暗殺者の神話
  1984.3.22映像京都/フジ

 クロサワの「影武者」で信長を演じた隆大介が、吉宗暗殺のスナイパーをつとめる一作。
彼は零落した雑賀の末裔で、八代将軍の座を争う紀州と尾張の争いに暗殺者として雇われる。
お話の主軸は父と子の相克で、焦点は女の取り合いなのだが、彼が尾張の仕事を受けたことで父は紀州方につくこととなり、血で血を洗う闘いが展開される。

相国寺方丈

 ロケ地、紀州・北山に隠棲する雑賀孫四郎のもとにやってくる尾張の密使、保津峡落合河口付近。紀州藩邸、大覚寺(大門、明智門、式台玄関、参道石橋)。吉宗暗殺用の銃を注文しに日野へ向かう孫四郎、琵琶湖(河口州)。日野裕朝が作り上げた銃を試射の孫四郎、酵素河川敷(的の徳利はふたもとの木に吊るされている)。高遠数馬が孫四郎に尾張藩主の誓紙を渡す、琵琶湖(柳の生えた岸)。紀州の隠密が網を張る亀山付近の街道、谷山林道。旅芸人一座に混じる孫四郎、桂川松尾橋下手右岸堤。目をつけられていると孫四郎に告げる弥生、北嵯峨農地。大森付近の苫屋で高遠と会う孫四郎、広沢池東岸(水無)。狙撃場所の増上寺を調査しスケッチをとる孫四郎、相国寺(狙撃現場なので方丈を中心にあちこち使われる)。孫四郎の回想、父とお杏の婚礼、鳥居本八幡宮舞殿。孫四郎が材木商から移って隠れる伝法寺、西明寺山門。父子が相討ちとなる、広沢池北岸汀。雑賀の始末を聞いたあと吉宗がゆく東照宮の廊下、相国寺方丈北廊下(庭から見上げのショットもあり、残雪が見える)

*孫四郎が増上寺を見て詳細なスケッチを描き、果ては模型を作って「死角」を探るくだりがなかなかに面白く、でっかい隆大介がちまちまと工作するしぐさもカワイイ。模型はロケ地の相国寺をかたどっている。これがかなり緻密な出来で、思わず欲しくなる。


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