暴れん坊将軍
  第11シリーズ  2001年7月〜12月 テレビ朝日/東映

姫路城 キャスト
 徳川吉宗
(徳田新之助)/松平健
 大岡忠相/田村亮 有馬彦右衛門/名古屋章
 十文字隼人/大森貴人 あざみ/松永香織
 お杏/いしのようこ 栄五郎/松村雄基

 め組の新しい頭・栄五郎は独身、女手には妹のお杏が配される。若くして未亡人のお杏には一粒種の娘・ももちゃんがいて、アイドルとなる。上様なんか全編通じてべたべた可愛がっている。お杏は新さんにほのかな慕情を抱く設定、しかし「め組の女将」の立場にあるからか、歴代の女たちと同様に徳田新之助は「冷や飯食い」扱いで好きなことを言っていたり。小頭の峰次はお杏にべた惚れ、新さんにはライバル意識むきだしで接する。また、ももちゃんに「お父つぁん」と呼ばせようと涙ぐましい努力をするが、邪な気持ちを見抜かれていてたいてい不調に終わる。


第1話「吉宗、炎の生還

 め組リフレッシュ・若手に交代の一話、お話の前後を新しい頭・栄五郎のお披露目で締める。のっけから大岡さま重傷を負い大ピンチのドラマは、スラムに巣食う大ワルとの対決を描く「濠外」もの。新さんと栄五郎の出会いはスラム潜入の中で果たされる。忠相襲撃犯にして江戸を荒らし回る凶盗・不知火の重兵衛は思い切り怪しげな暗黒街の大物で、幕府転覆まで企み武器弾薬を大量に貯め込む由井小雪ばりの悪者設定だが、ラス立ちではなんだかフツーの悪党になっちゃって、黒幕の老中と一緒によくあるパターンの「こやつは偽者の上様、出会え出会え」に至る。

ロケ地
・流鏑馬の上様、下鴨神社馬場
・庭番に本所三笠町探索を命じる上様、二条城清流園
・髪をほつれさせ浪人態で本所三笠町へと橋を渡る新さん、宇治・橘橋
・スラムはずれの武器庫、酵素河川敷に小屋セット(派手に炎上)
・船で逃れようとする新さんと「栄吉」、広沢池東岸
*栄吉はお披露目の席で忠相から「栄五郎」の名を貰い改名の運び。新さんってどういう人?と辰五郎に尋ねている段階。*新さんが「濠外」の橋を渡る際に突っかかってくるチンピラの一人に福ちゃん、ちゃっと片付けられる。


第2話「め組から消えた少女

 強奪された御用金を隠したボックスの鍵を隠密が奪取するも追いつかれ落命。この鍵を拾ったのがめ組のももちゃん、以降誘拐劇で大騒ぎ。その過程で、忠相が新さんにぺこぺこしている姿や、新さんとツナギをとっていた隼人が小屋根に飛び上がるところを見てしまう栄五郎、辰五郎を問い詰め正体を聞かされる運びに。

ロケ地
・御用金強奪の中山道・鴻巣付近、瑞穂の造成地(後段の狩場も同所)
・この件の報告を聞く弓のお稽古上様、二条城か(幔幕で壁面目隠し、バックに姫路城天守がどーんと合成)
・ももちゃん監禁場所、嵐峡(亀山公園入口付近)


第3話「め組消滅の危機!

 め組が出動した火事場で不審な再出火、焼け落ちた蔵からは札差の焼死体が出る。不手際と幕閣からも民衆からもめ組に非難轟々、謹慎を言い渡され半鐘鳴ってもじっと耐える日々。しかし死んだとされた札差は生きており、火事そのものが不正繋がりの勘定吟味役と老中が仕込んだ放火、我が世の春を謳歌するも全てを知った上様に乗り込まれてオシマイ。

ロケ地
・火事についての不審を話す上様トリオ、二条城清流園
・身内にまで責められてクサる峰次が佇む汀、大覚寺大沢池北岸(水無)
・北町同心に連れ込まれ絞められる、天神島
・一味の浪人が逃げ込む勘定吟味役邸、明智門
・老中邸、大門
*冒頭、新さんにめ組出入りを遠慮してくれと申し出る栄五郎だが、一連の事件を通して「兄貴」認定、義兄弟の盃を交わし出入り自由に。新さんの人柄を表現するのに接頭辞「クソ」三連発が笑わせる。*老中、乗り込んだ上様に札差生存を指摘され、腹を切ると見せかけてうしろにいた札差をぶっすり「死んでおります」…。*ラス立ち、斬り込み一番は福ちゃん、その後何度もぶっ叩かれてのけぞってはまた向かってくるゾンビ状態。


第4話「女医に恋した町奉行

 サブタイまんまのお話、事件絡みで女医と出会う大岡さま、強気でポンポン言いたいことを言う綾緒に魅かれてゆく。上様や有馬のじいまで援護した恋は実らず終わるが、女医の願いは二つながら果たされることとなる。
事件は、綾緒が力を入れていた民衆の寄付になる深川療養所の設立資金を持ち逃げされてしまうことから始まり、一味と誤解された綾緒が患者にそっぽを向かれる過程で忠助関わりまくり。長崎遊学を切望する彼女の思いを知った忠相、資金を調達し情愛に背を向けて去る。持ち逃げ男のバックにいたワルの寺社奉行と和尚は、ちょっと唐突に上様に乗り込まれて一巻の終わり。

ロケ地
・今回はほぼ仁和寺。ももちゃんを縁日に連れてゆく新さんは参道。療養所設立のカンパを募る綾緒らは手水場下石畳。持ち逃げ男を斬った浪人のことを聞くため綾緒について回る忠相、大山などと偽名を名乗る、仁和寺鐘楼前路地。浪人の名を告げ出世しなさいよと「大山」の背を叩く綾緒、手水場。浪人の死体を改めに来る新さんと綾緒、経蔵付近に墓石あしらい。
・ラスト、上様トリオが逍遥の庭、二条城清流園、バックに姫路城天守合成。
*持ち逃げの両国屋が人質とって立て籠もりの千住宿、役人をと叫ぶ旅人に福ちゃん。両国屋を斬って小屋根伝いに逃げる浪人のシーン、下から福ちゃんの顔がちらっと覗いたり。


第5話「爺が引退!吉宗苦悩の決断

 故郷に引っ込む決意をする有馬のじいを引き止める情話。
お話は、己を小馬鹿にする高家への反発から、朝廷への献上品の水墨画の画家選定にくちばしを突っ込んでしまうじいが巻き起こす騒動を描く。御前での絵競べでは推薦した老画家が力量を発揮できず、しかも上様につめたぁく「老いたな」と言われてしまったじいは、画家の落胆も見て落ち込みまくり。しかし別件で高家の悪事を嗅ぎつけたじいは勃然と張り切りだし、高家に忍び込む・結託と目される商家に飴売りのカッコして探りを入れるなど悪ノリの挙句、動きを察知したワルどもに刺客を差し向けられてしまい危機一髪。一太刀浴びて寝込むじい、枕辺で上様が述懐する真情を聞き引退を決意するに至る。その間上様はワルのもとに乗り込んでちゃっちゃっと成敗、じい引き止めはめ組のお杏がぐずぐずと煮え切らない新さんを「連行」し涙の対面となる。

ロケ地
・深更、蝋燭問屋・大和屋が高家の川瀬と密取引の堀端、金を積んで漕ぎ去る川瀬の船は八幡掘明治橋下(セットと複合使用)
・じいに絵師・栄泉のことを聞き野の花は野にと諭す上様、二条城清流園
・栄泉が大和屋の無尽で窮地に陥るを知ったじい、新さんに土下座して絵競べの件を頼み込む、上御霊神社本殿裏手。
・御前での絵競べ、大覚寺宸殿(絵師らは白州上)
・不調に終わった栄泉のことで落ち込みお杏に愚痴るじい、大覚寺護摩堂(ももちゃん縁先にお座り)
・じい出立の玄関先、大覚寺式台玄関
*じいを襲う刺客の一人に福本先生、ちょっと若いめのメイク。ラス立ち一番乗りは小峰さん。絵師・栄泉には品川隆二、無尽講の被害者になって息子と齟齬を生じる老人を演じる。


第6話「お杏が殺した男!?

 お杏がプロポーズを断った男が身投げ、男の妹はお杏のせいと責め立て、町の者は非道の女とお杏を嫌い物も売らぬありさまに。我が身を責め、周囲に迷惑をかけまいとしたお杏はめ組を出るに至るが、新さんの奔走で身投げでなく殺しと知れる。囲われ者の妹を案じた兄が仕事帰りに妾宅を覗いていたのが運の尽き、足高の制で上様が登用した作事奉行が公金を着服、金を妾宅に運び込むのを見てしまったのだった。

ロケ地
・文吉が死体で見つかる両国橋、中ノ島橋
・文吉の墓、二尊院墓地
・作事奉行・奥野主馬邸、どっかの庫裏みたいな煙とりついた大屋根、不明。
・ラスト、お小姓を引き連れ空見てにぱーと笑う上様、二条城本丸櫓門橋上。
*ラス立ち福ちゃん入り、緑のお仕着せが可愛い。


第7話「父恋し!涙の子守唄

 八王子千人同心の訴えを聞いた上様、現地へ赴く。これに同道する者あり、父に会いたいももちゃんと、彼女に連れて行ってやる約束をした飴売りの女、ももを追っかけてきた栄五郎。女は沼田代官だった夫を関東郡代に謀殺され仇討ちの旅、そしてももの父が事故死でなく郡代が関わっていたことが知れる。

ロケ地
・御前試合のお城の庭、二条城二の丸御殿台所
・千人同心の説明映像、出役に摩気橋(擬宝珠置いてある)、野良仕事に摩気民家北側農地
・千人同心頭・市橋主水邸、民家長屋門
・飴売りのお春が新さんに身の上を話す茶店、上賀茂神社ならの小川畔にセット。
・お春の回想、沼田代官所、大覚寺明智門
・八王子手前の神社にお参りの四人、郡代の手下が襲うのは摩気神社(本殿、境内)
・ももの父が「事故死」した八王子・本竜寺、粟生光明寺(石段、本堂、回廊、内陣)
・事後、お春と別れゆく新さん、山室堤道
*ももの父の死の真相と、郡代のバックについては引きずる設定。*郡代の手下で道中何度も襲ってくる侍のヘッドに福ちゃん、アップもたっぷり台詞もたくさん。*お春の夫の沼田代官に峰蘭太郎、清廉な役人もけっこうお似合い。


第8話「お杏の悲痛な叫び!夫はなぜ殺された!?

 前回から引きずる、お杏の亭主殺害の件と関東郡代の黒幕のお話。房吉が棟梁に抜擢され恩を感じていた材木商に、怪しい裏がちらちら。これとつるんでいた勘定奉行、入札不正をはじめ粗悪な材を用いてのピンハネなどで巨額の利益を私していたことが知れる。そして、峰次の先走りで事実を知ったお杏が和泉屋に乗り込み危機に陥るのを鮮やかに救う新さん、お杏の評価が穀潰しから頼もしい人に格上げ。

ロケ地
・和泉屋を強請っていた岡っ引の土左ヱ門が上がる、中ノ島橋下汀。
・和泉屋に突っかかる峰次、立ちはだかるのは大覚寺有栖川(河床から見上げ)。用心棒にボコられるのは五社明神裏手。
・房吉が殺された普請場の八王子・本竜寺、粟生光明寺本堂前。
・勘定奉行・堀部播磨守邸、大覚寺大門
・夫の死の経緯を知り茫然と佇むお杏、放生池堤流出口石橋上。
・ももが遊ぶ姿に夫の幻影を見るお杏、天神島祠。
・ラスト、お小姓連れて城内を逍遥の上様、二条城内濠西橋
*憎さげな和泉屋に大出俊、勘定奉行に中田浩二。


第9話「命を賭けた献上刀

 江戸大留守居役の職を巡っての血生腥い鞘当て。上様にへつらうためのアイテムに名刀献上を思いつくワル旗本、目をつけた当代きっての刀匠は私的な理由で鍛造をやめており、新さんは彼の心をほぐし勘当息子と和解させる。息子の家族が人質になったりと騒がしい展開が解決を見たあと、刀匠は病をおして「新さん」のために刀を打ち上げ息子に職人の心を伝え、力尽きて死んでゆくのだった。

ロケ地
・小田原に刀匠・備前兼高を訪ねる江戸城天守番頭の家来、道中の小田原の浜は琵琶湖西岸松原
・じいが呼んだ兼高を迎えに出た新さんと栄五郎、拉致されかかるのを阻止したあと共にゆく道、妙心寺大庫裏脇路地
*刀匠に高松英郎、太い眉が頑固な職人気質によくお似合い。


第10話「め組に舞い降りた天女!

 作事奉行である夫の、御用材を載せた船を難破と偽り私腹を肥やす謀議を聞いてしまった奥方は、腹に一物もって屋敷を出る。お杏と交代の態でめ組で暮らす日々、「将軍の無駄遣い」をアジったり、小石川療養所から甘藷の苗を盗んだり、若い衆のマドンナになったり、栄五郎に淡い思いを持たれたりして過ごす。そして終わりの日、新さんの説得を受けた彼女は夫の悪事の証拠となる書付のありかを告げて去ってゆくのだった。

ロケ地
・難破した海神丸の船頭が漂着する浜、琵琶湖西岸松原
・お杏と奥方が生活の場を三日間交換のプランで盛り上がる茶店、梅宮大社神苑汀にセット。
・芋の苗盗って逃げた奥方と新さんが話す水際、大覚寺大沢池畔。
・奥方が栄五郎としみじみ話すお屋敷近くの小川、上賀茂神社ならの小川畔。ゴロツキに絡まれた二人が身を隠す露店、神事橋たもとにセット。
・事後、奥州の生家へ帰る奥方の駕籠、嵐山自転車道
*天然ボケも楽しい奥方は多岐川裕美。ラス立ち福ちゃん入り。


第11話「徳田新之助殺人事件!!

 縁日で悪さをしていて新さんに捻られた不良旗本三人、「徳田新之助」を名乗りほうぼうで飲み食い、ツケ36両がめ組に回ってくる。もちろん彼らは頭にきため組に追われるのだが、うち一人が「密談を聞いた」と怪しげな大身武士に誤認され「徳田新之助」狩りが始まってしまう。二人まで殺され、残った一人は馴染みの芸者に匿われがたがたと脅えまくり。新さんはこれを保護してやり、芸者を使って刺客を誘き出し黒幕を突き止め乗り込み成敗。今回のワルは前勘定奉行の不正を糺した吟味役と新任奉行。糾弾そのものがでっち上げの共謀、上様の人事に思い切り疑問残るのであった。

ロケ地
・不良旗本をシメる縁日、仁和寺参道
・新人事について話す上様トリオ、二条城内濠端。
・岡倉が密談を聞いたと誤解されてしまう屋形船、大沢池(仲間が騙りバレたと呼ばわるのは放生池堤)
・二番目に殺された旗本が見つかる、仁和寺境内草むら。
・残った岡倉が馴染みの小夏姐さんに匿われる空き家、酵素民家セット(小夏の洗濯やめ組と立ち回りに川も)
・吟味役と奉行が連絡に使っている祠、大覚寺五社明神(本殿内陣裏に隠しボックス)


第12話「女たちの戦さ!先妻VS後妻

 古習・うわなり討ちをモチーフに、哀しい運命の女の悲劇を描く一作。
亭主の幼馴染の苦労人の女が余命幾許もないと聞かされた底抜けにお人好しの女房は、自分を離縁させてその女と亭主を夫婦にし、最後のひとときを幸福に過ごさせようと図る。女が罪悪感に苛まれるのを解消してやるため思いつく「うわなり討ち」、これがワルに利用されお人好しの女房は後妻殺しの罪で投獄、女房のほうと幼馴染の栄五郎はあくまで彼女を信じきり、これが「上様」を動かし複雑な事情が明らかにされてゆく。

ロケ地
・お杏も参加したうわなり討ちの列がゆく縁日、仁和寺参道。うわなり討ち大はやりと書き立てた瓦版が売り出される、鐘楼前。
・この動きに警鐘を鳴らすじいと忠助、二条城清流園
・うわなり討ちの練習と新さんに剣術をコーチして貰うお昌、大覚寺大沢池(新さんははたきでお相手)
・ばったり会った幼馴染に余命半年と聞かされる辰次、南禅寺三門
・事後、薄幸のお涼の墓に参る辰次とお昌夫婦、仁和寺御室桜林西縁の草むら。これを見た新さんと栄五郎が話しながら歩く道、手水場下。
*後妻殺しは屋形船での収賄現場を見られたと誤認の作事奉行と材木商の密謀。しかし女は船から漏れる光に希望を見て感激していたもの、そもそも病状進み女の目は夜目遠目利かずぼやっとした光しか見えていなかったという悲惨な設定。


第13話「ムコ殿は上様?

 ゴロツキにからまれた女たちを助けた新さん、見込まれてウチの婿にとせがまれる。栄五郎も有馬のじいもたじたじのその女将、亡き亭主と裸一貫から身を起こした両替商で女傑。新さんに惚れこんだほかに、旗本を婿に迎えて店に箔つけという狙いもあったり。しかしその店には獅子身中の虫、番頭が老舗の三崎屋と通じており、レート上げに応じない女将を潰す企みが進行していた。黒幕は勘定奉行。

ロケ地
・新さんの馴染みの汁粉屋の屋台が出ている堀端、八幡掘明治橋(ここで大浦屋の女たちがからまれるのを見る)
・女将に頼まれた峰次が「徳田家」を探し回る、大覚寺明智門(徳山家の表札)大門(門番に徳田家の所在を尋ねる)
・大浦屋へ断りに行ったじいがしおしおと帰ってきて弓のお稽古中の上様に報告、二条城二の丸御殿台所
・庭番に大浦屋の番頭の身辺調査を命じる新さん、上御霊神社舞殿脇。大浦屋の娘が駆け入ってくる、楼門内側〜参道本殿裏手(恋人の房吉と密会)。二人の前にずいと出た新さん、事情を聞く茶店は本殿前にセット。徳田新之助を襲った浪人のことを報告の庭番、楼門(外側から)
・番頭が消されたあと、二重帳簿や多額の借金が露見し取りつけ騒ぎ起こり失踪の女将、新さんが身投げを止めるのは中ノ島橋上。
・恨み言を聞かされる新さん、娘には頼もしい恋人がいると励ます堀端、八幡掘新町浜
*新さんの仮祝言に萎れるお杏、ももちゃんが「あれはお芝居」と可愛くタレコミ。*ラス立ちは三崎屋に乗り込んでゆえお相手は「先生方」、福ちゃん入り。


第14話「鬼と呼ばれたい女!

 峰次にきっつい借金取りが迫る。よそでも容赦ない取り立てで不評を買い鬼と称される親子、しかしこれはナメられないための虚勢。強欲と見えたお六は孤児を見捨てて置けない情の深い女、取立てにくっついて来る強面の息子・矢市は実は虫も殺せぬ優しい男、生業の一膳飯屋では養育費を捻出しきれぬゆえのお芝居だった。矢市が冤罪で火盗改に捕まり解放されるまでの経緯は、肩寄せ合って生きるお六ファミリーの人情を描き出す。

ロケ地
・峰次に返済を迫るお六と矢市、仁和寺九所明神前。
・火盗改について語る上様トリオ、二条城清流園(バックに姫路城天守を合成)
・峰次が小間物屋に入った凶賊の件で女郎屋のどら息子浮上と新さんに報告、仁和寺手水場下。
*お六が飯屋で働く孤児たちにイヤイヤこき使われている顔をしろと言い聞かせたり、母の意を汲んだ矢市があの鬼婆にしてこの息子と呼ばれるようになってみせると気勢を上げたりするのが笑わせて、かつ哀感をもたらす。


第15話「時効を待つ女

 お話のモチーフは公事方御定書の「旧悪免除」、軽罪に適用される時効。詰腹を切らされた父の名誉回復に奔走する娘と、強要されて犯した罪に脅える女。共に心に期する、旧悪免除により切られた日にち。どちらも救いたい上様は女たちの心をほぐす一方、彼女らを不幸に落とした大元の不良旗本を追い詰めてゆく。

ロケ地
・栄五郎にひったくり少年を庇った娘の話をしながら歩く新さん、南禅寺僧堂南西角塀際〜三門、峰次が旧悪免除の定めに救われた経緯も語られる。
・南町に門前払いをくらった娘に事情を聞く新さん、大覚寺天神島〜護摩堂前。
・娘が語る父の切腹に至る経緯、主家の家宝を置き引きされた路地に妙心寺大法院道(春光院と大龍院の南塀)
・旗本・神尾邸、衡梅院。周辺の描写に玉鳳院前路地
・置き引き娘に事情を話す新さん、宇治川派流川端(大倉記念館裏手)
・時効を待つ置き引き娘が聞く暮れ六つの鐘が鳴らされる、妙心寺黄鐘調鐘
・時効を一刻残した時点で置き引き娘が忍び入る放蕩旗本の屯するアジト、中山邸通用門
・事後、忠相と経緯を語る上様、二条城清流園
*ラス立ちの出会え出会えに呼応するは、身持ちのわるい旗本の若様が集めている浪人たちで、中の一人に福本センセイ。隼人に「斬られた」あと上様にもぶっ叩かれている。


第16話「め組出入り禁止令!子守をする吉宗

 下妻藩のお家騒動、家老である藩主の弟が末期養子を願い出るが、殿様なんかとうに殺されてて遺児の赤子は生母が連れて逃げている最中。その子をたまたま託されてしまう上様、以降城に連れて帰るはおぶって町歩きをするはの珍騒動。若君の母は元柳橋芸者で栄五郎たちの幼馴染、彼女が連れ去られた藩邸に乗り込んでゆく栄五郎は捕われ危機一髪に新さん登場。
タイトルは城開けまくりの上様にキレたじいが申し渡すもの、閉め出されため組の前で新さんが赤子を預けられてしまう運び。

ロケ地
・下妻藩江戸屋敷、妙心寺大通院
・下妻藩の殿様が視察の折り落とされる崖、保津峡落合書物岩(マネキン落しと、人物合成画面とあり)
・赤子を連れて町をゆく新さん、大道芸を見るのは今宮神社境内、背中でお漏らしをされるのは東門、おむつ替えの茶店はかざりや。
・栄五郎たちの危機に藩邸を窺う新さん(子をおぶったまま)妙心寺涅槃堂前路地
*なんだかとっても楽しそうに赤ちゃんいじってる上様、め組締め出されてるのに嬉々として赤ん坊おぶって町をうろうろする。藩邸乗り込みの際に「控えい、和千代ぎみなるぞ」と呼ばわるシーンは傑作。ラス立ちは福ちゃん入り、けっこうアップあり。


第17話「危機一髪!お庭番の禁じられた恋

 お話は、兄を暗殺して後釜に座ろうと企む身持ちのよくない弟という筋立て、兄は大奥御用の大商人、裏には御納戸役頭がいて、刺客は伊賀・百地家の末裔だったりする。最初の襲撃で「兄」は殺されるが、残った後妻をしつこく狙うのを阻止にかかる新さん、庭番の隼人をつけてやる。この過程で、身を挺して守ってくれる隼人に感激した後妻が心を動かされ、隼人も慕情を募らせるぎこちないラブストーリーが展開される。

ロケ地
・大黒屋が暗殺される東両国の縁日、大覚寺有栖川畔の道。新さんと隼人が駆けつけ立ち回りは五社明神裏手。刺客の忍びは大跳躍をかまして内陣へ逃れる。
・大奥御用の件で御納戸役に挨拶の大黒屋未亡人が帰り道お供の隼人と話す、放生池堤
・未亡人を守って手傷を負った隼人を見舞った帰り、二人の感情について新さんに話すお杏、大沢池木戸(やり込められて「段々キツくなるなー」と呟く新さんが笑える)
*上様は隼人に別の人生を示唆するも、二人は互いに「忘れない」と思いを告げるにとどまる。


第18話「吉宗、人生最悪の日!?

 勅使接待の打ち合わせに帰城を急ぐ新さん、妙な男と関わってしまい帰れず。男は余命幾許も無いと医者に告知され散財の日々を送るが、真意は放蕩者の弟を更生させる荒療治だった。付き合わされる新さん、袖を何度も破かれるは船から落とされるは吉原へ連れ込まれて大酒を飲まされるはで振り回されまくり。その過程で男の店を狙う賊と、背後で糸を引く火盗改の企みが明らかにされる。
赤塚真人が上様を振り回す役のゲスト、ラストのそんなのアリかの展開もこの役者さんだと不思議に納得。

ロケ地
・弟の情婦に掛け合いの辰巳屋「若隠居」藤兵衛、罧原堤下汀
・自棄に見える行動の理由を藤兵衛に問う新さん、八幡掘堀端
・藤兵衛を狙ったチンピラから逃れ船を出す二人、西の湖太鼓橋〜湖上(水ボチャ)
・兄のことを情婦にボヤく弟、梅宮大社神苑汀に茶店セット。
・辰巳屋の番頭が「弟」の情婦に近付くなと迫り消される、八幡掘明治橋下。
・藤兵衛の真意を指摘する新さん、西の湖南岸。
*吉原の新さん、濡れ鼠だから着替えさせられてて赤襦袢にほつれ髪、サンバの面影濃厚。*ラス立ちは福ちゃんと栄五郎入り。


第19話「天下無敵の悪党退治!

 長州藩のお家騒動。分家から迎えた藩主が気に食わない縁戚の筆頭家老は、紀州時代の上様の忍び歩きを引き合いに出して殿様を市中に出し、暗殺をはかる。何度か襲撃に失敗した挙句思いつくのは毒殺、め組の河豚鍋に卵巣を仕込むという挙に出るが、峰次たちがつまみ食いしてぴくぴく。怒った藩主は下屋敷乗り込み、上様も将軍スタイルで参戦。

*キンキラ衣装のまま町に出る毛利吉元、お決まりの殿様ギャグをひとくさり、ももちゃんにお国訛りを真似されたり、上様を見てパニくったりと賑やか。*河豚を押し付けられた新さん、捌いてみせる前にカメラに向って「素人は絶対真似しちゃいかん」とやるお遊びもあり。


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