時代劇拝見日記 2005年2月

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2005/2/28

■ 江戸を斬るV 第9話「父の無念を息子が晴らす」1980.4.14C.A.L

 堅太郎が聞いてきた役人を揶揄する川柳からはじまるお話、綱紀粛正と張り切る石橋のダンナは北町与力と悪徳商人の罠にはまり謹慎処分に。堅太郎と「金公」の内偵で与力たちの後ろ暗さを確信したダンナは、勇を振るって悪に立ち向かう。
 ロケ地、堅太郎し金公が見張る備前屋の蔵がある新堀端、嵐山公園中州汀と湛水域。侵入して見つかった堅太郎を抱えて走る金公は中ノ島橋

■ 八丁堀の七人6 第7話「火傷顔の男!生きていた反逆者!?」2005.2.28ABC/東映

 反乱の果て死んだとされた大塩平八郎が、江戸で生きているという話が出る。ひょっとして大塩?という謎めいた浪人なども現れるが、大塩現るの噂は彼の叛逆の原因を作り死に追いやった大坂西町奉行が、私腹肥やしに名を利用した卑劣な行為だった。
 ロケ地、堀伊賀守邸、大覚寺大門。江藤六平太がハチに大塩を密告した西町同心であると明かす河原、桂川罧原堰堤下・右岸汀。押し込み強盗で得た八千両を米俵に隠し浅草御蔵を出る仙波屋、大覚寺明智門(蔵がのぞく)参道石橋。荷を運ぶ一行の前に北町の出役、上賀茂神社ならの小川畔。事後、父に謝る市之丞、上御霊神社南門と舞殿間の石畳(ハチも犬の数馬連れて登場)
*具体的な歴史事件が出て時代設定が明らかに。また、青山さま大塩の友達と判明。*大塩密告の同心に嶋田久作、おやいちゃんの父かも話は余計な気が。*ホントは堀が探りを入れるためやらせている陽明学の塾、市之丞の隣に福ちゃん。マジの塾生ではなく、あとで仙波屋の蔵から逃げた江藤を追う用心棒として出てくる。よく見ると市之丞たちが火盗改に連行されるくだりでは大工、変装している設定なのか通行人兼用なのかは不明。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第5話「汚された花嫁たち」1997-1998テレ朝/東映

 父と縁の薄かった幼い忠相を守り育ててくれた中間・吉兵衛との再会は、悲しい別れへと続いていた。賭場の借金をタテに脅された吉兵衛は、凶盗の手先と成り果て情報係として働かされており、このことは賊とつるむ奈良奉行に利用され、一時忠相が窮地に陥る場面も。
 ロケ地、忠相の幼時の回想、大岡邸門前で不行跡を咎められ打擲される吉兵衛、妙心寺隣華院門。吉兵衛の回想、幼い忠相と二人遠州への道中風景、流れ橋(見上げ)。明徳館、相国寺大光明寺門。凶賊・お役者菊之助が奈良奉行に吉兵衛と忠相の関係を告げる、仁和寺観音堂脇。吉兵衛の怪しげな交友関係についてあやめの報告を受ける新さん、粟生光明寺石段見上げの本堂をバックに。吉兵衛の回想、大岡邸を放逐されるシーン、妙心寺隣華院前庭。忠相との旅の回想に木津川川中(おぶって渡渉)。吉兵衛をネタに上野山下の弥勒寺に誘い出される忠相、討ち込みのシーンは粟生光明寺紅葉道と薬医門。吉兵衛を追う南町の人数、本堂裏石垣際、回廊。凶賊・血桜組の後ろ盾は奈良奉行と報告の庭番、仁和寺観音堂(遠景に鐘楼の赤がのぞく)。捕まえた吉兵衛を始末しにくる奈良奉行、九所明神。忠相が吉兵衛を看取る、経蔵付近の林間。奈良奉行・仙石邸、相国寺大光明寺(南塀越し)
*千鶴先生の紫頭巾はなしだけど、横死した生徒の仇討ちに、狙われた商家の花嫁に偽装して晴れ着姿で立ち回りのお転婆はやらかす。赤子をあやす吉兵衛見てうるうる場面などもあり。*賭場の中盆、ラス立ちの家士に福ちゃん。

■ 大奥 第2話「生みの母 育ての母」1983-1984関テレ/東映

 大御所は死の寸前、お江与を駿府に呼び寄せ、大奥の意義が徳川百年の計と合致することを確認し許可を与える。お話は、お江与が竹千代後継を認める段まで。この間、大奥役職の整備や、保科正之誕生の経緯、千姫をめぐる坂崎出羽守の騒動などの挿話が入る。
 ロケ地、大御所に呼ばれ駿府へ発つお江与、姫路城りの門。竹千代と国千代の喧嘩に際し、我を張る竹千代を将器と持て囃すお福、枳殻邸印月池畔。大奥へ乱入した坂崎出羽守がつまみ出される門、姫路城ろの門。お清の間から伝通丸を持ち出した竹千代がえいえいと刀を振り回す庭、枳殻邸侵雪橋たもと〜遣水脇。

■ 水戸黄門34 第8話「荒くれ旅籠に咲いた花」2005.2.28TBS/東映

 花巻のうらぶれた木賃宿の主は食い詰め者の食客を養う男伊達。追われて行き倒れたワケあり娘を匿うが、その娘は奇縁によって導かれた彼の実の娘なのだった。
 ロケ地、花巻入りの一行が喧嘩に巻き込まれる縁日、毘沙門堂仁王門(内側)〜本堂前。木賃宿・しのぎやに保護された翌朝、抜け出して追っ手にからまれるおはな、本堂脇塀際。おはなの回想、屋敷が襲われ父の安否も判らぬまま託された書状を持って彷徨う山道で、水音に誘われ行き着く谷川、旧安祥寺川上流部砂防堰堤下(山科聖天下付近)。木賃宿のあるじ・銀平の回想、汚職を追及した挙句陥穽におち盛岡藩を追放になったあと、許婚者と道行きも追っ手かかり引き離される、大覚寺大沢池堤。ラス立ち・一行出立も同所。
*元盛岡藩士だった銀平に目黒祐樹、彼の営む木賃宿に巣食う四人組もいい味。*冒頭、おはな探索のあおりを食ってお嬢様の道中手形を取り上げられオロオロの「老僕」に福ちゃん、「じい」なんて呼ばれてる。つくりは老爺なんだけど、姿勢良すぎてどうかすると敵方の忍でも通りそう。
2005/2/27

■ 必殺からくり人富嶽百景殺し旅 第3話「駿州片倉茶園ノ不二」1978.9.8ABC/松竹

 自藩の茶を将軍家飲料にとの茶頭・千阿弥の口約束に振り回される小島藩、家老は娘を差し出してまで千阿弥の歓心を得ようとするが、約束が果たされないばかりか事態は最悪の方向へ転がってゆく。
 ロケ地、唐十郎を待つ一座、流れ橋(荷車は橋上、お艶は橋下で涼む)。絵にあった「片倉」のことを聞き込む街道筋、北嵯峨農地・竹林脇。お茶壺道中がゆく道、木津堤。お茶壺道中一行が入る小島藩本陣、大覚寺大門(藩主が挨拶に出るのは式台玄関)。釣りの唐十郎が領民に聞き込み、広沢池東岸。お堂で休む一座、大覚寺護摩堂(お艶は縁先に腰掛け。あとで若侍たちがやってくるのは石仏脇から)。家老の娘・琴路の墓、くろ谷墓地。寂しく興行の八木節、大覚寺護摩堂裏手(家老が見に来る)。若侍たちが家老に話があると詰め寄る橋、大覚寺勅使門橋。琴路の姉が仇討ちに行って斬られる片倉屋の寮(千阿弥滞在中)民家長屋門。小島藩を発ったお茶壺道中に仕掛けるチーム、保津峡落合をフル活用。落石で足止めして宇蔵が別の道へ導くのは崖上の道。天領の、ここから先は田中藩と示す道は落合トンネル(上方のアールは映さず、お艶の殺しはシルエット)。宇蔵が茶壺を投げ捨てる先は河口付近。茶壺を岩に置き待ち構える唐十郎は保津峡川中の巌上。宇蔵の殺しは酵素ダートか。旅立つ一座、木津堤
2005/2/26

■ 白獅子仮面 第12話「怪人ヨロイ武者」1973日テレ

 今度のは鎧武者、豊臣の亡霊で大魔王が悪魔の力を与える。かなり手強く、突き殺しても復活。ヘッドの騎馬武者なんか、兜を遠隔操作して厄介このうえない(この間本体は首無しで動いてて笑える)。最後は変身した兵馬と騎馬戦、倒すと爆発し、炎の中に五三の桐の幔幕がちらっとのぞく。
 ロケ地、悲鳴に駆けつける田所たちに助力を申し出る柳生道場の弟子たち、相国寺方丈西塀際。駆けつけた兵馬と戦う鎧武者、湯屋前。柳生道場、大光明寺(門、庭、方丈)。柳生が鎧武者に散々にやられた件の瓦版を売る男、鐘楼基壇。大岡邸、林光院。鎧武者たちと兵馬が戦う荒野や「底無し沼」、不明。
*鎧くんたちははじめ二人登場、ヘッドは柳生道場に飾ってあった鎧が手下の呼びかけに応じ発動する。…トヨトミゆかりなのになんで将軍家指南役の床の間に。鹵獲品か。

■ 白獅子仮面 第13話「輝け!白獅子の星」1973日テレ

 白獅子仮面にやられた手下の死屍累々を前によくもよくもとブチ切れ大魔王、魔力でもって全て復活させる(…最初から全員でかかれよ)。唐傘から狼男から三ッ目入道から河童まで復活し、放火殺人の雨嵐。しまいに越前がさらわれ、大魔王のアジトに持っていかれてしまう。この際重傷を負った兵馬だが、目覚めるやよろばい出て大岡邸門外で「獅子吼!」、血の池地獄に落とされかけていた越前を救い出し、遂に大魔王自身と最後の戦いを繰り広げる。
 ロケ地、妖怪なんか束になって出て来いと軽口を叩く田所たちのもとにきっちり総出で現れる怪人たち、中ノ島橋。大岡邸、相国寺林光院。河原や崩壊地形っぽい谷、不明。
*大魔王のもとへ通じる「道」、次元ホールっていうか地獄通路っていうか、シューターみたいなビジュアル。兵馬の「お星さま」アニメが、かーなり荒っぽくて傑作。

■ 月影兵庫あばれ旅 第13話「決闘・無明ヶ原」1989/10-12TX

 最終話の舞台は江戸、いよいよ煮詰まってきた伊豆と備前守の対立は、兵庫と幻一角の代理戦争で幕を閉じる。この間、身を投げ出して一角の手を治してやるおしまの哀話や、桔梗をめぐる兵庫と伊豆の嫡男の三角関係などのドラマが絡んでくる。
 ロケ地、松平伊豆守邸、大覚寺大門。安がおしまの借金の事情を見る、大覚寺放生池堤に茶店セット、立ち聞きのくだりに護摩堂。このことを伊豆邸にいる兵庫に報告の安、枳殻邸印月池畔。伊豆の嫡男である従兄弟の気持ちを知った兵庫が、桔梗に妻になってやれと話す、侵雪橋上。従兄弟の死を見た兵庫が乱入する備前守邸、相国寺大光明寺(前庭、中仕切)。一角と決戦の無明ヶ原、不明(砕石場跡っぽい)。一角の遺骨を抱いて安曇野へ旅立つおしまを見送る兵庫、青蓮院西塀際。
*伊豆の養子話を蹴って再び旅に出る兵庫、今度は一人旅と気取るが、街道では安と桔梗が待ち構えている。

■ 新三匹の侍 第1話「男が男が抜いた時」1970.7.6フジ/松竹

 銀山に、それぞれの事情を抱えて「三匹の侍」が集まってくる。流右近は妹の位牌を胸にヤマの支配者に復讐の牙を研ぎ、桜京十郎は食い詰めて流れ着き、楓源三郎は惚れた女の尻を追いかけ、望月家支配の銀山でドラマが展開する。
お話のベースは流の復讐劇、妹の病のため銀山に身を売った兄、兄をヤマから逃がそうとして散った妹、その妹を流の情婦と誤解してチクってしまった壺振りのおりは、愛憎が錯綜するなか、流は銀山支配の望月家当主を狙う。その当主の実父である用心棒の老武士の哀話が、これに絡んでくる。
 ロケ地、ヤマはどこかの砕石場か演習場か、不明。流の妹の墓で待つおりはに話しかける銀山用心棒の大曽根、西教寺墓地二十五菩薩来迎群像前。雲竜一家の人数から流を庇うおりは、真盛上人廟下石段。大曽根を斬る流、湖南アルプスか。
2005/2/25

■ 江戸を斬るV 第8話「おゆきに似てた女掏摸」1980.4.7C.A.L

 父が掏摸だったことで母を死なせたと反発する娘、父は足を洗うが娘は掏摸に。掏った財布に入っていた書付により巻き込まれる事件を経て、父子は和解し江戸を発ってゆく。
 ロケ地、お絹が獲物を物色する浅草、仁和寺観音堂脇に縁日セット(南望)。後段では堂前のシーンやの前(書付をお御籤として結わえるくだり)もある。お絹に事情を聞く「金公」、大覚寺放生池源頭部、天神島朱橋。書付交換の八幡さま、五社明神
*女掏摸・お絹は松坂慶子の二役。魚政の衆に柄の悪いとこはそっくりと言われているとおり、おゆきとあんまり変わらない。*ラス立ち福ちゃん入り、町人姿・ヤクザ?

■ 暴れん坊将軍 VIII 第2話「狙われた新妻 殺意を呼ぶ過去」1997-1998テレ朝/東映

 め組の女将となったおぶんに魔手が迫る。彼女に捕まったことで女房は死んだと逆恨みの盗賊が八丈から帰還したのは、隠し金目当ての北町奉行の差し金だった。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺門。南町の御赦免係に五六蔵の名前を入れるよう迫る北町与力、鳥居本八幡宮舞殿見上げ。八丈島イメージに日本海と思われる波濤を入れ、赦免の名が読み上げられる浜は保津峡落合河口汀にスイッチ。彦根藩上屋敷、大覚寺大門。八丈から五六蔵を帰すよう計らった南町同心のことや、北町の怪しい動きについて報告が上げられる、上賀茂神社御所舎前。盗賊の隠し金を掘り出す一味、鳥居本八幡宮広場。
*ラストでは長次郎に新さんの身分が明かされ、引退する辰五郎を労う「上様」で幕。*紫頭巾は金掘り現場に現れ無茶をするが、忠相が連れ去る。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第4話「妖しく光る銀かんざし 出合い茶屋の女」1997-1998テレ朝/東映

 切米手形を投機対象にして大儲けの札差、勘定奉行とつるみ更なる悪事を企てる。その資金は盗みによって調達されており、凶行により家族を失った娘から復讐の「依頼」が殺し屋に出ていたりする。殺し屋は女、なぜか新さんがターゲットに入っているが、被害者が徳田と奥田を聞き違えたというオチ。新さんにべたべた近づく女に「千鶴先生」やきもき。
 ロケ地、火事場で見つかった変死体のことを上様に報告する忠相、姫路城西の丸(勘兵衛来て逃げ去り)。明徳館、相国寺大光明寺門、方丈廊下、中仕切。女大学からの帰り、生徒の一人であるお蘭と散歩の新さん、大覚寺大沢池北岸。切米投機の札差と勘定奉行が密談の屋形船、嵐峡湛水域。め組の衆が、新さんとお蘭が出合茶屋へ入ったと噂するのを立ち聞いた千鶴先生が物思いに沈む水辺、梅宮大社神苑(塀越しのと、池側からと二通りのアングル)。お蘭が女たちの晴らせぬ恨みを受け取る品川のかんざし稲荷、吉田神社竹中稲荷本殿、天満宮、参道の重ね鳥居。千鶴先生が、お蘭の正体と勘定奉行の悪事を新さんにまくしたてる茶店、仁和寺茶店と参道石段。ラスト、観能を断った鶴姫の行為を弓のお稽古中の上様に詫びる月島、姫路城西の丸
*辛酸を舐め、恨みだけが生きる支えだったという女殺し屋・お蘭、新さんの説得にほだされ「依頼」は放棄、しかし真の悪に刃向かい敢無く散る。

■ 大奥 第1話「大奥誕生」1983-1984関テレ/東映

 大坂城炎上ののち、太閤の影を一掃しようとはかる大御所の排斥対象となる秀忠夫人・お江与。ひしひしと身に迫る圧力に反発した彼女は、男どもの手から隔離された場・大奥を創始するに至る。
 ロケ地、夏の陣、炎上する大坂城、本物の天守を使って演出。千姫を救い出した坂崎出羽守が駆ける野、酵素河川敷。千姫を迎える弟妹と母・お江与、姫路城天守〜りの門。竹千代の乳母・お福に大御所の意向を伝える阿茶局、枳殻邸回棹楼。奥向きに放火され避難したお江与が阿茶局の向こうに大御所の幻を見る、大覚寺天神島。奥向きを銅板で囲う普請を見に来るお江与、一部に大覚寺むらさめの廊を使用か。秀忠の子を生んだ女が大御所差し回しと聞き、打ちのめされたお江与が佇む、天神島大楠の根方。大御所とやりあい謹慎を申し渡されたお江与が渡る橋、枳殻邸侵雪橋(ED「C'est fini」と被り、池畔の孔雀の群れ越しのアングルにスイッチ)
2005/2/24

■ 江戸を斬るV 第6話「使えぬ右手が謎を解く」1980.3.24C.A.L

 暴利を貪る高利貸し一味の内紛、これに巻き込まれ無実の罪に落とされかかる大工父子の情愛を描き、娘を庇う父の虚偽申し立てを看破するお奉行の名裁きが下る。
 ロケ地、大工父子がお参りのところへ現れ娘を借金のカタに拉致る銭高屋、大原野神社本殿(狛鹿入り)〜参道。
*大工に藤岡琢也、銭高屋を殺し後釜を狙う弟に住吉正博、これに加担する口入屋に南原宏治。口入屋での乱闘に福ちゃん入り。*一味をハメるお芝居、次郎吉がなよなよ若旦那を演じる。

■ 江戸を斬るV 第7話「御用金奪還!暁の追跡」1980.3.31C.A.L

 佐渡からの御用金七千両を奪う荒っぽい乱破くずれ一味、これを狙う八王子の大盗っ人一味との激突。「金公」の打った大芝居が突破口を開く。汚名を雪ぐため甲州路をゆく石橋の旦那を追って、息子と金公、おゆきに次郎吉と、賑やかな旅もの。
 ロケ地、板橋宿から御府内へ入ったところで御用金が奪われる橋、中ノ島橋。四谷大木戸をやり過ごした天魔の仁蔵一味が入るお堂、三匹が斬るで何度か出たお堂、不明。後段の戦闘は砕石場みたいな荒地や谷山林道か。
*賊に山本麒一や曽根晴美に中田博久などコテコテ。そのうえ小仏一味の岩松に福ちゃん、台詞いっぱい。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第3話「居酒屋の女の告白」1997-1998テレ朝/東映

 強請りのネタを探す御家人くずれのワル、酒肆の女の酔言から目付役の青年の出自を知り脅しにかかる。その昔、落ち度なき「過ち」から目付の家を出され亡くなったことにされていた「母」はその酌婦、息子の身に降りかからんとする災いを一身に負い、それと知らぬ息子に看取られ眠りにつく。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺・門越しの前庭〜中仕切りと石庭の一部。子守女をかまう小料理屋・瓢箪のおえん、上御霊神社本殿裏手。「千鶴」と話すベンチは本殿手前の茶所。酒浸りのせいでふらついて町をゆくおえんを介抱する新さん、今宮神社稲荷社前。御家人くずれに脅されたおえんが包丁を隠し持ち追う道、吉田神社竹中稲荷本殿脇石段、舞殿。
*ラス立ち福ちゃん入り、アップののけぞりもアリ。

■ 必殺まっしぐら! 第2話「相手は京の欲ボケ貴族」1986.8.15ABC/松竹

 今回は京都行き、ターゲットはお公家さん。御所大膳式・宇多野小路篤麻呂のはたらく汚職に一枚噛む者たちも的となる。
 ロケ地、秀が京へ向かう街道筋、不明な農地(ラストも同所)広沢池東岸。京イメージ、渡月橋シルエット。宇多野邸を窺う秀、相国寺方丈南塀大光明寺。騎馬で出る篤麻呂は南路地。馬場は下鴨神社馬場。チームのツナギ、北野天満宮本殿裏手と祠。京都御所、建礼門。麻呂が刀を盗る宮、北野天満宮文子天満宮

■ 長七郎江戸日記3 第3話「思い川」1990.10.30NTV/東映

 研ぎに出した長さんの刀・神君佩刀の大般若が盗まれ、押し込みに使われてしまう大騒動。名刀をめぐって長さんの身分が忖度されたり、実は大ワルだった御用鍛冶師と旗本を懲らしめたり。テーマは罪を着せられ殺された鍛冶師の弟子の妻の情話。
 ロケ地、夫の死を自覚するも町中に面影を求めるおもん、亀岡の墓地大覚寺聖天堂心経宝塔(縁日をセット)桂川松尾橋上手汀(これを眺めやる長さんは中ノ島橋)。事後、夫の実家へと江戸を発つおもん母子、大覚寺放生池堤
*青目同心、大般若を長さんの刀と知り詮索しきり。
2005/2/23

■ 暴れん坊将軍 VIII 第1話「登場!吉宗を振った女」1997-1998テレ朝/東映

 いつまでも一人身の上様にキレたじいのはかりごとで、お見合い突入。しかしその席で、上様が姫をみそめて恋焦がれなんていう作り話はバレバレ、激怒した姫は中座する。利かん気ぶりを気に入る上様、これが井伊家の姫に正室になられては困る旗本の陰謀につながる。
 ロケ地、江戸城天守、姫路城天守閣。長次郎の縁談について新さんと話す辰五郎、梅宮大社神苑汀に茶店セット。彦根藩上屋敷門、大覚寺大門。鶴姫が家士相手に剣の稽古、相国寺大光明寺石庭。平河門を出る土屋相模守のスパイの腰元、二条城本丸西虎口。この腰元が口封じに暗殺された件を聞き父に話を聞きに行く鶴姫に刺客、上賀茂神社二紫姫稲荷参道重ね鳥居〜渉渓園。介入し撃退の新さんに礼を述べ「徳田どの以前どこかで?」のお間抜け姫はならの小川畔。
*土屋邸へ討ち込むのを忠相に止められる態で紫頭巾登場、頭巾の結び方が江戸を斬るのそれと微妙に違う。*女大学へ案内も請わず入る新さん、女の子たちを避けて入り込んだはドレスルームで覗きの痴漢と悲鳴が上がる…折悪しくしごきや襦袢被っちゃっててトホホ新さん。*ラス立ち福ちゃん入り。上賀茂で出た刺客の中にもいたような。
2005/2/22

■ 江戸を斬るV 第5話「戦慄!殺しの請負人」1980.3.17C.A.L

 材木商の肝煎の地位を巡っての血腥い騒動、殺し屋の所業を見てしまったお政がさらわれてしまう。母を助けるため奔走のおゆきが捕まってピンチのお約束、お白州には桜吹雪が舞う。
 ロケ地、酔って帰るお政が屋台の蕎麦屋に冷たくあしらわれる、中ノ島橋上。その後橋下にいると橋上で殺し、翌朝の死体発見も橋下汀。検分に来た石橋同心に指示を出す「金公」、茶店を中州にセット・背景に汀で網を繕う漁師や魚籠を配してある。あからさまに「捜索」のおゆきをさらう殺し屋の手下、今宮神社合祀摂社(山本昌平の浪人が仕込み槍を突き出すのは稲荷社玉垣)
*真砂でお亀ちゃんと飲みっくらのお政、居合わせて囃す客の一人に福ちゃん。殺し屋の元締は須賀不二男。

■ 暴れん坊将軍 III 第32話「消えた目安箱」1988-1990テレ朝/東映

 大火の被害に心を痛めた職人が町屋を瓦葺にと志すが、材木商とつるんだ北町奉行に妨害を受ける。思い余っての目安箱訴えにも、箱ごと奪う暴挙に出るワル。これに使われた奇術師が消され、行き場をなくした弟子の幼児がめ組に駆け込んで辰五郎をちゃんと呼ぶなどひと悶着あり、最後は瓦職人の行方不明の実子と判明の運びとなる。
 ロケ地、大火の被害について報告の忠相、姫路城三国濠前。襲われている瓦職人を助ける新さん、嵐山公園中州西端(新さんは湛水域に浮かべた船から上陸・中州には灯籠あしらい。あとで奇術師と懇意の船頭を探す「芸者」疾風もここ)。北町奉行が提出した、奇術師殺害の罪で瓦職人死罪の報告書を上様に見せるじい、姫路城西の丸。材木商一味が北町奉行邸へ向かったと報告の「芸者」疾風、嵐山公園料亭・錦塀際。奉行邸、大覚寺大門。ラスト弓の上様、姫路城西の丸
*ラス立ち福ちゃん入り。
2005/2/21

■ 暴れん坊将軍 III 第31話「幽霊も泣きます!おんな坂」1988-1990テレ朝/東映

 男に捨てられ気の触れた姉、そのために殺された父、残されたた妹娘は仇を討つべくワルの巣に潜入し機会を窺っていた。ワルというのが悪辣な旗本と回船問屋で、仲間割れで殺した破戒僧の隠し金を掘り出すため幽霊騒ぎを仕立てる。
 ロケ地、破戒僧のいた荒れ寺・陵雲寺、大覚寺聖天堂(外観のみ、手前に崩れ塀セット)。寺を捜索した新さんが怪しの影を追って出てきてしまう裏手、相国寺鐘楼裏手塀際。物狂いの姉娘を見る越中島付近、広沢池東岸。幽霊騒ぎで行方不明だった男たちの変死体が上がる、嵐山公園右岸側高水敷。これを上様に報告する左源太、彦根城玄宮園竜臥橋。姉妹が参る父・梅屋の墓、くろ谷墓地。姉娘を捨てた旗本・普請奉行村上邸、大覚寺大門。ラスト、仇討ちを果たした妹の処分を忖度の上様トリオ、彦根城玄宮園池畔
*ラス立ち福ちゃん入り。

■ 八丁堀の七人6 第6話「人妻の秘密!奉行所の中で殺人が…」2005.2.21ABC/東映

 隠密回りの柴山が例繰方を斬ったと主張する年番方与力、その態度にきな臭さを嗅ぐ青山さま。隠然たる力を持つ与力は果たして悪の巣窟を牛耳っており、柴山のほうにはどうしても口に出せぬ過去のしがらみがあった。
 ロケ地、兵助らに追われたお尋ね者が逃げ込む仏性寺、山門と石段は毘沙門堂勅使門と下の石段。境内は西教寺各所を使用、寺侍に掛け合うハチのシーンなどは水場から二十五菩薩来迎群像を見るアングル、潜入した孫さんが露見して逃げ回る回廊やワルが屯するお堂は本堂とその続きの回廊、北町出役の際のお堂には大師堂。孫さんが探っていてここからダメと止められる廊下には、来迎群像の現物を保存展示してあるのが見えて効果的。ほかには、おやいちゃんがさらわれる路地に妙心寺福寿院道入口。待合の女将回想、柴山に会えると嬉しそうに飛んでくるおるいのシーンに衡梅院北塀際。ラスト、巡礼として旅立つ柴山とおるいを見送るハチと青山さま、大覚寺放生池堤
*要素詰め込み過ぎのきらいあり、主軸は柴山養女にして例繰方妻女のおるいの哀話なんだから、こっちもっと際立たせてほかは切り詰めてもよかった感じ。

■ 江戸を斬るV 第4話「猫が知ってた大泥棒」1980.3.10C.A.L

 妙に腰の低い、上方商人というふれこみの隠居は凶賊。一味の錠前破りがトラ箱送りになったと知るや、堅太郎坊ちゃんをさらい人質交換を申し入れてくる荒っぽさ。これを子猫は感知していて手を引っ掻くというのがタイトルの意味で、「金公」お奉行が大活躍のすえ遠山桜も見せるサービスつきでお白州に至る。
 ロケ地、隠居に猫を放り投げられいじけた堅太郎が佇む神社、不明。錠前破りが奪還されたのを追うお京たち、広沢池東岸。錠前破りが消されるのは汀。
*おゆき・次郎吉不在。

■ 水戸黄門34 第7話「愛馬が教えた親孝行」2005.2.21TBS/東映

 舞台は遠野、悪代官のご機嫌取りに使うため、健気な娘と愛馬のアオが標的に。その家に宿を借りていた老公は、一家の危難を救い博打好きの道楽息子を更正させて旅立ってゆく。
アオには老母を助けた神話的エピソードも用意されている、ぶっとい首をしたお馬さん主人公のお話。
 ロケ地、遠野村の情景描写の民家群、かっぱ淵、博打息子野宿の小屋(デンデラ野と山口水車)、現地。アオに水を飼う娘、罧原堤下汀。旅立つ一行、嵐山自転車道・川側から見上げ。
*OPに協力とある藤樹神社、??中江藤樹か?
2005/2/20

■ 忠臣蔵外伝 四谷怪談 深作欣二監督作品 1994.10.22松竹

 義挙に加わることなく、同志たちとは世を隔てさまよう身となる男を描く。
民谷伊右衛門は「刃傷」の少し前に召抱えられた新参者、お岩は浪人した伊右衛門と町で知り合う隠し湯女、宅悦はその店の客引き、お梅は吉良家用人・伊藤喜兵衛の孫娘、というのがこのお話での設定。
岩が悶死する凄惨な場面と、伊藤家での狂乱の宴と、義挙を前にした赤穂浪士の宴が同時進行する中ほどの見せ場は圧巻。血みどろで呪詛を吐くお岩、舞い狂うお梅、円山会議の席で舞われる曽我兄弟の仇討ち、めまぐるしく入れ替わる映像がいかにもの深作節。
後段は討ち入り、もう半分死んでいて体も透け、同志たちにも認識されなくなっている伊右衛門は戦闘を眺めるのみ。掻き鳴らす琵琶の音は引き上げる浪士たちの耳に届くも、既に伊右衛門は彼らと幽明境を異にする身と成り果てていた。
 ロケ地、内匠頭一周忌に亡君の墓前に集う江戸組浪士たち、西教寺本堂前・二十五菩薩来迎像前に五輪塔セット。水屋越しに民が遠巻きのショットもあり。刃傷松の廊下、東福寺方丈南庭。伊右衛門や勘平たちが門付けの鬼子母神境内、大覚寺五社明神(本殿に腰板をデコレーション)。右衛門七のお犬様費用のため辻斬りに出る伊右衛門がゆく夜の市中、北野天満宮参道。脱盟後、お梅のもとへ導かれる伊右衛門のシーンは北野参道から五社明神にスイッチ、間のカットに心経宝塔が闇に浮かび上がるショットを挿入。吉良家用人・伊藤喜兵衛宅玄関、大覚寺式台玄関
*赤穂事件の描写は端折ってスピーディに描かれる。これがまた作品に独特のリズムを与えるのだが、松の廊下は同じ深作監督の「赤穂城断絶」よりももっと「仁義なき戦い」に近い感じ、真田広之の口から「奪ったろかワレぇ」と出ても違和感ないかもの迫力。*時代背景の説明の段に流されるカルミナ・プラーナ「O Fortuna」はそのまま西教寺の墓前のシーンにつなげられとても効果的。運命の女神の主題は、歌詞の内容もぴったりとハマる。*お岩さま、吉良邸討ち入り現場に現れ吉良家付人を怪光線で撃破するが、義士に手助けしたのではなく自分を戸板に打ち付けて流したことへの復讐。よって清水一学も彼女にヤラれてしまう…こう書くと膝の力も抜けるが、見ている段には展開の速さゆえさして気にならない…かめはめ波に見えたのはきっと気の迷い。*脇が渋すぎ。津川大石はもちろんのこと、勘平の火野正平も安兵衛の渡瀬恒彦もよく利いている。田村高廣氏も、それまで一切描かれていない吉良さまの苦衷をほんのちょっとの間に表現しててさすが。*メインの亡霊六人、それぞれに凄いがお槙の気味悪さは特筆もの。
2005/2/19

■ 白獅子仮面 第10話「河童の皿の光るとき」1973日テレ

 今回の手下は河童。江戸中の米をかっぱらい町を混乱に陥れ、幕府が仕立てた緊急の御用米の荷をも襲撃する。鉄を腐食させる緑の体液を吐き、ときにはミニサイズに変身して捜査状況を窺ったりとマメに動き回り、兵馬をまんまと水中に引きずり込み窒息寸前に追い込む→獅子吼で発動。
 ロケ地、河童の根城の「池」、不明。なんだか川っぽい州もあるが皆目見当つかず。
*河童、顔は凶悪系。首んとこにびらびら付いてて、下半身白タイツ。思い出したように皿に水をつける場面があり笑える。

■ 白獅子仮面 第11話「三ッ目の一ツが飛んでくる」1973日テレ

 化物は三ッ目入道、額の目が「超能力」で飛んでゆき悪さをする、見た目も怖い強敵。そのうえ今回はあろうことか人類に裏切り者が出て、大岡越前への私怨を晴らそうとするから始末がわるい。
 ロケ地、武州無宿の悪源太が強盗殺人の罪で磔の鈴ヶ森、酵素河川敷(化物が処刑を邪魔、あとで越前を磔台にくくりつけるのも同所)。悪源太が処刑される時刻に、供養のため寺にいる越前、神光院中興堂。お供の田所同心たちに越前のスケジュールを聞き出そうとする入道、蔵ときゅうり塚の前。墓地で越前の卒塔婆を立てる悪源太、不明。ラスト、鈴ヶ森で越前を助けたあと入道たちと白獅子仮面の死闘は白水峡みたいな荒れ野。
*手強い入道に手こずった兵馬、発動の前に口笛でしもべの白馬を呼ぶ。
2005/2/18

■ 月影兵庫あばれ旅 第12話「道行き泪の置土産」1989/10-12TX

 兵庫が拾った「見ていて気持ちのいい」男女は不義の駆け落ち者。逃がし屋と称するヤクザの魔手から救ってやるなど大いに肩入れの兵庫たちだが、覚悟を決めひとときの幸福を満喫していた女は、儚く散ってしまう。妻の死を見て呆然の冷血侍に女性心理を説く兵庫、柄にも無い発言はあとで安たちに揶揄されたり。
 ロケ地、おみのと朝之進と行き会い護摩の灰から助けてやる、あと少しで他領という番所手前の山道、谷山林道

■ 暴れん坊将軍 III 第30話「泣くな男だ!がまん坂」1988-1990テレ朝/東映

 己が両親の実子でないと知った兄は、弟に店を継がせるべくわざと勘当されて家を出る。しかし父が乗っ取り目的のワルに消されて横死したと聞くや、怪我をおして家に戻り陰謀を押しとどめようと動くのだった。
 ロケ地、殺された回船問屋・中屋について上様の幼時の回想、紀州の浜での伊勢海老獲りは琵琶湖西岸松原。忠相が竜吉は中屋の総領と報告、嵐亭延命閣。なぜ父の弔いに来なかったという弟を叩き出したあと竜吉が佇む水辺、大覚寺大沢池畔。疾風に竜吉の調査を命じる新さん、中ノ島橋下手右岸高水敷。竜吉を殺しの犯人に仕立てようとした男と、中屋を斬った侍と、叔父の吉野屋が密談の祠、日吉大社西本宮・宇佐宮間の祠(西本宮東側の玉垣際)。疾風が竜吉は中屋の実子でないと報告、仁和寺塔前。中屋の墓、不明。中屋夫婦が捨て子の竜吉を拾った紀州の明神さま、日吉大社宇佐宮から白山宮への石段〜白山宮舞殿(赤子放置)。跡継ぎの入札が竜吉の結果に怒って席を立った吉野屋が入る船手奉行・前田多門邸、大覚寺大門。ラスト、弓の上様、嵐亭延命閣
*中屋と「一つの海老を分け合った仲」という上様、貧窮や遭難したとかではなく、浜で海老獲って焼いて食っただけ…ガキの上様が獲ってる海老、伊勢海老…豪快なお子様。*相手が悪辣なヤツだから「ハメてもいいじゃん」忠相、吉野屋を連行し思いっきり待たせて責め問いなんかも見せたあと、通りいっぺんの事を話し「帰ってよいぞ」。しかもこの間、め組の衆使って吉野屋の悪評を町に振りまく…怖いよ大岡さま。

■ 江戸を斬るV 第3話「雛祭り 娘目明し初手柄」1980.3.3C.A.L

 若年寄と回船問屋が組んでの抜け荷、雛人形に仕込まれた割符をめぐって大騒動。
はやるお京が危地に潜入したのも助けた金四郎は、その手に証拠の割符を握らせ初手柄を演出してやる人情噺。
*若年寄の河合伸旺、抜け荷の翡翠見てニター、とっ捕まったお京にヤラしいプラン(提案者・睦五朗)を思いついてニンマリ、とどめは金公に元結斬られて大わらわのかっこうで倒れざま不思議な笑みを浮かべる。
2005/2/17

■ 暴れん坊将軍 III 第29話「阿呆と呼ばれた名将軍」1988-1990テレ朝/東映

 髪結いの亭主・伊之助のひそやかな趣味は落首。ある日女房が見た殺人事件をもとに、将軍と目安箱を皮肉る一首を高札に掲げたことが上様を動かし、料亭政治でウハウハの老中を追い詰めることになる。
 ロケ地、髪結いのお駒が柳橋料亭の仲居(見聞きしたことで脅迫)斬殺現場を見る「五社明神(忠相が報告の際明言)」、大覚寺五社明神(夜)。お駒を囲む老中の手下、相国寺鐘楼裏手。
*お駒に京唄子、亭主は第一期小頭の園田裕久。タイトルは亭主の落首ではなく、老中の手下に囲まれ恐慌をきたした唄子師匠が口走る雑言「阿呆間抜けこんこんちき」。

■ 必殺まっしぐら! 第1話「秀が帰って来た!」1986.8.8

 秀の「仕事」に集まってくる三人の「仲間」。
 ロケ地、神楽坂の元締のもとへ約束の時間に遅れて駆けつける秀、大覚寺放生池堤粟生光明寺山門と石段(前後はセット)。桂馬のお銀とやりあう秀、市中から柊野堰堤へスイッチ。お銀は堰堤上部を、秀は下部を東から西へ。堰堤左岸側下部の巌にさぶ。二回目の入水を試みる麻呂、中ノ島橋上。矢場を出て賭け将棋に首を突っ込む東吉、仁和寺観音堂脇。夜道、丁字屋の駕籠を狙う秀が東吉に水を差される、下鴨神社馬場と林間。駕籠は河合社脇を過ぎ去る。仲間と会わせるべく秀を八幡さまに呼び出すお銀、今宮神社高倉下。麻呂が奉納刀を「借りる」やしろ、大覚寺五社明神。秀がさぶとじゃれる河原は礫と山なみからして、桂川亀岡付近か。

■ 江戸を斬るV 第2話「娘軽業 決死の仇討」1980.2.25C.A.L

 見事な綱渡り芸で評判をとる軽業師のお志乃太夫、15年彼女を育てて親の仇を討つのに協力と見えた座頭の正体は盗人で、しかも当の仇自身だった。
逃げた志乃をたまたま「出ていた」紫頭巾が助け、渦中に飛び込んでゆく。志乃へのお裁きは次郎吉預けで、真砂の新メンバーとなる。
*今回、志乃から事情を聞くためお政が金四郎の身分を明かし、お亀ちゃんは立ち聞きしてひえー。もの驚きして階段を転げ落ちるかわいのどか×三回。
2005/2/16

■ 長七郎江戸日記3 第2話「姉妹かんざし」1990.10.23NTV/東映

 古馴染にご飯を奢ってもらうおはる、座をはずした隙にその男が殺されパニック。足袋はだしで逃げ帰るが、姉に貰った簪を現場に落してきてしまい暗殺者に狙われる羽目に。殺された経師屋は、仕事先の衾の下張りから怪しの書付を見つけて口封じに遭ったもので、中身は勘定奉行と回船問屋の悪事の証拠。表紙に「金成木」なんて書くお茶目な目付は登場せず、冒頭妾宅で頓死と語られている。
お話のテーマは浪花屋姉妹の人情ドラマ、ミスコンが小道具に使われる。
 ロケ地、「日本橋小町くらべ」落選に悄気たおはるが経師屋の利助に「賞品」の手拭をぶつけてしまう、中ノ島橋上。青目同心に下手人の手がかりを話す長さん、大覚寺護摩堂(長さんが去ったあと青目御機嫌斜めで池に投石)
*ミスコンの話を持ち込んだり、簪の秘密を口走ったり、ややこしいお屋敷の掛取りを「暇そうな」長さんに行かせたりのトラブル屋辰ちゃん。妾宅の出入りを見張るよう言われるが退屈して侵入、風呂覗きも仕出かす。この間、ぶつぶつ呟くアドリブぽい台詞が笑える。長さんに全部言うたるねんと大阪弁も出る。

■ 暴れん坊将軍 III 第28話「狙われた玉の輿!」1988-1990テレ朝/東映

 小頭が密かに思っていた幼馴染のお孝が、お屋敷から赤子を連れて戻る。アタックをかける半次郎だが、何者かに命を狙われるお孝母子とともに事件の渦中に。赤子は殿様の御子で、正室一派が藩を牛耳るのに邪魔な存在だった。
 ロケ地、赤井御門守が伝奏役拝命の挨拶に罷り出る、彦根城玄宮園魚躍沼池畔。赤井邸、相国寺大光明寺(暇乞いしたお孝が出てくるのは通用門)。お孝の赤子が狙われたことを報告の左源太、大覚寺放生池堤に茶店セット。幼い頃遊んだお宮さんにやってくるお孝と半次郎、天神島(大楠にツリーハウスの思い出)。偽の使いにたばかられ消されかかるお孝、下鴨神社馬場(新さんが駆けつけてチャンバラは河合社脇)。御門守に招かれお屋敷へ入る半次郎、大光明寺門〜玄関(中仕切から江戸家老がにらんでいる)。お孝への恋破れ傷心の半次郎が佇む汀、大覚寺天神島。殿様から酒が届いたと知らせに来るめ組の若い衆、放生池堤。ラスト、庭を逍遥の上様トリオ、彦根城玄宮園竜臥橋
*殿様に拝謁の半次郎が江戸家老に斬られかかる理屈、三河以来の名家・赤井家を侮辱→将軍家を愚弄→将軍になりかわり成敗。ここで次の間に控えていた新さんが「将軍家を愚弄か」とずいと出て指弾をはじめる。これ以上聞かれると困るので、半次郎は左源太に物陰に引きずり込まれ当身を食らう。

■ 江戸を斬るV 第1話(サブタイトルなし) 1980.2.18C.A.L

 IVで一旦関東撮りになっていたシリーズ、Vからは元通り京都撮り。IVのキャストはほぼ継承、石橋の旦那は相変わらず堅太郎ぼっちゃんにお説教を食らい、お奉行は「金公」呼ばわりされている。次郎吉の店にはかわいのどかが入り、お京はジュディ・オングから山口いずみにスイッチ、この久松町の捕物小町成立過程が初回の縦糸になる。
 お話は、女が頭目の凶盗・夜叉神党の跋扈を描く。頑固者の岡っ引・吉兵衛は単独調査のすえ賊の正体に迫るが、敢無く返り討ちに。娘のお京は仇を討つべく父の十手を手にアジトに乗り込むがたちまち危機に陥るところを、「大工の金公」と紫頭巾に救われるのだった。
 ロケ地、両替商で畜生働きをした夜叉神党を追う捕り方が走る、広沢池東岸。吉兵衛が船宿から出た大工を尾行する、大覚寺五社明神護摩堂(一味の男出てチャンバラ、金公介入)
*捕まってアジトに火をかけられ危機一髪のお京、悲鳴が「金公!」なのが笑える。
2005/2/15

■ 暴れん坊将軍 III 第27話「偽りの拝領妻」1988-1990テレ朝/東映

 出府間もない田舎侍は、藩邸で良からぬ密談を聞いてしまう。殿様は自分の側室を下賜し口止めしようとするが、純朴な男は新さんのアドバイスで正義を貫く。藩主がワルなので改易、しかし正義の士はちゃんと召抱えてフォローする上様なのだった。
 ロケ地、小高藩邸、相国寺大光明寺門。強請った相手が老中へ直訴しようとゆく外桜田への道で待ち伏せ暗殺する小高藩士たち、下鴨神社河合社脇。息子の不行跡をネタに強請られている旗本・内藤勘解由邸、相国寺林光院。その息子が腹を切った父の仇を討つべく走る、上賀茂神社奈良社相国寺大光明寺南路地(小高藩主の駕籠がゆく)〜法堂南・仏殿跡疎林(切り込み)。中間や同僚に聞き込み藩主の悪事を知った「拝領妻」の亭主・竹中が物思いながらゆく道、上賀茂神社ならの小川(新さんが来て覚悟を迫る)。藩主の意を受けて恐喝をしている藩士を鵯神社に呼び出す竹中、鳥居本八幡宮
*拝領妻と末には和解しハッピーの竹中勘助に赤塚真人。この人は自分にとって今のところ喧嘩屋右近の亀ちゃんがベスト。*欲深好色の殿様に小林勝彦、上様に乗り込まれ切腹を迫られて悪あがきの台詞は「ほざくな若僧、天下人を倒すは今ぞ」…お取り潰しも仕方ないかも。手下の山本昌平がまた凶悪に怖い。

■ おしどり右京捕物車 第17話「破」1974/4-9ABC/松竹

 凶盗・般若の黒兵衛が護送中奪還されてしまう。このとき行方不明となった老同心は、多額の借金を抱えて定年目前なことを盗っ人らに調べ上げられており、仲間に引きずり込まれていた。
 ロケ地、質屋で行方不明の老同心・陣内の娘と会ったはなが話しながら帰る道、大覚寺大沢池堤。常念寺、神光院山門。北町奉行所、大覚寺明智門。事後、父の墓参の娘につきまとう観念と音三、護摩堂前。
*途中、黒兵衛が裏切り者を始末するのに使った凄惨な落とし穴は、江戸を売る一味を追い詰めるラストに陣内の娘が落ちかかり右京が引っ張り上げる緊迫のシーンの布石。はなが質屋へ行き陣内の娘と出会うのも、臨時飲み代のためという、きめ細かいシナリオ。
2005/2/14

■ 八丁堀の七人6 第5話「北町への挑戦状!死神と呼ばれた女」2005.2.14ABC/東映

 だぜい与力大ピンチの巻。南町の野心家が青山の後を襲い、弱気のお奉行を戴く北町を我が物にせんとの企み。北町同心が三人もフレームアップであげられ、久蔵は無期限謹慎に追い込まれるが、ワルに使嗾されていた女の誤解は仏の八兵衛の働きで氷解する。
事態が解決に向かう間、まわりから「血も涙も無い鬼与力」と責められる青山さまだが、ハチを信頼しきって昼寝を決め込むのだった。でも「死神のお竜」を囮に使うよう指示を出すなど、最近のだぜい与力はやっぱりちょっとダーク系。なのに、当の囮は八兵衛さん突き飛ばして「青様ステキ」とのぼせ上がってたり。
 ロケ地、縁日でお竜を待ち伏せ真実を問う八兵衛、大覚寺五社明神。南町与力とつるむならず者を追う吉岡たち、妙心寺福寿院行路地入口〜大通院裏塀〜龍泉庵門(設定は鬼龍寺)。南町奉行所、大覚寺明智門。お竜を囮にワルをおびき寄せる根津大社、大覚寺勅使門。以降、捕物シーンは御殿川河床や太鼓橋、門前の林間(紅葉)などで繰り広げられる。事後、釣りの青山さまに軽口を叩くハチ、神泉苑法成橋上。父に許可?された長崎留学のため一心にガイドブックを読む市之丞は参道石橋
*今回のひそやかな見せ場は青山さまとハチの「友情」だが、しっとり風情ある場面にはならずオヤジ系ギャグが飛び交い、青山さまの台詞も妙に飛ばしている。*三番目の亭主を殺したのは鬼与力・青山と吹き込まれ同心たちをハメる女髪結いに山田邦子。

■ 暴れん坊将軍 III 第26話「罠にかかった女」1988-1990テレ朝/東映

 亭主殺しとして追われる女、アリバイの証言者もことごとく消され窮地に。そもそも亭主が関わったヤバい橋は、御用金逃れを企んだ富商と勘定奉行が組んで演出した強盗芝居だった。
 ロケ地、上総屋の御用金が「強盗」に遭う人形町近くの土手、山室堤道(事件発生時は夜間、上様の検分は昼間)。厳しい手配に追い詰められたおしまが入水しかける橋、中ノ島橋(思い詰めて眺める水面は堰堤の瀬)。止めた新さんが事情を聞く茶店、嵐山公園中州・桂川高水敷に床机をセット。町方の気配を察した新さんがおしまを船に導く、中ノ島橋上手堰堤上左岸汀。新さんが竿を使い船をやる、中州湛水域
*ワルをおびき出すのに、上様はおしまとともに新内流し。朗詠の表情がそら惚けてて笑える。左源太に「恐れながらよくお似合いで」なんて言われてるし。*おしまを追い詰める岡っ引の一人に汐路章、てっきりワルの一味かと思いきや職務に忠実なオヤジ。ラスト、晴れて一軒の店を構えたおしまの祝いの席で小頭とギャグをかますおちゃらけ要員。ソフトな助平爺にも味あり。

■ 水戸黄門34 第6話「忠義貫き北国に春」2005.2.14TBS/東映

 幼馴染が代官に出世したことで侍となった男。純朴な思いは、上司の思惑に流され道を誤りかける主人を土壇場で改心せしめる。
 ロケ地、ここ五年鉄砲水が多発する水禍の村、不明、丹波か。その村の名主邸、民家門。一夜の大雨で増水する川、桂川嵐山東公園下。乱伐の山、不明。
*南部牛追唄♪「田舎なれども南部のクニはよォ〜」と喉を披露の、代官の家来・万二郎に千昌夫。山林乱伐の黒幕の家老に「石屋」。
2005/2/13

■ 里見八犬伝 深作欣二監督作品 1983.12.10角川

 馬琴の南総里見八犬伝を大胆に解釈した、深作監督特有のスピード感溢れるアクション「角川」映画。戦闘場面が過半を占め、慌しくもダイナミックな殺陣が繰り広げられ、見る者を飽きさせることがない二時間余。
 ヒロインは里見家の静姫、蘇った玉梓が怨霊に一族を滅ぼされるところからお話がスタート。以後、逃亡する姫のもとに伏姫の体から飛び散った玉に導かれた八犬士が集まってくる過程が、個々の事情とともに描かれる。最後に戦士として発現する親兵衛は姫とラブラブ、トンデモ設定の「玉梓の子」の宿命を打ち破り、悪霊との戦いに一人生き残り、姫と新天地へ向けて旅立つ。
 ロケ地、犬塚信乃の妹・浜路の嫁入り船、大覚寺大沢池(手前に桜あしらい)。大角の母の御堂裏の滝、不明(琴滝か)。蟇田軍に引き渡すため姫を捕えた親兵衛、連行される山中姫が逃げようとして吊るされる崖、保津峡落合。同志でないため追い払われた親兵衛が一行についてくるのを狙撃する大角、白っぽい荒地は白水峡か。怨霊を倒したあと姫が入る叔父・太田資正の城、彦根城天秤櫓。親兵衛が仲間の墓を立てているところへ姫が駆けてくる荒野、阿蘇山
*アクションのみどころは、何といっても若き真田広之元気いっぱいの大立ち回り。剣ではなく二丁鎌なのがまたイイ。他のJACメンバーのアクションも堪能できる。京本政樹の犬塚信乃もよく似合っているが、妹の名が浜路なのでアレを絶叫されると、どうしてもちびまる子ちゃんの「はまじ」が脳裏にきて物を落しそうになる。*美術は派手で大胆。玉梓の怪しい地下宮殿にはパズズみたいな御霊様の像が安置されていて、玉梓リフレッシュ用血の池プールなんかもある。毛野がストーカーと死闘を繰り広げる一室にはクリムトの絵が架かっていたりもする。*八犬士のひとり・現八と一緒に非道をはたらく騎馬武者に、峰蘭太郎氏ははっきり見えたが福ちゃんは「らしいなアレ」程度しか確認できず。
2005/2/12

■ 白獅子仮面 第8話「のっぺらぼうが火をふいた」1973日テレ

 油屋が次々襲われ、払底の危機。江戸を火の海にとの大魔王の企み、越前は残り少ない油を餌に手下をおびき寄せる手段をとる。
今回の手下は虚無僧に化けたのっぺらぼう、つるんつるんではなく耳とでかい口はあって火を吹く。田所同心にはろくろっ首になって脅かしたり、テレポートかましたり透視したりもする。仮面は、苦戦した挙句江戸に放火と聞かされ発動。
 ロケ地、大岡越前邸、相国寺林光院前庭。化物をおびき寄せる南町奉行所には同所門(この作、越前の邸が役宅なのかどうかよくわからない)。化物が奉行所へ殺到するシーンの背後には大通院西塀。

■ 白獅子仮面 第9話「ワラのお化けが笑う時」1973日テレ

 江戸郊外で多発する人さらい。幼子を失った親の嘆きを思いやった越前は、罠と知りつつ兵馬を派遣する。
人さらいはワラのお化け、積み藁からいきなり現れて子を取り込む。真っ二つにされても癒着し、中の人は全身黒タイツ男で、後段の戦いではほとんどタイツ。
 ロケ地、兵馬らが派遣される草壁村、亀岡盆地か。大岡邸は相国寺林光院(門、中仕切り)。タイツ男と兵馬が戦う荒れ野、谷山林道か演習場か、或いは白水峡のごとき崩壊地形か。
*また子供をタテにとる大魔王、手下に悪の道に精進とかお説教垂れてるくせに自分はワンパターンで工夫がない。黒タイツは、藁分身の術とかいうらしい。
2005/2/11

■ 暴れん坊将軍 III 第25話「将軍に裏切られた男」1988-1990テレ朝/東映

 上様の命を狙う尾張の江戸家老、手先は甲賀者。作戦はことごとく失敗し、最後は吉宗を恨んでいる旧友を持ち出してくる。
 ロケ地、上様の幼年期回想、川野兄妹と遊んだ紀州、釣りは大覚寺大沢池船着(大)。転んだおみつを抱き起こす道、大沢池堤。目安箱に「頼方」宛ての文を出したおみつと会う寛永寺、不明。御用商人・唐木屋が甲賀者に斬られる柳原土手、大沢池堤見上げ。竹光を差している川野に刀を渡す甲賀者、護摩堂(石仏の間から左源太が見ている)。おみつを監禁し川野に将軍殺害を迫る甲賀者、大沢池畔。川野と会う上様(甲賀者の凶弾から上様を庇う)、設定もロケ地も不明。庭でおみつの文を読む上様、不明(池泉端)。兄の墓参りを終え坂道を降りてくるおみつ、二尊院三帝陵下。
*川野の憎悪は、父が冤罪に落ちた際球状を訴えた文を上様に無視されたこと。当時の側役にお手紙捨てられちゃった上様、かなり気の毒。*江戸家老に河合伸旺、乗り込まれて「お手向かい致す」と片肌脱ぎ、最後まで刀ふりかざして抵抗を見せる。*おみつを見張る左源太を見破る小頭、「飛脚のくせに道端で煙草吹かしてるのはヘン」…案外鋭い?

■ 月影兵庫あばれ旅 第11話「極楽太鼓が鳴る地獄」1989/10-12TX

 秋田入りの兵庫、名物のかわりに見るのは民の嘆き。暴利で金を貸し、借金でがんじがらめにした家の娘を悪所に売り大儲けする両替商と顔役。権勢を誇る藩目付がこれと結託し娘たちをつまみ食いする悪行を見た兵庫は、大天狗と称して撫で斬りにしてのける。
 ロケ地。最上川渡し舟で連れの女を手ひどく扱う女衒を諌める兵庫、船着は広沢池東岸。久保田城下へ急ぐ兵庫と安、谷山林道。城下、極楽太鼓の据えられている鎮守、鳥居本八幡宮舞殿。娘をカタにとられた父が祈る祠、松尾大社本殿脇摂社。秋田を去る兵庫たち、谷山林道分岐道。
*極楽太鼓は、叩くと往生できる伝説を持つ太鼓。生よりも死を願う飯盛女たちの悲哀を表現する小道具だが、謂れ等説明弱すぎ。
2005/2/10

■ 暴れん坊将軍 III 第24話「悲恋花は二度散る」1988-1990テレ朝/東映

 道中奉行と口入屋が組んで賭場を開帳、ここで借金を作った男たちを幾人も破滅に追い込み自身は肥え太る。賭場へ客を誘い込むエサに使われていた口入屋の妾と、死んだとされていた恋人の悲しい再会が縦糸になる。
 ロケ地、借金返済を迫られて日延べを申し入れた男が帰り道に渡る橋、中ノ島橋。これが翌朝縊死して見つかる回向院裏雑木林、広沢池北岸。目安箱の落首について話す新さんと忠相、大沢池北岸汀。五年前伊佐吉が谷底へ落とされた道、保津峡落合落下岩。縊死した男たちが共通して通っていた水茶屋のことを報告する庭番、今宮神社門前茶屋・かざりや。水茶屋女のお夕の調査を疾風に命じる新さん、今宮神社楼門。お夕に保護している伊佐吉について聞く新さん、大覚寺護摩堂前。道中奉行邸の賭場について話す上様と忠相、彦根城玄宮園魚躍沼南岸(遠景に天守)龍臥橋(その前の乗馬も彦根城か)。伊佐吉の野末の墓、酵素木の裏。
*道中奉行は中田博久、言われずとも上様と気付くがすぐに否定→出会え!がおかしい。ラス立ち福ちゃん入り、二回ほど派手にのけぞり。

■ 必殺橋掛人 第13話「子連れ刺客の魔剣を探ります」1985.11.8ABC/松竹

 最後のターゲットは、必殺お馴染み・千代田のお城の住人。モノがものだけに頼み料も破格、藩札な時点でオチが予測できてしまうのもお楽しみ。あちこちの藩に将軍の御落胤を押し付けて自身の勢力拡大をはかる側用人、これに知恵をつけるお中揩ニ、いかにもの設定。側用人に恩を感じ刺客稼業を続ける使い手も出てきて、子連れで、父上の呼称を「ちゃん」に直させているのがモロで笑える。しかしなんといっても傑作なのは、大奥の事情を探るためお払い箱になったお女中をコマす柳次、優しいお父さんからゲスト悪役の津川雅彦の顔になっている。
 ロケ地、江戸城に姫路城天守。刺客・日下部伊織が追っ手の高沢藩士を返り討ちにする、相国寺大光明寺南路地。父・伊織の背を拭く子、広沢池東岸汀。お国の方が参詣の光明寺、相国寺庫裏前に駕籠〜法堂基壇南東角。探りに入ったおくらが身を潜めるのは基壇北西角。側用人・田所邸、大光明寺門(田所を殺ったあと柳次が出てくるのも同じ)。邸を辞した伊織が出てくるのは通用門。新吉がお国の方に仕掛ける、下鴨神社馬場。その前に走る林は糺の森、誘い出された護衛が瀬見の小川河床に降りているのも見られる(撮影当時は涸れ川)。紙切れとなった藩札を撒く新吉、保津峡落合巌上〜河口部右岸汀。春光尼がゆく野道、北嵯峨農地
2005/2/9

■ 長七郎江戸日記3 第1話「将軍が消えた」1990.10.16日本テレビ

 二年ぶりに江戸へ帰ってくる長さんと宅兵衛、その途端大奥がらみの事件に関わることに。陰謀は深く、将軍誘拐などという事態に発展するが長さんの活躍で収束。これは柳生宗冬に向けられた老中の企みだったが、丹哲は感謝するどころか一味の首魁を長七郎ぎみとして始末しようとしたりする。
 ロケ地、仙台への道をゆく長さんに宗冬の書状を渡す僧衣の男、酵素ダートか。江戸城、姫路城天守。柳生宗冬邸、大覚寺大門。お食事のあと庭を逍遥する将軍・家綱、枳殻邸侵雪橋(近習は池畔芝地に、このあと失踪)。将軍誘拐を受けて、長さんを後継候補とすべく打診にくる宗冬、大覚寺大沢池畔。
*第三シリーズの居候先は、娘を助けた縁から口入屋の浪花屋に決まる。あるじの喜久蔵(芦屋雁之助)にのみ身分を明かす。おれんさんは娘の一時保護を頼むくだりで登場、辰三郎を長さんにつけるよう計らう(他の夢楽堂メンバーは出ず)。南町同心・青目は浪花屋の用心棒が気に食わぬ様子で、いつか正体を暴いてやると息巻く。

■ 暴れん坊将軍 III 第23話「思わぬ遺産の目安箱」1988-1990テレ朝/東映

 半次郎の叔父の遺産を届けた隠居は、実は元泥棒で当の叔父。玉の輿に乗った娘を凶盗に殺された元盗っ人は、賊の名を目安箱に投じるも火盗改長官がグルで追われ、助けに入った新さんに真相を告げて果てるのだった。
 ロケ地、隠居・彦八が娘夫婦と来る縁日、神護寺金堂下石段にセット。酔態の大身武士が芸者連れでゆくのを見て、正体を盗賊・蝮の弥平と見る彦八、金堂下石段山門下石段。彦八の向島隠居所、広沢池北東岸の萱葺民家(イメージに使い、建物はセットへスイッチ)。彦八を追って殺到する弥平一味、新さんも駆けつけてチャンバラは北西岸。ラスト、じいと野駆けの上様、酵素ダート、河川敷。
*過半を、大金ゲットして大騒ぎの半次郎に割き、盗っ人ばなしは後段に追いやられている。兄を案じたお葉が「遺産は夢」芝居で隠すがすぐに見つかるドタバタもあり。*ラス立ち福ちゃん入り、フレームから半分出てのアップが見られる。
2005/2/8

■ 暴れん坊将軍 III 第22話「愛を棄てた女」1988-1990テレ朝/東映

 罷免されて無役の旗本、大藩の留守居役に悪徳商人がタッグを組み、仕官を求める浪人たちを食い物に。浪人たちの悲惨を見た上様は、怒りの刃を振り上げる。お話の主軸は、恋人の仕官支度金のため水茶屋勤めをする女の哀話。
 ロケ地、半次郎がお篠のもとへ通い詰める深川の水茶屋イメージに松尾大社鳥居(前に床机等セット)。支度金貸し出しの近江屋を出た浪人が那須邸に入ったと報告の左源太、大覚寺五社明神(塀越し)。旗本・那須源一郎邸、金戒光明寺永雲院(坂道にここを窺う新さん)。金が足らんと那須邸を叩き出された浪人が絶望して腹を切ろうとする堀端、嵐山公園堀端(南岸)。近江屋寮、中山邸参道、通用門。お篠が許婚者だった浪人・松崎の仕官を祈願しお百度の八幡さま、今宮神社合祀摂社。夜の街で見かけたハラキリ浪人を尾行する新さん、大沢池木戸五社明神(那須の手下が押し込みの人数を集結)。その場にいて、逃れるも捕り方に追い詰められる松崎、中ノ島橋(進退窮まって身を躍らせる)、このあと別の場所設定で堰堤下の川中も。お篠に事情を聞く新さん、今宮神社高倉脇坂〜高倉前〜合祀摂社前。お篠を連れて逃げようとして町方に囲まれ、心中を思い詰める松坂、上御霊神社本殿裏手。お芝居で近江屋から借りた金の証文をじいに見せられる上様、池泉不明。吉宗のはからいで紀州へ旅立つ松坂とお篠、嵐山自転車道
*旗本に亀石征一郎、留守居役(鯖江藩、間部詮房がらみで吉宗に遺恨設定)に北原義郎、近江屋に五味龍太郎とコテコテ悪の黄金トライアングル。

■ おしどり右京捕物車 第16話「闇」1974/4-9

 右京の足を砕いた野洲の万蔵の手下が、じわじわと右京に迫る。この危機に、心身の疲れから目を病んだはなは術後で絶対安静。医者に三日と期限を切られた養生の期間が、緊迫のドラマを作りだす。
 ロケ地、一味が江戸への道をゆく河原、木津河原葦原。このあと江戸へ三里の街道筋で、花会の金を持った男を強殺、北嵯峨農地・陵前の道。常念寺、神光院中興堂、門。北町奉行所、御所門。伊賀の計略で御府外へ向かわされる右京、日光街道で橋を落とされ大ピンチ、流れ橋(橋桁を落とされ立往生、箱車を川へ落として手繰り寄せる怪力右京)
*万蔵の手下一味のヘッドで冷徹な切れ者・伊賀に岸田森。渡世人のかっこもけっこうお似合い。右京に対する憎悪の表情がコワい。獄門首を見て己の運命を語る台詞が迫力。インテリくさい悪役をやらせたら極上。*流れ橋の使用例中でも、橋桁まではずしての撮影は珍しい。

■ 鬼平犯科帳スペシャル 「山吹屋お勝」2005.2.8CX

 原作とも、第一シリーズの同名作品とも異なった作りで、離ればなれになっていた男女の運命の邂逅と、哀しい末路を描く。
 お勝が鬼平の従兄・「仙どの」を誘惑して三沢家に引き込みに入ろうとするのは原作や前作と同じ。お勝を調べに行った鬼平の密偵・関宿の利八はこのまま二人で消えてしまうが、彼らは生き別れの夫婦というのがこのお話の設定。利八は霧の七郎の姦計にはまり焼き殺された夜兎の角右衛門の手下で、おかしらを助けに炎の中に飛び込み、ひどい火傷を負ったのを平蔵に救われた経緯を持つ、と語られる。お勝、真の名はおしの、霧の七郎配下の引き込み女。この作では利八が死んだと思い込み「何もかもどうでもよくなって」霧の七郎の手下として過ごしている。二人はそれぞれの主を裏切り、この上は死という切所に立ち、江戸を売って二人での暮らしを夢想するがこれは叶わず、血塗れの運命が待っている。
 二人の男女の哀話を主軸にいつもの鬼平ワールドが展開され、猫どのは相変わらず料理の薀蓄を垂れ、うさ忠は女に弱いし、五鉄では鬼平が密偵たちと軍鶏鍋を囲むが、彦十のとっつぁんの姿がないのが悲しい。
 ロケ地、仙どのが暑気あたりで倒れる王子稲荷、下鴨神社二の鳥居(門前にある山吹屋はセット)。失踪した利八の探索からはずされた五郎蔵が考え込むところへ、おまさと粂八がやってくる、下鴨神社糺の森池跡(木々は紅葉)。山吹屋を見張っていた粂八が霧の七郎の手下を見たとおまさに話す堀端、八幡堀・明治橋下堀端(後段、おしのが利八を救うため霧の七郎の盗っ人宿へ向かう雪の夜道も同所)。偽造手形の代金を博打で稼いだ利八が船から上がりなまず堂へ向かう橋、八幡堀明治橋。このほかアイキャッチとして、出役の平蔵のシーンに松本酒造前東高瀬川堤。利八を待ち続けるおしののシーンと、霧の七郎に捕まって責め問いされるシーンの間に挿まれる夕景の橋に流れ橋
2005/2/7

■ 暴れん坊将軍 III 第21話「二人の新之助」1988-1990テレ朝/東映

 上州・須坂藩の後継騒動、姫にとる婿を狙って藩主舎弟の陰謀が渦巻く。しかし当の若様は出奔中、乳母の娘と相愛で武士を捨てる覚悟をしていた。
 ロケ地、市中へ出る上様のおわい船、彦根城佐和口多門櫓前内濠(使い回しの映像)。姫の身に迫る危険を目安箱へ訴えて死んだ奥女中の墓へ参る百合姫、二尊院墓地(下谷乗源寺無縁墓地)〜駕籠に乗るのは黒門(門内から新さんが見ている)〜駕籠が去る、紅葉の馬場。これを尾行する左源太、妙心寺玉鳳院南西角から前の路地(下谷界隈〜武家屋敷街)→セットの藩邸につなげる。若様のほうの新之助を探していたおゆきを連れて市中をゆく新さん、妙心寺大庫裏西路地。尾行者に気付きおゆきを隠すのは黄鐘調鐘脇。チャンバラは大庫裏門前〜法堂回廊下。舎弟の住む須坂藩別邸、大覚寺望雲亭(門、建物内部も使用・座敷から大沢池がのぞく)。おゆきに若様のことを聞く新さん、天神島に茶店セット。おゆきが若様とばったり会う神社、上御霊神社(楼門、舞殿ではお神楽、おゆきが心を鬼にして若様を突き放すのは本殿裏手)
*ラス立ち福ちゃん入り、上様にぶっ叩かれ左源太に斬られて「うわぉ」。

■ 水戸黄門34 第5話「格さん不覚 消えた印籠」2005.2.7TBS/東映

 格さんが印籠を掏られるというヘマをやり、悪代官に権威を利用されてしまうお話。日誌のかわりに遺書を書く格さんだが、助さんの友情溢れる活躍で事なきを得る。学芸会のようなお芝居にいっぱい食わされるお間抜け欲深代官に立川三貴。
 ロケ地、石巻を目指す一行、桜木健一の掏摸が出る茶店のある街道、不明。石巻を発つ一行、嵐山自転車道(堤下、堤上)
*「学芸会のような芝居」が傑作、助さんを用心棒に送り込むのに仕込み芝居を嬉々として繰り広げる一同(格以外)。この過程で助さんが仕方なく老公をシメる場面などもある。代官のとこに置いてくるニセ印籠を作っている鬼若が可愛い。*福ちゃん、代官の家来で登場、羽織着てるからお目付の下役かもしれない。チャンバラはなし。
2005/2/6

■ 岡っ引どぶ2 京洛殺人事件 1982/7/9映像京都/フジ

 公家連続殺人事件で、京都へ派遣されるどぶ。美姫とよろしくやるが、これが焦点の公卿の奥方だったり、当の公卿は殺され謎めいたヒントを残したりと、複雑怪奇の様相を呈する。殺生関白の遺産を狙ったワルは自滅し、左門の殿様からも解放されていい気分で帰途につくどぶだが、道中にはお仙が待ち構えているのだった。
 ロケ地、烏丸少将が競べ馬の最中頓死する加茂神社の馬場、下鴨神社馬場。町小路邸、不明。斬られて瀕死の上方商人が目安箱に訴状を入れる評定所、大覚寺明智門。京イメージ、清水寺遠景。駒丸に空蝉のもとへ案内されるどぶ、上賀茂神社ならの小川(河畔でヤクザとトラブル)大覚寺天神島(石鳥居まわり草深し)護摩堂(無住の寺と駒丸、中に褥あり空蝉が横たわる)。市中、首吊りと聞くどぶ、下鴨神社河合社塀際。殺されて吊られている一条少将、上賀茂神社北神饌所裏手。五条邸、相国寺林光院(門、前庭、中仕切戸、玄関、門前)。御所からの使いが来て出かける五条卿、同心とどぶが後をついてゆく道、妙心寺大龍院入口〜大法院前路地大庫裏脇路地(ここで卿の姿が消える)。入洛したお仙兄妹がどぶの行方について話す茶店、今宮神社門前茶屋・一和。消えた五条卿を追うどぶがその前を走り抜ける、東参道。→お仙に張り付かれる、門内石橋上。駒丸が芸を見せる縁日、下鴨神社河合社脇にセット。関白・秀次の側室の市中引き回し、馬場。五条卿の妻になる以前、辻君として五条河原に出ていた桜子、中ノ島橋たもと。浪花屋に探りを入れたどぶが出てくる門、中山邸通用門(後から出てきた桜子恐喝の岡っ引と、グルの同心がゆくシーンは参道)。これを尾行するどぶ、桂川松尾橋下手右岸堤(お仙に邪魔される)。友禅職人の死体が上がる、松尾橋付近汀。御所から五条家の文書をなんとかと次郎吉に頼むどぶ、妙心寺大庫裏西塀際。御所イメージ、建礼門。御文庫へ侵入して帝に見つかり、碁の相手をさせられるどぶ、相国寺方丈北側縁先。秀次側室の菩提寺・瑞泉寺へ打掛けを奉納にゆく島原の御室太夫、勝持寺仁王門。浪花屋の手先の岡っ引に打掛けを強奪される境内、仁和寺経蔵。秀次の隠し金が隠されている珍皇寺の山門、西明寺や粟生光明寺薬医門に似るも特定できず。境内の井戸、下鴨神社河合社裏手林間。江戸へ帰るどぶと左門父子を見送る桜子と駒丸、走田神社参道。左門の殿様に許され一人道中のどぶ、茶店で浮かれているとお仙が待っている、木津堤にセット。どぶとお仙兄妹が道中のED、流れ橋上。
2005/2/5

■ 白獅子仮面 第6話「妖怪女狐参上」1973日テレ

 今回の化物は女狐、巫女さんみたいな着物でお面(本体?)はリアル狐。見境なく人を殺す、放火しまくりなどの悪行を重ねるほか、継母のDVに泣く娘を誑かして仲間に引き入れたり。白獅子仮面は女狐の火薬が爆発する危機に発動、憑依された娘が継母に迫るのも阻止しお説教垂れて去ってゆく。
 ロケ地、森田屋の娘が弱虫の義理の弟を励まし遊んでやる、相国寺林光院西側の空地。継母に突き飛ばされ怪我をした娘が泣きながらやってきて女狐に誘われる、今宮神社稲荷社。大岡邸、林光院門。
*女狐って呼称で既に笑えるが、変身前の兵馬を網で捕えて「妖術仕掛網」ってそれ術じゃないじゃん。

■ 白獅子仮面 第7話「必殺コウモリ男」1973日テレ

 怪人はコウモリだけに膜があり、これをぱっと広げて襲ってくるのが痴漢ふう。あっさり弱点を見破られたあとは大魔王の示唆で蜆売りの少年をさらい、越前呼び出し。また子供か工夫のない奴らめ。今回は大岡さま既にピンチなので、助けに門を飛び出した時点で「獅子吼!」。
 ロケ地、大岡邸、林光院(門のほか、田所同心が蝙蝠の群れに引っ掻かれる際には大通院南塀がバック、対策用の網を繕う場面は前庭)。越前が呼び出される護持院ヶ原、下鴨神社池跡
*コウモリ男は光に弱い…で龕灯、音に弱い…で鉦太鼓、こんなので追い払われる怪人って弱すぎ。第一どこが必殺なんだか、ひょっとして胸の毒針?予告編では毒って言ってたけど本編でそんな表現あったかなー。
2005/2/4

■ 月影兵庫あばれ旅 第10話「おれは盛岡には来なかった」1989/10-12TX

 南部藩のお家騒動、事情を知悉するも兵庫は、命を賭けて藩を守ろうとした忠義者と聡明な「弟君」のため、伊豆の意には沿わず黙して去る。
 ロケ地、江戸城、姫路城天守。黄金献上の南部藩の使僧を従えた牧野備前守が御廊下で伊豆とばったり、相国寺方丈北廊下。桔梗が密書を見られた花巻の温泉宿、日吉大社日吉山荘(飛竜の滝アップあり)。安が兵庫に公儀隠密かと聞く道、琵琶湖西岸松原。使僧の寺・盛岡光照寺、相国寺方丈(南側外観、座敷を開け放ち南庭と法堂を遠景に)。南部藩別邸へやってくる安、門は大覚寺大門。ぶつかった侍から財布を掏ってしまう、参道石橋。拾ったと届けにゆく、式台玄関。ご褒美にと茶室見学をせがみ藩士に伴われて渡る庭の橋、枳殻邸侵雪橋。ここで幼君頓死を見る(遣水脇の芝地で腰元に乗っかって遠眼鏡→くの一の化けた侍女に唆され木に登って落下)。目付邸で兵庫はいないと言われた桔梗がゆく城下、大覚寺勅使門橋大沢池木戸(くの一出て当身で拉致)。安が襲われる宮、五社明神。事後、盛岡を発つ兵庫と安、日吉大社西本宮参道大宮橋前〜走井橋(くの一とチャンバラ、その前にくの一が立っているのは走井堂石段上)。くの一が監禁していた桔梗を助け出す社、大覚寺護摩堂。安にも「盛岡になんか来てない」と言い聞かせつつゆく山道、谷山林道

■ 暴れん坊将軍 III 第20話「さらわれたお葉」1988-1990テレ朝/東映

 安房勝山藩の若侍が、上役の不正を糾して殺された兄の仇を討つ話。襲撃に失敗し撃たれ、お葉の治療を受け回復するが、再びの凶弾に斃れる。
 ロケ地、若侍の中間がお葉を脅し治療させる大川筋南・西応寺裏手の神輿小屋、鳥居本八幡宮(舞殿脇に小屋セット。勝山藩の手の者が殺到する道に小柴垣、中間が斬られるのは広場)。忠相が新さんに若侍の身元を報告、大覚寺大沢池船着(大)、勝山藩探索を下命される左源太は木戸前。勝山へ馬を飛ばす左源太、嵐山自転車道(公園側・川側両方からの撮り)。調査結果を新さんに報告の左源太と疾風、大覚寺勅使門橋(夜)。お葉を拉致する家老の手下、有栖川畔。事後、沈むお葉を励ます半次郎と新さん、放生池堤
*お葉ちゃんさらわれは二回、一之進の中間が治療強要のためにやるのと、一之進脅迫のため勝山藩士に。*悲劇の若侍を演じるのは五代高之、次のお庭番。月代が沖田総司ふうで切り下げ髪、「記号」か。*ラス立ち福ちゃん入り。
2005/2/3

■ おしどり右京捕物車 第9話「妬」1974/4-9

 観念の姉の常盤津の師匠に言い寄る「妾狂いの小間物屋」、これは隠れ蓑の表の顔で正体は禁制品ブローカーの「闇の旦那」。しかし妾話を断るのに実は亭主がと右京が使われ、煙草入れの瑪瑙見られて即バレバレ。
今回は、事件そのものより「亭主芝居」に怒るはなに重点が置かれている。
 ロケ地、八兵衛が観念の姉・おふくを囲おうとする根岸の物件、不明(前に小川のある田舎家)。禁制品荷揚げの旗本屋敷裏手掘割、嵐山公園中州湛水域・料亭裏の階。

■ おしどり右京捕物車 第10話「爆」1974/4-9

 右京のミスで捕えるべき相手を殺してしまい、秋山とぎくしゃく。しかも上から圧力かかり捜査自体打ち切られてしまうが、右京は下請け与力のプライドを貫きワルを追い詰める。
 ロケ地、手榴弾を使い商人を襲う一団のアジトがある荒川堤の小屋、木津堤河原流れ橋(冒頭の右京踏み込みと、中ほどの仲間口封じ爆殺、ラス立ちもここ)。常念寺、神光院中興堂、山門。旧知の喜作とばったり会ったはなが話しながら歩く、下鴨神社泉川畔〜河合社裏。その帰りはなが登る石段、金戒光明寺参道石段。北町奉行所、御所長屋門。寺へ来てはなに作法伝授のバイトを持ちかける喜作、くろ谷墓地。その話で天神下の甲州屋寮へ呼ばれるはな、中山邸通用門(後段で参道も)
*自分が生計を立てると動くはな、わかっていながら傷つく右京、という葛藤があり、はなの「昔の男」で今はワルの手先の寺田農が現れてひっかき回し、雨降って地固まるドラマ展開。

■ 暴れん坊将軍 III 第19話「からくり盗っ人街道」1988-1990テレ朝/東映

 神君の宝刀を盗んだ賊は、身の危険を感じ江戸を売り、日光例幣使のお公家さん殺してなりすまし。しかしもっとワルい日光奉行の奸計にハマり敢無く斬られ、宝刀ゲットの奉行は将軍暗殺へと飛躍してゆく。
 ロケ地、江戸を売り日光街道をゆく賊・木鼠の三次一味、法華の講のフリしてゆく道は日吉大社山王鳥居下。賊を追って日光路をゆく新さんが病の娘を助ける、走井橋たもと。日光例幣使の輿を見る木鼠一味、東本宮参道。日光奉行出張陣屋、大覚寺大門。賊に殺された女官の死体が見つかる、大宮川か保津峡か。別口盗っ人のお玉と逃げる新さん、保津峡落合落下岩〜崖下河口。奉行の鉄砲隊から上様を救うため「勧進帳」やらかしてグーで殴る忠相、酵素降り口か。事後、お玉に追っかけ回される新さん、日吉大社奥の院石段前。
*ややこしい作りのお話で、宝刀盗む賊と、左遷奉行の悪行に加え、たまたまそこを仕事の場とした別口盗っ人二人組のエピソードまで入れてある。…ぼーっと見てたらなんだか判らないくらい、詰め込み過ぎ。

■ 必殺橋掛人 第12話「四谷の忍者寺を探ります」1985.10.25ABC/松竹

 今回の相手は忍者集団、強敵に対するにあたって柳次は昔の仲間を動かし探るが、アジトの間取りをとった時点で消されてしまう。このことが新吉の不審を呼び齟齬を生じる場面などもあるが、忍者寺でこき使われ用済みとなれぱ虫けらのように殺される下っ端からの、血を噴くような依頼は橋掛人に届く。
強敵に仕掛けるチーム、新吉とおくらが八面六臂の活躍を見せ、松や柳次も目一杯サポートの緊迫の展開。首魁に仕掛ける柳次の、複数の糸を用いての吊り技も見もの。
2005/2/2

■ 長七郎江戸日記2 第62話「十年目の危機」1989.9.19日テレ/東映

 長さんが犯行の動機に酌量の余地ありとして情をかけ助けてやった盗っ人・風の市兵衛。その際罪一等を減じるため当時の北町奉行に入れた念書が、将軍に嗣子できぬ状況で長七郎ぎみが邪魔な大老・酒井への工作に使われてしまう。
 ロケ地、市兵衛の昔の仲間・茂作殺しについて報告の宅兵衛、大覚寺護摩堂前。市兵衛の娘・お咲に事情を聞き夢楽堂へと誘う長さん、大沢池船着(小)上。元北町奉行で現若年寄・川瀬鉄之助邸、相国寺大光明寺(門、張り込みの宅兵衛に話を聞くおれんは方丈南西角)。市兵衛の遺骨を抱いて父の故郷へ帰るお咲を見送る長さんと辰、大覚寺大沢池堤
*辰、宅兵衛さんに金貰って口止めされたのにつらっと長さんに喋る…オマエは。そのあと市兵衛の危機に屋根から降ってきて悪者を瓦でボッコンは見上げた度胸だが、ラストのナンパがいけないよ。

■ 暴れん坊将軍 III 第18話「知らぬが仏の紙風船」1988-1990テレ朝/東映

 美術品マニアの寺社奉行と町年寄が使嗾する賊が横行、お葉ちゃんにぞっこんの大工の青年がギフトの簪の件で疑われ町方に追われるハメに。彼にライバル視され突っかかられていた新さんは、仲良く賊に監禁され御金蔵破りの一味に引き入れられかかったり。
 ロケ地、冒頭の暗闇の矢平次の船、大覚寺大沢池上〜放生池堤に上陸。上様が馬をやる馬場、下鴨神社馬場。「しらぬがほとけ」の紙片付きの紙風船が飛んでくる、河合社脇。簪の出処を探りに行って賊に捕まる大工の清吉、仁和寺九所明神(新さんも短筒女に脅され一緒に捕まる)。事後、今度の件はじいに内緒と忠相に言う新さん、仁和寺参道。ここへわたわたと駆けつけてくるじい、御室桜林
*美術品フェチでエピキュリアンの寺社奉行に和崎俊哉、やはりこの人はお庭番より悪人が似合う。馬鹿を見るかたちの賊・矢平次は伊吹剛。賊一味に福ちゃん発見。*タイトルの紙風船に付けられた謎めいた文書「しらぬがほとけ」は、ラストで子供の寺習いだったことが判明…ほかに「ろんよりしょうこ」「としよりのひやみず」なんかもアリ。実に暴将らしい牧歌的な「謎」…って本筋と全然関係ナシかよ。

■ 新必殺仕事人 第36話「主水凧市で交通整理する」1982.2.12ABC/松竹

 拝領妻を娶った武士と、その妻と、妻の老母と、全て悲惨のうちにに落命する悲話。彼らをむごたらしい運命に引き込む悪女も、辛酸を舐めつくした果て金しか信じられぬ境遇の哀れな女だった。
 ロケ地、渡し場、苦しむ老女に親切ごかしに声をかけるお清、罧原堤下河原。お清に「客」の老女をとられた加代が怒って鼻を明かしてやると息巻き歩く道、大覚寺大沢池木戸前。浪人・弘田が、生業で斬った足抜け女郎に香を手向ける、放生池堤
*拝領妻を娶ったとの陰口に耐え切れず浪人した男に峰岸徹。*足抜け女郎を斬る生業に堕ちた侍と、苦界に身を沈めた妻と、ともに消される現場を見ていた加代の顔に頼み料の小銭が落下するレイヤーは秀逸。

■ 新必殺仕事人 第37話「主水娘と同居する」1982.2.19ABC/松竹

 掏摸集団の摘発をする主水、下っ端のガキばかり捕え田中サマに嫌味たらたらの叱責を受ける。身元を明かさぬ一人の少女に肩入れした主水は、彼女を自邸に保護し更正させ中村家から嫁に出そうとまでするが、運命は掛け違ってしまう。
 ロケ地、主水が町方を指揮し討ち込む掏摸のアジト、広沢池東岸池底(水無)。保護した掏摸少女・おきぬの実父である奏者番頭・水野帯刀邸、相国寺大光明寺(南塀際、門、路地)。町内の氏神さまへおきぬを連れて参拝の主水、上御霊神社(楼門、本殿)。おきぬを連れて縁日で団子を食う主水、大覚寺心経宝塔前に茶店などセット(茶店には浅草名物の看板)。買ってもらった風車を手にはしゃぐおきぬ、主水をはじめて「おとっつぁん」と呼ぶ、放生池堤護摩堂縁先。おきぬと紋太の「心中」死体が見つかる、広沢池東岸池底。
*子に恵まれぬ主水がおきぬに示す情、泣かせてやると言わんばかりの展開がクサくはあるものの袖をしぼらせる。はじめ馴染まず蓮っぱなおきぬが、主水に心をひらいてゆく表情の変化は見もの。せんりつがおきぬの位牌を中村家の仏壇に安置し拝んでいる図がまた、深い。
2005/2/1

■ 暴れん坊将軍 III 第17話「御生母が叱った仇討姉弟」1988-1990テレ朝/東映

 キレ者と評判の現勘定奉行、実は以前の任地で抜け荷などの悪行三昧。諌めた侍は騙し討ちに遭い、遺児たちが仇討ちにやってくる。タイトルは、姉弟が保護された清涼庵で玉緒ちゃんにくどくど垂れられる訓示。
 ロケ地、小梅清涼庵、中山邸通用門。ここからの帰途、新さんが奉行の手下の浪人に襲われている姉弟を助ける、広沢池北西岸(姉弟襲撃は汀、水無。新さんと疾風がこれを見るのは田畔)。姉弟の様子を上様に報告の庭番、姫路城はの門下坂。市中へ出た姉が見つかり、助けようとした左源太が撃たれる、仁和寺九所明神。姉・楓が落としていった木彫りを見て左源太が思い出す伊賀の里、経蔵前。浪人らが姉弟を探して聞き回る小梅近くの里、広沢池西岸・農地からのショット。左源太が逃がした楓が逃げてくる、相国寺法堂基壇。居合わせる新さん、方丈前回廊脇、浪人たちとチャンバラは法堂南・仏殿跡の林間。故郷へ旅だつ姉弟、広沢池東岸池底(水無)。ラスト、お由利の方を仇討ち騒動に巻き込んだと弓のお稽古上様にブチブチ田之倉、姫路城西の丸
*左源太が侍の養女になる以前の楓を見知っている話や、勘定奉行の弟が剣の遣い手で身持ちが悪いという設定などあるが、玉緒ちゃんのお説教に尺をとられて端折りぎみ。

■ おしどり右京捕物車 第15話「虜」1974/4-9

 神谷右京、盗賊団にとっ捕まって大ピンチの巻。牢の仲間を助けるべく動く賊は、右京を拉致って奉行所の様子を聞き出そうとするが北町の虎が言うことを聞くはずもなく、業を煮やした賊は秋山に右京と仲間の交換を持ちかけてくる。
 ロケ地、のんびり釣りの右京が箱車ごとさらわれる、広沢池東岸。常念寺、神光院本堂脇、蔵の前。観念が右京を探す浅草界隈、北嵯峨農地田畔。音三が聞きまわる日本橋界隈、例の「橋蔵のお長屋」、不明。北町に囚われている賊の女房と弟が密会、広沢池東岸。北町奉行所、御所長屋門。人質交換に向かう賊、北嵯峨農地・竹林脇の地道。交換場所の千駄木の一本杉、不明(谷山林道か湖南アルプスか)
*囚われの息子を奪還すべく戻ってくる「先代の頭」に浜村純。右京のため職を賭す秋山の旦那が泣かせる。
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