銭形平次

486〜502話  フジテレビ/東映

神泉苑キャスト
銭形平次/大川橋蔵
お静/香山美子 八五郎/林家珍平
おちよ/林寛子 健太/吉田次昭
お勝/武田禎子
万七/遠藤太津朗 清吉/池信一
樋口一平/永田光男


第486話「十手に散った白い蟻」1975.9.3 42

 新興のとかく噂のある材木商に関係した変死が二件、黒幕を探り出した万七たちや、姉の死の真相を知るべく潜入した妹も囚われあわやの危機に、ここは町場と啖呵を切った平次は作事奉行をも「退治」、手柄は万七に譲り縄尻を渡すのだった。

 ロケ地、人足で遠州屋に潜入の万七たち、「材木置場」。おちよが万七拉致を見る町角、上賀茂神社ならの小川畔、神事橋、奈良社裏。
*黒幕接待の座敷に幇間で入る万七と清吉、けっこう気色わるい踊りを披露。公儀の屋台骨を食い荒らす「白蟻」は奉行に圧力をかけてくるが、平次は樋口さまに熱くもキツい言葉を浴びせる。


第487話「鬼の棲む町」1975.9.10 46

 番外地スラムもの、潜入し消された岡っ引の無惨な死を見た平次は迷いもなく自分も中へ。散々に痛めつけられもするが腕に偽装した佐渡帰りの入墨が効き、内部抗争に利用しようとする者も出る。強敵である、極楽島を支配する辰巳屋の用心棒は胸を病んでおり、会いにやって来た娘のことで平次に協力する運び。

 ロケ地、今戸の先にある極楽島、流れ橋下にバラックあしらい。橋からは簡易階段がおりている。用心棒が平次に託して娘を逃がすくだりでは炎上シーンもあり迫力。立ち回りは橋上、橋下でも行われ、捕り方が橋に殺到する。平次が島へ入るシーンでは側面と川をゆく船の組み合わせ。スラムの表現はセットと併用。父の遺骨を抱き津軽へ帰る娘を見送るのは堤。
*スラムを支配する辰巳屋は村上冬樹、後釜を狙う袈裟蔵は永野達雄で手下の大入道は大前均。用心棒の人斬り主膳は吉田輝雄、経文散らしの着流しで丹下左膳ふう。アイヤ節を歌う津軽の娘は斉藤浩子。


第488話「竜王崎の狼煙」1975.9.17 47

 伊豆湊で沈船、御用金が不明となり潜入した勘定方の役人が失踪という事態に乗り出す平次。そこには、妙に金まわりのいい荒くれ男たちとどう見ても怪しい雲水がいた。

 ロケ地、後に伊豆の海女と知れる女が襲われ斬られる夜道、大覚寺五社明神(女は碁石金入りのアイパッチをはずし来合わせた平次に託す)。海ロケ、日本海か(坂の漁師町や海の見える丘なども使用。呑海のお堂も現地と思われる)
*江戸で死んだ海女の妹は森崎由紀、その姉と誼を持ち協力を要請した勘定改役は三島史郎(黒潮組潜入)。黒潮組元締は五味竜太郎、配下の一人に福ちゃん(役名「貝助」、クレジットは「福本清二」。半裸の荒くれ鯨漁師・肌も黒く塗ってある)。正体は海賊の雲水は富田仲次郎、竹切ってる時点で正体と目的バレバレ。


第489話「虹の橋」1975.9.24 42

 事件は両替商押し込み、錠前はずしの技で大得意の新入りは仲間と齟齬を来し、チクリは兄貴分と思い込み無茶を仕出かす。しかし平次宅に「微罪」のほうで投げ文をしたのは、彼の身を心から案ずる同郷の娘だった。

 ロケ地、目の前で多吉が逮捕されたあと店を飛び出し水辺に佇む女中のおみの、大覚寺大沢池(酒肆は「河岸裏」)。仮牢の多吉に会いにきたおみのに話を聞く平次、大沢池(背景の竹垣はあしらいものか)。おみのの回想、江戸へ来たばかりの頃、田舎訛りをからかわれしょげているおみのを「だんべ仲間」と慰め励ましてくれた多吉、今宮神社合祀摂社前。破牢した多吉が捕り方に前後を固められ飛び込む橋、中ノ島橋
*おみのは有吉ひとみ、多吉は北条清嗣、反目する兄貴分は轟謙二、多吉を始末するのに雇われた浪人の一人に福ちゃん。*多吉の錠前破りは漆喰で固め音を消し爆破という巧妙なもので、彼は火薬職人くずれ。地方出身の若者たちの苦悩も筋に取り込んだ良い脚本だが、感情の交錯が激しいのでお話はねっとりと重い。タイトルは腹の子を二人を繋ぐものとおみのの表現。


第490話「おっ母ぁ!」1975.10.1 42

 生き別れの母子再会情話。母を求めて江戸へ出た青年はお定まりのチンピラ稼業、悪党の手先をつとめ強請っていた女将は実母という奇縁、情深い親分の采配が泣かせる。

 ロケ地、儀十の手下から逃げる与吉、大覚寺有栖川河床。追っ手は放生池堤、去ったあと与吉が堤中ほどの橋たもとから這い出し、更に五社明神に逃げて万七にブチ当り。甲州屋の女将が与吉に金を渡す神社、赤山禅院本殿。一心に地蔵に祈る女将の背を叩き強請りにかかる与吉、大覚寺護摩堂脇。与吉の命をネタに女将を強請る儀十、「材木置場」(見張る平次たちは「玉垣の内にいて背後に葭簾あしらい)。監禁されていた与吉を連れ出してきた平次が彼の出身地と母の名を聞く林、不明。儀十に金を渡しに行く女将の前に出る平次、赤山禅院参道
*与吉は小倉一郎、母は高田敏江。儀十は天津敏で手下は井上茂と浜伸二。


第491話「あばずれお仙」1975.10.8 47

 殺しの罪を着ようとした「元」莫連女、行動の裏には重大な秘密。三年間の心の平安を謝し、棄教したうえで邪魔者を排除にかかり、凶刃に斃れたお仙に情けをかける親分、彼女が守ろうとした「仲間」も、死に際に掛けてやった言葉通りに見逃してやる。

 ロケ地、殺された山城屋の検分、相国寺宗旦稲荷。釈放され奉行所を出てくるお仙、大覚寺大門。お仙をつける平次、参道石橋→セットにスイッチ。山城屋の墓に参るお仙、相国寺墓地か(言い寄る男が出るが数珠ならぬクルスを見て逃げ去り/万七らが慌てる場面では水場の屋形が映り込む)。お仙が脅迫者を誘い込み刃を向ける祠、大覚寺天神島。江戸を去る信仰者たちを呼び止めお仙の位牌を渡す平次、走田神社社務所(地蔵の祠あしらい/相模屋らは社叢脇の道を南に去る)
*お仙は本阿弥周子、信仰仲間の相模屋は村田正雄、脅迫者は村上不二夫。*江戸を去る者たちを笑顔で見送る親分だが、見逃しは一応命懸け・樋口さまが来て十手を渡す場面を入れてある。クルスを見てしまう万七らと異なり、地道な調査でキーワード「天草」に行き着く平次の手法が丁寧に描かれているのも良い肉付け。


第492話「いとこ同志」1975.10.15 43

 やくざな父を持った青年は、世間の白い目に耐え切れず道を踏み外しかけるが、ただ一人従姉妹のおみのは彼を信じ慕う。その心根に打たれた平次が身柄を引き受ける運び、ヤバい局面もあるが、お静の与えた真心が彼を救うのだった。

 ロケ地、嫌がらせと誤解に耐えかねた仙吉が備前屋を飛び出し佇む池端、赤山禅院本殿脇池端。叔父からおみのが心変わりして嫁ぐと聞かされた仙吉、落ち込むところへ破牢してきた悪い仲間が出て押し込みに加担するよう唆す池端、赤山禅院境内西部の溜池と林。押し込み当夜、仙吉を連れに来る三五郎の手下、上賀茂奈良社か。
*仙吉は三ツ木清隆、おみのは森川千恵子、父の備前屋は天草四郎。賭場の中盆に福ちゃん、声も。*読み書き算盤ができない仙吉を優しく導くのはお静、今回寺子屋の臨時教授をつとめている設定。彼に与えた古い算盤が、押し込みの片棒を担ぎかけた仙吉の懐から落ちて思いとどまらせるアイテムに。*お静のいない留守宅で、八が裁縫をしながらやらかす気色悪い一人芝居が大笑いなほか、暇を持て余すと大掃除をはじめる親分のカッコも笑わせる。


第493話「甘い凶器を追え」1975.10.22 47

 悪どいやり方で店と女房を奪われたひ弱な男、思いつくのは毒殺。石見銀山を名店の最中に仕込み憎い相手に渡したはいいが、菓子折りは途中ですり替えられており、大騒動が持ち上がる。

 ロケ地、観音一家に目をつけられた利兵ヱの汁粉屋、今宮神社境内にあしらい(帰り道に石橋も映る。設定は観音さまの境内)。すんでのところで土産が毒入りと知った左官、悲観してその最中を食おうとするお堂、御室霊場
*利兵ヱは大泉滉、観音一家の親分は天王寺虎之助、左官は人見きよしでガミガミ女房は西岡慶子、金目のものと誤解し「最中」を弁当箱とすり替えた男は伝法三千雄。*毒最中を子供が食べる可能性ありと知った平次たちのてんてこ舞いが見もの、権高な菓子屋が毒入り危険の貼り紙にクレームつけにくる場面もちゃんと入っている。*ヤクザの親分は毒食らって頓死するが、こっちのオチと大むくれの万七に面目を施させる逸話をからめ仕立ててあるのもさすが。


第494話「武士道無残」1975.10.29 47

 侍の嫌いな平次の「お武家ってヤツは」もの、今回は釣りで知り合った気さくな武士が相手なので、身分を笠に着た嫌味な振る舞いを懲らしめるいつものパターンと趣が異なる。事件の真相を知った平次は、このまま行けば待っている結末を止めたくて殿様を口説くが、互いに生き方は変えられないのだった。

 ロケ地、釣りに行った平次が矢沢の殿様と一緒になる水辺、広沢池観音島。酔った矢沢の長男が水茶屋女と左官に無体を仕掛ける夜の川端、大覚寺大沢池(抜いたところまでで、場面は「長男」頓死の検分にスイッチ)。水茶屋女を尾行する若侍たちのくだり、若様殺しの犯人と目される左官が隠れている小屋は赤山禅院境内西側の池端(小屋はいまは無い建物、介入した平次の立ち回りは林間)。また釣り場で会った平次と殿様、茶でもと誘われ行く土手、広沢池東岸並木(左官を捕まえようとした若侍の一人の矢沢家の「次男」が現れる)。矢沢邸、正門は相国寺大光明寺門、殿様に目通りを願い出る平次は通用門。屋敷を辞する平次を見てそそくさ立ち去る地回りが腰掛けていたのは湯屋角、その男が斬られるのは方丈南塀際。矢沢家に勤めていた乳母に話を聞きに行く平次、乳母がお参りのやしろは神泉苑善女竜王社、平次が渡る橋は法成橋(兄弟仲について聞き込み)。道場帰りの「次男」を呼び止めブラフをかます平次、大覚寺境内か(竹垣際)
*大番頭のご大身・矢沢の殿様は中村竹弥、次男坊は南城竜也。


第495話「身代り鴉」1975.11.5 47

 旅の空、瀕死の男に頼みごとをされた渡世人は所払いの身をおして江戸へ。男の老母にこれこれと次第を話しかけるが、いきなりよく帰ったと泣き縋られ、まさか悪い仲間入っていて殺られたなどとは言えず、やむなく「息子」芝居を続けることに。よくある筋立てを見事に料理、情味も緊張感もたっぷりに描く職人技に脱帽。

 ロケ地、賊一味が伊太郎らを呼び止める戸田川堤、大堰川か。その直後瀕死の乙吉に縋られる道は田脇の林か。弟分の丑松と別れる伊太郎(中仙道・鳩ヶ谷付近)藪田神社参道(丑松が去るのは南の小道)。蕨宿の賊が江戸入りとネタをつかみご機嫌の万七、平次とばったり会うのは今宮神社東門。乙吉の母に縋られてしまった伊太郎が、事実を話せないと落ち込む水辺、大覚寺放生池堤石橋上。賊の巣食う寺、龍潭寺山門。両親の墓に参り、できなかった親孝行の真似事をすると語りかける伊太郎、龍潭寺参道脇・祠裏に卒塔婆あしらい(谷中の墓地)。伊太郎を見かける僧衣の賊、今宮神社東参道。伊太郎の正体を八に口止めする平次、今宮神社石橋たもと。伊太郎に接触する僧衣の賊、今宮神社摂社前。賊が伊太郎に押し込みの手引きを強要する物陰、龍潭寺回廊下。八の発言を聞いた丑松(伊太郎を追って江戸入りし居合わせ)が動揺しとっ捕まる茶店、今宮神社門前茶屋・一和。伊太郎が金箱を持ってゆくと賊に約した鳥越の森、下鴨神社河合社(来た渡世人は平次で、ラス立ち)。江戸を去る伊太郎たちを見送る平次、今宮神社東門
*伊太郎は寺田農、目の悪い老母は堀越節子、人の良い大家は北見唯一、医者は岩田直二。賊は上野山功一、山本弘に福ちゃん(役名は弥五郎で「福本清二」表記)。*親分の立ち回りは渡世人姿で得物は長脇差。丑松を見咎める万七に「親の墓参で草鞋脱がなければ目こぼし」といたずらっぽく笑う親分がおかしい。


第496話「雨あがりの虹」1975.11.12 48

 神様のような寺子屋の親子に忍び寄る黒い影、遂に先生は殺されてしまい、残された娘が父の遺志を果たそうとするのを助ける親分、侍相手に果敢に立ち向かう。

 ロケ地、父の死後おゆきが語る事の真相、双子で生まれた若君の片割れが捨てられ日向親子に拾われる南部城下、大覚寺御殿川畔草叢。赤子を抱いて城下を去る父子、相国寺方丈塀際か。若君が預けられていた鶯谷の農家、不明(塀越しに萱葺屋根を望む/イメージのみ)。おゆきの回想、若君を連れて旅した川辺、不明(浅い川)。若君を養育した日々の情景、若君と蝉とりの日向、大覚寺護摩堂前。夜鷹を装い日向宅へ潜り込んでいたお仲が南部藩士・木原を呼び出し難詰する祠、大覚寺五社明神祠脇。虫の息のお仲から木原の名を聞いたあと、木原を呼び出し殿様に会わせる算段をはかるおゆき、相国寺鐘楼裏手碑脇。木原が指定した千住大橋へ若君を連れて歩むおゆき、北嵯峨農地竹林際(陵の方から襲撃者が現れる)。殿様の駕籠が着く上屋敷玄関、相国寺林光院式台玄関
*日向先生は左右田一平、ビジュアルも性格設定も裏通り先生そのまま、漬物切ってきたりするあたりは権田はんみたいでおかしい。おゆきは望月真理子、タイトルは子供相撲の行司をつとめる彼女を見かけた平次の表現。最初から怪しい感じの木原のおじ様は穂高稔。


第497話「蟻地獄」1975.11.19 43

 つまらぬ物欲のため生き地獄を見る女、親分の明晰な推理で罪は着ずに済むが、静穏な暮らしは戻ってこない。無法な金貸しの検挙で救われる者のエピソードを入れ、重く沈む展開を情話で締める。

 ロケ地、清次郎に切りつける親爺、今宮神社石橋(金貸しごと連行の運び)。お信の回想、お紋の口利きで清次郎に引き合わされ素人くさい芝居に騙された池端、大覚寺大沢池畔。
*証文通りと言い張る清次郎の言を容れ高金利被害者の親爺を冷淡にあしらう平次、いけしゃあしゃあと番屋を去る悪党どもを見送る怒りに震えた表情が傑作で、このあとの啖呵も生きてくる。*暗ぁい話に盛り込まれる笑いは、八の障子破りと万七の泣き落としの小道具の店屋もの奢り。*鼈甲の簪を買ってしまうお信は三好美智子、笑顔を見せる僅かな場面も寒い暗さが絶妙。邪推でとんだ仕儀となる亭主は牧田正嗣。カモの前で低金利のウマい話を開陳する毒婦は長谷川待子で金貸しヤクザは灰地順。


第498話「愛のきずな」1975.11.26 43

 子連れ男と縁をもった女の情話。娘を案じ田舎から出てきた母も、身を引こうとする「亭主」も遂には情にほだされてゆく。親分は、尚怖じる男の背を押す役回りを演じる。

 ロケ地、池端(?)で身投げしかねぬ風情だったお加代の母を保護する健太、大覚寺大沢池堤(健太は桶担いで堤を来て、堤下の木杭の上に立つ「母」を見る)。質屋押し込みの片割れを捕えにゆく弥生神社、赤山禅院本殿(捕物のあと、帰りあぐねて野宿した卯之吉が本殿床下から這い出てくるのに遭遇)
*お加代は京春上、卯之吉は荒谷公之、加代の母は戸川暁子。


第499話「金貸し武士道」1975.12.3 48

 息子の仕官のため金貸しで稼ぐ浪人、やっと口を見つけた段で矢継ぎ早に災難が降りかかるが、裏には外道の仕込みがあった。裏を取るのに命懸けの行動に出る親分、悪党に胸のすく啖呵を切る。

 ロケ地、おみつの身代金について父に頼らないと親友に言い放つ欽吾、大覚寺大沢池畔。龍野藩邸を聞き込んだ帰りを襲われた八、倒れているのを清吉が見つけるのは大覚寺護摩堂前汀。身代金受け渡しに指定の下谷稲荷、大覚寺天神島祠
*金貸しの父は小林昭二、倅の欽吾は小林芳宏。欽吾の親友は達純二、仕官を世話する「龍野藩士」は佐伯徹。*下山浪人にぺこぺこして捜査も安請け合いの万七、やはり借りていて大笑い。


第500話「愚かな母」1975.12.10 43

 酔って息子の仕事場に来て金をせびり、親方にも悪態をつく伝法な女もやはり母。名人の錠前に手を焼いた凶賊に囚われ合鍵作りを強要されている倅を救うため、身の危険も顧みず捜査に協力。素行に関しては、已む無き境遇を季節感のある美しい映像でさらりと見せる。

 ロケ地、酒肆で兼吉が凶賊の蔵破りに加担という噂話を聞いたお元、店を出て佇む船着きは大覚寺大沢池船着(小)。幼い息子の言葉を思い出しながら歩く道は放生池堤。一味の手がかりを掴むため賭場で芝居を打って出てきたお元が座り込む川辺、上賀茂神社ならの小川(平次らは祠裏に潜み)。事件解決後、親方の店に戻らず川浚いの仕事をする兼吉、大覚寺御殿川河床(有栖川合流手前)
*お元は阿部寿美子、たしか「玉梓が怨霊」の人。兼吉は小野川公三郎、親方は谷口完。夜がらす一味の首領は高橋信行、手下に柳原九仁夫や川谷拓三。お元の男は長谷川弘。*逮捕のタイミングは金座襲撃一歩手前。*万七を番屋から引き離して仲間を破牢させる手口は「そこで殺しが」の定番ネタだが、「素っ裸の女が」に誘い出される万七親分が傑作。


第501話「卍蜘蛛」1975.12.17 48

 金座を狙う大盗・卍組が江戸へ、偶然手がかりを得た平次が動いて強奪を阻止するほか、悪党の上前をハネる外道もお見通し。

 ロケ地、「天命堂」が露店を出すお堂、永観堂御影堂(ツナギにやってくるお豊が登る石段は池の橋から続く参道石段)。盗っ人に侵入されたことで叱責された金座役人・佐竹がクサって石を投じる池、永観堂放生池(後段の金箱投げ入れ現場/水深を測っていたことを親分に見抜かれ)。金座からお城へ御用金を運ぶルートの途中にある護持院ヶ原、下鴨神社糺の森、馬場(樋口さまたちが林に潜み、荷駄は馬場を来る。挿入される切絵図にある通り、木戸の柵があしらわれている)
*卍組首領は外山高士、鎖鎌使いでふだんのなりは易者。鍵形を取りに入り欲をかいて綻びを招く一味の男は内田勝正、大盗を手玉にとる毒婦は池玲子、金座役人は高津住男。*大半は八の胃におさまると思われるお出かけ用三段重、中身もぎっちり。


第502話「償いの道」1975.12.24 43

 酔い潰れた若手同心と当番を代わったお町のダンナ、間の悪いことに凶盗と遭遇し殉職。以来彼の娘を守り育てる若者だが苦労続き、娘の薬代がらみで当の賊が関わってくる。主題は保護者の「おじさま」への思いを募らせる同心の遺児の話。

 ロケ地、孫四郎宅の取り立ての帰り、昔の仲間に呼び止められ「始末」の金貸し徳兵ヱ、中ノ島橋(水音を聞きつける平次らは大覚寺か/検分は橋下の河原)。大沢同心の墓、黒谷か。
*「おじさま」は佐々木剛、久江は斉藤浩子、大沢同心は北原将光。凶賊・丹頂一味だった金貸しは高城淳一、八卦見は沢村宗之助。


銭形平次 表紙


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