暴れん坊将軍
  第10シリーズ  2000/3-9テレビ朝日/東映

二条城清流園 キャスト
 徳川吉宗
(徳田新之助)/松平健
 有馬彦右衛門/名古屋章 大岡忠相/田村亮
 十文字隼人/大森貴人 渚/山口香緒里
 お凛/松金よね子 おぶん/生稲晃子 千奈津/松下恵
 長次郎/山本譲二


第1話「吉宗爆殺!!都から来た美しき女刺客」

 公金横領の濡れ衣を着て死んだ父の仇と上様を狙う中掾Aしかし出世欲に目の眩んだ兄の使嗾と知った女は身を捨てて吉宗を危機から救う。
 ロケ地、伝奏屋敷、二条城唐門。寛永寺、粟生光明寺(山門、石段、回廊)。風小路に見破られた庭番に寛永寺に近付かぬよう指示を出しているところへ大岡の姪が来て道を聞く、姫路城好古園路地。中掾E秋野を含む刺客が新さんを襲う夜道、大覚寺有栖川畔〜五社明神。失敗した手勢を斬り捨て船を漕ぎ去る風小路鷹麿、船着(大)
*中揩フ兄は勅使ごと吉宗を消す腹、ホントは父の仇である中田浩二とグルというトンデモ、名前も怪しい少女漫画のような風小路、妹を道具に使う非情ぶりに上様の怒り爆発、マジ斬り一発…でもこのお公家さんって庭番もビビる遣い手なんだよね。*ラス立ち福ちゃん入り、中田浩二の家来。今回のラス立ち、上様の衣装はじめは烏帽子大紋で、珍しいと見ているとすーっと次の間に下がりお色直し、通常の将軍ルックで登場し殺陣ミュージックスタート。*伝奏屋敷放火の件で辰五郎がバックドラフトの実験を見せたりする。


第2話「怪盗紅あざみ参上!御金蔵破りを手伝った吉宗」

 お家が改易となり生活苦のため盗っ人となった父、その夢であった御金蔵破りを志す娘あり、表の顔は南蛮芸の一座。「長崎おらん」の正体に鋭く気付いた新さんは、彼女の助っ人をすることで一家を路頭に迷わせた罪を贖おうとするのだった(そんなのアリか)。もちろん今回も女を操る裏はちゃんといて、盗んだ金を掠めたあと賊を始末にかかる。
 ロケ地、おらんを楽屋に訪ねて散歩しながら話を聞く新さん、大覚寺心経宝塔前〜五社明神。庭番の報告を受ける新さん、天神島。おらんの前で人殺し芝居を打つ新さん、放生池堤。御金蔵破りのくだり、姫路城各所(濠、西の丸、いの門はじめ各門、一部映画村のセット)
*おらんの父・賊の「鬼薊」に峰蘭太郎、ラス立ち福ちゃん入り。


第3話「禁じられた恋文!罪深き女の一途な愛」

 うぶな青年のため恋文を代筆してやる新さん、しかし当の相手は青年の父を謀殺した一味の女だった。筋立ては青年の純情にほだされた女将が改心に至るもの、でも女将ははじめラブレターが徳田新之助からと誤認して待ち合わせ場所にやってくるのだった。
 ロケ地、千奈津に来た恋文の呼び出し場所・深川八幡につきあわされる新さん、上御霊神社(楼門、参道、本殿)。増上寺改築にまつわる談合を探っていた南町の隠密廻りが殺されて見つかる大川、嵐山公園中州下手汀。土左ヱ門と騒ぐ町衆は中ノ島橋。らん月の女将が恋文を見てやってくる湯島天神、今宮神社(村上青年を見て「あんた誰」は稲荷社脇、村上がベソかいて去ったあと新さんと話すのは東門内側橋)。事後、忠相と千奈津の恋文の件で談笑の鯉に餌やり上様、二条城清流園
*婀娜っぽい「金かかってる」いい女の女将は三原じゅん子。*上様の書くラブレターがオヤジくさくて笑える。


第4話「隠し子発覚!陰謀に巻き込まれた女スリ」

 忠相の財布を掏った娘が苦し紛れについた嘘、養母に聞いていた有馬彦右衛門を父との申し立てはおおごとに。実子と思い込んだじいのうるうる涙、娘掏摸のことを聞き込んだ政敵の陰謀など描かれ、悪が成敗されたあとじいの幻の娘は嫁いでゆく。
 ロケ地、じいとお京が参るお房の墓、二尊院墓地。じいが自分のせいでお役御免を願い出たと聞いたお京が新さんに真実を告白する川辺、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと(夜)
*忠相の告発で辞職に追い込まれた元北町奉行に内田勝正、傲岸不遜なのはいつも通りでちょっと刀フェチ。でも試し斬りの刀ってなんで備前長船が多いのか。これと一緒に両替商肝煎を追放になった三浦屋は津村鷹志。


第5話「埋蔵金に踊らされた夫婦!甲府勤めの甘い罠」

 勤番侍が武田の埋蔵金を見つけて舞い上がるが、上役の知るところとなり、更に欲深の担当老中まで出てきてしまう。山流しの実態を見に甲府入りの上様は、欲をかいて獄にいる友に思い至らぬ女を説得にかかる。
 ロケ地、釣りの勤番侍たち、清滝か。甲府の山なみに谷山林道、甲府城に彦根城天守と映画村の合成。埋蔵金が見つかる武田墓地無縁塚、二尊院墓地。甲府へ帰る八重と同道する新さん、山道不明。担当老中が入る勤番支配詰所、粟生光明寺紅葉道(薬医門手前に柵をセット)。江戸へ帰る上様がじいとすれ違う笹子峠、谷山林道か。


第6話「大嘘つきの美女!愛を試した裏帳簿」

 不幸な生い立ちゆえ騙りとなった女が、堅物の小役人の真情にほだされ改心するお話。クソ真面目な男は女に金持ってドロンされても懲りないうえ、上役の不正を見つけるも「これからはやめて下さい」。もちろんそんな諫言で事がおさまる筈もなく、上役サイドは女を使って証拠の書付を奪う挙に出てくるのだった。
 ロケ地、チンピラに襲われた勘定吟味方の石崎逸馬を助ける新さん、お祭りの神社は大原野神社(参道まわりを使用)。口入屋勝蔵の寮、不明(萱葺の門)。事後、じいの愚痴を聞く上様、姫路城三国濠端。EDの野点は西の丸。江戸払いの佳代がゆく街道、嵐山自転車道。小仏峠の山道、不明。
*福ちゃん各所でちらちら。口入屋で新しい役所ができるからと騙りをはたらかれる浪人だったり、当の口入屋の用心棒だったり、め組にご苦労様と声かける大工だったり。もちろんラス立ちにも登場。


第7話「襲われたお見合い!家出姫の危ない決断」

 お見合いの席で婚約者に頓死された姫様はもちろん嘆くが、父藩主がすぐに次を探すのに反発して家出。しかし姫には家を乗っ取ろうとする分家の魔手が伸びる。
たまたま家出のはじまりから見ていた新さんは、姫を危機から救い、要望に沿ったかたちで婿も世話してやるのだった。
 ロケ地、姫のお見合いの野点の席がしつらえられる安曇野藩下屋敷の庭、中山邸庭。嫁取りを迫るためお役御免を言い出すじい、大覚寺宸殿前白州。安曇野藩下屋敷、妙心寺龍泉庵。たばかられ連れ込まれかける分家、隣華院。有馬家へ保護されるも側用人宅と知りこそこそ逃げた姫が分家一味に追われる、大覚寺五社明神。隼人が姫を船に隠して漕ぎ去る、大沢池。このあと天神島に船をつけ、祠脇で新さんが姫にお説教。妙なセッティングで姫に「お見合い」をさせる神社、上御霊神社本殿裏手(め組の衆がガードし、お凛が姫にお百度参りさせるのは境内摂社の神明神社)。事後、上様の御前で引き合わされた相手と庭をゆく姫、大覚寺宸殿白州
*野心ギラギラの分家の若僧、姫の見合い相手を衆人環視のなか暗殺するという荒事をしてのける。手口は扇子に仕込んだ毒針、おまえは仕事人・弐か。*福本先生大活躍、分家の用心棒のリーダーでてきぱきと指示も出す。誰何や掛け声ばっかりだけど台詞もいっぱい、しかしクレジットは役名なしのベタ、劇中呼称もナシ。でもラス立ちでは主格のワルとともに「成敗!」されている←渚にバッサリ斬られてのけぞり。


第8話「大岡裁きで生き地獄を見た女!私を死罪に…」

 主の子を過って死なせたかどで江戸払いとなった女、その後の生を喜捨に捧げて生きるが世間の目は冷たい。しかしそもそも子は事故死ではなく、周到に用意された店乗っ取りの悪企みだった。
 ロケ地、木曽屋の息子・松吉が釣りをしていて水死、中ノ島橋上手中州岸中州舳先(流されてゆく子はモロに人形、しかし後段出てくる番頭の突き落としは本物の子供)。千奈津をまいた後新さんがゆく道、粟生光明寺石段広沢池東岸(水無)。お竹の身投げを止めたあと今までの暮らしぶりを聞く水辺、広沢池東岸池底(漁具あしらい)。放火現場を押さえようとして千奈津の茶々でおじゃん、大覚寺聖天堂。お竹が木曽屋の番頭に騙されて呼び出される水天宮、吉田神社竹中稲荷(舞殿で手代が、本殿前で木曽屋が殺されている)
*ラス立ち福ちゃん入り、作事奉行の家来。


第9話「小町娘連続殺人!美人浮世絵が死を招く」

 小町娘に選ばれた美女が三人まで殺され、同じ小町娘で病死した娘の父である絵師に疑いがかかるが、狙いはただ一人で他は隠蔽工作、富商乗っ取りの悪企みだった。お話は、残ったただ一人の小町娘・お琴周辺を中心に進む。
 ロケ地、船に乗せられて漂う神田小町の死体が見つかる、広沢池西岸(漁師が発見、池側からの撮りも。引き上げは東岸)。稲荷にお参りの谷中小町が笑い仮面に襲われ殺される、吉田神社竹中稲荷本殿〜裏手の祠。お琴の継母・お絹が佇む川辺、上賀茂神社ならの小川畔。新さんと話す茶店は川に床を設けた趣向。隼人の報告を聞く新さん、仁和寺林間(背景に塔)。絵師の娘・お雪の墓(谷中)塀際に墓石をあしらい。絵師が監禁されていたお堂、経蔵。お絹が用済みと斬られる、大覚寺天神島
*しおらしい後妻の豹変などは見せるが、ワルの金取り計画に綻びが見えるような。まさか粗漏なだけとか。*千奈津の新さんいじり激化、かなり尺あり。*ラス立ち福ちゃん入り、次期勘定奉行の旗本の家来。


第10話「鬼と呼ばれた女!復讐の幼な子誘拐!!」

 勤め先の油屋の坊ちゃんをさらい財をばらまくよう脅迫する女、子と亭主を殺された恨みからの犯行だったが、坊ちゃんには手をかけられずにいるところを新さんに見つかって一段落。しかし医者へ担ぎ込んだその坊を横からさらってゆくのはあろうことか北町奉行、油屋と結託して私腹を肥やしていたワルだった。
 ロケ地、お邦が坊ちゃんを隠す小屋、桂川宇津根付近の河原か。お邦の回想、親子三人江戸へ向かう道、堤道不明(桂川か)。病を発した子を抱え、たまたま寄せてきた屋形船に対岸へ渡してくれるよう頼み込む河原、不明(夜間撮影、対岸に町のあかりを演出。川の流量は相当あるように見える)。上様の下問のあと北町奉行が入る安房屋の寮、中山邸通用門(参道に庭番が潜む)。ラスト、庭を逍遥の上様トリオ、大覚寺御影堂前白州。
*安房屋に森川正太、北町奉行に田口計…その後のなりゆきが読めてしまうキャスティング。南町の内偵にビビった安房屋をあっさり切った挙句財を根こそぎ奪ろうとする悪辣そのものの田口計。対する森川正太、脅されて二階から小判をばらまくトホホ顔がハマりすぎなるも、屋形船から子供抱えたお邦の亭主を足蹴にして川に落とすなんていうのはあんまり似合ってない…と思ってたら田口計にしてやられる段取りで、やっぱりねの展開。*小判まきに群がる町人の一人に福ちゃん。*隼人の変装の飴売り、「ひょっとこ飴」…かえって目立つんじゃないのか。五色豆を目印に撒いてくのが妙に可愛い。*田口計の開き直りは一味違う、「者ども上様と思うな」。


第11話「女商人の悲しき再会!兄は盗賊、弟は同心」

 遠藤憲一が泣かせる兄貴を演じる渋い一作なのに、なんだよこのサブタイトルはテレ朝。全部言っちゃってるじゃないの。
…ほんとにタイトル通りのお話で、庶民のために良心的な値で売る米問屋の女将の店に生き別れの兄が盗みに入り、踏み込んだ同心がこれまた生き別れの弟。この愁嘆場を盗っ人の兄貴の手下がちゃっかり見ていて、三人ともワルに付け込まれることになるが、兄貴の身を捨てての行為は踏み躙られる。
 ロケ地、盗っ人・かまいたちの竜蔵が米問屋元締に盗みをやめると申し出る神社、吉田神社神楽岡社。「妹」の米問屋の女将に元締が買占めをしていることを告げる新さん、梅宮大社神苑・中島へ渡る雁行橋上。勘定奉行・大河内土佐守邸、大覚寺大門。引き回しの馬上で矢を受け瀕死の竜蔵の見る幻想、幼い兄弟と今の三人と談笑の梅林、大覚寺梅林


第12話「一度死んだ私!仕舞湯に入る女の秘密」

 入り婿に密殺されたと見えた奥方は誠実な人形師に助けられ、過去を白紙にして幸福に暮らす。しかしある夜、自分を斬った入り婿の仲間が市中で商人を殺す現場を見てしまい、過去の因縁が身に迫ってくる。
 ロケ地、人形師の女房・おゆきに商人殺しの侍を知っているのではと聞く新さん、梅宮大社神苑・雁行橋上。殺された商人について報告の忠相、大覚寺梅林(南町の庭)。四年前、現御納戸頭・望月の妻女・菊絵が斬られた橋、中ノ島橋(背中を袈裟がけ→ドボン)。深川・蛤町でおゆき夫婦の聞き込みをするお庭番・渚、八幡堀白雲橋新町浜。この報告を聞く新さん、梅宮大社神苑汀に茶店セット(後段、千奈津におゆきの話をするのも同所)。「菊絵」と指摘しておゆきに話を聞く新さん、八幡堀明治橋下堀端。千奈津が声を掛けるのは明治橋上から。
*タイトルの仕舞湯は、背の傷をはばかる設定。渚が女湯を覗く場面あり。*瀕死の菊絵を手当てした長屋のご浪人さんに小峰さん、渋いビジュアル。*福ちゃん二態、下城→帰宅の望月に従う家来(裃)と、ラス立ちの浪人(渚にも斬られている)。


第13話「肝っ玉おっ母危機一髪!偽金作りの人質は初孫」

 若年寄と両替商が組んで偽金作り、しまいに小判改鋳を利用してそっくりの偽物で大儲けを企む。この鋳型作りに以前金座にいた職人が目をつけられ、女房子供を人質にされてしまう。ここへタイトルのおっ母が木更津から孫の顔を見に出てきて大騒動、ぎゃあぎゃあうるさいこの婆さんに白木万理。
 小梅清涼庵、中山邸通用門。職人の又七の死体が上がる、八幡掘。妻子の無事を確かめないと鋳型を作らないとゴネる政吉に姿を見せる、八幡掘堀端(妻子は用心棒で固めた船の上)。このあと来合わせてその船を見るおたね婆さんは明治橋上。両替商と若年寄の悪企みを報告の庭番、梅宮大社神苑。完成した鋳型を持ってくる政吉、広沢池北岸。事後、木更津へ帰るおたねの見送り、広沢池東岸。EDに被りじいの釣書から逃げる上様、二条城清流園
*珍しい福ちゃん四態が見られる一作。(1)偽小判の件で重職を招集して協議の席、若年寄の西沢利明の隣(最前列)に座っている侍、裃姿の福ちゃん。(2)政吉に妻子の姿を見せる船の船頭。福ちゃんは船頭の「制服」を着用、艫に立ち棹を操る。(3)両替商が飼っているならず者の一人。(4)若年寄の家来、ラス立ち要員。


第14話「女髪結い床繁盛記 元結に隠された密書」

 「髪結の女房」が見よう見まねではじめた仕事が大繁盛、客は亭主そっちのけで女房を持て囃す。これで齟齬を来たした夫婦は離縁の運びとなるが、亭主が出先の客に「託された」元結に密書が仕込まれるという事件が発生、二人はワル一味に追い詰められるが緊迫の事態は復縁を呼ぶこととなる。
 ロケ地、髪結の猪之吉にお喜和との復縁を持ちかける新さん、茶店があしらわれた林間、不明。札差・播磨屋が念書を出せと迫られる店の庭、不明。密書が仕込まれた紙縒りを探し歩くお喜和にこっそりツナギをとる新さん、仁和寺観音堂(その前に鐘楼も映る)。千奈津の悪口にくしゃみの上様、二条城清流園。大坂へ向けて旅ゆく猪之吉とお喜和、嵐山自転車道(富士山を合成)
*札差とつるむ若年寄が上様に乗り込まれての捨て台詞、いつもの「余の顔見忘れたか」に「上様の顔、忘れ申した」…。


第15話「家を乗っ取る兄嫁!鬼の仕打ちに隠された謎?」

 夫の死後、跡を継ぐべき弟がいるのに己の実弟を呼び寄せ家督を継がせる嫂、果ては夫の弟を勘当する。しかしタイトル通りに、真意は秘されていた。
上司である勘定奉行を諫止して殺された夫の仇を討ち、事成った暁には「弟」に跡目をとの話で、すぐに家督を継がせなかったのは「弟」の身の安全をはかる以外に、「短気で粗暴だから」…真実を知らされたあとも何度もぐずぐず文句を言うあたり、笑うとこじゃないのに笑ってしまう。
 ロケ地、お凛に左内が辻斬りに遭ったときの話を聞く新さん、八幡掘堀端。
*今日の千奈津、鉾先は叔父上に。母に送っているという報告書の中身、昨夜はしたたかに酔って朝帰り、五日前は一日何もせず昼寝三昧…。*ラス立ち福ちゃん入り。


第16話「顔の見えない逢瀬!陰謀に利用された芸者の恋」

 定火消し筆頭の旗本親子、長次郎を陥れ大岡を失脚させるシナリオを描くが大ハズレ、上様に乗り込まれてしまいショバ争いは法改正で決着となる。お話は、長次郎に岡惚れの芸者に恋した声色の芸人が繰り転げる、長次郎の声色を使って船宿の軒下から思いを伝えるデートと、その結末。
 ロケ地、定火消し筆頭・山之内修理邸、妙心寺大雄院門。船宿の偽装デートと山之内の若様の動向を報告の隼人、大覚寺護摩堂。芸者を唆す若様の悪企みを報告の渚も同所。顔を見せてくれないと放火すると迫る芸者から逃げ出した声色芸人が新さんに説得される水辺、大沢池船着(大)。事後、お庭を逍遥の上様トリオ、二条城清流園
*声色の与の介は清水アキラ、席芸で片岡千恵蔵?の声色を披露。*千奈津の鉾先は今回辰五郎に。牢に差し入れを持ってくる目当ては帯をねだること。大岡さまのコントロールは全く利いていない。*ラス立ち福ちゃん入り・首のアップあり。


第17話「仕組まれた旦那殺し 絵草紙屋の女の秘密」

 恋しい男と一緒になりたいあまり、恩ある旦那を手に掛けてしまう哀れな妾。しかし事件の裏には汚い陰謀があり、「恋」の段階から仕込み。しかし仕掛けた恋に自分も深間に落ちた男は、己の子を身籠った女を救おうと動き出す。
 ロケ地、伊勢屋が身投げに偽装された死体で見つかる一ノ橋、中ノ島橋(発見の行商人は橋上、死体は下手の汀)。絵草紙屋をしている「妾」が男と出会った思い出のお堂、仁和寺九所明神。「旦那」である加納屋殺しの八幡境内、不明(崖地、朱の鳥居、崖上に楼門?の翼)。男がプロポーズの汀、広沢池東岸(夕景)。事後、お城の庭で忠相と双六の上様、二条城清流園
*加納屋の女房に雇われているのか作事奉行のほうか不明だが、陰謀の席にもいて刺客のリーダーもつとめる浪人に福ちゃん、クレジットはベタで劇中呼称もないがどアップ多し。妾の「男」を始末に出る段では「正義の扇」が顔に命中するし、もちろんラス立ちには大活躍・最後は渚に「成敗」されてきれいなのけぞりをキメる。


第18話「罠に落ちた女の夢!あの頃の私に戻りたい」

 五年経って修行を終えたらと幼馴染と約した青年、その間女の運命は転落の一途を辿り、悪徳金貸しの妾となって名も変え悪事の片棒を担がされていた。会わないほうが幸せかもという新さんだが、お由利の方と千奈津の「女ごころ」パワーに押し切られる。
 ロケ地、小梅清涼庵、中山邸通用門。小普請組の侍の妻女を屋形船に誘う夕霧(お咲)、八幡掘堀端。船は明治橋をくぐり、妻を売るに忍びず追ってくる夫は新町浜付近の堀端を走る→支配方の役人に斬られて堀にドボン。この侍の屋敷に出入りしていた女について庭番の報告を受ける茶店、梅宮大社神苑汀。お咲と弥吉の思い出の場所であり「五年後の約束」の地でもあるおもかげ橋、上賀茂神社神事橋(下手の河畔も使われる。神田川の面影橋かどうかは不明)。小普請支配・高坂の駕籠に「騙したな」と斬りこむ小普請組の侍、妙心寺玉鳳院前路地(この前に高坂家について聞きこみの隼人は放生池西側から植込み越しに玉鳳院を見ている)。この件を上様に報告の隼人、二条城清流園。金貸しの使いに立った夕霧が小普請組の侍に「忠告」の路地、妙心寺福寿院道。新さんに身の上を語る夕霧、上賀茂神社参道脇芝地の桜花の下。
*高坂の駕籠に吶喊の侍を斬り捨てる家来に福ちゃん、鮮やかな太刀筋。ラス立ちにも登場、きれいに海老反り。


第19話「ケガで十両、死んで百両!?息子に捧げる母の命」

 寺社奉行推薦の浄明寺の菩薩講、巧みなサクラに乗せられ民衆が押しかけるが果たして詐欺。サクラをつとめる青年は元かざり職人、母に名人だった父と比べられ反発して出奔中。彼の才を認めなかった母は反省、息子ががんじがらめになっている借金を菩薩講で済してやろうと自死を思いつく。
 ロケ地、人の波で溢れかえる浄明寺、神光院山門〜中興堂。講のシステムについて怪しいと話す上様トリオ、二条城清流園。おぶんにお葉の倅(サクラ)の名を聞く新さん、仁和寺鐘楼前に茶店あしらい・桜散り初め。お参りの千奈津が母を亡くして泣く船宿の若旦那の話を聞き貰い泣き、上御霊神社本殿。遺書を残し家を出たお葉が川のほうへ行ったと報告の渚、亀山公園・嵐峡側入口の石段。川べりを走るお葉、嵐峡左岸側の道(川から見上げ、このあと汀へ降りてゆき水に入ったところを新さんに止められる)。お葉にひとしきりお説教を垂れたあと倅を探しにゆく新さん、大覚寺放生池堤大沢池船着(小)に係留の小船で寝ている巳之吉を船舷蹴っ飛ばして起こす。母の遺書を示しお説教は天神島。説得に感服するもこのままでは駄目と奉行所さして走り出す巳之吉、朱橋上。
*サクラ芝居で大八を暴走させる人夫の一人に福ちゃん。ラス立ちでは寺社奉行の家来で、先頭切ってかかってくる斬り込み隊長。*更正した巳之吉がやっとの思いで打ち上げる簪、感謝のしるしと新さんに。しかしコレを「耳掻きではないのか」なんて言ってじいに渡したまま去る上様…。ところで、入水を止めに岩場を駆け下りるシーンはスタントか…松平健本人にしてはあまりにも身軽。


第20話「火事で消えた三千両!め組の夫婦に流産の危機!!」

 完全な言いがかりで藩金を盗った犯人にされ危機一髪の長次郎、亭主のため身重の体で走り回ったおぶんは倒れこちらも危機一髪という、どたばた騒がしいご夫婦とんだ災難話。濡れ衣の一件は江戸家老と幕府大目付が組んで行うもので、神田川護岸工事費用の藩金を隠匿した挙句、詫びに国元から出てくる藩主を密殺→家老が後釜に座る・長次郎の不始末で大岡失脚→大目付が奉行に出世というプラン。思い切り楽しそうに悪事の成功を目論んでキャハキャハ笑う悪役陣も、立川三貴や中田博久とコッテコテ。
 ロケ地、上越藩に連行された長次郎のことで庭番の報告を受ける上様、二条城清流園。上越藩上屋敷、大覚寺大門(見張っていた隼人が御殿川を走って上様に報告/指笛で監禁中の長次郎と「会話」するおぶんのシーンは参道石橋)。長次郎が危ないと話していてお百度中のおぶんに聞かれてしまう新さんと忠相、石清水八幡宮楼門〜本殿裏手(お百度は水若社)
*福ちゃん上越藩士、長次郎を抑えつけて連行したり、蔵の中でボコったりする。ラス立ちにはちらりと登場。*夫婦が「連絡」に使う指笛はふだん腹の中の赤ん坊に呼びかけていたもの。


第21話「井戸に出た女幽霊!縁切り寺の黒い罠」

 千奈津大ブレイク回、お見合い相手放ったらかして新さん尾行・捜査に首突っ込み同心振り回し・新さん関連の妄想全開と、あの丸まっちいなりで暴れまわる。ストーリーがこれまた魂抜ける系のトンデモで、盗賊の隠し金を私する寺社奉行のお話なんだけど、隠し坑には毒ガスが充満していて女ならその中でも長く息が保つからという理由で、縁切り寺へゆくはずの女たちをそこへやる…坑の水溜りに大量のドライアイス仕込んで煙がもうもう…ここに通じている井戸から逃げようとした女たちがタイトルの「幽霊」、血だらけの手で井戸のへりをつかんで上がってきた可哀そうな女を皆してお化けと誤認。
 ロケ地、寺宿から女たちが明日満徳寺へ向かうと報告の隼人、大覚寺大沢池畔に茶店セット(千奈津に「命令」された秋月同心が木の陰で張り込み)。歩き出した新さんを尾行する秋月、五社明神裏手。千奈津が入った古井戸のことを協議する上様トリオ、二条城清流園。千住宿で上州行きの一行から二人の女が船で戻される、大覚寺大沢池(堤上で尾行の隼人は浪人者に斬りかかられ見失う)。上州・満徳寺、常寂光寺(仁王門、鐘楼)。古井戸と坑道でつながっている琴引滝、琴滝(女たちが運んできた金塊をここで洗う・ラス立ちもここ)。悪事になんか加担してないよねと寺宿の女将を問い詰める千奈津、石清水八幡宮本殿裏手・閉鎖されている朱の門前。坑道のことや満徳寺の庵主のことについて報告を受ける新さん、大覚寺大沢池船着(大)に茶店セット。
*寺宿の女将、千奈津を可愛がるのは亡くした娘に似ていたから・お引き合わせと話す、「初めて出会ったとき」の感激、でも回想の千奈津は町でちんぴらをシメている…立ち居振る舞いも似てと「しんみり」語る女将が追い討ちをかける。*千奈津の新さん妄想は映像化もあり爆笑もの。トンデモ女たらしの段ではなぜか踊りのお師匠さんでカマっぽい新さんが町人髷着流しでなよなよ。坑道では「徳田殿はこの奥に棲みつく妖怪では」と妄想、お面はずしてニタっと笑う新さんのところで自ら「止めておこう」となりようやく止まる。そして叔父上に追及しまくり、実はアレは上様と打ち明けられるも、頭から信じず怒りだすという展開。


第22話「運命のいたずら!父の仇に恋した女」

 下総関宿藩のお家騒動、兄を幽閉し藩主の座を得た弟は邪魔な筆頭家老を自ら斬り捨てるが、この際自分の用人をつとめる若者に因果を含め罪を着せる。そして二年後、その若者と家老の娘は江戸で互いの素性を知らぬまま出会ってしまうのだった。
 ロケ地、矢島浪人とおひろがお参りの神社、梅宮大社本殿。矢島はおひろの仇と報告の茜、仁和寺手水場脇石段。おひろに仇をとらせると連れ出す現筆頭家老、観音堂前。慕う矢島が仇と知り場を駆け去ったおひろが佇む水辺、大覚寺大沢池北岸汀。仇を求める旅の回想、剣の素振りをするおひろ、五社明神裏手。事後、二人で故郷へ向かうおひろと矢島、不明。
*弟ぎみは篠塚勝、懐かしい長七郎江戸日記の「カッペ」。*福ちゃん関宿藩士、縛った矢島を観音堂から連れて出てくる。もちろんラス立ちにも登場。*お凛のお節介で普請場でバイトする羽目になる新さん、行った先は関宿藩邸で床下に潜み頬っかむりで密談を聞くという珍しい場面がある。


第23話「吉宗を愛したお庭番!断崖に消えた恋」

 悪辣な韮山代官、上様が命じた水路工事の最中に金鉱を掘り当て、以降水路なんて放っぽりだし村の男たちをこき使い鉱石掘り。また秘密が漏れるのを恐れ村人が外へ出るのを禁じる掟など出し、潜入した隠密も容赦なく消す。韮山入りした渚は、目安箱への訴状を持った庄屋の孫娘が追われるのに介入するが、鉄砲に追われ崖から落ち記憶を失ってしまう。
 ロケ地、韮山入りの渚がゆく街道、不明(後段、上様が休む茶店も同所)。役人に追われ崖から落ちる渚、保津峡落合落下岩。韮山新田村、美山町萱葺民家群(イメージのみ)。「水路工事」の普請場、切り立った崖の前に荒地の例の不明なとこ。村の女を役人から助けた新さんが裏手から導かれる村、摩気神社裏手民家(新さんの帰りを待つ渚のシーンもあり、夕景も)と脇の川堤〜摩気民家(北側と畑地、これが庄屋屋敷設定。村の少女が渚を役人から隠す際には園部川堤の木なども)。韮山代官所、民家長屋門。村を出た渚と新さん、役人から逃げて休む小屋、酵素河川敷(渚が囮になって役人をひきつけるくだりで入口のダートも)。また同じところから落ちた渚、とどめを刺そうと殺到する役人は落合河口汀。記憶の戻った渚が隼人に悲しい夢を見たと述懐、「徳田さま」に貰った櫛を川に流す、酵素河川敷(夜)
*言うまでもなく女お庭番・渚主役のお話。記憶を失っている間、妙に親切な侍・徳田新之助にほのかな思いを抱いてしまうプロセスが描かれる。二人で蛍を眺めたりメロウな情景もあるが、「触れ合い」が足を痛めた渚をおんぶだから、やっぱり上様は色気と無縁。渚の思いを知って苦しむ上様、というのもあるが察したのではなく物陰から「聞いてた」し。二回目の崖落ちの際はちょっと笑える「特撮」あり。*渚を助けてくれた庄屋に大木正司、よそ者に冷たい一面もあるがただ難儀を恐れてのことで、村人思いの善人…大木氏の善人って初めて見たかな。悪代官は山本昌平でこちらはいつも通り凶悪。ラス立ち福ちゃん入り、下っ端役人で襷がけ・たっつけ袴。


第24話「計られた上意討ち!若侍に惚れた年上の女」

 藩金使いこみを勘定組頭に嗅ぎつけられた江戸家老は、昔のどうでもよい事件を蒸し返し組頭を討手に選ぶ。上意討ちの相手は組頭の師匠で敵うはずもなく、完全な陰謀。この侍たちの悲喜こもごもに、お凛が絡んでゆく。タイトルにある恋物語はお凛の一人相撲で、ちょっとカワイソ。
 ロケ地、上意討ちを差し向けられる後藤勘兵衛が寺子屋を営む照安寺、神光院(本堂、中興堂、蓬月庵前)。お凛と話す新さん、上賀茂神社ならの小川(川中に子らをあしらい)。討手の紋四郎の回想、藩を出奔する後藤のくだり、酵素ダートと降り口、河川敷。江戸城イメージに二条城本丸櫓門内濠。榛名藩主と話す庭は清流園
*ワルい江戸家老は睦五朗、紋四郎と勘兵衛の始末はもちろんのこと、上意討ちの場で若い藩主も殺そうとはかる外道。ラス立ちでは、心ある者はとの上様の言葉に反応して半分の藩士は殿を守るべく去るが、福ちゃんは残って上様に刃向かうほう。なりは裃つけた藩士で、下っ端ではないみたい。


第25話「狙われた琉球!美しき姫の舞に隠された涙」

 シリーズ掉尾は暴将お得意の琉球もの、今回は琉球への圧政に関して上様から薩摩藩主に宛てた親書をごまかすため、豪族の娘をニセ王女に仕立てて謁見させる運び。ニセ王女の兄に妹を託された新さんは、薩摩だろうとお構いなしに藩邸にずかずか「余の顔見忘れたか」。
冒頭からおぶんの出産エピソードが織り込まれ、めでたく跡取り誕生で締めくくる。
 ロケ地、じいを薩摩藩邸へやったと忠相に話す上様、二条城清流園。薩摩藩上屋敷、大覚寺大門。薩摩藩の家老らの話に出てくる、麻耶の家族を捕えてある薩摩藩琉球奉行所、萬福寺開山堂通玄門。藩邸を抜け出したニセ王女・麻耶が聞得大君に祈る祠、五社明神本殿(追っ手は辰五郎と新さんが撃退)。麻耶がニセ王女に仕立てられた経緯を報告の庭番、二条城内濠端。麻耶の回想、兄と空手のトレーニングの庭(慶良間一族の館)萬福寺開山堂前庭。渡海屋から麻耶の兄・鉄心を連れ出し新さんに引き合わせる渚、上賀茂神社渉渓園。琉球に目が届かなかったと述懐の上様、茶亭は大覚寺望雲亭か。夜、め組を抜け出して祠に祈る麻耶が拉致される、天神島の祠。麻耶を取り戻しに走る鉄心、天神島朱橋随心院土塀(空手で奮戦するも撃たれる)
*ラス立ち福ちゃん入り、一番乗り。麻耶を押さえつけてる藩士は峰蘭太郎。


 本シリーズではレギュラーに大岡さまの姪が登場、行儀見習いのため出府し役宅に住み込む。
この子が「徳田さま」を弄る弄る、ほぼ毎回入る悪態がこのシリーズの見もののひとつ。
長次郎がめ組の頭になって以降、それまで新さんにきゃぴきゃぴだった「め組の女たち」は消え、おぶんやお凛はべたべた接さず新さんを穀潰し扱いしたりもする。お凛なんか二人称は「新の字」だったりするものの、彼女らもお旗本の新さんに一定の敬意を払い、とことんまでこき下ろしたりはしない。
しかし今回登場の千奈津は違う。無職だの暇人だの不良だのと面と向かって暴言を吐き、ぬうっと現れては非難がましい口調で「徳田さま!」。そのたび巨体を縮めて頭かきかき逃げてゆく松平健、千奈津は初期から続くこの「照れ」キャラを強化する役どころと言える。21話の親子競演の際には慕う心の裏返しというフォローも入っているが、この作の「暴れん坊」は千奈津だと言っても差し支えないほどの乱暴な目立ちぶり。愛くるしいなりをして、独特の口調で嫌味を垂れる彼女の存在は大きい。

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