必殺仕事人 V  1985ABC/松竹

中ノ島橋キャスト
花屋の政/村上弘明 組紐屋の竜/京本政樹
加代/鮎川いずみ 西順之助/ひかる一平
おりく/山田五十鈴 中村主水/藤田まこと


第1話「主水、脅迫される」1985.1.11

 世直し粥を催し貧民救済にあたる旗本の若様たち、活動は福祉にとどまらず乱暴なテロを企てていた。活動資金を得るため奉行所の金を奪う計画を立て、主水を引きずり込もうと画策する過程で、冷血の坊ちゃんたちは哀れな孤児たちを爆殺するに至る。この恨みは主水に託され、疑義をはさんでいた竜と政も結局は参加するのだった。

 ロケ地、妙な脅迫文のことでおりくと話す主水、回想の竜と政が一回きりと金を受け取るシーン、木津川流れ橋。角兵衛獅子の「弟妹」を連れ出勤途中のお光が「奉行所への仇討ち」の件を念押し、大覚寺護摩堂(裏手からのショット)。世直し粥の井出文之進がお光に理想をブッたあと脅迫の一件に乗せろと切り出す、放生池堤。お光と坊ちゃんたちが主水を囲む神社、今宮神社高倉(うしろに稲荷社)。南町から御金蔵へ運ばれる「罰金」を狙う若様たちが仕事人と対決の段は相国寺を多用(加代と順ちゃん出陣は渡廊、背景に庫裏。警護の番士に目礼しつつゆく主水、大光明寺南塀。田中さまが金を運んで入る、大通院。坊ちゃんたちが主水に火薬をとられて形勢逆転は鐘楼まわり。主水を狙う銃をエレキテルで引っ掛ける順ちゃんは開山塔庭園の塀の上)。逃げる加代と順ちゃん、大覚寺大沢池木戸。これに仕掛ける政、有栖川(石橋から河床に飛び降り、溢水口で椿の枝をぐっさり)。竜の仕掛けは下鴨神社糺の森。おりくが現れる、河合社裏手。主水が文之進を殺る(瞬時に相手の脇差を抜いて刺す)相国寺大光明寺南塀通用門前。
*田中さま、ガキにさらわれて鶏小屋に監禁。

■VIとVの間に放送された、スペシャル版の「大利根ウエスタン月夜」で加入を果たした竜と政については説明なく進む。件のSPは、笹川一家抗争の利根川が開拓期のアメリカにタイムスリップするという飛ばした設定のお話で、主水に反発する二人がこれっきりと別れるシーンを今回の冒頭に入れてある。


第2話「主水、混浴する」1985.1.18

 入った先に火をかけてゆく凶盗が頻発、温泉宿を営む夫婦が客に麻薬を飲ませ手下として使うという無茶な設定。
政が出入りする呉服屋の娘が引っ掛かり、寸前で覚醒するも親子して賊の手にかかってしまう。恨みは、彼らが事切れる際に政に託される。

 ロケ地、八王子近くの椿坂温泉、日吉山荘
*温泉宿を調べるのに竜が女装、このために前段芝居の助っ人をするエピソードが設けられている。演目は弁天小僧菊之助、幼時父によく連れて行かれたからと台詞をすらすら。温泉には老人会でせんも行っているが、もちろん目をつけられることは無し。タイトルはせんの留守中家の風呂に二人で入ってる主水夫婦。


第3話「加代、ゴリムリンを売る」1985.1.25

 放映当時、一世を風靡した玩具・ルービックキューブを小道具に使った一作。
時事を採り入れた一見ふざけた作りのお話だが、主軸は生き別れた娘を一心に求める余命幾許も無い父の哀話。「五里霧林」が評判になれば娘の目にもとまる筈と念じた思いは通じ涙の再会を果たすも、過去に経緯あったワルとのしがらみは断てず父子ともども虫けらのように消されてしまう結果となる。

 ロケ地、ゴリムリン販売を持ちかけられる加代、桂川松尾橋付近か。最後のゴリムリン入荷に関するツナギを受ける加代、北野天満宮本殿裏手。
*この作の見どころは戸浦六宏演じる「飛騨の匠」のアジトの造形、大っきな歯車が組み合わされたからくり部屋。今一つは鳴門屋が雇う用心棒の先生・格之進を演じる福本清三。政と対決となり花の枝でぐっさり刺され、灯籠にもたれてことんと静かに事切れる。


第4話「主水家をしめ出される」1985.2.1

 美しい小悪魔に手をつけてしまった中年同心の破滅を描く。
破戒僧とグルになって要求をエスカレートさせるズベ公、もう絞れぬと判った途端使い込みをお上に差す悪辣さ。しかし残された娘が身を売って仕事料を工面、小悪魔は大金を積んでも欲しかった「お気に入り」の竜に始末されることになる。

 ロケ地、ズベ公同士の諍いで剥かれそうになっているお直を助ける竜、大覚寺五社明神〜大沢池畔。
*お直に唆され恐喝の片棒を担ぐ占い師に花紀京、ご託宣の主水の前世は大岡越前守。


第5話「主水、奉行所の人員整理にあわてる」1985.2.8

 政を仕込んだ女仕事人が登場、負傷した仲間を切るのに奉行所同心と組む非情な女。かつて政の父も彼女に裏切られ磔台の露と消えた事実が明らかとなり、政は自ら頼み人となって金を置くのだった。

 ロケ地、冒頭の仕事、エレキテルで鐘をつくのは大覚寺鐘楼(東塀越しのショット)。油屋の父を待つお妙をかまう政、桂川罧原堤付近汀。お京チームが集合する、中ノ島橋(襲撃は橋上、油屋の鬼平次が負傷)。お京の悪い噂を政に告げる竜、大覚寺勅使門橋下河床。竜をしばいたあとお京宅へ走る政、大沢池堤。床下に潜み父のことを聞いた政が物思いに沈む、広沢池(水無、夜)。鬼平次の処刑、池床。巡礼となった妙がゆく道、北嵯峨農地畦道(バックに心経宝塔上部映りこみ)
*お京を演じるは野際陽子、政に教授したのと同じ技を使う殺し屋。最後は一騎打ちとなり首に深々と枝を刺されるが、クロスする二人の影がX攻撃みたいで笑える。*今回の玉助アプローチ、順ちゃんと間違えて田中サマにお触り「でもちょっとカワイイじゃない?」…。*リストラ最有力候補の主水、お京とつるんだ同心が消えてクビつながる。


第6話「りつ、減量する」1985.2.15

 唐突に仕事人狩りの動き、主水以外のチームは加代の仲介で雪の温泉宿へ。ここで起こる押し込み監禁騒ぎ、宿の娘と仕事人たちを残して人質が消されるにおよびチームが始動する。仕掛けを持ってきてない各人が、ありあわせの道具で仕掛けるのも見もの。順ちゃんは鹿おどしでカタパルト投石、竜は独楽を鈴代わりに使う。政も氷柱使ったりする。主水は刀を渡す際に例の仕込み細工でぶっすり、後で田中サマの刀検分がある。
 ロケはマジ雪積もる遠隔地、不明。
*押し込み凶悪犯のヘッドに森次晃嗣、はじめ首領と思われた男に八名信夫。こやつらは「仕事人」と名乗っているが、詳細は語られず。


第7話「主水、生体解剖に腰を抜かす」1985.2.22

 出世のため腎臓移植を実践し成果を上げようとする医者、ライバルの良庵を実験台にする。ドナーは、息子を医者にしたい札差が借金で首の回らぬ男に因果を含めて提供。もちろん失敗、男の娘と恋人まで巻き込まれ、恨みの筋は竜に託される。

 ロケ地、父の借金のことでベソをかくお君にプロポーズする弥助、嵐山公園中州下河原。二人を遠目に見る竜、中ノ島橋(ロングとアップ)。政の福寿草畑がある裏山、酵素河川敷(実験用の蛙を掘りに来た順ちゃん、土中から玉助出て引きずり込まれかける)
*竜、出陣に際し紅を引き、酒で紐を湿す。吊り技豪快、屋根瓦割って引き上げのうえダブル吊り。*タイトルは鯛の刺身でせんりつに脅かされた主水、今回話のボディには登場せず後先と殺しのみ。


第8話「加代、モグラ男夫婦にあてつけられる」1985.3.8

 必殺劇場版に登場した「石亀」が江戸へ舞い戻る。どうしたわけか、キレイで尽くす女房をゲットして。
鎖筒の時次郎の死を見てビビり逃亡、仕事料はきっちり持ち逃げした事実はクリアされておらず、加代に返済を迫られる。なぜか石亀にベタ惚れの女房が亭主を庇い弁済を買って出て、昔とった杵柄で芸者として座敷に。たちまち売れっ子のお絹だが、ヤクザの抗争に巻き込まれ落命。これを受けて加代は返済途中のお絹の稼ぎを仕事料として置く。石亀も仇討ちのため仕事に参加するが穴掘って近付いた相手は自ら斃れ、彼の殺しはなされずただのカボチャ潰しに終わるのだった。

 ロケ地、抗争の果て死んだヤクザの死体上がる河原、罧原堤下汀。名張屋の矢源太に怪しまれた石亀がつけられたことでツナギをとる政と竜、広沢池東岸汀。矢源太がお絹を呼びつける寮、中山邸通用門。名張屋と丸塚の留五郎一家の出入り、柊野堰堤(落差工、大岩、脇の水路と様々に利用した効果的な夜景)。仕掛けは抗争中に傍からピンポイント介入。
*石亀の斎藤清六、なつかしい「必殺!」の流れ橋下採用試験の映像がインサートされる。井戸掘りパイトで旋回土掘りダンシングも見せ、目の当たりにした政が目をまんまるの場面も。*尽くす女房・お絹に萬田久子、絹奴姐さんはとてもキレイ。


第9話「主水、キン肉オトコに会う」1985.3.15

 仕事人に憧れる上方の若者三人組の巻き起こす珍騒動、実の伴わぬ張り切りは自らを陥穽に落とす結果となる。
無惨な死を見た真の仕事人たちは、彼らをハメた公儀勘定方一味を仕置する。

 ロケ地、加代に技を見てもらうため必殺技のトレーニングに励む三人組、流れ橋(橋脚に的置いて卵ぶつける)。敢無く失敗のあと落ち込んだ三人組が佇むのは橋上〜橋脚。勘定方の情婦が騙りの芝居、相国寺湯屋角〜法堂基壇。政が勘定方の家来を仕留める、北野天満宮本殿裏。竜が上州屋を追い詰め吊るす、中ノ島橋(上州屋が逃げてくるのは水路のへり、竜は橋上から紐を投げ、欄干を支点にしたあと下に飛び降り吊るし上げる。堰堤下の瀬をざぶざぶと引っ張られるのが珍しい趣向。最後は川にドボン)
*パロディ横溢し「漫画」も登場のコミカルな回。三人組は事あるごとに歴代必殺のオープニングナレーションを語りキメようとする。仕置人、仕事屋稼業、仕事人、仕事人IV、仕置屋稼業とめまぐるしい。出陣には三味と、おりくにじょんがらを弾かせたりもする。


第10話「主水ヘソクリを盗まれる」1985.3.22

 竜の組紐納入先の大和屋が罠に落ち、難癖つけられて松尾藩出入り差し止めにはじまり、主は暗殺、竜を慕っていた娘も殺され得物の紐から竜に疑いがかかる。娘は、前もって竜に闇の仕事人への金を言付けていた。

 ロケ地、松尾藩下屋敷、大覚寺大門(騙されて暗殺実行犯に使われる家士たちが化けた股旅者が出入り・最後はカタパルト投石で誘い出され田中さまに追われる)。綾乃さまにランニングさせられる主水、北嵯峨農道か。竜に結婚を迫るお袖、大覚寺天神島。順ちゃんが股旅者が走るの見て「かっけー」の丘、不明。直後現れて楊枝を大根に刺してみせる股旅者・中は玉助の河原、罧原堤対岸の河原
*タイトルは、りつの裁縫友達と称し転がり込んだ喧しい綾乃さまが騙りでヘソクリ隠し場所誘導されまんまと盗られる主水の中村家エピソード、けっこう尺とってある。主水はヘンな髷の綾乃さまを「毒きのこ」と表現。*松尾藩の悪家老は川合伸旺、キンキラ衣装で絵に描いたような「お主もワルよのう」をやる。


第11話「主水、送別会費を全額盗まれる」1985.3.29

 伝説の仕事人・浦島の亀吉が老いた身を引きずって江戸へ。百両の大仕事を抱えていて、ターゲットは役人も恐れるスラム・浮島を牛耳る、正体不明の大ボス・双つ頭の海蛇。
今ばたらきの仕事人たちは、孫娘をさらわれて最終決戦に赴く爺さんのサポートをつとめる運びとなる。

 ロケ地、おりくの回想、おりくの動きに無駄が多いと手本を示す亀吉、大覚寺大沢池船着(大)。亀吉の繰り出す釣り糸に絡めとられる侍は北東畔を歩いて来る。試技に犬を仕留めようとした亀吉、投げた亀つきの釣り糸を竜にキャッチされてしまう、護摩堂(夜釣りに来ていた竜は放生池堤畔)。竜が政にツナギをとるのも同所、こちらは裏側からの撮り。事後、江戸を去る亀吉たちを見送るおりく、北嵯峨農道
*亀吉を演じるは名喜劇俳優・有島一郎、ちょうど暴れん坊将軍第二シリーズの最中。爺さまぶりはさすがの絶品、殺し屋としての凄味も見せるが、終始飄々とした持ち味たっぷり。回想シーンでのおりくの「娘」の香りを漂わせる怪演も見もの。*スラムのボスには藤木悠、こういう設定ではおきまりの表稼業も面白い。


第12話「組紐屋の竜、忍者と闘う」1985.4.19

 過去の闇が竜に迫る。手始めに竜の組紐を買った娘たちが、次いで政のところへ納品に来た娘が、無残にも殺され見せしめに吊るされる。仲間に累及ぶを恐れた竜は死を覚悟してつながりを断ち一人立ち向かおうとするが、闇の手はそれを許さず仕事人と忍群との全面対決となる。

 ロケ地、娘たちが吊るされる事態に出動の田中さま、大覚寺放生池堤を走り吊り現場の天神島へ。もう一件の吊りも同所。竜と恋仲だった九十九一族の娘・初音が兄と接触の河原、木津河原。娘の亡骸を多摩へ持ち帰る親父を見送る政、流れ橋(これを見る竜は橋上手の右岸河原)。回想シーン、抜ける竜が追い詰められ峡谷にドボン、保津峡落合落下岩。お堂に巣食う九十九一族、大覚寺護摩堂(裏手からのショット)。依頼のターゲットの「野盗」を始末に多摩へ向う仕事人たち、政がゆく道、木津河原。主水がゆく道、北嵯峨農道。村は美山町か。忍群と対決の林、下鴨神社糺の森
*竜が抜け忍と看破する主水、しかし理屈は、組紐→伊賀→忍者の三段論法なのが笑える。忍群との死闘、竜はともかく、忍者より勘鋭く鬼みたいに強い主水や、何遍刺してもへいちゃらな政のスーパー花の枝などのトンデモ展開が見られる。


第13話「主水、ヒヒ退治する」1985.4.26

 大名の接待にピンクな賭け事を演出する大黒屋、美人の娘さらってきて背に大蛇・蛞蝓・蝦蟇と三様の刺青を施し、これをコマに勝負をさせる。もちろん後で侍らせてウホホ、これに使う娘はヒヒの扮装した火消しが大屋根を跳梁して誘拐というとんでもなさ。逃げた娘が竜の家に駆け込み、保護も空しく見つかって消されるにおよび仕事となる。

 ロケ地、大黒屋向島寮、中山邸門。用済みで殺された小町娘の死体が上がる、嵐山公園桂川中州北岸(魚道もはっきり映っている)。町でお新になつかれる順ちゃん、今宮神社石橋。振り切って入る禅寺の門、東門。寮から逃げた娘が身を隠す、中ノ島橋下。追っ手が橋上を駆けてくる。
*悪い遊びをしていた大名二人は、政に元結を切られて終わり。ヒヒ役の男は真面目な顔をして竜が吊る。


第14話「主水、上役の田中と出張する」1985.5.3

 とてつもなく強い行者集団が登場、白昼通り魔のように居合で人を殺す。表看板は鹿島新念流の使い手たち、しかし裏の顔は外道仕事人なのであった。
夫と義母を殺された若妻から恨みを託された仕事人たちは、順ちゃんの科学的分析に基づいたトレーニングを積んで強敵に立ち向かう。このメインの筋にタイトルにある主水の出張ばなしが絡み、田中さまとの珍道中がたっぷりと描かれる。

 ロケ地、岩鬼典膳が白昼「外道仕事」をする縁日の神社、北野天満宮(痴話喧嘩の順ちゃんとお新は本殿前、典膳の「百歩討ち」は本殿裏手)。旅立つ田中さまと主水、嵐山自転車道(川側からの撮り、嵐山東公園の針葉樹の先端がバックに)。水郷に差し掛かる主水、せんりつの船とバッタリ、大覚寺放生池堤・護摩堂前(汀に菖蒲あしらい)。鹿島への山道(あのへんに峠なんてあるのかちょっと疑問)保津峡落合(トンネル抜けたへんの車道〜崖道〜落下岩、田中さまがたまぎる悲鳴を上げて落下したあとの谷底、河口見下ろし)
*どぎついアイシャドウも怖い岩鬼典膳に山本昌平、江戸道場を任される高弟に内田勝正、コワイ顔てんこ盛り。*珍道中を縁取るは主水の日記、宿で先に寝た田中さまのいびきを綴った一節は傑作「我今夜初めてオカマの鼾たるものを聞けり/極めて気持ち悪い物也」。*谷底落ちの際探しもしなかったと激怒する田中さまに言い訳主水「田中はいずこ田中はいずやと方々を」、軍神「広瀬中佐」ネタ。


第15話「主水、いじめられっ子になる」1985.5.10

 夫亡きあと、矜持を失わず健気に生きてきた母と娘がワルの毒牙にかかる。母のほうは富商とつるんだ南町与力に目をつけられ陵辱され自死、富商の底意地わるい不良娘にねちねちと苛められつつも耐えた娘も無残に消され、怒りに燃えた仕事人たちが動きだす。

 ロケ地、イジメに遭い入水をはかる娘、桂川松尾橋付近か。仲間に入れてやる試験と娘に迫るいじめっ子の越後屋の娘、松尾大社右翼の祠前。娘に対する行為を責めたのち仕事を干された母が加代に述懐の汀、広沢池東岸(自死し見つかるのも同所)
*玉助おじさん、順ちゃんとお新がならず者にからまれるところへ鞍馬天狗ばりのカッコで登場、たちまちワルを始末…ホントに強いのか場を演出したのかは不明。


第16話「主水、入院する」1985.5.17

 仕事人同士の対決となる話。
組紐を使った殺しが三件続けて起こる。被害者はみな元裏稼業の者で、好き放題に仕事をするため足を洗った元の仲間を消しにかかる外道どもの仕業だった。主水は佃の隠居に助力を要請されるが、順庵のところへ入院なんかしてるうちに隠居と医者の卵の有為の息子もやられてしまう。この青年が順ちゃんの幼馴染で、虫の息で友のもとへ辿り着き恨みを託して逝く。

 ロケ地、佃の隠居に両国の高級料亭・蔦屋へ招かれるせんとりつ、錦水亭。順ちゃんが幼馴染と話す菜花咲き乱れる河原、桂川罧原堤対岸汀。佃の隠居が長崎遊学を前にした息子と呑む屋形船、広沢池東岸
*外道の一人は組紐使い、尾行した竜と紐対決もあり。*佃の隠居こと不知火の荘右衛門を演ずるは金田龍之介、フツーのメイク。しかし外道に船で襲われた際の断末魔の顔には「怪異」の面影。


第17話「加代、子守唄を歌う」1985.5.24

 江戸へ「嫁ッコ」を求めて来た田舎者の男は、たちまちタチの悪い女に騙され投獄された挙句密殺されてしまう。また、彼が連れていた幼児も女の顔を見ていたことから虫けらのように消され、彼が加代に託した「新しい母ちゃんにきれいな紐を買ってやる」なけなしの銭が仕事料となる。単純なお話だが、上州訛りの純朴で元気のいいあんちゃんが本田博太郎なので独特の色がつく。台詞まわしに仕舞人のときの「〜よん」が入り懐かしい。

 ロケ地、花の仕入れバイトの加代が大八を引いて渡る沈下橋、保津峡手前のアレか(現存危うし)。伊勢屋が大呉服市を開く戎神社、今宮神社。ここが勘助をハメる現場となる。東門(大看板と紅白幕セット)石橋(毒婦・お葉が勘助にぶつかるクサい芝居)高倉(茶店セット)、あと稲荷社本殿前なども映る。勘助の息子・三吉が岡っ引に刺される、中ノ島橋下。彼を探しにきた加代が橋上から三吉を見つける。看取る加代の背後に堰堤。


第18話「花屋の政、ワル仕事人と闘う」1985.5.31

 政の辛い過去が垣間見える話。事故死した女児の兄・音吉に責められた政は、自責の念から幸福に背を向け恋人・お涼を捨てたのだった。その音吉とお涼が江戸で一緒に暮らしているのを知る政、彼らは夫婦ではなかったが互いに深く思いあっていたことを、お涼の死に際に知ることになる。

 ロケ地、お涼と話す政、柊野堰堤下。回想、デートの菜花咲き乱れる河原、罧原堤下。


第19話「加代、天才男と商売する」1985.6.7

 神童と呼ばれた三味線の名手は、演奏旅行を鉄砲密売の隠れ蓑にされており、秘事を知るや不用意に強請って消されてしまう。これを繕うため、ライバルの三味線の家元が犯人に仕立てられ死に追い込まれ、妹も陵辱された挙句惨殺。家元宅に出入りしていた政が恨みの筋を託される。

 ロケ地、試し撃ちの犠牲者の死体が見つかる、中ノ島橋下手河床。棹屋佐理衛門邸、不明。鉄砲密売の密談と、自分を猿回しのサル呼ばわりに考え込む木阿弥、大覚寺護摩堂。一緒にいた家元の妹・千代に帰宅を促す政、放生池堤。毒殺された木阿弥の死体が投げ込まれる橋、中ノ島橋。翌朝発見され検分されるのは右岸河川敷(栗石の上)。千代が刺され落とされる、堰堤脇から。
*映画「アマデウス」のパロディ、木阿弥はがさつで下品、事あるごとに甲高い声で「アハハハハ」をやる。佐理衛門の新曲をいともたやすく弾いてみせバリエーションを展開する、六つのとき曲を作って弾いたなどの逸話も映画どおり。


第20話「主水、田植えする」1985.6.14

 必殺で健気な子が出れば不幸の底、今回も身寄りもなく幼い子が必死に前向きに生きようとするのを、汚いちんぴらが踏み躙る。彼を構い親身になり鍛えてやった政はもちろん、ただで紐をやろうとした竜も、彼をサカナに稼いだ加代も悲憤に燃える。田中さますら幼児の死体に配慮を見せ、金にこだわるふうを見せた主水は結局小銭しか持っていかないのだった。

 ロケ地、おみちの結婚を聞いた正太が寂しげに佇む水辺、罧原堤付近桂川畔。盗られた白犬を探し恐喝現場へ来てしまいボコられる正太、大覚寺天神島。ガキが喧嘩していると大工に起こされる居眠り主水、護摩堂縁先。正太にトレーニングを施す政、下鴨神社河合社脇、馬場。加代の企画で催される豆相撲大会、梅宮大社の土俵か。優勝した正太がシロと駆ける道、嵐山自転車道。正太が縊死死体で見つかる、大覚寺大沢池北西畔。
*正太の愛犬・ふかふかのシロ、主の危機を政に知らせに走る。門口の障子に飛びつき破る「演技」は見事、その後必死で政に急を説く鳴き声が哀切。*竜のダブル吊り、政の足裏ぶっすり刺し、主水のヤクザの親分の帯くるくる剥がしなど「仕事」も見せ場多し。*タイトルは、大飯食らいと詰られたせんが自給すると怒り田植をはじめる中村家エピソード、お弁当が田んぼに。


第21話「組紐屋の竜、右足を傷める」1985.6.21

 仕掛けた相手とタイミングが悪く竜の仕置が失敗、足に重傷を負う。その相手、凄腕の用心棒で以降加代と順ちゃんまで捕まりかなりピンチに。そして匿い手当てしてくれた夜鷹が落命するにおよび、竜は不自由な足をひきずって仕置に赴くのだった。夜鷹の父は竜に仕置された因業金貸しという因縁もついている。順ちゃんは吐かなかったことを主水にホメられたり。


第22話「主水、イッキ飲みする」1985.6.28

 大奥のお局さまと爛れた関係にある医師、万病に効くと評判の椿に目をつけ、木が生えている長屋を取り上げにかかる。ワルにとって都合わるいことに長屋は二代将軍秀忠に安堵されたもので、権柄ずく叶わぬと覚ったあと放火という暴挙に。これで母を亡くし、それでも遺志を継ぎ頑張っていた娘はワルに陵辱されたすえ謀殺されてしまう。最後の息で仕事人を求めた娘を、望みごと抱きしめて看取ってやるのは、彼女が思いを寄せていた政だった。

 ロケ地、タケノコ族?ふうパフォーマンスの若い衆、金戒光明寺石段。秀忠のお墨付きの話を聞き作事奉行に手荒な手段を示唆の大奥のお局さま・村岡、仁和寺宸殿・南庭中仕切前。仕事帰り、政にほおずき市へお揃いの浴衣でと指きりするお妙、中ノ島橋(夜)。連れ込まれた屋敷から逃げたお妙が殺される河原、橋下右岸河川敷。加代と順ちゃん出陣、下鴨神社二の鳥居。村岡に仕掛ける竜、糺の森
*内容と全く関係ナシのタイトルは、お中元に届いた名水を強壮剤として飲まされる主水の、中村家エピソード。*今回の政の得物はアジサイ、悪徳医師とヤクザ二人を続けてぶっすり殺るにはいくらなんでもアジサイでは柔いのでは。


第23話「加代、五千両の金塊を拾う」1985.7.5

 大坂の蔵から運ばれる金塊がちょろまかされ、罪を着せられた蔵役人が刑死、依頼は父の無実を信じる娘から来る。金塊は荷からこぼれるように仕組まれており、その一つを加代がドブから拾ってタイヘン。かさこそと隠す加代の行動、取り戻しに来る一味に狙われたりして結局彼女のものにはならず一文無しになる経緯がコミカルに描かれる。

 ロケ地、金塊を運ぶ街道筋、下鴨神社馬場か。金塊を隠す弁天さまのお堂、不明。その二十年に一度の奇祭・水洗い弁天が沈められる池、広沢池東岸


第24話「花屋の政雷雨の中で闘う」1985.7.12

 十年前政の仲間だった男が赦されて帰還。女の罪を着て島流しとなった清次は、きっと待っていると言ったお品を求めるが、時は彼女を変えていた。
嘘と知りつつお品の頼みを聞く清次、政と一騎打ちになるがわざと外し、自死に近いかたちで一人逝く。

 ロケ地、御赦免船が着く浜、広沢池東岸(舟着、番屋、柵などセット)。お品のことを政に話す清次、嵐山公園中州北岸・堰堤脇(増水中)。政に仕掛ける清次、会うシーンで背後に上賀茂の神事橋が映っているような気がするが確定要素なし、雷鳴のもと二人のバトルはセット。
*今回のターゲットの一人・表は料亭で裏は女郎屋の主・丁子屋は「仕事人」設定、もとは清次の親分。尖ったものを鋭く投げる技を使う現役、しかし外道。竜の気配を察し天井に得物を投げるが、板を外す結果となりそこから竜の紐がしゅるしゅると飛んでくる。なお紐を切ろうと足掻くが、竜の捻り技に腕を絡めとられる。清次が政と同じ「枝刺し」なのも見もの、一騎打ちは空中で決する。


第25話「主水、源氏と平家に泣かされる」1985.7.19

 大看板の役者・藤川源九郎のところへ、幼い頃失踪した「息子」が帰還。しかし彼は一座を乗っ取る企みで送り込まれた偽者だった。源九郎に牛若と可愛がられ「父」を慕うようになる「息子」は、苦悩の果て父に代わってワルの刃を身に受け落命、その後源九郎も牛若の恋人も消され、恨みの筋は仕事人に託される。

 ロケ地、河原で転寝して悪夢を見る順ちゃん、嵐山公園中州舳先付近汀か。一味の用心棒に仕掛ける主水、屋形船から上る用心棒は大覚寺大沢池船着(小)、仕掛けは五社明神
*源九郎は牛若が実子でないことを初めから知っていて受け入れた設定、失踪したのは「娘」、なんて粗漏なワル…用心棒なんか恣意に要る人物斬るし。*ゲスト登場人物の役名は牛若・お静・源九郎にお徳に梶原と平家物語を洒落る。タイトルは、せんが買ってきた系図のことを口走り「平家滅亡600年記念」の金一封を貰い損ねる主水。


第26話「主水、下町の玉三郎に出会う」1985.7.26

 辻斬りが頻発、恨みの筋は殺された老爺の孫から。辻斬り犯を探るなか、チームに接触してくる「仕事人」あり、以前主水が先を越された経緯のある「女形」。彼は裏稼業から退いていたが、身重の妹を辻斬りに殺され動き出したもので、果たせず斬り死に。主水は後事を託されるが、辻斬りの正体が将軍の後継と知り躊躇、しかし最初の依頼者の孫娘が馬鹿殿に辱めを受けたうえ殺されたのを受けチームは始動する。この際政が忍びに顔を見られ、仕事人たちはそれぞれに散ってゆくこととなる。

 ロケ地、竹細工師の老爺が辻斬りに遭う、中ノ島橋上。辻斬り捜索において囮となった主水が蕎麦の屋台を引いて帰る道で襲われる、大覚寺五社明神。馬鹿殿を叩き込むのは有栖川、このあと「早変りの梅富」が出て返り討ちに遭う。落としていった葵紋入りの刀を堀に捨てる主水、勅使門橋上。江戸城イメージ、姫路城天守。出陣、加代がゆくのは相国寺法堂基壇〜渡廊、主水は大覚寺五社明神。またぞろ辻斬りに城を出る馬鹿殿、知恩院黒門道クランク。馬鹿殿一行がゆく夜の市中、相国寺大通院前〜鐘楼脇。宗旦稲荷で加代が誘うように朱傘を回し荒れ寺(セット)に誘い込む。「宗孝」が病死と処理された十日後、花畑で忍びに襲われる政、酵素河川敷(小屋に火を掛けられ死闘)保津峡落合落下岩から谷に身を躍らせる。ラスト、別れゆくチーム、野道は水鳥ロードの池か。
*順ちゃんを仕事から外す主水、足を洗えと示唆。彼は手伝いに来るものの、別れの場には立ち会えず遠目に見るのみとなる。


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