風流太平記 「密命」
御三家の陰謀を粉砕せよ!ただし公儀は一切関知せず

1990NTV/東映  松平健主演作品

 紀州に謀反の企てあり、スペインから武器の提供を受け各地に砦を築くなど不穏な動向。この件を察知し、幕閣から調査の密命受けた大目付勤務の花田徹之助は弟二人と信頼できる同志総勢11人で陰謀に立ち向かう。これがメインの柱で、主人公の末弟・花田万之助はうるさい兄に口ごたえしたり、彼を恋い慕う娘たちに悩まされたりしつつ、仕事はきっちりこなしながらもどこかお気楽にひらひらと振る舞う。万之助を追い掛け回すちょっとキレたっぽい娘を密かに思う剣客も絡んでくる。お話は、調査終了後報告に行った長兄が始末まで任命され、これも遂行して大団円を迎える。一件が極秘とされ記録も残らず終わることを慨嘆した同志に、万之助がこれも風流と洒落てタイトルにつなげる。

ロケ地

箱根の山道をゆく万之助、谷山林道切り通し。紀州藩下屋敷を訪ね捕まりかかって逃げる万之助、大覚寺大門から出て明智門脇に隠れる。鋳掛屋姿の万之助を料亭に誘う木島かよ、大覚寺五社明神付近。紀州のみかん船浮くお浜屋敷前の江戸湾、琵琶湖北湖か。日光へ奉納される紀州蜜柑が運ばれる千住大橋、木津川流れ橋。筑波山麓の結城の郷士・古木甚兵衛屋敷へ入る蜜柑行列、摩気橋(橋脚は木)渡りたもとの民家(民家まわりと橋はこのあと何度も使われる)。古木屋敷を探っていて捕縛された同志を奪還する万之助と次兄、摩気神社(参道脇と楼門、社務所裏手)。万之助たちがアジトに使う鬼怒川の船頭の船、木津河原。追っ手から逃げ鬼怒川に船を出すシーンでは木津川上をゆく。筑波山中に作られた山砦を探る万之助たちがアジトに使う放棄された御堂、酵素ダート脇にセット。このあと酵素各所で大立ち回り。かよを担いで小川の中をゆく万之助は有栖川。山砦は砕石場か。

*剣客・石黒に本田博太郎、にこりともしない設定で台詞は押し殺し気味、渋い。
長兄に夏八木勲、次兄に中条きよし。摩気神社で万之助らの同志捕縛して引き立ててゆく下っ端藩士に福本先生。


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