必殺仕事人 第22話〜28話  元締不在期間    →見出しへ戻る


第22話「登城する大名駕籠はなぜ走るのか?」1979.10.12

 小藩・下野大田原の三男坊・和之は冷や飯食らいの身を市井に沈め、親しい絵草紙屋に居候。その主・伊八が取り持つ縁で材木問屋の娘とラブラブ、ついに武士の身分を捨てる。
しかしその矢先、次兄が事故で死に次いで藩主の長兄が頓死、小藩なりとも殿様の身分が転がり込み180度転換、契った娘は捨てられてしまう。咎めた伊八は斬られ、捨てられた娘のもとに辿り着き和之が送った恋文を諳んじ、実は娘に恋焦がれていた自らの思いを示し事切れる。直後娘も大田原藩士に斬られてしまう。和之に葵紋の賜杯を預けられ、娘のための簪を作っていた秀は工賃四両を仕事料として置くのだった。
 ロケ地、井伊家の行列に鉢合わせ道を譲らされる大田原藩の行列、仁和寺中門下参道。主水と和之は塀際にいる。大田原藩邸、大覚寺(大門、参道と石橋)。侍を捨て婿入りすると宣言する和之、罧原堤下汀。帰らぬ和之のことを話す伊八とおゆき、黒谷か。


第23話「渡る世間は鬼ばかりか?」1979.10.19

 無実の罪を着て刑死した父を持つ女と、職場で漏れ聞いた情報で恋人を救おうと走る女と、二人ながら半吉の目の前で無惨な死を遂げる。裏には、野望ギラギラの南町同心と取り巻きがいた。おふくの仇討ちについては却下されるが、死んだ植木職人の娘の託した頼み料は受け取られ、優しい半ちゃんの嘆きと恨みは昇華されるのだった。
 ロケ地、植木職人・捨吉が処刑される小塚っ原、下鴨神社糺の森。おふくと半吉が逢引の大川端の苫屋、広沢池東岸に池に張り出す形でセット。植木職人の娘が殺されるくだり、中ノ島橋付近(右岸高水敷、橋上、左岸堰堤脇)。主水に同心への仕掛けを断られた半吉が自棄になり石を投げ入れる水辺、罧原堤下汀
*大ワルの服部同心に河合伸旺、恰幅良過ぎ・もちょっと大身の役のがやっぱり似合う。*元締不在の宙ぶらりん状態もお話に奥行きをつける。


第24話「冥土へ道連れを送れるか?」1979.10.26

 悪徳公事師・玄斉が暗躍、主水が捕えた商家の馬鹿息子を貰い受けに来て滔々と理屈を述べ、上司の前で恥かかされる一件からはじまり、半ちゃんは五年前のコソ泥でちんぴらに脅され、芸者の菊千代姐さんは五年前乱暴された件で被害者なのに脅される。勿論ちんぴらに知恵をつけているのは玄斉、菊千代を囲いものにしようという助平な動機を持っている。
菊千代の難儀を見捨てておけず動く幇間は無惨に殺され、靡かぬと知った玄斉の示唆で姐さんまで惨殺されるに及び、金無しで動く仕事人たちであった。
 ロケ地、菊千代がお参りの宮さんでちんぴらに脅される、今宮神社稲荷社。事後、菊千代の遺児を送ってゆく秀が子をおぶって渡る川、罧原堤下桂川
*ずっと一定のリズムで喋る憎さげな公事師に菅貫太郎、台詞まわしは無論のこと、焼き捨てる調書をさっと懐にする手つきや、殺しに来た主水の気配にさっと戸を閉める仕草などいちいち姑息風味にキマってる。死に方もピカ一。


第25話「裏の裏のそのまた裏には何があるのか?」1979.11.2

 三箇条の掟を守っていた筈の盗賊・闇の十兵ヱ一味の凶行が続発、知る者は首を捻る。或る日主水の腕を試す女現れ、十兵ヱの娘と言い、一の子分に殺された父の恨みを晴らしてくれと依頼。その娘は父の仇にして夫の巳之吉に挑み返り討ちに遭い、瀕死の身を主水のいる番屋に運び再度の依頼をし、果てる。
父と娘二重の恨みを受けたチームは探索に入るが、秀が襲われ左門の娘・美鈴はさらわれてしまう。そのうえ左門は不審のかどで引っ張られ入牢。
この窮状のなか主水は十兵ヱの古仲間から情報を得、美鈴を救出ののち一時左門を牢から出し仕掛ける。反発していた秀も結局参加。巳之吉たちのターゲットの商家で待ち構えたチームは一味を皆殺しにしてのける。
 ロケ地、ラスト左門一家の魚とりの小川、砂防堰堤のコンクリ丸映り・不明。北嵯峨あたりの小河川と思われる。
*美鈴の命も覚悟の主水、秀の非難に「人間じゃ無ぇからこんな仕事してるんだ」


第26話「半吉は女の愛で立ち直れるか?」1979.11.16

 おふくを亡くし鬱々と日を送る半吉、或る日幼馴染のお袖と出会う。彼女は薩摩藩中摯tきの侍女になっており、いつも年寄に苛められる主を案じているのだという。半吉はお袖の頼みで中揩フ無聊を慰めるおどけ者として男子禁制の奥に潜入するが、年寄に見つかってしまう。半吉は元来たルートで帰されるが、手引きした者も駕籠かきも半吉も薩摩の警護役に殺されてしまう。
同刻、奥では中揩ェ自害、これを見たお袖は年寄の部屋に走りこみ主の仇と刺殺。罰を待つお袖にもたらされたのは天晴れ忠義の賞賛、彼女は二代目萩野の方となる。
 半吉の死を受け激昂の秀、大人二人は仕方の無いこと・そも半吉のしくじりと冷たいが、主水は秀にヒントを示唆する。そして探索の結果、半ちゃんの幼馴染はとんでもない毒婦と知れるのだった。
 ロケ地、武芸者と果し合いの薩摩の奥向き警護役・伊集院伝八、大覚寺天神島。出会ったお袖と話す半吉、桂川松尾橋上手右岸汀。お袖の使いと三田で会い長持に込められる半吉、中ノ島橋上。薩摩藩邸から帰される半吉入りの長持が伊集院に襲われる、大覚寺五社明神。半吉が追い詰められ斬り殺される、有栖川河床。二代目萩野となったお袖がゆく御殿の階、大覚寺宸殿。薩摩藩邸を張り込む秀に左門が差し入れ、相国寺方丈塀南西角。「萩野」の駕籠が出る藩邸、相国寺大光明寺門〜庫裏(渡廊越しのショット)
*お袖の陰謀に加担する示現流の達人の警護役に志賀勝、剣客ぶりもワルぶりも迫力。加えて「萩野」と密会のねちねちべたべたいちゃつくくだりは圧巻、ヤラしさ満点。掃き出し窓の格子越し、雨粒垂れる向こうに展開されるそれは出色の画。そこで、雨漏りのする生家への嫌悪を語るお袖の演出も見もの。


第27話「死を賭けて虎の尾が踏めるのか?」1979.11.23

 高利貸しを仕留めて帰る秀、夜回りの親爺が辻斬りに遭うのを目撃、自分も斬られかかる。この際思い切り顔を見られていて、秀の似顔を克明に描いた「目撃者」の投書が南町に届く。これは主水が握り潰し、代わりに秀に描かせた辻斬りの似顔とすり替え高札に張り出し。
この似顔を高札から剥がし持っていた夜回りの娘は、或る日汀で絵を眺めているところを当の辻斬り一味に見られ、たばかられ陵辱される。外道が投げていった二両は秀に託され、仕事料となる。
 ロケ地、夜回りが斬られる高利貸し邸前の路地、相国寺大光明寺南塀前。辻斬り若様の日置藩邸、大覚寺大門宸殿。門は御殿川から見上げて上部のみ映るショット。藩邸には他に張り込みの秀が潜む御殿川河床と、左門が一味を斬る参道石橋が使われている。夜回りの娘が辻斬りの似顔を眺める、大沢池畔。藩邸近くの武家屋敷街で、辻斬りに出た若様が臆した取り巻きを斬り捨てる、相国寺鐘楼(バックに宗旦稲荷)


第28話「尼寺に鬼女は棲むのか?」1979.11.30

 大奥中掾E雅の方は小間物屋・一文字屋の娘。実家の商売のため地位と色香を利用し、ライバル店を蹴落とす策謀をめぐらす。狙われた当の商家の主従ほか、養女に名を貸した御家人も消すという悪行を重ねる。相手が相手とためらう主水と左門だが、雅の行為に恐れをなして逃げ出した付女中が惨殺されるにおよび、秀に応じる。
 ロケ地、雅が参詣し男どもを引き入れる尼寺と周辺の描写が主。主家を陥れるための裏帳簿持たされた富松が蒼ざめて通る石段、西寿寺山門と石段(かなりぼかされていて判りにくい)。逃げ出した付女中が通る堀端、大覚寺有栖川畔。追っ手に惨殺されるのは五社明神。雅付きの中間二人(実はお庭番)を仕置きする左門、鳥居本八幡宮(鳥居、舞殿)
*今回は左門が侍であることに疑問持ち悩む姿が描かれる。


→必殺仕事人視聴メモ表紙へ

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ