暴れん坊将軍
   第二シリーズ スペシャル


暴れん坊将軍 II スペシャル
 「吉宗失脚!?初春一番の大江戸裁き!」1985

 尾張宗春のかなり本気な陰謀、生母・お由利の方をキリシタンに仕立てて吉宗を将軍の座から引きずりおろそうとする。父の野望を諌める尾張の姫も登場。
偽物の母上に冷たくされて落ち込む新さん、信仰が本当ならこの手で裁かねばと苦悩の上様、評定の席でのやきもきなど、いつもとちょっと違ったナイーブな上様が見られる。

 ロケ地、元日の行事に衣冠束帯で臨む上様、仁和寺宸殿北側縁先。お由利の方がわび住いする小梅清涼庵、中山邸(参道、門、境内各所)。お由利の方に城入りを勧めて断られた旨報告する加納じい、仁和寺南庭。雪が拉致されかかっているのに介入の新さん、上賀茂神社神事橋付近と林間。お由利の方の侍女が水死体で見つかる、広沢池西岸湿地。雪と縁日の帰り襲撃を受ける新さん、大覚寺護摩堂裏手。清涼庵でキリシタン集会の報告を受け慌てて協議の忠相とじい、仁和寺白書院。この手で母を処断と苦悩の上様、仁和寺北庭園池石橋上。雪と虚無僧(味方の尾張藩士)が連絡をとりあう、今宮神社東門内石橋たもと。清涼庵から出た怪しの農夫を尾行する才蔵、仁和寺中門(剥落が激しい)九所明神経蔵(代参の大奥老女を目撃)。ここで行われた密議についてさぎりと話す、下。尾張忍びを調べようとして露見した虚無僧が落命、大覚寺大沢池西岸に係留の船。清涼庵への手入れの際、飛び込もうとする上様を抱き止めた忠相が非礼を詫びる、今宮神社稲荷社前。事後、尾張へ帰るという雪姫に「告白」される新さん、上賀茂神社ならの小川畔。母のもとへ馬をやる新さん、下鴨神社馬場を中山邸参道へスイッチ。
*評定の場の宗春、してやったりとニマニマ笑う顔や、形勢逆転後口をへの字に曲げた顔も迫力でワルい中尾彬はまさにハマリ役。これを諫止する姫に三原じゅん子、健気な役柄なるもドス利いた声が中尾彬の娘設定によく似合う。尾張をそそのかす老中に御木本伸介。福ちゃん二態、清涼庵で虚無僧を襲う忍び(百姓姿)と、老中邸でのラス立ち要員(家士)。


暴れん坊将軍 II スペシャル
 「勅使下向、天下を賭けた江戸っ子神輿!」1985

 またまた吉宗に恥をかかせ失脚を目論む陰謀、裏には尾張宗春。今回の趣向は朝廷勅使接待がらみ、加納じいが京で神田祭を自慢したことから、勅使に見せる約束になっているのを利用し、神輿を損じにかかる。これを軸に、宮大工の息子の恋と成長、陰謀に加担するも改心し自刃する大身旗本のお話が展開する。二人が実は兄弟という設定もあるが、とってつけたみたいな感じで勿体ない。

 ロケ地、神田明神の縁日にやってくるめ組の衆と新さん、今宮神社楼門、境内。夜、神輿を燃やしに出る寅松と手下、高倉脇。弓のお稽古上様が神輿放火の報告を聞く、姫路城西の丸。勅使の輿がゆく道、随心院長屋門前〜入る屋敷は薬医門。宮大工の息子の恋人を送ってやる新さん、罧原堤下河原(投網の漁師あしらい)。勅使に流鏑馬を見せる上様、下鴨神社馬場(幔幕張り巡らせ)。このあと汗を拭く上様に黒幕について報告の忠相、姫路城西の丸築地脇。陰謀に加担した大久保采女正を説得の新さん、広沢池東岸(水中に祠あしらい)。改心し、己を唆した若年寄屋敷へ斬り込みに走る采女正、広沢池東岸堤道。無事間に合って城門に入る神輿、姫路城大手門。勅使上覧の席は正面の芝地にセット。
*宗春は今回成田三樹夫が演じる。さすがに巧いが、この人ならおじゃるのほうが似合う…と思ったら今回勅使は悪者でなくほんとうにお神輿が見たいだけ。悪役陣は、神輿襲撃実行犯に汐路章、若年寄に井上昭文、高家に外山高士と豪華。怪力で危難を救う口入屋に「がぶり寄り」荒勢が出ているのも楽しい。福本先生は若年寄屋敷のラス立ち要員、家来の侍。


暴れん坊将軍 II スペシャル
 「燃える江戸城!男たちの一番纏!」1987

 放火で人心を騒がせ、忠相の評判を落とし吉宗を追い詰める陰謀が持ち上がる。民の不満が募ったところへ薩摩が挙兵して紛争を起こし、尾張が出て事をおさめる→政権交代という図を目論むワルどもだが、小田原なんか箱根までも行かないじゃんとカルく馬を飛ばしたり、お城の火事には自ら纏を振る上様には全然通じないのであった。
お話は、陰謀の一翼を担う小田原藩の家老を誅さんとして切腹の憂き目を見た目付の遺児たちを軸に進む。め組の纏が焼失して大騒ぎのエピソードなどもあり、火事に関する話題がいっぱい。

 ロケ地、放火の被害を才蔵に聞く新さん、大覚寺放生池堤石橋。小田原藩家老を仇と狙う姉弟がならず者に襲われる、天神島。その姉・早苗に事情を聞く新さん、大沢池船着(小)、木戸越しのアングルもある。小田原城、本物(イメージカット)。早苗と騎馬で小田原へ向かう新さん、舞子浜。城下で才蔵とツナギをとる新さん、坂本の慈眼堂参道。荒くれを集め更なる放火を示唆する尾張藩出入りの清津屋寮、大覚寺望雲亭。早苗の無茶を諌める新さん、大沢池北西畔。小田原藩上屋敷、大門。早苗の元婚約者を呼びとめお話の新さん、勅使門橋上。仇を求めてめ組を出た姉弟が一味に捕まる、仁和寺九所明神石鳥居。事後、晴れて出初めの町火消し、仁和寺参道勅使門前。江戸城の正月風景、枳殻邸印月池畔。
*今回、尾張は名のみ出て宗春登場はナシ。*二の丸火災に際し纏を振る上様、急を聞いて馬を飛ばし城門に駆け入ったあと、火消し装束で現場にやってくるのだが、大石内蔵助みたいなそのカッコの兜や胴にばばーんと三つ葉葵があってなんだか笑える。*清津屋に雇われた浪人の一人に福ちゃん、寮に乱入の上様にぶっ叩かれる。


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