用心棒日月抄

1989.5.10NTV/東映/杉プロ  杉良太郎主演作品
藤沢周平原作 「用心棒日月抄」新潮文庫所収


 殿様毒殺を謀る家老の密談を聞いてしまった馬廻役、婚約者の父である重役に注進するがこれも一味、斬られるのを防いだ一閃は彼の運命を決定的に変える。出奔し江戸へ出た男は、いつか来る仇討ちにぴりぴりと備える日常を送り、その過程で様々な人と触れ合い、己の定めを覚り国元へ立ち返る、この「日月」を丁寧に描く一作。男が口入屋に職を求めた日が元禄14年3月14日、浅野内匠頭刃傷の日、男が江戸を去る決意を固める日は元禄15年12月14日、赤穂浪士討ち入りの雪の朝であった。

大覚寺梅林と心経宝塔

 ロケ地、青江又八郎がバイトの梶川与惣兵衛宅、西本願寺大玄関門。帰途、夜鷹・お咲に声を掛けられる柳原土手、大覚寺天神島。彼女を守り得ず看取る橋、放生池堤朱橋上。浪人仲間の細谷に怪しのバイト先の旗本屋敷の話を聞く青江、仁和寺中門。夜鷹を斬った頬傷の浪人を斬る青江、広沢池西岸湿地。その後汀に佇み夜鷹に仇討ちを果たしたと呟く青江、観音島。梶川の姪が破談にした昔の男に迫られる神社、今宮神社合祀摂社前。梶川をガードの青江、夜に刺客に遭う、大覚寺五社明神(首謀者は梶川の姪のストーカー、残りは浅野の浪士)。赤穂浪士討ち入りを見届けた青江、国元を目指す道中に広沢池西岸(農地からのショット)流れ橋(右岸から)。EDに被せてその後の青江、釣りの青江に弁当持ってくる由亀(国元で待っていた婚約者、読みは「ゆき」)とデートの情景、大覚寺放生池堤大沢池北東岸(菊ヶ島まわりに水なく池底が見えている)梅林(バックに心経宝塔)

*「日月」は青江の浪々の日々を描くとともに元禄の世の変遷を描き、忠臣蔵秘史もからんでくる(討ち入りは描かれず)。青江のバイト先は様々で、内匠頭を抱きとめた梶川殿からはじまり、堀部安兵衛の道場の代稽古、大石内蔵助の護衛、吉良邸の用心棒と多彩、女たち(夜鷹と密偵だが)にもモテモテ杉サマ。飯櫃の底を見て汚れ仕事に加担する生々しい一幕も。
*清水一学に本田博太郎、雇い入れた用心棒に「生活の心得」を縷々述べるくだりが笑える。


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