤に富士山合成)。50年前初陣の五郎左が勝呂兵部の首をとった蝦夷地の戦場、広沢池西岸湿地
*じい宅に若い下女、前任者と同じくじいにガミガミ、しかしおてつと違い新さんにはいい顔。*じい宅で催される宴、魚をつくる龍虎に「料理極楽」で修行しているからとツッコミ入ったり、呼ばれた講釈師は旭堂小南陵だったりとお遊び多し。「芸無し」自称の新さんまで敦盛を舞わされる…幸若よりサンバのほうが似合う、やっぱり。

■ 水戸黄門33 第17話「愛を救った職人魂」2004.8.16TBS/東映

 舞台は山中、大聖寺藩次席家老が特産品を横流しで私腹肥やし、追求の気配を見せる城代を消しにかかる。利用されるのは献上の彫り物、兄弟弟子の確執につけこむお話。彼らの亡き師匠の代にも同様の経緯があり、出奔した弟弟子が帰り着き若い恋人たちに手を貸す人情話が展開される。
 ロケ地、庄兵衛食い逃げの茶店、杉林の懸崖の小屋、不明。こおろぎ橋、本物(役者の映るシーンは他所をうまくつなげてある。渓流は清滝川水系か)。千太が次席家老らの密談を聞くお堂、神護寺五大堂。佐吉が完成させた彫り物を持って行く途中、奉行が品を渡せと迫りラス立ち移行の道、大覚寺閼伽井前と林間。墓参の庄兵衛、神護寺か。
*庄兵衛に乗せられ酔っ払って逸脱助さんどんちゃん騒ぎで「女はどうした」、これで為替届かず宿代のため下働きさせられた老公怒気を発するも「羨ましい」…。
2004/8/15

■ 新選組! 第32話「山南脱走」2004/8/15NHK

 腹に一物もって伊東甲子太郎参入、烏合の衆をまとめるためいよいよ鬼となる副長。沖田は運命を見据え自棄ぎみなるも決意を固め、行き詰った山南は破滅と知りながら隊を脱し女連れで道行き。そんななか捨助くんひとり舞い上がり不気味、その手には歴史を転回させる密書が託されていたり。
*あまり見ない山出し娘の明里、ちょっとイイかも。
2004/8/14

■ 新座頭市 破れ!唐人剣 1971.1.13勝プロ/大映

 国を追われて日本へ辿り着いた武術の達人は、南部藩の供先を横切って手討ちにされかけた子を助けここでも追われる身に。また、市も好意から関わり子を保護するが、地回りの讒言や唐人の親友の裏切りでなにもかも市が悪いふうに持って行かれ、斬りあう必然もない二人は死闘を繰り広げることになる。
 座頭市という記号を用い、中国武術との対決を見せる一作。大跳躍を見せぶっとい中華刀を振り回す王剛との殺陣は派手で見どころ多し。尺は短いが、言葉の通じない二人のやりとりも軽妙で面白い。地回りと市の立ち回りも、ユーモラスな場面を挟みつつ相変わらずシャープな勝新の剣戟をたっぷり。
 ロケ地、葦原や野道、石切場に崩壊地形、全然判んねー。
2004/8/13

■ 暴れん坊将軍 II 第96話「衝撃!上様がさらわれた!」1983-1987テレ朝/東映

 大火で伝馬町からお解き放ちになった囚人の一人、戻らず仲間と共に逃亡をはかる。この際更生を助け職も斡旋してくれた名主を頼るが、親切面は仮面でしかも彼に自らの殺しの罪を押し付けた張本人だった。肩寄せ合って生きてきた孤児たちの哀話に上様がからむのは、医者に罹るための人質にされてしまうもの、ストーリーの半分くらいは縛られて監禁の新さんという珍しい作り。
 ロケ地、忠相が囚人解放の件で北町奉行に皮肉を言われる庭、および勅使接待に臨む衣冠束帯の上様が緋毛氈の上をゆく庭、嵐亭(ついでに上様と気付く「カーン」のシーンも同所)。囚人の浩吉が名主にたばかられ誘い込まれる目黒不動谷の杣小屋、酵素河川敷に小屋セット。浩吉と上様を爆殺したと思い込んだ老中と北町奉行がしてやったりと高笑いの神社、鳥居本八幡宮(舞殿、広場)
*おまっちゃんと一緒に監禁されてしまう新さん、爆破で危機一髪なんて場面もあるのに剛毅だからか大らかなのか、あんまり緊張感ないのが笑える。掃き出し窓からそっと落とした印籠は辰五郎のもとに届き大騒ぎするも役立たず、もうひとつ落とした扇をさぎりが拾って見つける設定。これがあの危機に飛んでくる「正義」の扇でなんだか笑える。
2004/8/12

■ 暴れん坊将軍 II 第95話「母も切ない鬼は外!」1983-1987テレ朝/東映

 江戸へ出たままの母を求めて秩父から出てくる幼い姉弟、新さんやめ組の奔走でやっと会えた母は彼らを無視。彼女は未亡人で子無しというふれこみで捕まえたパトロンに、店を任されるか否かの際にあった。これでもかと悲惨な幼子を見せて、最後は改心する母でメデタシ。
 ロケ地、松前藩勘定組頭に託された「熊の置物」を持って国許へ向う中間が追っ手に斬られる、流れ橋(熊は川に「逃がされ」、汀で悲惨姉弟が拾う。たもとに茶店セット、中から新さんと龍虎)。松前藩向島下屋敷外の金隠してある祠、広沢池東岸の林。
*熊には先君の隠し金のありかが隠されており、幼君をよいことに藩政を壟断する江戸留守居役が狙う。これが菅貫で、子らの母のパトロンでもある。血も涙も無い大ワルで、熊を持った子を藩邸に拉致し、熊ちゃん死んじゃうと泣き喚く子の前で置物を真っ二つに割ってみせたり、子無しの未亡人と信じていた「母」の嘘を知るやムチでびしばし。こんなだから、上様に「地獄に落ちるがよい」なんて長七郎みたいな台詞を吐かれてしまう。また、母子を逃がしたあとすぐにラス立ちに行かず、隠し金の祠を謎解きしてみせる上様が描かれこの間戦闘中断。でも砂金見た菅貫は即「斬れ!」で、結局身分明かしはナシで成敗まで一気。

■ 必殺仕切人 第5話「もしも鳥人間大会で優勝したら」1984.9.28ABC/松竹

 トンデモ設定はタイトル通りの鳥人間コンテスト、賞金目当てで俄か工作大はやり。格段に飛距離を稼ぎ優勝するのはお姉が肩入れする表具屋の長次、しかしその工夫のハングライダーはワルの企みに利用された挙句、母とともに撃ち殺されてしまうのだった。
 ロケ地、一連の試し飛びのひとつ・浪人が墜落してくる路地、金戒光明寺長安院下坂。スキゾーが天狗の団扇をぱたぱたさせてちょっと飛んでみせる、本堂前石段。鳥獲りに赴いた龍之助が長次の老母と会う、酵素河川敷の木。松岡藩上屋敷、相国寺大光明寺(門映り、方丈塀際に笠間藩の侍が潜む。内通者が誰何されるのは玄関前、南路地を通りかかったお国と勘平が塀から顔を出す斬られた男を見る)。コンテスト、広沢池(足場組まれた汀は別のとこかも。だって落ちたときの水柱が白いし。広沢池のアオコ水なら飛沫も緑色で、水しぶきもバシャって感じじゃなくトプンってなると思う…)。長次が偵察させられる松岡藩に搬入される荷物の行方のシーン、大覚寺蔵(クレーン撮りで鳥瞰)
*勇次の店に糸を求めに来る長次、強度を増す話に「油か蝋を染ませて」、使う目的に「人をぶら下げる」とやるもんだから、勇次思い切りイヤーな顔。*今回の勘平のワザはリングふうロープ張り。勘平と言えば、今回ニワトリむしって作った「羽」でぱたぱたはたはた踊って見せる仕草がなんとも…気持ち悪くもカワイイ…内股のオディールふう脚さばきが殊に。なんて芸幅の広い人なんだろう…。
2004/8/11

■ 長七郎江戸日記2 第39話「怠なれど愚ならず」1989.1.24NTV/東映

 産婆さんを送ったり、迷子の世話をしていて「職務怠慢」こいてしまう善人の南町同心・横井東馬、上役に名をもじって頓馬と怒鳴られる日々。しかし優しい言葉をかけて励ましてくれる与力あり、期待に応えようと東馬は折りしも発生した御用金消失事件に張り切るが、なぜか与力にしか告げていない捜査協力者の長さんたちが襲撃されてしまうのだった。
 ロケ地、西海屋の船が「難破」した朝、海から上がってくる船長、広沢池東岸汀。早駕籠を走らせる野道、西岸農地。東馬が西海屋の蔵から盗ってきた御用金の小判について協議の側衆・牧野大和守邸、相国寺大光明寺。偽手紙で「一ッ木明神・大沢池」に呼び出される長さんに鉄舟と辰、大覚寺五社明神大沢池畔。本殿内陣に銃隊。三人が襲われたことについて考え込む東馬、広沢池(セットした桟橋、船で水上)。事後、釣りの長さんのところへ来ていて上司に連れ戻される東馬、放生池堤
*撮影は紅葉期の模様。同心に桜木健一。

■ 暴れん坊将軍 II 第94話「心やさしき仇討選手」1983-1987テレ朝/東映

 仲の悪い隣接する二つの藩を争わせ破滅に追い込み、富裕な領地が転がり込むことを目論むセコい若年寄。すわ合戦の危機は上様トリオによって回避され、争いごとを好まぬ生き物好きの好青年と、一本気な武術指南役は命のやりとりを免れる。
 ロケ地、三春藩上屋敷へ押しかけ仇を出せと迫る相馬藩士たち、相国寺大光明寺南路地〜門。兄の仇討ちを強要する藩から逃げ出した清二郎を匿ってやる新さん、方丈前。清二郎の無事を祈ってお百度のお初がさらわれる、今宮神社合祀摂社前。偽の果たし状で護持院ヶ原に呼び出される清二郎と中井軍兵衛、下鴨神社糺の森池跡。若年寄の企みを上様に報告する庭番、仁和寺宸殿前庭池畔。事後、馬をやる上様、糺の森馬場
*若年寄に藤岡重慶、清二郎に松山英太郎、軍兵衛に和崎俊哉、相馬の殿様に北村英三と豪華キャスト。クレジットに「車曳き(一)福本清三」とあるが、小船秋夫の間違いでは…。

■ 斬り捨て御免!3 第22話「今あかす翁の御前の正体」1982TX/歌舞伎座テレビ

 気を持たせまくったラスボス登場、中の人は異人で籠るは大坂城。モロボシ・ダンが指揮する敵を攻略する番所衆、はじめ隙ありとして青屋口からフツーに忍者ふうに侵入するが失敗、以降大将なんかハングライダーで天守に取り付くし、とっつぁんは女形に扮して侵入。敵もガトリング砲を城内でぶっ放す無茶をやり、お面の間へと至る。そして戦い終わった出雲は、健気に追っかけてきた小蝶姐さんと新婚旅行に赴くのであった。
 ロケ地、出雲の無事を祈りお御籤を引く小蝶姐さん、松尾大社本殿。小蝶がゆく街道筋、嵐山自転車道〜河内・大和国境の暗峠、保津峡落合(崖道、保津峡岩場)…しかし暗峠まわりのどこにあんな峡谷があるのじゃ。大坂城、はじめ極楽橋から見た本物の天守を映し、彦根城天秤櫓にスイッチ。以降、青屋口から侵入のくだりでは佐和口多門櫓と城内各所を。大将が降り立つ天守も彦根。
*巨大翁面の裏にラスボスの間、出雲に「御免!」された翁の御前が炎の中吐く呪詛は…仏語か西語かよく聞き取れなかったけどどっちにしても「ちっきしょー」の意、だよね。まさかパン粉焼きのお料理じゃないし。
2004/8/10

■ 斬り捨て御免!3 第21話「伊賀の女に明日はない」1982TX/歌舞伎座テレビ

 連判状に名を連ねた者たちが次々暗殺され、あろうことか自身に嫌疑がかかる中、出雲は組織の大元を叩くことを決意、上方へ向う。翁一味のくの一に惚れられて伊賀者の根城へと迫り、死闘を制したあといよいよ翁の御前のいる大坂へ。
 ロケ地、典医が暗殺される橋、中ノ島橋。連判状筆頭の若年寄・大木和泉守邸、相国寺林光院(門、中仕切戸)。小蝶姐さんが連れ込まれる蔵、不明。伊賀へ向うとっつぁんと与四郎、谷山林道。伊賀からす谷、保津峡落合(落下岩と書物岩にロープ、伝って入る設定)。上忍・服部道鬼邸、高山寺石水院門。伊賀入りのとっつぁんたち、イメージに上野城天守。楽翁の影目付・真木安臣の月瀬神社、不明(八木町あたりの宮に作りが酷似)
*大将が翁一味と闘う動機は第3シリーズ1話の傀儡女・朱実の死、というのが泣かせる。

■ 暴れん坊将軍 II 第93話「男一匹!喧嘩富士」1983-1987テレ朝/東映

 続いて甲府もの。家に居着かず無頼の日々を送り妻子を泣かせる男を改心させる上様のお話、これに絡んで二足草鞋と着服役人を成敗するが、尺の半分はめ組の珍道中に割かれていたり。男は先祖が武田家の釜焚きをしていたことから大の信玄びいきで、ヤクザが甲州金を盗ったことに怒り暴発、「風林火山」の旗指物を背に殴り込みをかける無茶をする。せっかくの大山勝巳起用なのに、頓馬な無頼設定なので殺陣はへろへろ。
 ロケ地、白糸の滝冨士浅間神社(ラス立ち)など。見送りも滝、上様主従が滝上で手を振って去ってゆく(山に分け入る訳でもないのにヘン)
2004/8/9

■ 斬り捨て御免!3 第20話「女ねずみが天井裏で鳴く」1982TX/歌舞伎座テレビ

 幕閣や有力者が名を連ねる翁への忠誠を誓った連判状、これを奪うのが今回の目的。一味がなんで西へ向うかなど細かいことは描かれないが、チェイスの面白さで一気に結末まで持ってゆく。奪うたんびに真っ白の巻物が笑える。タイトルの「女」は翁一味の寺へ盗みに入ってストーリーの端緒となるほか、出雲にまとわりつくピンク要員。
 ロケ地、連判状を持つ僧の下谷・行観寺、相国寺大光明寺(門の内外、境外での暗殺や見張りのシーンに鐘楼まわりの溝なども)。僧らを尾ける出雲、品川を出た山道、谷山林道(切り通し、峠)。出雲が駕籠かきにたばかられ入る脇道、保津峡落合崖道。駕籠が落とされる、落下岩。与四郎が追う一味の片割れがゆく浦賀道、琵琶湖西岸松原(漁村設定で魚籠あしらい)。戸塚からあと、東海道を西へ向う浄空に立ちはだかる出雲、山中の石段と坂、不明(勝持寺の裏参道によく似ている)。江戸へ取って返した了念と渡世人がアイコンタクトの野道、不明。出雲が渡世人を待ち受ける祠、大覚寺天神島。事後、小蝶のとこで飲もうと誘う大将からこそこそ逃げるとっつぁんと与四郎、護摩堂(一行が去ったあと女ねずみのお銀が出てくる)

■ 子連れ狼 第6話「雨の日に切腹を…!大五郎涙の別れ!」2004/8/9テレ朝/東映

 藩のため一揆を指導する娘婿を斬ってくれとの刺客依頼、しかしターゲットの浪人・原田善兵衛は身を捨てて百姓衆を守ろうとする潔い武士。依頼を果たさず事の経緯を見守る一刀、最後は腹に刀を突き立てた善兵衛を救うかたちで介錯の刀を振り下ろすことになる。この間、妻子を追憶する善兵衛と大五郎のひそやかな交流が描かれ泣かせる。
 ロケ地、高山藩領・塚田村の善兵衛宅、酵素民家セット。高山藩城、彦根城天守閣。善兵衛がお預けとなっている名主宅から帰る大五郎が雨宿り、大覚寺護摩堂。一刀を襲う鎖鎌の刺客、五社明神裏手。善兵衛の妻子の墓、鳥居本八幡宮竹林にセット。旅立つ父子がゆく野道、山室堤道か。
*大五郎が雨宿りの護摩堂、ハマり過ぎの美しい画。このあとには芋の葉っぱさして野をゆくシーンあり、これぞ大五郎というビジュアルで良し。

■ 水戸黄門33 第16話「娘を守った幽霊騒動」2004.8.9TBS/東映

 年貢を倍にし民を苦しめる出石の代官、穀物問屋と組み物資を横流しして私腹を肥やすのを懲らしめるお話。この代官色魔の一面もあり村娘に無体を強いるが、村人総出で幽霊騒ぎを仕立て娘を隠匿するくだりがどたばたと漫画チックに描かれる。
 ロケ地、村の情景の谷地田や池、生臭和尚の寺等不明。穀物問屋の荷車を追いかける助さんの走る街道も不明。

■ 暴れん坊将軍 II 第92話「天下を占う大姐御!」1983-1987テレ朝/東映

 舞台は甲府藩、苛政をしいて民を泣かす城代家老に憎悪集中、改革派の若侍たちは奸物と彼を狙うが、真のワルは別におり城代は藩を守るため汚名を甘受していたもの、裏には幕府転覆を狙う尾張の野望が隠されていた。
遠地ロケのほかキャストも豪華な一作、蔭腹を切って上様に藩の安泰を願う「実はいいヤツ」城代に天地茂、改革派が希望の星とするもホントは一番ワルい江戸家老に遠藤太津朗、謎の占い尼に淡谷のり子と派手。
 ロケ地、甲府入りした上様トリオが尼に呼び止められ困難な状況を示唆される農家、民家。改革派のアジトがある昇仙峡、本物。恵林寺、本物。事後、旅行く上様トリオが通る精進湖、本物。
*冒頭、城代に斬りかかった若侍を返り討ちにする家来の一人に福ちゃん、裃つけた侍姿。ラス立ちにも登場。加納じいの立ち回り「あちょおー」も見られる。
2004/8/8

■ 新選組! 第31話「江戸へ帰る」2004/8/8NHK

 「名士」近藤勇が江戸で男を上げ家庭の温かさに浸っている頃、京洛ではトシが鬼と化していた。「勝ちゃんに逆らった」ことの落し前をどうしてもつけたい「鬼副長」の急速な変貌に、ちょっと描き足りない感じもする山南との対立を、堺雅人の名演技とうまく処理された明里のエピソードで締める。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第17話「九丁堀危機一髪」1975-1976日テレ/東映

 榊夢之介の初手柄だった盗賊が、手の込んだ仕掛けで復讐をはかる。偽の「依頼」で白井宿まで引っ張り出される夢之介、同道の香具師たちがみんな仕込みという陰謀に危機一髪、しかし仁左衛門の示唆で鉄平たちが来ており切り抜ける。なんかあるのかな、と思ってた連れの芸者はただの被害者。
 ロケ地、九丁堀稲荷、広沢池東岸(水無)。街道筋、一部北嵯峨農道?あとは堤道らしきものと山道、不明。
2004/8/7

■ 決闘鍵屋の辻 荒木又右衛門 1982.5.14CX/東映

 大川橋蔵が又右衛門を演じた一作。前段は、身内に降りかかった不幸と無二の友への情に苦悩する又右衛門の内面が活写され、橋蔵の眉根は寄せられ憂愁に沈む。これが後段、禍根を断つため助太刀を決意してのちは舞台芝居のように空気が変わり、戦略を練るくだりや三十六人斬りの大立ち回りでは華やかに型を決めてみせる。これが、ディティールも作り込まれたドラマを飽きさせず一気に収斂させるよいリズムを作り出している。
 ロケ地、大和・郡山城、彦根城佐和口多門櫓を濠越しに望み天守にズームイン。藩主の御前で行われる又右衛門と河合甚左衛門の立会い、相国寺方丈(縁先、前庭)。城下、隣り合わせの又右衛門と甚左のお長屋、不明(腰板の塀、寺院建築とは些か趣を異にする造作、よくできたセットにも見える)岡山城、吉井川越しのショット、本物。渡辺邸、土塀から続きの簡素な山門、不明(幕府お耳役檜十三郎や喧嘩屋右近などでの使用例あり)。江戸城イメージ、姫路城天守。旗本・安藤邸、相国寺林光院(門、前庭、前路地使用、舅の横死を見て立ち尽くす又右衛門のバックには大通院の大屋根)。身柄交換のため連行される渡辺半左衛門の駕籠が渡る木橋、本梅川か。関宿へ入る半左の駕籠に駆け寄る甚左、丹波国分寺。郡山を出立する甚左を見送る荒木家の下女と甚左の下男、毘沙門堂勅使門下石段。退転罷りならんと駄々をこねる殿に真剣白刃取りを「伝授」の又右衛門、相国寺方丈。永の暇を乞うた又右衛門が見返る郡山城、彦根城天守。奈良の寺で又五郎一行のルートについて忖度する又右衛門たち、西明寺(山門、境内)。笠置街道をゆく又五郎一行、谷山林道。木津川沿いのシーンは沢ノ池汀。決戦の鍵屋の辻、摩気橋(南詰に茶店をセット、立ち回りに橋上ほか民家と摩気神社境内を使用)
2004/8/6

■ 名奉行遠山の金さん3 第7話「怪盗の顔を見た!」1990ANB/東映

 元岡っ引の頑固じじいが主役のお話、演ずるは若山富三郎、銀髪のちょん髷も風格。息子を殺した凶盗を引退後も追い続ける役どころで、孫娘に十手持ちを娶わせて仇討ちを継がせようと目論んだり、金さんを盗人と間違えて執拗に追い回したりする。金さんは常よりカルく、ひらひらと爺様をかわし町をゆく。
 ロケ地、御赦免船が着く浜、大覚寺大沢池北東畔に柵セット。帰還した房吉が元岡っ引の惣兵衛から走り去る道、放生池堤(途中に茶店セット、ここで金さんと惣兵衛ぶつかり)。房吉の死体上がる河原、嵐山公園中州下の汀(遠景に中ノ島橋、群集を配置)。賊とつるむ札差の寮へ向う金さん、道で一味の男たちを見る、広沢池東岸堤道。池之端井筒屋寮、不明。

■ 斬り捨て御免!3 第19話「白昼に散った女影目付」1982TX/歌舞伎座テレビ

 今回の企みは強力火薬。お話は幕府が英人から入手した製造法を記した本をめぐっての攻防、伊賀者が参入してくる。はじめ敵方と見えた女が実は楽翁さまの影目付で、出雲とべたべた。木の戸ばきばきに破って逃げる元気な姉ちゃんだが、翁方の怪僧にヤラれて哀れな最期を遂げる。
 ロケ地、名張の草がゆくつづら折れの峠道、不明。不気味な般若心経が聞こえてくる道、保津峡落合トンネル〜崖道。草は落下岩で襲われ崖下へ転落、河口巖頭で連絡鳩を飛ばし事切れる。釣りの大将と小蝶姐さんがのんびりの桟橋、広沢池東岸。お綱が出雲を駕籠で運ぶ道、相国寺方丈塀際。門は不明。江戸を発つお綱が翁方の怪僧に斬られる、木津川流れ橋
*お綱登場は凝っていて、食い詰めてのかっぱらいで番所に突き出されてくる。体をばりぼり掻いてるきったない女で、とっつぁんなんかボロクソに言う。これが、洗ってみるとイイ女という例のパターン。妙なアプローチは、女に豪腕の出雲を試してみたかったというピンク設定。事後小蝶姐さんが出雲を行水させるシーンでは、ヒヒ親父じみた「前も」発言…吉右衛門だからそんなヤラしくなくてハマってるけど。

■ 暴れん坊将軍 II 第91話「誰がワルやら閻魔やら!」1983-1987テレ朝/東映

 世直しを標榜する凶賊、次のターゲットを予告してゆき見張りを巧みにかわすという憎態。茶坊主あがりの易者が主宰し、町方に内通者がいる上、忠助の非を鳴らすうるさい大目付が黒幕だったり。この閻魔党と称する一団に、隠れ蓑として利用されてしまう人のいい浪人を親身になって助ける新さんの姿が描かれる。
 ロケ地、大目付らに責められ窮地に立つ忠助に辞職罷りならんと申し渡す上様、枳殻邸印月池畔。閻魔党が消えた大川端にいて刺客に遭う新さん、桂川か。閻魔党のアジトの真崎にある心形刀流道場、随心院長屋門。道場を売った大家の家、最近水戸黄門でも使ってる萱葺民家、不明。大目付・堀田備前守邸、随心院薬医門
2004/8/5

■ 名奉行遠山の金さん3 第6話「お婆ちゃんの隠し金を狙え!」1990ANB/東映

 サブタイはソフトだが犯行は凶悪、老婆の土地権利書を狙っての殺し。寺社方大検使が使嗾する事件、悪い口入屋と甲賀忍が目撃者の少女を追う。金さんは、無実の罪で獄死した父のことで激しく役人を憎んでいるこの娘の心を解きほぐし、悪党ばらから助けて一件落着。
 ロケ地、隠密回りの水木と内与力と三人で屋形船で密談、嵐峡(小雨、ユリカモメ映る)。行商中お昼を使う妙に話しかける金さん、松尾大社楼門下。ワル勢ぞろいして妙を囲む明神様、大覚寺五社明神
*水木新吾久々の登場、口入屋潜入の際の見極めテストで役人を斬れと迫られ、たまたま通りかかった見習いの楠くんを峰で叩いて堀落し。これで十手失くした楠くんは腹切りかけたり。

■ 斬り捨て御免!3 第18話「赤い人魚は死神の使い」1982TX/歌舞伎座テレビ

 蔵前の札差を抱きこみ、米価下落を理由に金利上げで借金旗本たちをがんじがらめが今回の企み。札差に調査を入れようとした北町奉行なんか、一発で消されてしまう。ここからは怪しく騒がしい展開、一味を尾けていると誘い込まれる見世物小屋は刺客のアジト。人魚の誘惑に乗ってみる出雲、よろしくやってる屋形船を爆破されるも女の示唆で助かったり。このあと番所衆三人はそれぞれに強敵と死闘を繰り広げ、辛うじて勝つ。
 ロケ地、人魚といちゃつく屋形船、広沢池東岸。一味の札差が粛清される林、下鴨神社糺の森馬場〜河合社塀際。小蝶姐さんが一味の密談を聞く料亭、嵐山公園・錦
*見世物小屋の凄腕の唐人・一官に福本先生。姓はクレジットされていないが唐か陶か當か。出番多く、いろんな武器を使いハイジャンプもあり。出雲との死闘は長い尺をとって描かれ圧巻。殺陣は迫力ありとってもカッコいいのに台詞は「ワタシ日本コトバよクわかラナイ」「イノチみょうナやつ」…。

■ 新必殺仕事人 第25話「主水猫を逮捕する」1981.11.6ABC/松竹

 旗本のどら息子を護衛につけ町で無体をはたらくヤクザの息子、娘にからんで待合に連れ込むが、血相変えて追って来た親父と揉み合いになり、落ちてきた置物が頭にあたり頓死。親父は捕縛されるが、引退間近な奉行の英断で真犯人は置物とされ無罪放免、これは瓦版にも書かれ評判をとる。もちろん必殺だから、このままメデタシのどっとはらいとは行かず、奉行は暗殺され、娘もくっついていた若手同心も消されてしまい、闇の殺し屋の出番となる。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。神社で焚き火をして神官に乱暴する馬鹿息子ととりまき、松尾大社(楼門越しに舞殿)。父が捕縛され沈む娘を励ます若手同心、大沢池畔。引退した奉行が釣り、放生池堤(カイツブリの潜く姿をインサート)。場所を変える、船着(小)、ここで射殺される。
*置物というのが圧死できそうな巨大な招き猫(白)。主水はこれを捕えに出動し括ってお持ち帰り、町衆の失笑を買う。奉行、これを大真面目にお白州に引き据え、犯人として裁き、三宅島遠島を申し付ける。巨大猫の後姿がなかなか可愛らしい。お奉行は犬塚弘が演じる。

■ 暴れん坊将軍 II 第90話「春に出初めの木遣り唄!」1983-1987テレ朝/東映

 定火消しと町火消しの対立ばなし。常々町火消しを目の仇にする偉そうな旗本は、裏で材木商とつるんでおり、放火までやらかしていた。彼らを追及し懲らしめるお話に、も組の御家庭の事情がからみ、無事出初め式が執り行われてメデタシ。
 ロケ地、火消しの喧嘩について聞く弓の上様、姫路城西の丸(天守バック、後段庭番の報告を受けるくだりではぞろぞろと東塀際を歩く)。も組の頭が娘の「火事芸者」と放火は息子ではと話す橋、中ノ島橋。芸者が新さんに事情を話す茶店、中州舳先にセット。その弟に説教する新さんのシーンでも同所が使われ、円窓越しのショットもあり。いずれも桂川の瀬が背景となる。も組に内通者ありと芸者に告げる新さん、中ノ島橋たもと。
*ラス立ち前、新さんが乗り込む前に、旗本が手下に詰腹を切らせようとして抗われ、主従で斬りあっていて笑える。ラス立ちは福ちゃん入り、せわしく動き回り三回ほど上様と刃をあわせる。

■ 必殺仕事人V 第4話「主水家をしめ出される」1985.2.1ABC/松竹

 美しい小悪魔に手をつけてしまった中年同心の破滅を描く。破戒僧とグルになって要求をエスカレートさせるズベ公、もう絞れぬと判った途端使い込みをお上に差す悪辣さ。しかし残された娘が身を売って仕事料を工面、小悪魔は大金を積んでも欲しかった「お気に入り」の竜に始末されることになる。
 ロケ地、ズベ公同士の諍いで剥かれそうになっているお直を助ける竜、大覚寺五社明神〜大沢池畔。
*お直に唆され恐喝の片棒を担ぐ占い師に花紀京、ご託宣の主水の前世は大岡越前守。
2004/8/4

■ 名奉行遠山の金さん3 第5話「金さん富くじに当たる」1990ANB/東映

 富籤不正もの。偽の当たり籤を偽造して不正を告発しようとする娘、彼女の父は半年前当たり籤を換金しに行って消されていた。なんとか事情を聞きだそうとする金さんを「お役人?」と問う娘のくだりや、楠同心を焚きつけて動かすくだりなどがルーティンのお話のなかで面白い見せ場となる。
 ロケ地、富籤突きが行われる湯島天神、今宮神社境内各所(富突きは舞殿)。告発娘に話を聞く金さん、大覚寺天神島。北町を頼ろうと決心した娘が版木を持って出かける早暁の道、有栖川畔。金元の手下に拉致される、放生池堤

■ 長七郎江戸日記2 第38話「天女が舞った夜」1989.1.17NTV/東映

 阿片騒動に新入りの利助が巻き込まれるお話。はじめ夢楽堂のみんなを信じない彼だが、身を捨てて庇ってくれたおれんに感激「一生勤めます」。
利助は前に勤めた絵草紙屋がらみで殺人者に誤認され追われる身となるが、利助を居辛くさせた嫌味な男が顧客を阿片漬けにしていた件がチームの奔走で明らかとなり、黒幕の船手頭ともども長七郎ぎみの双剣の露と消える。
 ロケ地、北町奉行所、大覚寺明智門。宅兵衛さんが一味とグルの同心に突っかかり抜き合わせる、参道石橋。同心が落としていった薬包が阿片と確認の茶店、五社明神にセット(背後に心経宝塔)。証拠を握る女に入墨が無かったことを話す利助と鉄舟、放生池堤
*タイトルの天女は利助が好きな絵柄、この入墨をした女で足を止めさせその隙に座敷で殺しという段取り。辰から利助の居所を聞き出しチクるお銀、長七郎の仲間を消す算段。

■ 斬り捨て御免!3 第17話「湯殿で襲われた女賭博師」1982TX/歌舞伎座テレビ

 懲りない翁一味の企み、今回は博打。堂島の贅六を仕立てて蔵前の旦那衆を引っ掛け、イカサマ骰子で大金を毟り取る計画は出雲に見透かされ敢無く失敗。しかし贅六を操っていた一味の男は、土壇場で出雲に味方した女壺振りに復讐して去ってゆく。
 ロケ地、イカサマの件で行徳一家に追われる女博打打ち・お時を救う大将、木津川流れ橋。大勝負を終え葛飾の大楼から出てくる大黒屋、広沢池東岸(船上のシーンで北畔の民家も映り込み)。大黒屋向島寮、中山邸通用門。出雲が仕掛けた再度の勝負が行われる駒込の船宿、大覚寺望雲亭。ラスト、骰子を川に放る出雲、流れ橋
*今回もモテモテ大将、危機を脱したあと女賭博師と出合茶屋でしっぽり。しかし湯殿で女が暗殺されるという、後味わるい結末に。

■ 暴れん坊将軍 II 第89話「八丁堀師走の恋唄」1983-1987テレ朝/東映

 大奥年寄と組んで禁制品を流通させる呉服商、尻尾を掴んでねちっこく迫る町方を黙らせるのに家族を狙う。剛直な南町同心は悪に屈服するを肯んぜず危地に陥るが、町場を歩き回ってる上様には全てバレており、ワルどもにはまとめて成敗の断。小姓頭と恋仲になっている同心の娘の、出生にまつわる哀話が横糸となる。
 ロケ地、小姓頭と同心の娘がデート、上賀茂神社御所舎前。忠助が松岡同心に無理をするなと声をかける、大覚寺参道石橋。脅迫状を川に捨て呉服商に呼び出された寮へ赴く娘の実母、ならの小川畔。芝神明の歳の市、今宮神社境内。
*今回ラス立ち前の「ああっ上様」は無し。*後島屋に河合伸旺、大奥年寄に三島ゆり子でふっくら悪役コンビ。

■ 新必殺仕事人 第24話「主水泣いて減食する」1981.10.30ABC/松竹

 粗暴な若様に殺された御狩場足軽の娘は、「愚かな世継ぎを廃し賢明な弟ぎみを」と若君を暗殺する企ての藩士たちに協力することで意思を果たそうとする。それが言葉通りのことでなくただの権力闘争と知っていて目的のために耐える娘、猫の皮剥きをして彼らを養い、慰み者になってまで健気に尽くす。しかしやはり危惧された通りの結末、娘の孕んだ子ごと引き受けようとした同じ足軽の男とともに消され、娘は最後の息で「仕事」を頼んで果てるのだった。
*仇討ち娘・おくみと三味線屋は猫の皮つながり、若君の吉原通いの道筋ゆえ三味線屋が暗殺の拠点に選ばれてしまうこともあり、おりくは深い事情を知る。身籠った体は我が身ひとつのものでないと諭すおりくの母性が泣かせる。
 ロケ地、暗殺チームの高松藩馬廻役たちのアジト、広沢池東岸(小屋のシーンはセット)

■ 必殺仕事人V 第3話「加代、ゴリムリンを売る」1985.1.25ABC/松竹

 放映当時、一世を風靡した玩具・ルービックキューブを小道具に使った一作。
時事を採り入れた一見ふざけた作りのお話だが、主軸は生き別れた娘を一心に求める余命幾許も無い父の哀話。「五里霧林」が評判になれば娘の目にもとまる筈と念じた思いは通じ涙の再会を果たすも、過去に経緯あったワルとのしがらみは断てず父子ともども虫けらのように消されてしまう結果となる。
 ロケ地、ゴリムリン販売を持ちかけられる加代、桂川松尾橋付近か。最後のゴリムリン入荷に関するツナギを受ける加代、北野天満宮本殿裏手。
*この作の見どころは戸浦六宏演じる「飛騨の匠」のアジトの造形、大っきな歯車が組み合わされたからくり部屋。今一つは鳴門屋が雇う用心棒の先生・格之進を演じる福本清三。政と対決となり花の枝でぐっさり刺され、灯籠にもたれてことんと事切れる。

■ 必殺仕切人 第4話「もしも狼男が現れたら」1984.9.21ABC/松竹

 どこの何を参考にしたか不明の「狼男」を仕立てて世を攪乱し、邪魔な目付を葬ろうと画策する勘定奉行。シェパードを暗殺犬に訓練し人をさらってきて実験台にする大ワルは、その昔あらぬ罪を着せて処断した侍の遺児をも再び毒牙にかける。
 ロケ地、無実の罪で切腹となった父が逃がした子らがゆく山道、保津峡落合崖道。兄が転落し以降生き別れとなってしまう崖、落下岩。お国が店を出す宮、北野天満宮参道鳥居下。
2004/8/3

■ 名奉行遠山の金さん3 第4話「謎の千両!二つの顔の真犯人」1990ANB/東映

 いきなり押し入った賊に斬られる田口計、あれあれと思ってるとやっぱりの展開。欲深の大ワルどもと、地道に生きる健気な若者たちを対比させる人情話。
 ロケ地、小伝馬町牢屋敷(百叩きの男をスカウト)大覚寺明智門。手下の賊を斬った浪人を追う金さん、大沢池北畔(浪人は船で池上)。掛取りの金を奪ったチンピラ三人組に向かってゆき再びボコられる安吉、広沢池東岸(お紺が草履持って介入)。後段、お波とともに拉致されるのは東岸の夕景。
*田口計の妾の兄がスカウト浪人、宮口二郎でけっこう凶悪。福ちゃん、賭場で金さんに金返してやれと迫られる役で登場。*北町の若手同心、だんだんお話にからんでくる。今回は清新な正義漢を演じる。

■ 斬り捨て御免!3 第16話「狙われた姫 魔界の女呪術師」1982TX/歌舞伎座テレビ

 今回の企みは、大奥入りして女たちの教授方をつとめる公家の姫を使っての大奥支配。江戸下向中の行列を襲い、あろうことか姫に暗示をかけて出雲を殺させようとはかる翁の「巫女」、電波飛ばしまくりの心理攻撃は遂には破られ「御免!」真っ向割りをかまされる次第に。
 ロケ地、中山道をゆく房子姫の一行、谷山林道。出雲に裾を持たせて小用を足す姫、広沢池東岸。とっつぁんと与四郎が旅の一座を助ける道、「おねむの祠」がある地道、不明。くの一襲撃の「鶴の湯」露天風呂は清滝か。姫を連れて蕨宿手前の無住の寺に泊まる大将、丹波国分寺。姫を送り届けるお城、天守は姫路城、キスされる玄関(唐門)は不明。
*今回、姫とよろしくやっちゃう大将のほか、番所衆二人も色香に迷うピンク設定。しかしとっつぁんと与四郎にはおいしいとこまるでなし、温泉で襲ってくるのはくの一集団だったり(でもコスチュームはヤラしい)。*巫女と対決の出雲、今回は正体を現して果てる巫女、斬られて「変化」。

■ 暴れん坊将軍 II 第88話「お上に怨みの逃がし屋稼業!」1983-1987テレ朝/東映

 無実の罪で夫を八丈へ送られた女は、以来お上を怨み罪人を落とす稼業に足を踏み入れる。女の娘は何も知らず同心と恋に落ち、ここから彼女の悪行も悲しい過去も知られる運びに。
 ロケ地、南町同心・久米が笹屋の娘とデート中新さんとばったり、今宮神社境内。新さんが二人を誘う鰻屋、嵐山公園・錦。笹屋の裏から罪人を運び出す、中州水路から中ノ島橋を船でくぐる。笹屋の女将の所行を久米に告げる新さん、今宮神社高倉脇坂。無実と判明し八丈から帰るも、現地で女房を娶っていた女将の亭主が江戸を去る道、嵐山自転車道(両側からの撮り)。久米と娘がお参りの神社、今宮神社稲荷社

■ 必殺仕事人V 第2話「主水、混浴する」1985.1.18ABC/松竹

 入った先に火をかけてゆく凶盗が頻発、温泉宿を営む夫婦が客に麻薬を飲ませ手下として使うという無茶な設定。政が出入りの呉服屋の娘が引っ掛かり、寸前で覚醒するも親子して賊の手にかかってしまう。恨みは、彼らが事切れる際に政に託される。
 ロケ地、八王子近くの椿坂温泉、日吉山荘
*温泉宿を調べるのに竜が女装、このために前段芝居の助っ人をするエピソードが設けられている。演目は弁天小僧菊之助、幼時父によく連れて行かれたからと台詞をすらすら。温泉には老人会でせんも行っているが、もちろん目をつけられることは無し。タイトルはせんの留守中家の風呂に二人で入ってる主水夫婦。
2004/8/2

■ 名奉行遠山の金さん3 第3話「謎の美人幽霊」1990ANB/東映

 油問屋と金貸しが幽霊に取り殺される、という導入ではじまるお話。もちろん柳の下に出るのは本物ではなく、十年前殺された宿の夫婦の怨みを晴らそうとする祖父と孫娘のお芝居。残ったちんぴら仲間の口入屋と旗本を狙う段で祖父は返り討ちに遭い、金さんは娘を救済する方向で動く。じいさんの殺しの手口は、毒を塗ったおもちゃの蝶を飛ばすもので派手。しかし老爺が花沢徳衛で、暗殺者にはちっとも似合わないのだった。
 ロケ地、金さんが蝶々売りの祖父と孫を見る縁日、北野天満宮本殿裏手。桜湯から姿を消したお袖が仕事にやって来る神社、大覚寺五社明神。祖父の死体が上がる水辺、放生池堤

■ 斬り捨て御免!3 第15話「命の綱渡り 決心の十手持ち女房」1982TX/歌舞伎座テレビ

 今回の悪企みは贋金流通→市中混乱。たまたまとっつぁんたちが行き会った運び屋の女が勘兵衛の女房そっくりで、潜入の運びに。金座の帰りに出雲が狙撃され行方不明、しかし最後に地下工房で危機一髪の番士たちを助けに斬り込みでラス立ち。
 ロケ地、運び屋のおみのが与四郎に追われ飛び込む水辺の道、大覚寺放生池堤。金座奉行役宅(?)明智門。金座からの帰り、出雲が撃たれ落ちる橋、中ノ島橋。潜入のおきんが船に乗せられる、大沢池船着(小)。連絡場所のお堂、護摩堂。地下に贋金工房がある谷中・光明院、不明(山門と塀を使用)。*尼寺とお堂は地下でつながってる設定、出雲は抜け穴を通って現れ金座奉行をハイジャンプでごぉめぇぇん斬り。

■ 子連れ狼 第5話「仇討ちの男と女!愛と偽りの逃避行!!」2004/8/2テレ朝/東映

 「匹夫姦婦」の回、舞台は石見。気強く権高な仇持ち女に従者のごとく接する男は、果たして心に彼女への愛を秘めていた。彼らを翻弄するかたちで真の刺客依頼を果たす一刀、仇と追われる誠実な男には誠心をもって返し、「匹夫姦婦」には新たな人生を示唆し去ってゆく。
 ロケ地、江の川上部の山道と谷川、不明。飯屋の主である「仇」馬渕が一刀を自分への刺客と誤解し立ちはだかる町はずれ、大覚寺有栖川畔。大五郎を拉致した賞金稼ぎと立ち回り、五社明神裏手。千賀に騙されたふうを装い、代官を始末するくだりの山道と小川、不明。仇討ちの代わりにと一刀を狙う千賀のくだりの河原、桂川八木ノ島付近か。二人して刀を「奉納」し立ち去る千賀と軽部、大覚寺天神島の祠。

■ 暴れん坊将軍 II 第87話「粋な合羽の似合う奴!」1983-1987テレ朝/東映

 野駆けのおり刺客に襲われた男を助けた上様、船大工の父が殺されてと事情を聞き、忠助に聞いていた御用船入札談合の件にピンと思い当たってとった行動は彼になりすますこと。幼い頃に別れたままの妹は誤魔化せても、乳母には思い切り怪しまれたりして傑作。男の脚の古傷まで見てて偽装する芸の細かい上様、ぴろんと裾まくってほれほれと傷跡見せたり。そして菅貫演じる悪い船大工の企みを暴き、黒幕の船手頭と若年寄を成敗。「妹」とその恋人の危機に侍のカッコで駆けつけるはいいが、テキトーに誤魔化してそのまま消えちゃうへんは上様らしい大らかさ。
 ロケ地、小田原から江戸に向う途中襲われる清吉、日吉大社白山宮(水を飲ませてやる設定の滝は石段脇の水路落水)。新さんが清吉として町を行くや襲い来る刺客、大覚寺五社明神。兄を探しめ組を出た妹・お絹と恋人の彦松が拉致される橋、日吉大社走井橋。事後、町人の服は軽くて良かったと言いじいに怒られる上様、枳殻邸印月池畔。

■ 必殺仕事人V 第1話「主水、脅迫される」1985.1.11ABC/松竹

 VIとVの間にオンエアされたスペシャルの「大利根ウエスタン月夜」で加入を果たした竜と政については説明なく進行、いまこれのみ見ると唐突。
 世直し粥を催し貧民救済にあたる旗本の若様たち、活動は福祉にとどまらず乱暴なテロを企てていた。活動資金を得るため奉行所の金を奪う計画を立て、主水を引きずり込もうと画策する過程で、冷血の坊ちゃんたちは哀れな孤児たちを爆殺するに至る。この恨みは主水に託され、疑義をはさんでいた竜と政も結局は参加するのだった。
 ロケ地、妙な脅迫文のことでおりくと話す主水、回想の竜と政が一回きりと金を受け取るシーン、木津川流れ橋。角兵衛獅子の「弟妹」を連れ出勤途中のお光が「奉行所への仇討ち」の件を念押し、大覚寺護摩堂(裏手からのショット)。世直し粥の井出文之進がお光に理想をブッたあと脅迫の一件に乗せろと切り出す、放生池堤。お光と坊ちゃんたちが主水を囲む神社、今宮神社高倉(うしろに稲荷社)。南町から御金蔵へ運ばれる「罰金」を狙う若様たちが仕事人と対決の段は相国寺を多用(加代と順ちゃん出陣は渡廊、背景に庫裏。警護の番士に目礼しつつゆく主水、大光明寺南塀。田中さまが金を運んで入る、大通院。坊ちゃんたちが主水に火薬をとられて形勢逆転は鐘楼まわり。主水を狙う銃をエレキテルで引っ掛ける順ちゃんは開山塔庭園の塀の上)。逃げる加代と順ちゃん、大覚寺大沢池木戸。これに仕掛ける政、有栖川(石橋から河床に飛び降り、溢水口で椿の枝をぐっさり)。竜の仕掛けは下鴨神社糺の森。おりくが現れる、河合社裏手。主水が文之進を殺る(瞬時に相手の脇差を抜いて刺す)相国寺大光明寺南塀通用門前。
*田中さま、ガキにさらわれて鶏小屋に監禁。

■ 水戸黄門33 第15話「暗雲晴らした鳥取城」2004.8.2TBS/東映

 今回の旅の「目標」、鳥取に到着。もうのっけからワルモノの影、茶店地獄みたいな刺客団出て炎上爆発ではじまる派手な一話。招かれたお城では藩主が妙におどおど、怪商・西海屋の魔手は中枢に伸びているのだった。
 ロケ地、茶店炎上は桂河原か。藩主が籠り怪しの異国人も出入りする海辺の別宅、二尊院紅葉の馬場と勅使門。姫の療養地へ向う助が襲われる野道、大覚寺大沢池畔〜堤。三朝温泉へ通じる橋、西明寺参道・指月橋。姫が滞在の別宅、最近よく使われる萱葺民家、不明。町娘になりを作った姫と従者、助が城下を目指す道、大沢池堤。藩主が監禁されている池田家菩提寺・興禅寺、西寿寺(本堂、墓地側崖)。出立の一行がゆく道(千太が更生させたお松の茶店がある)山室堤道。★鳥取砂丘因幡東照宮(樗谿神社)は本物、イメージ使用で役者は映っていない。
*ラス立ち福ちゃん入り、一般藩士。助格にそれぞれ一発ずつ。*今回の印籠出しは騒がしく、助格は片手で刀を振り回しつつ「鎮まれぃ」とやる。ざわざわしててなかなか鎮まらないし。だいたい最初っからご老公って判ってる向き、いっぱいいたのでは…ま、いっか。信楽焼のタヌキの一件も突っ込むほどではないし。
2004/8/1

■ 新選組! 第30話「永倉新八、反乱」2004/8/1NHK

 いよいよ本格的に内紛ばなし始まる。煮詰まってかっかきてる永倉に、不用意なひとことを漏らし事を大きくする土方、山南にはもうあからさまに敵意持った目でぎろり。近藤が頭を下げたことに体育会系の永倉らが「感動」して今回の騒ぎには決着がつくが、トシに関するフォローは誰も聞いてなさそう。
*「発句」登場、よりにもよって「ハタキ」の一句で笑える。ぎこちない手つきで三味弾いてるし。しかし副長、編成の草案と一緒くたに書いてるわけでなかなか大雑把…まさか「いつか殺す」リストなんかも入ってるんじゃ…おお怖。老人患者に化けた山崎監察や「スパイ」斎藤の使い方もなかなか良し。容保さまの「これにて一件落着」は抱腹もの。さりげなく左之が「土方」と呼び捨ててるのは要マーク。*黒谷玄関は相変わらず使いまわし、大河はロケ地おいしくない。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第16話「娘のいのり」1975-1976日テレ/東映

 逃走中、目撃者の老婆を無慈悲に殺した賊がターゲット。この男、逃げ込んだ先の長屋で、父の帰りを待つ娘の寂しい心情につけこみ騙したばかりか、娘の家に盗んだ金を隠そうと画策し彼女を消そうとしていた。賊どもは事実を掴んだ夢之介たちにさくっと成敗され、騙された娘の気持ちを思いやって労わるくだりに長い尺がとられる。
 ロケ地、おみよを茶店に呼び出し匿っている男のことを聞く夢之介、長岡天神・錦水亭の見える池畔。匿った「佐吉」と浅草奥山に出かけるおみよ、今宮神社楼門〜高倉(見世物小屋がしつらえてある)。佐吉に頼まれた文を水に落としてしまうおみよ、神泉苑法成橋たもと。
*見世物小屋ではろくろっ首がかかっている。おみよをこれに誘っていた菊造さんが可愛い。
←2004/72004/9→

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪目次テキスト ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ