時代劇拝見日記
2010年8月

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2010/8/31

■ 栄花物語  1983.11.12CX/東映

 腐敗官僚の象徴として語られるケースが多い、田沼意次の「リアル」を描くドラマ。到来の金品がうなっていると噂される田沼屋敷の内情は、側女が嘆くほど質素で、主の意次はろくに休みもとらず働きづめ。家族を犠牲にしても、己の評価を地に堕としても、やり抜きたい・やらねばならぬ仕事のある、引退など毛ほども考えないエネルギッシュな親爺も、台頭する新勢力に屈せざるを得ない時がやってくる。政敵は、周到な追い落とし工作を仕掛けていた。
旗本くずれの戯作者と、淫奔な天然系武家女との恋をからめて描く。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、皇居巽櫓。印旛沼干拓に関する評定が開かれるくだりで。
  • 青山信二郎邸、中山邸通用門。役人が差紙を持ってきたり、閉門で竹矢来組まれたり。
  • その子と信二郎が密会する中洲の料亭・やなぎ、二階から川を見る図の「流れ」は保津峡。大堰手前の左岸に「二階の手すり」を演出したものと推測、濁りの入った瀞が巌を噛む。
  • 印旛沼視察のくだり、測量の船が出ていたり、卓を出して図面を広げたりしている水辺は広沢池西岸葦原。葦の間にスナイパーの新助が潜む(狙うものの的が移動して未遂)
  • 視察を終えた田沼が入る宿所、本法寺。仁王門を入り、寺僧の案内を受けるのは本堂縁先。このあと方丈へ通じる渡廊の北望の図が出て、廊の下に刺客三人が潜んでいる次第。刺客たちが「小姓は女」とひそひそ語らうのは境内の一角か。彼らと争う羽目になる保之助のシーンは、塔頭・尊陽院門前で南望の絵(映画村オープンセットと組み合わせ、細かく切り替わり)
  • 意知の葬儀が行われる寺、随心院薬医門。定信の配下が金をやって農民を使嗾し、門前に蓆旗を立てさせ投石させる。ここへ保之助が駆けつけ、門前で大立ち回り。門は閉められ、背中をざっくり斬られている保之助は一旦門扉に凭れたあとステップを下りてゆき、膾となって果てる。
  • その子を呼び出し、保之助の自死とも言える最期の真相を聞く信二郎のくだり、桜花咲きかかる建物イメージは本法寺開山堂の甍。このあと映る、桜の花びら散り込む「流れ」は保津峡か。

2010/8/30

■ 赤穂浪士 第33話「討入り前夜」1979/4-12、テレビ朝日/東映

 いよいよ大詰め、気配を察して吉良方も緊張。あとは上野介の在宅日という段、有力な情報がもたらされるが、大石はあくまで慎重な態度を崩さない。しかし身の内には血しぶく情熱、政道を正し公儀に抵抗するのだとブチ上げる、ヨロキンの名調子が心地よい。

ロケ地
  • 隼人の失敗に怒り荒れる千坂兵部に呼ばれた帰り、小林平七が通る道、大覚寺参道
  • 大高源吾が弟子入りする四方庵宗偏の庵、中山邸か。
  • 綱紀の見舞いに多仲が遣わされるが、すぐ後から吉良本人が来てしまうくだり、上杉家中屋敷(麻布)大覚寺大門、対岸から片岡源五右衛門らが見張り。ここへ安兵衛がやって来て、吉良の駕籠が来ると告げ、一計を案じ土下座して礼をとらせ上野介の顔を見ようと企む橋たもとは大覚寺参道石橋
  • 一挙を前にして会合が持たれる深川八幡前の茶屋、不明(料亭ふう門、松が見事。池泉も映るが、門と同所か不明)
  • 吉良邸裏門から夜更けに出た駕籠を追う前原伊助たち、走る溝は大覚寺御殿川。駕籠は大覚寺参道石橋で一旦止まり、付人らが合流。この後「上杉邸」へ。

2010/8/29

■ いれずみ判官  沢島忠監督作品  1965.2.25東映

 言わずと知れた名奉行を鶴田浩二が演じた、ちょっと変わった「遠山の金さん」。
安易に自死と断じた事件が後を引き犠牲者が相次ぐ事態に、黙って居れぬ正義の男は木場に潜入。しかし、敵はいち早く彼の存在を察知し、あらぬ言いがかりをつけて北町奉行を切腹に追い込もうと画策するのだった。

ロケ地
  • 北町奉行所、仁和寺本坊表門(左右の壁に海鼠壁パネルあしらい、ステップ映さず)。南町奉行所、京都御苑管理事務所長屋門(クレーンショット)。両方とも役者入らずのイメージカット。
  • 木場、「丸太町」の材木置場か。かなり広大で、背後に立ち木が見える。また、合成と思われるが遠景に「川」を配した絵も。角乗りのシーンは「現地」撮りか。
  • 梶川の墓、金戒光明寺墓地。行き帰りの際石段が使われ塔が映り込むほか、梶川の妻女が住職に何やら渡すシーンで石段南側の塔頭が映り込む。このあとも何度も登場、夜間撮影もあり。
  • 幸吉が死罪と決まり、絶望したお加代が入水する大川、広沢池か(汀は葦原、滞水)
  • 梶川宅、不明(弟を込めてある蔵は川に面して建つ。対岸の高堤が見えていて、流れは瀞。蔵は炎上するが、セット撮りか川端で燃やしたか定かでない)
  • 鳥居邸、不明(兼田が出てくると矢文が飛んできて門柱に刺さるくだり。門は普通の棟門、門外に花頭窓を持つ建物、および与吉が身を潜める石垣)
  • 登城する金四郎を止める村上、城を望む堀端は大阪城内濠端。一人城へ向かう金四郎のシーンは天守真下。

2010/8/28

■ 鬼平犯科帳「一本眉」1989.9.20

 親兄弟を連れ去った死霊に脅え、自棄の果て賊となった男。手下に裏切られた老盗は、伝手を頼ってお盗めの人数をかき集めるが、金を残してやりたい子ができているのだった。

ロケ地
  • 清洲の甚五郎の盗人宿、民家門。乾分が注進に来る段では塀際、粂八の見張りでは前畑付近も使われる。
  • 予定していたお盗めを中止し、外道の佐喜蔵を殺しに行く段で乗り込む船、セットかロケか不明(佐喜蔵のアジトの前で船をおりるシーンは明らかにセット)

2010/8/27

■ 命を賭ける男  加戸敏監督作品  1958.4.29大映

 白柄組にたった一人で挑み、己が命を贄に町衆を難儀から救おうとした、幡随院長兵衛の侠気を描く。
長兵衛と十郎左は互いの「男」を認め和解しようとするが、白柄組はそれを許さず、十郎左を追い込んでゆく。抜き差しならぬ事態を前に、永年密かに温めてきた愛をプラトニックに昇華させる長兵衛とおきぬの交歓が、見る者の袖をしぼらせる。

ロケ地
  • 一重の父を斬って退転する権八、本庄の兄弟が追ってくるが見失う「土手」状の地形は砂丘か。
  • 江ノ島イメージ、不明(マジ海の汀)。江ノ島詣でから帰る白柄組一行が、通りかかった若衆・権八に因縁をつけるくだり、琵琶湖西岸。茶店は松原沿いの街道側、立ち回りは松原で。林には鳥居や題目塔があしらわれている。
  • 十郎左が奴に化けて騙りをはたらく、黒田家の槍持ちテスト、二条城か(広場に幔幕張り巡らせ・松をはじめ大木多数、大屋根も映り込み)
  • 黒田家からの訴えを受けての幕閣協議、お城イメージは書割か。
  • おきぬの回想、幼いおきぬを連れて江戸へ向かう桜井家の従僕「常平」、琵琶湖(漁具あしらい、小河川河口部)
  • 水野家への上使が出る城門、大阪城多聞櫓。物々しい捕り方も後に続く。

2010/8/26

■ なみだ川  三隅研次監督作品 1967.10.28大映

 妹に来た良縁、どうしても嫁がせてやりたい姉は、あれこれ立ち回りようやく形を整える。しかし結納当日、切れた筈のわるい縁が舞い戻る。姉は身を捨てる覚悟でそれに向かってゆき、その行為は蟠っていた全てを昇華させるのだった。
 天然系の姉を藤村志保が熱演、日常の頓馬な可愛さと、刃を振りかざす決死の眦が素晴らしい。

ロケ地
  • 花の稽古から帰るおしずを呼び止める栄二、宇治川派流端、背景に酒蔵。水面は僅かしか映らず、柳ほかの緑が青々と美しい。ツクツクボウシの声を演出。
  • 鶴村へ出稽古にゆくおしずが渡る橋、渡月橋。背景は光って白一色。
  • 出来上がった手鏡を鶴村へ届けた貞二郎、帰りに通りかかる「木場」は谷山林道か(道端に丸太積み上げ、ちらっと映る背景の山に切り通しっぽい赤土)。木遣りを演出。
  • 目黒不動へ詣でる姉妹のくだり、街道をゆく二挺の駕籠は丘の上にセット組みか。参道の坂を上がる二人、粟生光明寺石段(露店や雲水あしらい)。お参りのお堂は粟生光明寺本堂、大きな赤い提灯があしらわれ、拝む二人の背景に石畳が来ている。境内を出る二人、今宮神社石橋(東望)。入る不動茶屋は今宮神社門前・かざりや(中からの絵)
  • 貞二郎がおしずを呼び出す船宿、内部はセット撮りで、事の前に障子を閉めるシーンで錦水亭東屋外観にスイッチ、中から閉める手が見える趣向。カイツブリの鳴き声演出。

2010/8/25

■ 鬼平犯科帳「兇賊」1989.9.13

 平蔵が評判を聞いて足を運んだ芋酒屋、そこの親爺が実は盗っ人。彼は、旅先で鬼平に強烈な害意を持つ者の話を立ち聞いており、賊の魔手から平蔵を守ることになる。

ロケ地
  • 加賀・田近谷村の野道をゆく九平、不明(山裾の棚田)。丘から見る里、不明(前に水田、裏手は竹林。母屋は萱葺き、脇に大きめの小屋。実際に高みから眺めている感じ)。立ち寄る元の実家、美山民家に似る(軒瓦を出した萱葺き)
  • 帰途、どうやら盗人らしい二人連れが「鬼平の血を見なくちゃおさまらない」と話すのを聞く倶利伽羅峠、谷山林道。「地蔵堂」の祠をあしらい。後段では馬も入る。
  • 九平の芋酒屋を出たあと、刺客に遭う平蔵、大覚寺放生池堤(エンドの橋)〜五社明神(池畔林間)
  • 網切の甚五郎の盗人宿、不明(かなり大きな萱葺民家、脇に板塀と門あり。大屋根の向うに山のシルエット。画面手前は水田)。設定は青山・原宿村の「丘の上の百姓家」。
  • 甚五郎配下の友吉が入ってゆく向島の料亭・大村、中山邸通用門

2010/8/24

■ 鬼平犯科帳「さむらい松五郎」1989.9.6

 火盗同心の山口が、賊と酷似していることから起こる椿事。今まさに盗みに入らんとしていた一味を捕えるべく、誤認されたままなりすましは続くが、当の松五郎が出てきてしまう。

ロケ地
  • 菩提寺へ詣で父母の墓に額づく山口、西教寺墓地か(丘の上、遠景に山。石段あり)。設定は目黒村・威得寺。
  • 墓参の帰り、須坂の峰蔵に「松五郎さん」と声を掛けられる山口、仁和寺中門(南北両向きのアングルあり、参道には露店あしらい)。設定は目黒不動堂。
  • 峰蔵と「松五郎」の山口が互いの事情を語り合う水辺、罧原堤下河原
  • 再び「山口」に会い、松五郎傘下で働きたいと申し出る峰蔵、帰る彼をつけてゆくおまさと伊三次、仁和寺塀際(内側)
  • 江戸へ出てきた松五郎と山口がすれ違うくだり、松五郎が休む目黒不動の茶店は仁和寺茶所
  • 山口と峰蔵が盃を交わしたあと、藤七の盗人宿に道具を取りに行くと言って出た峰蔵が本物の松五郎に出くわすくだり、不明(酒井がつけてゆく道は山裾の田畔、その後松五郎と峰蔵が話す水辺は沢ノ池に似る。別々の場所をつなげてある感じ)
  • 松五郎が捕縛されたあと、市中へ出て山口らと合流する平蔵、仁和寺九所明神鳥居〜拝殿(山口と小柳は内陣へ入り、縁先に腰掛けていて、おかしらを見て「外に出て」駆け寄り。背景に本殿も映り込む)

2010/8/23

■ 赤穂浪士 第32話「宿命の死闘」1979/4-12、テレビ朝日/東映

 吉良邸の調査は着々と進み、浪士たちに期待を寄せる者があちこちに居ることも知る。そして、肚を決めて大石を斬りに行った「間者」にも決着がつく。

*ロケなしセット撮り。
2010/8/22

■ 御存知 鞍馬天狗   1989.1.4CX、新春時代劇スペシャル 市川崑演出作品

 「天狗廻状」がベースのお話。杉作との出会い、新選組との攻防や禁門の変などを絡めて、天狗のおじちゃんの活躍を描く。
ツボは、新選組隊士の情婦が、天狗を仇と狙うも彼の心底を知り、天狗に代わって哀れな角兵衛獅子を庇うに至る、心情の変化。

ロケ地
  • 天狗が塒にしている松月院、不明(杉作たちを拾う、夜の塀際はセット。親方が杉作を隠れ蓑に倉田天膳をさぐりにやって来るくだりでは、奈良によくあるタイプの、寄棟の大きなお堂)
  • 逃げていた杉作たちが芸をしていて親方に見つかってしまう河原、大堰川か。
  • 宗像近江守の山荘、中山邸通用門。桂がここへ至る際通る林は不明。
  • 「天狗回状」による新選組の捕物、嵯峨野の農夫・弥吉の家は大きな萱葺屋根の一件(激しく靄かかり)。倒幕派の浪士や公家が雲水に身をやつし落ち合う富小路有文邸門前、仁和寺裏塀(境外、北塀)。祇園の茶屋・流水楼はセット撮り。
  • 桂が乞食に身をやつし隠れている三条大橋、中ノ島橋。橋上を幾松が妹芸者と来て、彼女を帰したあと橋下へ。ここへ天狗も現れる。
  • 夏目が月形半平太の駕籠を襲う市中、仁和寺グラウンド塀際(内側、塀越しに本坊や二王門がちらり)
  • 宗像の娘・お園が夏目に呼び出される水辺、広沢池西岸湿地。夏目が天狗回状のせいで新選組に先回りされることを憤慨。
  • おとせのネタで新選組が勤皇派狩りに出動する長命寺山、不明(柱が赤い仁王門、中のお堂は方形で大きな宝珠を頂き、傍らに大銀杏で右手に竹林)
  • 新選組屯所へ「回状」を投げ込みに来た宗像家の老僕からそれを掏り取る吉兵衛、不明(連子窓付きの塀際、腰板付きで植え込みあり)
  • 伏見に陣を張る長州勢のもとへ駆けつける桂、久坂玄瑞と再会し進軍を諌める野原は酵素河川敷
  • 杉作を人質にした新選組が天狗を呼びつける阿弥陀ヶ原、広い野面は酵素河川敷、杉作を閉じ込めてある如月堂は大覚寺護摩堂。天狗が白馬に跨り駆けつける道は下鴨神社馬場流れ橋(渡渉)糺の森(レンブラント光線派手に入り)
  • 天狗が近藤勇を呼び出し対決する「糺の森」、不明(画面上部に竹林、足もと以外は真っ暗)。砲声が響き水入り。

2010/8/21

■ 怪談スペシャル  2005.8.2CX/映像京都

 陰陽師・芦屋道三の住まう長屋の恒例行事・百物語。今年は道三宅が当番で、皆寄ってきて怖い話で盛り上がりまくり。96話語り終えたところからドラマがはじまる。


「鬼婆」
 行き暮れて野中の一軒家に助けを乞う駆け落ち者、しおらしく頭を垂れるものの内実はゴロツキ。たちまち屋敷のお宝を物色し始めるが、奥で臥せっているという奥方は、人の生き肝を食らう魔物だった。

ロケ地
  • 岩手とセツが棲む家、酵素民家セット。竹林越しの絵も。設定は安達ヶ原、語り手のお吉にこの話を聞かせた、姪の嫁ぎ先近く。
ゲスト
岩手/浅野ゆう子 巳之助/山本太郎 おとき/野波麻帆 セツ/菅井きん



「座敷童子」
 その家にいるというワラシさまを崇める内儀、慈悲深い彼女が助けてやった、行き倒れ寸前のキタナい女が災いのもと。たちまち亭主を色香に迷わせ、身籠ったと偽り遂に内儀を追い出してしまうが、報いはきっちり返ってくる。

ゲスト
お静/須藤理彩 座敷童子/田中碧海 彦市/菊池均也 お民/櫻井涼子



「契り」
 亡くなる間際、自分以外に妻を娶らぬよう夫に頼む女だが、二年も経つとまわりが放っておかないし、人の心も変わる。先妻は亡霊となって現れ新妻を苦しめるが、却って夫婦の結びつきの強さを見せ付けられてしまう。大団円のあと、ちょっとギャーなオチつき。

ロケ地
  • 祝言を挙げた新妻と夫が散策に出る水辺、大覚寺放生池堤。転んで泣く女児を助け起こしてやるシーン。
ゲスト
由衣(後妻)/石原さとみ こう(先妻)/佐藤仁美 とく(侍女)/小松みゆき 清一郎/山口馬木也



「化猫」
 尽くしてくれる酒肆の女と将来を誓い合っていた浪人だが、やっと来た士官の口の条件は家老宅への婿入り。仕方なく女に手切れを懇願するが、揉めるうち「猫のせい」で刀を抜いてしまい、女を斬ってしまう。女に可愛がられていた黒猫は祟り、男は惑乱の果て家老父子ばかりか、己をも害してしまう。

ロケ地
  • 家老宅との行き帰り、浪人がとぼとぼと歩く道、妙心寺大通院裏路地。ラウンド塀の向うに黒猫が現れて消えたり。
ゲスト
みつ/内山理名 塚本(家老)/斎藤暁 岡田慎三郎

2010/8/20

■ 鬼平犯科帳「明神の次郎吉」1989.8.30

 岸井左馬之助を感心させた奇特な男、実は賊の一味。彼を知るおまさは悩んだすえおかしらに報告、友からその男の人となりを聞いていた平蔵もさすがに驚くが、すぐさま「目立たぬ」よう手配りをはじめる。

ロケ地
  • 次郎吉が瀕死の法円坊を見つけた夜の前田原、不明(草原)
  • 岸井左馬之助が寄宿している押上村の春慶寺、西明寺。山門のほか境内、出入りに参道坂が使われ、密偵の見張りには脇の石積も。
  • 法円坊の遺品を届けてくれた次郎吉を、大八に乗せて五鉄へ向かう左馬之助、渡る橋は中ノ島橋。お帰りの絵もあり、夜間撮影。
  • 左馬之助の回想、したたか呑んだ翌朝急に修行にと発った法円坊を見送った道、不明(小柴垣の道、鳥居本か北嵯峨か)
  • 櫛山の武兵衛の盗人宿、不明(板塀をめぐらせた民家、周囲には幼木が植えだされ、裏は植林杉。造園業の敷地か)。設定は千駄ヶ谷。
  • 伊佐次とツナギをとる平蔵、上御霊神社本殿脇に緋毛氈の床机あしらい。
  • 動きだす櫛山一味、報告を待つ平蔵は今宮神社境内屋形に腰掛け、一味は高倉脇坂を駆け下りてゆく。高倉下に伊佐次、燈籠脇に彦十らが潜み、楼門下でおまさが平蔵を誘導。この先の寺へ入ったと報告する彦十、相国寺回廊
  • 一味が入った荒れ寺・宗清寺、相国寺大光明寺。おまさが湯屋角で見張っていると、南通用門から出てきて走り去る。このあとはセットへスイッチ。
  • 小田井宿さして中山道をゆく岸井左馬之助、谷山林道切り通し。

2010/8/19

■ 赤穂浪士 第31話「必死の攻防」1979/4-12、テレビ朝日/東映

 大石は遂に江戸入り、情勢が変わったことを読んだ兵部は、隼人に大石暗殺を命じる。大石の人柄に感じ入ってしまっている隼人は惑うが、大石に突き放されてしまう。

ロケ地
  • 大石暗殺の命を受けるも保留し、上杉邸を出てくる隼人のくだり、小林が待ち受ける夜道は広隆寺東塀(外側)

2010/8/18

■ 怪談百物語 第11話「牡丹灯籠」2002.12.3映像京都/CX

 新解釈の「お露新三郎」、運命のカップルは過去世・現世・未来世と縁をつなぎ、時空を飛び越えて再びまみえる。知らずに恋しい男を死なすところだった亡霊が、自ら消えてゆくいじらしさが胸を打つ。

ロケ地
  • 冒頭、カランコロンの石畳、妙心寺境内石畳。
  • 戦国期、戦に行く恋人の武将を見送る娘、牡丹を切る畑は北嵯峨農地、大覚寺際。
  • 250年後の江戸、医師の志丈が新三郎を連れ込む患者宅、安楽寺山門(呉服屋別邸、お露が療養中)。門と石段が使われる。
  • 自作の菓子を持ってお露のところへ急ぐ新三郎、上賀茂神社ならの小川畔。後段でも行き帰りの道で登場。
  • お露を縁日に連れ出す新三郎、今宮神社舞殿脇に床机しつらえ。本殿前に露店。
  • お露の死を信じない新三郎を墓に連れてゆく志丈、二尊院墓地
  • 2003年春、病院の庭での二人の邂逅、公園か。

2010/8/17

■ 怪談百物語 第10話「怪談源氏物語」2002.11.26映像京都/CX

 能「葵上」を見ていた道三がタイムスリップ、そこは娘の絵草紙で見た源氏物語の世界。光源氏の子を身籠った正妻の寝所に、夜な夜な怪異が出現していた。道三は調伏に狩り出され、生霊の主の苦悩を知るが、おぞましい所業は理性で抑えられない。オニの手にかかる母を救いに、光る君の「子」はまばゆい光芒とともに顕現、御息所の心を溶かす。

ロケ地
  • 能が催される神社、出雲大神宮。露店も出て賑わう導入は鳥居前、能舞台は舞殿。
  • 観能中に気を失う道三、気がつくと京の都な、公達の立つ橋は流れ橋。下に「妖気」の靄を演出。設定は一条戻橋。
  • 左大臣邸、仁和寺勅使門
  • 六条御息所邸、大覚寺勅使門
  • 都大路を彷徨い、六条御息所の輿にぶち当たる道三、東寺境内・事務所東塀際。
  • 歌会に出席する六条御息所、大覚寺。会は観月台で、大沢池に竜頭の船が出ていて、北嵯峨農地方向に塔を合成(東寺五重塔)
  • 宮中の廊下で鉢合わせし、葵上の侍女が懐妊を言い立て、御息所が道を譲るシーン、寄った絵はセット、ロングは大覚寺宸殿か。

2010/8/16

■ 怪談百物語 第9話「ゴースト」2002.11.19映像京都/CX

 あっけらかんと「出る」女房の幽霊は、亭主の女関係にやきもちを焼くほか災いから守ってくれたりもする。そのうち文句のつけにくい娘が現れてしまい、それでも妬心やみがたく新床に化けて出てしまうが、亭主の言葉は彼女を昇天に導く。

ロケ地
  • 喜左衛門がおもんと見合いをする待合、梅宮大社参集殿(池越しにバルコニーを。内部はセット撮りのイメージカット)。浮かれスキップしての帰り道、鼻緒を切るのは大覚寺五社明神
  • 店を訪ねて来たおもんと歩く道、大覚寺放生池堤。密会の男女が出てくる待合茶屋・叶屋、大覚寺望雲亭(出てくる二人をヤクザが見ているのは生垣際)
  • 女中・おまさの回想、喜左衛門とおはつがよく通っていた曹渓寺の茶店、神光院蓮月庵を茶店に仕立て。仲良さげな二人を羨ましく見る幼時のおまさは本堂前の池の橋上に立つ。
  • おまさに求婚したあと二人で歩く水辺、罧原堤下汀か(金色の漣)

2010/8/15

■ 花の渡り鳥  田坂勝彦監督作品  1956.1.3大映

 帰らぬはずだった男が御赦免になり帰還、しかし、島での日々にも片時も彼の脳裏を去らなかった恋しい女は人妻となっていた。王道の情話を、大映ご自慢のスター競演で描く。
女のもとへ急ぐ清太郎だが、唐丸から逃げた男に娘への遺言を託されたり、婀娜っぽい女道中師に惚れ込まれたり。しかしこれらは、恋しい女の住む佐原での出来事に絡んでゆく。

ロケ地
  • 唐丸から逃げた七兵ヱを追う役人たち、不明(九十九折の山道〜崖迫る渓谷を渡渉、狙撃されて川を流れ下ってゆく)
  • 逃げ切って川下、通りかかった清太郎に遺言を託すくだり、不明(七兵ヱは河原、清太郎は「沈下橋」を渡っている)
  • 女道中師に財布を預けられてしまうくだりの街道、不明(飴売りがゆく道は川堤上、清太郎は一段低い堤外地の道、堤はけっこう高く、ヒンターランドはかなり広い)
  • 宿の親爺に女道中師を捜してもらうくだり、訪ねてゆく茶店は土手下か。
  • ヤクザに追われる男女(おみねと惣吉)を助ける町はずれ、不明(道は田の中の一本道、遠景に鳥居。道端に蔵があり、人数はその脇から出てくる)。追っ手を溝に叩き込むシーンあり。
  • 雷神の竹におみねの消息を聞かされるくだり、不明(燈籠のある土手、下に集落あり萱葺きなど見える)
  • おみねと惣吉が絶望して佇む夜の水辺、不明。その後渡し舟に。
  • 小野川へ向かう清太郎が、追ってくるおぎんと半次をやり過ごす街道、不明(橋は沈下橋、先に出たものと同じか。河畔林は竹)
  • 半次が茶店で聞き込み、不明(茶店のある堤は高く、甍が下に見える)
  • おぎんが駕籠に乗って渡る橋、不明(簡素な欄干のついた木橋。かなりな高橋で、下を清太郎が乗った船がゆく。この後船と駕籠が川と堤で平行になる絵も)
  • 佐原神社、上賀茂神社ならの小川畔に露店や幟あしらい。河合社の鳥居や校倉、河畔の大木も映り込む。導入はクレーンショット。
  • おぎんをたばかって船に乗せ押しやる渡船場、不明(河原は礫、山裾を流れるけっこうな大河。流れは瀞)
  • 事後、当地を去る清太郎に追いついてくるおぎん、不明(渡し場、川相は最下流部か、湛水。堤は高く屋根がちらりと覗く)

2010/8/14

■ 怪談百物語 第8話「雨月物語」2002.11.12映像京都/CX

 貞淑な妻は、夫の手ひどい裏切りにより怨霊と化す。諸編の中から吉備津の釜を取り上げ、舞台を江戸に移して映像化。一旦男を救おうとする陰陽師だが、オニと変じた女の力すさまじく、テレポートされた釜は不気味にぐつぐつと湯を煮えたぎらせる。

ロケ地
  • 正太郎がお春を囲う別宅、大覚寺望雲亭。座敷や門のほか、前庭や有栖川畔の路地なども使われる。池越しに心経宝塔が見える図も。
  • 磯良に因果を含められ姿を消したお春と、夜歩きに出た正太郎が再会する川べり、上賀茂神社ならの小川畔。お春は夜鷹に身を落としており、祠脇に出ている。
  • 磯良を騙し出奔した正太郎、お春が具合を悪くして休む街道筋の茶店は酵素ダートにあしらい。お春が引き込まれる川は清滝か。
  • お春の塚、酵素河川敷木の傍ら。ここで会った墓参りの下女に連れられ訪ねる、夫を亡くし嘆きのうちにある女主の屋敷、法然院か。
  • 放浪の果て帰り着いた江戸で、行き会った行者に憑かれていると指摘され、言われるまま籠るお堂、鳥居本八幡宮舞殿に扉あしらい。

2010/8/13

■ 鬼平犯科帳 劇場版 小野田嘉幹監督作品 1995.11.18松竹

 激務をこなすかたわら、最も信頼する密偵の「離反」、父の偉大さに押しつぶされてグレた倅と、内にも悩みを抱える平蔵。そんな彼を闇の勢力が狙うが、ストレートに本人に向かわず、まわりを狙って苦しめる異様な執拗さには、理由があった。

ロケ地
  • 蛇の平十一味を召し取る宿場、みろくの里オープンセット。
  • 深刻な相談事を抱えて粂八の船宿を訪ねてくるおまさ、八幡堀。白雲橋下手掘割に行き来する猪牙船をあしらい、左岸堀端←堀端の家を船宿入口に見立て、その下に船着きを設置。
  • 瀬戸川の源助が番をしている新宿の渡し場(葛飾、中川)琵琶湖流入河川河口州に小屋あしらい。
  • 「狐火」の凶行のあと、新宿の渡し場へ急行する火盗の一団、馬を駆る街道は山室堤。見上げの土手は木津堤か(高さと木から)
  • 山田屋の凶行は勇五郎の犯行ではないと、平蔵に話す粂八、西の湖(船を出して釣り、周囲は一面の葦原)
  • 山田屋に入り込んでいた引き込み女の人相書を持って聞き込みに回る火盗同心たち、今宮神社高倉下(茶店仕立て)今宮神社稲荷社前(巫女さんを配置)。
  • 勇五郎が文吉の手下の女(夜鷹に変装中)をシメてヤサを聞き出す柳原土手、大覚寺大沢池堤。苫船を寄せてきた女をシメる船着きをあしらってある。女を川に落としたあと、勇五郎とおまさはその船で消え、直後鬼平たちが船で到着。
  • 沖のダンナが船からおりる大坂・枚方の港、嵐峡左岸。対岸から見た図で、船着きと石積を残し、嵐亭の建物を消して酒蔵様の建物など合成してある。川端の木はそのまま、くらわんか船が寄せてくるシーンでアングルを左岸からに切り替え。
  • 平蔵の目白台私邸、松竹セット。
  • 「目白台の若」が盗っ人宿に出入りという情報を受ける平蔵、すぐさま役宅を出て目白台へ馬を駆る道、大覚寺五社明神〜心経宝塔前。白子の手下が出て斬りつけられる道、不明(亀岡の大内あたりか、谷地田沿いの地道。斬りあいはぬかるんだ泥田で)
  • 火盗書役同心・岡村の妻女が沖に暗殺される町角、妙心寺蟠桃院通用門前。
  • お豊とツナギをとる沖、真如堂茶所。前を通る鬼平は参道石畳。導入に塔も映る。
  • 暗殺や放火を繰り返す賊の真意を図りかね、ひとりごちて道をゆく平蔵、相国寺大光明寺南路地。役宅はセット。
  • 裏にいた女に気付く平蔵、罠をかけるため街道筋に同心たちを走らせるくだり、彼らに気付いて辰蔵が寄ってくる川、琵琶湖流入河川か。

2010/8/12

■ 怪談百物語 第7話「かぐや姫」2002.11.5映像京都/CX

 竹取の翁が連れ帰った美しい娘には、求婚者がひきもきらず。「物語」どおり、公達たちは無理難題を押し付けられさんざんな目に遭い、その後帝が求愛、しかし「姫」の目的は一族を滅ぼした者どもへの復讐だった。

ロケ地
  • 結婚式帰りの道三たちが「姫」に会い、昔語りを聞く神社、鳥居本八幡宮。道三たちは鳥居をくぐり石段をのぼる。石段脇に「塚」をあしらい、姫は父母の墓と言う。
  • 竹取の翁の家、酵素民家セット(座敷から竹林を望む図も)。公達が家を垣間見するシーンは竹林の中から。
  • 車持の皇子が翁に与えた新しい屋敷、安楽寺山門(イメージのみ)
  • 大伴の大納言が、五色の珠を探すため船出すると騒ぐ屋敷の階、仁和寺宸殿縁先(裏手、南面)
  • 狩りに出た帝が姫を見る林、酵素か。
  • 求めに応じないことを咎めるなら殺せと言った姫の返事を聞き、牛車の用意を命じる帝、仁和寺宸殿縁先(正面、導入は池越し)
  • 翁の屋敷へ出向き、姫を外へ連れ出し求婚する帝、大覚寺遣水跡か。
  • 翁が老妻の亡骸を見つける林、酵素の木。
  • 姫の回想、桐影たちに助け出されるも、炎上する土蜘蛛の屋形に戻ろうとする姫、酵素河川敷草原。追っ手に斬られるのは降り口付近。

2010/8/11

■ 怪談百物語 第6話「狼男」2002.10.29映像京都/CX

 恋人を悲しませぬため、力を得ることを願った青年に齎されたのは、呪いに近い変化。しかも、獣の牙で懲らしめた賊は、彼を可愛がってくれた恩人の「手下」。結局誰も救えず何もかも失い、獣の属性を内包したままの青年は闇へと消えてゆく。

ロケ地
  • 正吉がならず者にからまれる橋、石清水八幡宮安居橋。橋たもとの蔵と、男山の緑が背景に来る。
  • 道三の強引な勧誘を受け、説教代を払わされる正吉、道三がゴザを広げているのは仁和寺観音堂前。塔や御室桜林も映り込む。
  • 正吉の前に蛇の腕釧が「降臨」するやしろ、鳥居本八幡宮。後段、それを打ち砕くのも、再びの力を願うのも同所、石段と鳥居付近で。
  • 初めて「獣」の力を使い人を殺した翌朝、草むらで目覚める正吉、不明(林)
  • 釣りをしている伊勢屋に、身に起こっている怪異について相談する正吉、大覚寺放生池堤。伊勢屋から、夕べ出た「獣」の話を聞かされる。
  • 親方とお袖の塚に参ったあと、闇に消える正吉、鳥居本八幡宮広場〜竹林。樹冠に乗るシーンはCGか。
★この作品の放映当時、「橋」のロケ地についてメールで質問を頂きましたが、その頃まだ「目」が肥えておらず、松竹のセットかもしれないなどと返答してしまいました。頂いたメールをさがしてお詫びメールを送りましたが、8年前と同じメールアドレスを使っておられる可能性は低いと思い、ここにも書いておきます。ごめんなさいでした。
2010/8/10

■ 怪談百物語 第5話「耳なし芳一」2002.10.22映像京都/CX

 よく知られた説話に、祟られるに充分な設定を付け加え、江戸の世にも生きている、不死となった琵琶法師を出してくる趣向。

ロケ地
  • いんちき祈祷をして叩き出された帰り道、雨に降られた道三父子が入るお堂、大覚寺護摩堂。そこにいた先客の老爺が、陰陽師に怖い話を乞われ昔話を語る。
  • 平家滅亡の数年後、とある村にやって来る芳一のくだり、上賀茂神社。村人が物珍しそうに見る川べりはならの小川畔。芳一の語りに聞き入る民衆、北神饌所裏手(渉渓園側に塀あしらい)。評判を聞いた領主が芳一を召しだして鑑賞するのは土舎。
  • 村娘のかるに過去を告白する芳一、教経の命でかや姫を連れて逃げるも襲われる谷川、保津峡落合河口汀。その後姫の手を引いて逃げ回るシーンは崖道や落下岩前。疲れて座り込むのは落合巌脇。源氏の将に「密告」するも背信を嫌われ目を斬られる林、不明(雑木林?に幔幕張り)
  • 取り殺されると諦めきっている芳一を連れて行く寺、イメージに粟生光明寺薬医門
  • 江戸時代に戻り、話し終えて去ってゆく老爺の耳を見て怖じる道三、大覚寺護摩堂。「芳一」は天神島の方へ歩み去る。

2010/8/9

■ 怪談百物語 第4話「番町皿屋敷」2002.9.17映像京都/CX

 身分違いの恋、愛しい主を思うあまり命がけで身を退く娘だが、愛する者を失った男は荒み、家運も傾く。そんな男を救いたくて、亡霊となった娘は道三の前に現れるのだった。

ロケ地
  • 縁日に店を出すものの暇な道三、屋台が立ち並ぶのは大覚寺放生池畔。最近巷で乱行が評判の旗本・青山播磨がヤクザと事を構えるのは五社明神
  • 用人に呼ばれ青山家へお祓いに行った道三が、播磨に叩き出され怒って帰る道、妙心寺路地(北総門から南へ行ったあたり、両側に植え込み)
  • 青山家の中間を害したヤクザを斬りにゆき、お菊の幻影を見て剣を放し自ら刃を受ける播磨、下鴨神社池跡(鈴ヶ谷と中間が発言)

2010/8/8

■ 江戸の用心棒 第26話「別れたくない江戸の空」1981.9.24、フジ/映像京都

 又八郎が帰参を許され、細谷は仕官が叶うかもという話。仕官のために要る五十両ですったもんだ、挙句全てがパアになるものの、腐れ縁はまだまだ続くのだった。

ロケ地
  • 又八郎が通りかかり学者の娘を、ならず者の無体から救う夜道、大覚寺五社明神
  • 細谷が馬を求めに行く農家、不明(萱葺き民家、北嵯峨のアレか)。見せられた馬はポニーというオチ。
  • 仕事は盗っ人の用心棒だと告白する米坂、二尊院墓地
  • 「近江屋押し込み」が決着した直後に明六ツの鐘の音を聞き、慌てて走ってゆく又八郎、大覚寺放生池堤。駆け入る藩邸の門は大覚寺大門(内側)。殿はもう発ったと怒られ、帰参もはや適わずと言い渡されるのは大覚寺明智陣屋(カメラ中から)

2010/8/7

■ 江戸の用心棒 第25話「男づくしの江戸の華」1981.9.17、フジ/映像京都

 台頭し始めた町奴と町火消し、対立の理由はかしら同士の女の取り合いで、それを利用してショバ乗っ取りを企む獅子身中の虫がいるという、間抜けな構図。近江屋が、敵対する二方に又八郎と米坂を送り込んだ理由は、江戸庶民の安寧を得るためなのだった。

ロケ地
  • 般若一家と万組が果し合いをする寺裏の林、下鴨神社糺の森、池跡
  • 双方の勤め先を抜けてきて待ち合わせ、対立の構図について話し合う又八郎と米坂、下鴨神社河合社脇
  • 争いを鎮めようとする又八郎を監禁する般若の小頭、又八郎を監禁する小屋は広沢池東岸にあしらい。
  • 般若と万組の大出入り、下鴨神社池跡。脱出した又八郎が駆けつける際、押し渡る小川は泉川

2010/8/6

■ 怪談百物語 第3話「うば捨て山」2002.9.3映像京都/CX

 領主が出した棄老令に悩む気弱な男は、たまたま出会った道三に知恵を求め、言われるまま老母を床下に隠すが、死の谷から連れ帰った母は既にこの世の人に非ず。倅を害する者どもに向ける、母の赤い瞳は不思議を生じ、陰陽師は女の業に身震いする。

ロケ地
  • 梟首台の前で悩む太吉に声をかける道三たち、木津堤法面坂道。日照りのなか歩く三人は木津河原、その後河川敷のアップダウンを利用した図も。
  • 道三に知恵を求め、お札を貰う太吉、鳥居本八幡宮舞殿上。後段、代官が無理難題を持ち込むのも同所。
  • 早暁、自ら支度し急かす母をおぶって渡る橋、流れ橋(下から見上げ、遠景)
  • 地獄谷へ向かう道、保津峡落合崖道〜蜆の殻を落としつつおぶわれて行く母、山中の林〜保津峡落合落下岩かずら橋(下の川は合成か/後段、強欲女房が墜死する際は河原が映る)〜石仏群のある山道(谷山林道愛宕分岐付近に似る)〜谷川沿い〜白水峡(むくろ累々)。死体に脅え滑落する太吉、落下点は鳥居本八幡宮広場

2010/8/5

■ 怪談百物語 第2話「雪女」2002.8.20映像京都/CX

 真夏に凍死体が見つかる怪は、市井に潜む雪女が追跡者に反撃という図。越後の妖かしは、助けてくれた男の妻になり幸せに暮らしていたが、お決まりの別れがやって来る。しかし、あまりに亭主を愛してしまっていた女は、掟に従い命を奪ることはできずに去る。

ロケ地
  • 仕事帰りの道三父子が風鈴を買っていると、死人が出たと長屋衆が走ってくる橋、中ノ島橋。真夏にもかかわらず蓑を着込み芯まで凍って死んでいる男が見つかるのは大覚寺天神島大楠の根方。
  • 師匠の墓に参る巳之吉夫婦のくだり、下鴨神社。墓は池跡に墓石あしらい。帰り道に渡る橋は紅葉橋(河床から見上げ)。立ち止まって物思うお雪、巳之吉に助けられた越後の回想シーンは瀬見の小川(河床を逃げてくる)糺の森倒木脇(追っ手から隠れているところへ巳之吉が現れ、倒れたお雪を保護)。突っ立っているお雪に摘んできた桔梗を渡す巳之吉、河合社脇

2010/8/4

■ 怪談百物語 第1話「四谷怪談」2002.8.13映像京都/CX

 舅の仇を討つと妻に誓う伊右衛門だが、そのために金が要ると岩を奉公に出す。それは岩を追い出すための口実、事実を知って泣くものの岩は夫と離れられない。しかし、外道どもが次にとった策は酷く、殺された岩は怨霊に変じてしまう。
*ロケなしセット撮り、戸板返しや蛇山庵室はなく、上司の家来に追い詰められ自刃する水辺が隠亡堀か。
2010/8/3

■ 江戸の用心棒 第24話「老中誘拐さる」1981.9.10、フジ/映像京都

 近江屋にムカついた若者たちは、老中を誘拐して身代金を出させようと図り、金看板三人を使っての複雑極まるプランを立てる。これが易々と成功してしまい、しかも人質から身代金のレイズ申し出。もちろんそんなうまい話があるはずもなく、惨劇が起こるところへ、頼もしい三人組が駆けつける。

ロケ地
  • 菩提寺へ月参りの老中・柳沢、読経の最中に居眠りをこくお堂は妙顕寺三菩薩堂(内部も使用、柳沢の背後に、障子越し格子シルエット。北の開口部から、回廊や石塔がちらり床板をめくってヒデが現れ、老中をボコったあと床下に引きずり込んで髷を結いかえるシーンでは亀腹も)。近江屋を通して寺側からガードを頼まれた又八郎が、柳沢の家来に誰何されて引き立てられてしまうのは妙顕寺参道、それを横目に見てガキどもが老中をおぶって連れ去り。このあと駕籠舁きを頼まれていた細谷に託し、料亭・扇屋の主人として店に連れ込まれるのは嵐山公園・錦。さらにその料亭から粗大ゴミとして簀巻き老中を受け取り、ごみ捨て場に投棄する米坂、木津堤か(傾斜と高さがそんな感じ)。そのごみ捨て場から「老中」を拾ってきて船に乗せ、やったと歓声をあげるヒデたち、罧原堤下桂川
  • 幼馴染の女がつとめる楼の主にすげなくされ、不貞腐れて寝転がるヒデに接触する又八郎、大堰川堤と河川敷。逃げたヒデが川に入るシーンも。
  • 人質の分まで要る食い扶持を稼ぐため、荷揚げ仕事のヒデと若旦那、広沢池東岸。米坂が居合わせ、ヘタる若旦那に水を飲ませてやり、あとで細谷と又八郎に「感心な若者がいる」と喋る。
  • 人質の老中が、一万両の出処としてヒデたちに示す長島藩、大覚寺大門
  • 身代金引渡しの橋、流れ橋。橋上で藩士と若者たちが対峙、老中の乗った駕籠は汀にあり、立ち回りは橋上と橋下両方で。
  • 急を聞いてヒデたちを救いに駆けつける三人、通る町中は中ノ島橋上、嵐山公園中州岸・堰堤脇、木津堤
  • 事後、ヒデが吾一を呼び出し歩いていると、佃島の遊女だった幼馴染の女・はるが店から解放されてやって来る橋、渡月橋。導入は上流側から側面、ヒデが橋上から見る、「水遊び」の三人のおじさんたちは橋下手の堰あたり。

2010/8/2

■ 江戸の用心棒 第23話「吉良邸討ち入り」1981.9.3、フジ/映像京都

 年も押し詰まっているのに顎が干上がっている又八郎と細谷、回ってきたのは、よりにもよって吉良の付け人。行ってみると、用心棒を束ねる清水一学は明るくて憎めぬイイ奴で、受けるつもりがなかった二人は惑う。しかし、密かに義士を支援する近江屋の思惑は、二人に吉良邸の内情を探らせることにあり、赤穂の元次席家老たる「二番手」が依頼した仕事だった。

ロケ地
  • 一学に腕を試されたあと、又八郎と細谷が強引に引っ張って行かれる屋敷、不明(塔頭ふうの門、入ったあとでここは吉良邸と告げられる)
  • 腹を決めて吉良邸の内情を探りにかかった又八郎たち、邸内をうろついて咎められるのは大覚寺蔵前、そのとき通りかかった「吉良」が上杉邸へ行くため出てゆく門は大覚寺明智門(内側)

2010/8/1

■ 火の玉奉行  深田金之助監督作品  1958.5.12東映

 狡猾な手段で外様大名を脅し、大金を毟り取る悪党あり。遠山奉行は彼らを指弾するが、証拠不十分を言い立てられ却って窮し謹慎を食らってしまう。ここへ「不肖の息子」金さんが立ち、陰謀の主を追って京へ。彼はいろんな顔を使い分け、さらなる被害者が出る現場に肉迫してゆく。

ロケ地
  • 東風疾之進が侵入し絵図面を奪う二条城、本物の東大手門。他はクレジットが被っていて詳細は判らず、西虎口と隅櫓か。追っ手かかる山道、不明(堤道から山道←ここで鳩を飛ばす)
  • 鳩の知らせをじりじりと待つ北町奉行所、大覚寺明智門。中はセット撮り。
  • 二条城在番の二人が遠山奉行の弾劾を受ける辰ノ口評定所、西本願寺大玄関門
  • 絵図面を持って江戸へ急ぐ東風疾之進が、熊木大膳らに殺される街道、木津堤。直後に神並与力らが駆けつける。
  • 塩谷・鎌沢の二人が富士の見える街道を封鎖して茶を喫するくだり、不明。掏摸の平公を介して弥三郎と知り合う金さんのシーンでは山裾の風景、畑は茶畑か。
  • 京イメージ、清水寺全景。
  • 金さんがならず者から一力の姉妹を助ける二軒茶屋のくだり、騒ぎに気付いた町衆が振り向く八坂神社南楼門前は本物、お景とおちいが囲まれる参道は梅宮大社東参道で「二軒茶屋」のほか朱の柵をあしらい。姉妹を送ってゆき、そのまま板前に就職の祇園・一力はセット撮り。
  • 絵師・紫山を尾行した翌朝、弥三郎と金さんが腹の内を探り合うお寺、清凉寺本堂前。
  • 金さんが伝書鳩を隠している林、不明(山の斜面、広沢池北岸に似る)
  • お半に呼び出される金さん、三条大橋や鴨河原はセットで夕景のホリゾント。
  • 池田の殿様が意にそわぬ接待を受ける保津川下り、本物の保津峡。芸者衆ばかり乗せた船も演出。
  • 池田候を脅迫するも蹴られた件を協議する悪党ども、イメージに金閣を出して右にパン、建物はセットにスイッチ。
★「ちょんまげぷりん」見てきた。細かいこと抜きにして、素直に面白かった。タイムスリップによるギャップお笑いネタは抑えぎみ、段々生えてくる月代の表現がグッド。パティシエのユニフォームで立ち回りも趣深し。何より、できていないとお話が成立しない、侍の所作が決まってて感心・ちゃんとした時代劇にも来てほしい、この主役の子。和菓子屋の由来書(始祖の肖像)に出てくる携帯ストラップは、思った通りの使われ方だったので大笑い。アリエッティには全然及ばぬものの、けっこう観客入ってたのも嬉し。ロケ地は、雑司ヶ谷鬼子母神とか麻布六本木界隈とかちらほら判るとこはあるが、確認しに行けないので与太話。文政年間に「戻った」際の巣鴨の風景は千葉か埼玉あたり?棚田と溜池がなかなかいい感じ。しかし、友也どのの「ぷりんはどうするんだよぉ」の叫びは、三回も繰り返さぬが良かったでござる。
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