最後の忠臣蔵

2004NHK(金曜時代劇)/C.A.L  原作 池宮彰一郎「最後の忠臣蔵」 角川文庫

キャスト
寺坂吉右衛門/上川隆也 
大石の命により討ち入り後離脱し生き延び、以降義士の遺族を訪ねる日々を過ごす
瀬尾孫左衛門/香川照之 
大石家用人、討ち入り直前逐電するが重大な密命を受けての行動。
篠/和久井映見 
瀬尾の妹で、寺坂の許婚者。曲折を経て最後は寺坂のもとへ。
大石内蔵助/北大路欣也 
浅野家家老。討ち入りに際し二人の男に人生を左右する指令を与える。
天川屋儀兵衛/津川雅彦 
浅野家出入りの義侠心溢れる豪商。寺坂の世話もマメに焼く。
進藤源四郎/江守徹 
浅野家旧臣で大石の縁戚、主家滅亡後は近衛家家宰。
柳沢吉保/田村亮 
綱吉の信頼厚い側用人。寺坂に監視の目を光らせる。
仙石伯耆守/神山繁 
幕府大目付。自首して出た寺坂を長く預かり、厚遇する。


第1話「吉良邸乱入」2004.11.5

舞子浜 寺坂吉右衛門を主人公とする異色の忠臣蔵、最初のメインエピソードは討ち入り。
恋人との別れ、友の逃亡を経て仇の屋敷へ討ち入る寺坂、使番をつとめる。そして修羅場を駆け回ったその役目ゆえに、生き証人としての役割を荷うこととなる。

ロケ地
・篠に別離の許しを乞う寺坂、琵琶湖西岸松原
・江戸城イメージ、姫路城天守閣。仙石伯耆守から赤穂浪士討ち入りの報告を受ける柳沢吉保は篠山城大書院葡萄の間
・寺坂が瑤泉院に報告に赴き門前払いを食らう三次浅野家下屋敷、随心院長屋門
*吉良邸での立ち回りに福本先生ご登場。役名は無かったが、雪の庭で「内蔵助と見受けたり」と大石に殺到、寺坂に討ち果たされるオイシイ役回り、通常の忠臣蔵なら清水一角か山吉新八郎ってスタンスの扱い。フレームの端っこでのけぞりもアリ。吉良方では峰蘭太郎氏のお姿も見られて楽しい。*高張提灯エピもあり、土屋さまは出ないが隣家の屋根から「火事ではないのか」と誰何っていうのが珍しい。珍しいといえばさらっと描かれた「刃傷」のシーン、真っ暗なスタジオに花道様のベルトのみ浮かび上がらせての演出も渋い。


第2話「無念の逃亡」2004.11.12

 鎌倉の明石茶屋で討ち入りの評判を聞き、大坂・天川屋において義士切腹の報に接する寺坂吉右衛門。広島の本家お預けの浅野大学に労いの言葉を賜るも、寺坂には柳沢から抹殺指令が下っており退去を余儀なくされる。そしてお篠の婚家へと向かう寺坂、DV夫と対決の運びに。

ロケ地
・鎌倉明石茶屋(大石が買い取り)宝厳院通用門(暖簾あしらい)
・大石らがお預けの細川家下屋敷、大覚寺明智門(衛士あしらい)
・江戸城イメージ、姫路城天守。林大学頭と荻生徂徠を召し、浪士の処分について意見を聞く柳沢吉保のシーンは篠山城大書院葡萄の間
・広島へ向かう寺坂、海辺の街道は琵琶湖西岸松原
・孫左衛門の夢を見る野宿のお堂、鳥居本八幡宮舞殿(木の壁をセット)
・綱吉に鶴姫逝去を報告する柳沢吉保、篠山城大書院上段の間。次期将軍について仙石伯耆守と話す吉保は葡萄の間(甲府綱豊は赤穂びいき、処断について蒸し返されると困る→四十七番目の男の口封じを命じる)
・美濃大垣、お篠の婚家へ赴く寺坂、子守女に道を聞く塀際、民家南塀
・有田邸、不明。お篠を呼び出す宝光院、西明寺(山門、境内)


第3話「男と女」2004.11.19

錦水亭 篠の夫と対決は無事済み、京で結ばれる二人。瀬尾の行方に関して、大石の愛人の線からヒントが浮上。そしてなかなかうまく運ばない連座した義士遺族の赦免嘆願に、天川屋と進藤から破天荒な提案が持ち出される。

ロケ地
・有田と対決の河渡八幡宮、粟生光明寺石段上部。
・京イメージ、東寺南塀越しに塔、および金戒光明寺鐘楼越しに三門。
・近衛家二条河原町別邸、大覚寺大門
長岡天神の大石元寓居を見に行く寺坂夫婦、本物(天神さんの石鳥居〜錦水亭東屋の草戸、「貸し家」の札が下がっている)
・大石の愛人・かるの墓(今出川千本・上善寺)くろ谷墓地


第4話「死を賭けて」2004.11.26

鹿王院客殿 大目付のもとへ出頭の寺坂、評定は一旦流罪と決るが、近衛公のマザコン位打ちで遺児赦免・寺坂にもお構いなしの断が下る。この間の動きが丁寧にしっとりと描写される。御前での問答のシーンは秀逸、落ち着いたトーンで進むので綱吉の狂態も目立つ。

ロケ地
・天川屋が寺坂を見送る道、酵素ダート。
・箱根を越えた先の海辺の道、琵琶湖岸汀。
泉岳寺、本物の山門〜手水使うお堂前は西教寺本堂。義士らの墓、相国寺墓地か。
・寺坂が「自首」して出る大目付・仙石伯耆守邸、随心院薬医門、大玄関。
・寺坂が近衛家の通行手形を所持していたことを柳沢吉保に報告する仙石伯耆守、篠山城大書院葡萄の間。綱吉が柳沢に寺坂の処置を問う「食事」のシーンは上段の間
・荻生徂徠に意見を聞く柳沢、六義園は彦根城玄宮園。話に出る間部詮房のイメージ、家宣に付き従い西の丸廊下をゆくシーンは篠山城大書院廊下
・屈伸運動の寺坂に声をかけ処分のことを告げる伯耆守、鹿王院客殿縁先。
・寺坂の件で会談の柳沢と間部、篠山城大書院葡萄の間。
・江戸城、姫路城天守。将軍に謁見の近衛家煕(桂昌院に官位追贈→大赦の話が出る)篠山城大書院廊下〜上段の間(次の間も開け放たれている)
・桂昌院一周忌法要の増上寺、三門から大殿を見るアングルの本物(東京タワーは木でうまく隠れている)
・流罪になっていた義士の遺児が赦免されたあと、寺坂の処置如何と柳沢に問う仙石伯耆守、篠山城大書院葡萄の間
・伯耆守邸を辞し帰途の寺坂の前に立ちはだかる元吉良家中小姓・山吉新八郎、走田神社本殿、参道(原作設定では愛宕権現、シチュエーションは違う)
・お土産も買って嬉しげに道をゆく寺坂、琵琶湖西岸松原


第5話「忘れがたみ」2004.12.3

酵素 綱吉逝去、柳沢も失脚し新しい御代、浅野の遺臣たちの身も立つようになる。寺坂は仕官せず遺族を回る日々、そして大石家にあった骨董から孫左の消息が知れる。彼は果たして大石の遺児を守り育てていた。

ロケ地
・篠が嫁したと聞き土産の簪を手に寺坂が佇む夜の橋、中ノ島橋
・大和郡山へ向かう寺坂、嵐山自転車道
・旧主・吉田忠左衛門の家族が世話になっている本多家家臣・伊藤十郎太夫邸、民家長屋門
・江戸城イメージ、姫路城天守(はの門下から見上げ/綱吉死去のテロップ被り)。綱吉の葬儀について指示し、生類憐みの令撤廃等の所信表明をする新将軍・家宣、篠山城大書院上段の間(次の間以下開け放ち)
・旗本に取り立てられた浅野大学の駕籠を待ちうけ挨拶の寺坂、山室堤道
・今出川千本・上善寺のかるの墓、くろ谷墓地
・孫左が大石の遺児・可音を養育している洛西大枝中山の寓居、酵素民家セット。
*これからは二人で重荷をと申し出る寺坂に怒気を発する孫左、苦衷の本音を漏らす会話が圧巻。


第6話「花嫁の父」2004.12.10

西教寺 可音(かね)を倅の嫁にと茶屋四郎次郎からの申し出、話を持ってきた寺坂には激する孫左衛門だが、その後は淡々と縁談が進行。孫左の指定で義士の十七回忌法要が営まれたその夜に、可音は茶屋家へ嫁いでゆく。花嫁行列がゆく道には、わらわらと何人も何組もの赤穂の旧臣が駆けつけて、列に従う。そのさまをうるうると見る孫左、しかし茶屋家へ可音を送り込んだあと、進藤源四郎が晴れの席で長年の養育の苦労について披露しようとしたそのとき、彼の姿は消えていた。

ロケ地
・大和郡山の寺で墓の手入れをする寺坂、西教寺墓地。
・縁談をもって大枝中山の可音を訪ねる寺坂、笛の音に駒をとめる竹林、鳥居本か。
・薪割り孫左に声をかける寺坂、酵素民家セット。
・義士の法要が営まれる鞍馬口瑞光院、粟生光明寺阿弥陀堂、方丈座敷。
・花嫁行列がゆく堀川通、大覚寺大沢畔(ロングで撮られた、水面に映る松明の群れが美しい)
・孫左の墓を尋ねて大和郡山の寺へやってくる篠、西教寺墓地、本堂縁先。
*孫左が可音に対して持つ「感情」は、寺坂の言葉に激し斧振りかざして向かってくるのと、可音に止められて泣き伏すので微妙に表現されている。篠の落としどころもなかなか心利いたシナリオ。


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