必殺まっしぐら!

1986朝日放送/松竹

キャスト
秀/三田村邦彦 若紫/菅原昌子
桂馬のお銀/秋野暢子 高天原綾麻呂/笑福亭鶴瓶 香車の東吉/西郷輝彦
向島仁十郎/藤岡重慶 さぶ/大沢樹生 神楽坂宗右衛門/睦五郎


第1話「秀が帰って来た!」1986.8.8

 秀の「仕事」に集まってくる三人の「仲間」、起こりの話。

ロケ地、神楽坂の元締のもとへ約束の時間に遅れて駆けつける秀、大覚寺放生池堤粟生光明寺山門と石段(前後はセット)。桂馬のお銀とやりあう秀、市中から柊野堰堤へスイッチ。お銀は堰堤上部を、秀は下部を東から西へ。堰堤左岸側下部の巌にさぶ。二回目の入水を試みる麻呂、中ノ島橋上。矢場を出て賭け将棋に首を突っ込む東吉、仁和寺観音堂脇。夜道、丁字屋の駕籠を狙う秀が東吉に水を差される、下鴨神社馬場と林間。駕籠は河合社脇を過ぎ去る。仲間と会わせるべく秀を八幡さまに呼び出すお銀、今宮神社高倉下。麻呂が奉納刀を「借りる」やしろ、大覚寺五社明神。秀がさぶとじゃれる河原、礫と山なみからして桂川・亀岡付近か。


第2話「相手は京の欲ボケ貴族」1986.8.15

 今回は京都行き、ターゲットはお公家さん。御所大膳式・宇多野小路篤麻呂のはたらく汚職に一枚噛む者たちも的となる。

 ロケ地、秀が京へ向かう街道筋、不明な農地(ラストも同所)広沢池東岸。京イメージ、渡月橋シルエット。宇多野邸を窺う秀、相国寺方丈南塀大光明寺。騎馬で出る篤麻呂は南路地。馬場は下鴨神社馬場。チームのツナギ、北野天満宮本殿裏手と祠。京都御所、建礼門。麻呂が刀を盗る宮、北野天満宮文子天満宮


第3話「相手は壇ノ浦の亡霊」1986.8.22

 ターゲットは壇ノ浦に出る化物、しかし鉄球で人殺しの鎧武者は出世欲のため奉行に頼まれてのお芝居、抜け荷船から人の目を遠ざける陰謀だった。

 ロケ地、秀に仕事の指令を出す釣りの元締、大覚寺放生池堤石橋上。壇ノ浦の海、間人の浜や磯。平家の亡霊の噂をする漁師を見る秀、鳥居本八幡宮舞殿下。


第4話「相手は長崎のぜいたく女」1986.8.29

 今回は遠出・長崎行き、ターゲットは長崎奉行の奥方で、将軍の子であることを笠に着て横暴の限りを尽くすトンデモ女。秀が仕留めた奥方の死骸を見てくつくつ笑う、奉行役の西沢利明がコワい。

 ロケ地、麻呂が祈祷の呼び込み、上御霊神社楼門本殿脇で打ち鳴らされる太鼓に秀飛び入り。長崎イメージの蛇踊りは現地、以降役者さんが入っての長崎情緒は黄檗山萬福寺を使用。長崎入りの秀がくぐる門、文華殿入口の竜宮門。カピタンと行き会う東吉、回廊の合山鐘。長崎奉行所は開山堂門。奥方のバースディパーティに潜入の秀のシーンには、三門脇の竜宮門。このほか、セットにも竜宮門が演出されている。誕生祝いの宴会で仕留めると協議のチーム、大覚寺大沢池北西畔(麻呂、カステイラを丸かぶり)。長崎を発つお銀と麻呂、心経宝塔前〜五社明神。秀が頼み人は奉行と東吉に話す街道筋、谷山林道


第5話「相手は仙台のワル家老」1986.9.5

 ターゲットは私腹肥やしで恨みを買う伊達藩の国家老、更なる陰謀が進行中。しかし秀たちの仕置が下る直前、ワルどもは自らの罠に陥ちていた。

 ロケ地、元締が語る国家老・秋月のイメージに相国寺方丈前廊下。青葉城、二条城東南櫓と濠。世継の若君が剣の稽古、相国寺方丈白州。秀がゆく街道、およびお銀と麻呂がゆく道、北嵯峨農地の田脇と思われるが確証得られず。仙台へ十里の道(陸羽街道?)脇の茶店、下鴨神社参道石橋たもと(ここで向島の元締の刺客、趣向は茶店地獄)〜戦闘は林間池跡。臭いと言われた麻呂が顔を洗う川(歴史人物紹介コーナー、刺客と間違われる間宮林蔵)、嵐山自転車道下・桂川右岸河原か。若君を預かる国家老の屋敷、相国寺大光明寺(鶴千代ぎみの駕籠が入るシーンでは前庭から門を見返るショット、式台玄関が使われる。乳母の子と衣を取替え抜け出す若君のシーンでは通用門から出る。仕置のくだりでは通用門と南路地を使用)。抜け出した若君が魚獲りの子らに「苦しゅうない」をやり小突かれる、広沢池東岸。これを助けた秀が「若君」に飯をやる、大覚寺天神島。家老屋敷へ潜入したお銀の報告で仕事を早めるチーム、せかせかと歩く秀は放生池堤。仕事を終え帰途に着く秀、さぶが出迎える茶店、酵素ダート待避所にセット。秀が顔を洗うのは河川敷


第6話「相手は佐渡金山の乱脈男」1986.9.12

 舞台は佐渡、仏づらをして山師肝煎を狙う外道を始末。しかし頼み人の娘は仕掛け寸前にワルの罠にはまり落命という悲劇。

 ロケ地、釣りの向島の元締に接触、秀を狙った手裏剣を持ち主に「返す」神楽坂の元締、大覚寺放生池堤。町でボコられお決まりの入水の麻呂、中ノ島橋(日照り続きで浅いとお銀、ほんとうに水は少ない)。旅立つ秀、酵素河川敷(ダート林越しに向島の元締が手下に秀の顔を認識させる)。馬に乗ってゆく麻呂、北嵯峨農地畦道。茶店で休む東吉、手配書を持って役人が来る、谷山林道分岐道下手。佐渡の浜、茶店で東吉と秀がツナギ、間人海岸(ラストも同所、この際秀は立岩の上)。加茂屋が頭領になったと聞き怒って乗り込む大黒屋の娘、広沢池東岸(秀を老婆に化けた刺客が襲う)。大黒屋の娘が首吊りを偽装されて見つかる、大覚寺大沢池畔。拝んでみせ、嘆いてみせた加茂屋と大黒屋の娘婿がほくそえむ、護摩堂前。


第7話「相手は徳島剣山の暴力修験者」1986.9.19

 暴力と阿片で人々を支配し、勢力拡大をはかる破戒の山伏がターゲット。依頼者は行の辛さから阿片に手を出してしまった同じ山伏、頼みには自身への仕置も含まれていた。

 ロケ地、行方不明者を探しに剣山へ向かう庄屋の屋敷、民家門。庄屋一行がお山へ向かう道、鳥居本八幡宮鳥居前〜保津峡落合落下岩見上げ〜崖下巌(阿片で操られた巡礼に襲われドボンは保津峡)。首謀者・土佐坊俊源がお山へ帰ってくる道、高山寺東参道(石水院の上手〜開山堂入口、ここに是より行場・立入禁止の立札)。立札からあとの道は仏足石屋形前。馬琴日記の子捨てイメージに今宮神社稲荷社前・酒樽奉納の屋形。お銀が地元の民に導かれる、旅に死した巡礼の墓、落合崖下に石仏あしらい。顔を汚して男装(山は女人禁制)で出てくるお銀、鳥居本八幡宮本殿。合図の陣貝を吹く山伏、高山寺表参道・金堂道石段。わらわらと集まってくる山伏たち、落合崖道。秘密の洞窟がある滝、琴滝(滝裏の洞窟はセット)。巡礼に混じったお銀が女と露見、高山寺開山堂(お神酒を勧められるのは観音像前、山伏に囲まれるシーンは水盤越し)。秀がお銀救出に向かう道、林間と金堂下から仏足石への道。麻呂が鳴門へ渡るため船をガメる浜、広沢池東岸(船出して即沈船、画面は渦潮にスイッチ)。打ち上げられる浜は不明。秀と麻呂が山伏を一人ずつ仕留める、琴滝
*依頼者のジャンキー山伏に山本昌平、死に顔もコワい。


第8話「相手は大阪の大塩平八郎」1986.9.26

 最近仕事が来ないので「何でもやります」などと元締をせっつく秀、回ってきたのは案の定の訳あり、ターゲットは変更され向島の配下とも正面きって渡り合うことになる。ドラマはお銀がメイン、仲居仲間が向島一味だったり、潜入した大塩宅では当人にシンパシーを持つ。

 ロケ地、お参りの元締に仕事をせがむ秀、北野天満宮地主社。馬琴日記の一揆イメージ、鳥居本八幡宮鳥居下。向島元締宅、不明。大坂イメージの大坂城、千貫櫓と天守(刻印石広場から見上げ)。ツナギの際、お銀が秀に的外れでないか問う、今宮神社高倉下。堺屋にカマをかけた洗心洞の塾生が向島の配下に始末される、今宮神社高倉前灯籠群東門内石橋(下の空堀も使用)。向島の配下だった友達と会うお銀、広沢池東岸


第9話「相手は名古屋の暗殺剣」1986.10.10

 ターゲットは尾張柳生総帥、堕落しきった江戸柳生に怒り己を本家にと図り、ついでに尾張に天下をとらせようと陰謀をめぐらす大ワル。内偵中、生真面目な高弟が一命を賭して総帥に諫言するもあっさりと密殺されるのを見たチームは仕置にかかる。

 ロケ地、お城を下がる老中に尾張の刺客、相国寺大光明寺南路地(お城と合成の画が導入に使われる)。江戸城、姫路城天守にの門を出た柳生但馬守が将軍の密命を受けるのは備前丸。江戸柳生邸、大覚寺大門。向島の元締が放った刺客を仕留める秀、見ている但馬守、桂川・亀岡か(設定は木曽川)名古屋城天守、本物。尾張柳生邸、随心院薬医門。道場は長屋門。尾張柳生四天王の一人・菊間に接触する但馬守、中ノ島橋たもと(秀が岸に潜む)。諫言ののち総帥から一本とった菊間がその夜暗殺される、随心院拝観口スロープ前。麻呂が刀を借りるやしろ、大覚寺五社明神。尾張の家老に仕掛ける秀、妙心寺大庫裏脇路地
*柴犬にもビビるなっさけない柳生但馬守にうえだ峻、対する尾張柳生総帥は亀石征一郎で怖すぎ、配下に五味龍太郎いて更にコワい。中村遊郭を束ねる四海屋に北村英三がいて渋い。


第10話「相手は草津の乗っ取り男」1986.10.17

 草津温泉の湯元を手荒な手段で乗っ取った男がターゲット、この男元は武家で仇と狙われる身、仕置は仇を討たせる趣向で行われる。

 ロケ地、買い取りを拒否した湯元が殺される、広沢池東岸(夜間撮影、水面は映さず)。上州の街道をゆく秀、北嵯峨農地(背景に大沢池沿いの林)。渡世人が襲ってくる茶店、酵素ダート、戦闘は河川敷。宿を抜け出した麻呂が女の子に誘われ赴くドライアイス仕込みの岩風呂、落合巌か。事後、秀を出迎えるサブ、桂川松尾橋下手右岸堤か。
*ターゲットの吉金屋に田口計、元指南役設定なので剣戟もあり。*吉金屋潜入に東吉と麻呂の帝の使いを装った勧進帳芝居あり、西郷輝彦の公家侍はけっこう似合う。


第11話「相手は向島の元締」1986.10.24

 仕事の話は淡々と進むが、秀に差し向けられる刺客について変化あり、藤岡重慶が秀に姿を目撃されてしまう。追った先には意外な人物がいた。

 ロケ地、伊勢屋の生き残り娘の夜鷹の苫小屋、罧原堤下河原。彼女が殺されて見つかるのは川中。悪徳米問屋・相模屋と田原屋がゆく夜道、中ノ島橋。実は悪人だった、ターゲットの仏の善七夫婦が待機するのは橋たもと。
*本編を展開させるエピソードが盛り込まれるが、今回のお話は麻呂と夜鷹(謀殺された米屋の生き残りで依頼人)、お銀と上州屋用心棒・平手造酒の、それぞれに薄かった縁を描く。


第12話「相手は江戸の大魔王」1986.10.31

 今まで毎回秀を襲っていた刺客の正体が明らかになる。そして指定されたターゲットは向島の元締、困難な仕事を一人で遂行しようとする秀だが、最後の闘いの場には已むにやまれず馳せ参じてくれる仲間がいた。

 ロケ地、鉄砲洲西の入江に拘禁されたさぶを助けにゆく秀、水中戦闘のすえ上陸は広沢池東岸
*珍妙と呼び声高いラスボスは、実写版ハンマーブロス。麻呂もお銀も東吉も、ハンマーに当って損傷を受ける運び。秀はダッシュジャンプで敵の上を飛び越して後ろから回り込みクリア。*ラストは吉原乱入で若紫と手に手を取っての道行き、必殺おきまりのメンバーがそれぞれに散りゆくシーンとかはナシでそのまま終わる。


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