御用牙

三隅研次監督作品 1972.12.30勝プロ/東宝


 お茶の間の団欒の場には映し出せないシーン連続の、勝新ノリノリの痛快時代劇。
もうハナっから上役に逆らいまくりの板見半蔵、お役御免をちらつかせる与力の弱味を握ろうとして妾をさらったはいいが、ずるずると出てきたのは老中も跪かせる上つ方。これをも同じ強引なやり口で力押し、将軍の寵愛深い西の丸さまの母君のヒミツを手中にした半蔵は、これで大奥にも顔が利くとくつくつ笑うのだった。

豊国廟

ロケ地
・北町奉行所、京都御所管理事務所門
・「役人の心得」に誓紙血判するのを拒み非を鳴らすくだりで、捕物の際容疑者に寺に逃げ込まれて地団駄、のシーンは金戒光明寺三門
・無宿人狩りで追われる三次(石橋蓮司)の鼻を砕く半蔵、豊国廟石段
・三途の勘兵衛(田村高廣)が僧正に化けてアジトにしている寺、蟠龍図と石篠、入口が妙心寺法堂に似るも確信持てず。
*半蔵の家の仕掛けが凄い。ナニのトレーニングもアレだが、与力の妾のお美乃とお風呂のくだりでだすっと降りる槍や壁に隠した武器など凝りまくり。
*キャストも豪華そのもの、屋台の蕎麦屋が藤原釜足なんだから驚く。


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