銭形平次

713〜736話  フジテレビ/東映

大覚寺キャスト
銭形平次/大川橋蔵
お静/香山美子
八五郎/林家珍平
おきよ/市毛良枝 おゆき/香坂みゆき
松吉/鎌倉俊明
万七/遠藤太津朗 清吉/池信一
青柳伸之介/森田健作 樋口一平/永田光男


第713話 「大江戸大地震」 1980.4.9 73

 江戸の町を襲う天変地異をモチーフに、弱き者を食いものにして肥え太る抜け荷商人を懲らしめる筋立て。主軸は巻き込まれあわや別離の男女の愛という、エレメンツ詰め込み過ぎの展開で、とにかく地震表現が派手ハデで揺れてる時間も有り得ねー長さ。

ロケ地

  • 異様に潮が引く、秋津屋の土左ヱ門が見つかったりする浜、不明。津波到達のシーンでも登場するが、マジ海と思われる。
  • 抜け荷を隠してあったり、隠れキリシタンを一時匿ってあったりする光妙寺の宝塔、相国寺鐘楼。地下室がある設定で、東側の入口から「入ってゆく」。「本震」の際には、地割れしたり本体が崩れたりするが、一部本物を用いて崩壊を表現するもののほぼセット撮り。

*抜け荷商人は永井秀明、腹心は西田良で用心棒に福ちゃん。カップルは吉沢京子と風間杜夫で、娘の父の和尚は岩田直二。


第714話 「殺しの舞扇」 1980.4.16 47

 新内流しの男女による華麗な殺し、その裏には過去の恨み。それゆえ被害者側からも見えぬ事情を探るため、親分はムシリつけて裏社会へ。

ロケ地

  • お艶の過去を洗うため八王子へ向かう八、甲州街道は広沢池東岸(セット併用)

*芸者・お艶は藤間紫、元従業員の共犯者は荒木しげる。お艶の得物は舞扇、扇面がはずれると骨が全部鋭利な刃物という趣向、やり口は必殺風味。悪党は田中浩が親分、共にお艶の亭主を殺った一味に唐沢民賢と名護屋一、子分に小船秋夫がいてラス立ちでは福ちゃんチラリ。


第715話 「浪人長持唄」 1980.4.23 47

 阿漕な金貸し退治に乗り出す平次、相手はたちまち刺客を差し向けてくるが、雇われた男はむかし親分の隣に住んでいた気のいいご浪人なのだった。引き受けざるを得なかった理由が、袖をしぼらせる情話仕立てでドラマに食い込む。

ロケ地

  • 娘を借金のカタにとられた魚屋夫婦が土左ヱ門で見つかる川端、広沢池か。
  • 娘の秘密を暴露すると脅され平次を斬るよう強要された左門が彷徨う町角、大覚寺天神島
  • 左門の墓、くろ谷か。

*左門は財津一郎、金貸しは加藤和夫。なにごとかを察し娘を左門の墓に参らせる「父」は永野辰弥。福ちゃん二態、冒頭取立て側にいたかと思うと、三分後漁師夫婦の心中に関し非道を訴える町衆の一人に早変わり。ラス立ちでは金貸しの手下のチンピラに戻っている。


第716話 「娘岡っ引が通る」 1980.4.30 73

 往年の名岡っ引の子であるお転婆は、引退を決めた父に代わり事件を解決しようとするが、世の中の怖さを思い知らされ、かつ人の情も識る。

ロケ地

  • 呑んで帰りの吾助が宇吉に殺される夜道、大覚寺天神島。設定は伊兵ヱの縄張りの池之端〜下谷、ちらりと水面を映すので不忍池か。
  • 伊兵ヱが平次を伴い赴く上野・感応寺、不明(本堂前に祠、奥に鳥居あって石段・脇には灯籠が林立)。境内にある宇吉の女房・おはまの墓も不明、地形は高台。
  • 為蔵がアジトにしている下谷・天嶽寺(字は適当)神光院。中興堂脇から桐の木越しに本堂脇と蔵を望む絵が導入で、蔵の戸見越しに中興堂を望むアングルも。
  • 事後、伊兵ヱと釣りで歓談の平次たち、大覚寺大沢池堤下汀

*伊兵ヱは島田正吾、娘は夏目雅子でお相手の青年は坂口徹郎。誤解から伊兵ヱを恨む元鍵師・宇吉は遠藤征慈、昔の盗賊仲間は上野山功一に出水憲司。


第717話 「大捕物」 1980.5.7 47

 父の仇を討つというので泣く泣く見送った恋しい男との再会、しかし彼は凶賊と成り果てており、町方に追われる己が一味を店の寮に匿うよう迫る。男女の機微が縦糸のお話なれど、些か破綻気味のシナリオはタイトル通りに捕方VS盗賊の大捕物をたっぷり見せる。

ロケ地

  • 再会後外で会うお篠と清十郎、木島神社本殿前。
  • つばくろ一味が入り込む泉州屋の寮、円山公園内料亭か(草戸と萱葺の母屋)
  • 清十郎に寮を出るよう求めるお篠、蓮華寺五智如来像。
  • 事後、家に帰れないというお篠に声を掛け夫と引き合わせてやる川端、罧原堤下汀

*つばくろ組首領の柴山清十郎は藤巻潤、手下は小沢象・今藤正人・笹木俊志・大矢敬典・小船秋夫など多数。掛川の茶屋女だった泉州屋の女将・お篠は南田洋子、亭主は武内亨。清十郎はちょっと色悪設定なほか、父の仇も全くの逆恨みというけっこうな悪党。


第718話 「仕組まれた復讐」 1980.5.14 47

 立て続けに起こる医師宅爆破、怨恨の筋でたちまち疑われる男をシロと見抜く親分。真の的を糊塗するため無慈悲極まりない犯行を重ねた悪党どもだが、平次の慧眼からは逃れ得ない。

ロケ地

  • 料亭・竹仙、円山公園内料亭か(何度も出ているアレ、坂に細竹編みの塀)
  • 人足寄場、不明(必殺などでも出る「崖」)
  • 「三人目」の医師・宗謙宅、相国寺大光明寺。行き来には南路地や方丈塀際が出る。
  • 宗謙の女房が竹仙の主と密会する出合茶屋、亀山公園内施設。八がつけてくる場面で嵐峡映り込み。

*子を亡くし医師を恨んでいた夫婦は大門正明と石田ゆり。裏で阿漕な金貸しをしていて悪党の真のターゲットである「三人目」の医師・宗謙は稲葉義男で裏切り女房は弓恵子、情を通じ悪事を企む竹仙の主は可知靖之で手下のチンピラは田中弘史に平沢彰。
*後先に風邪ネタでギャグの応酬。


第719話 「嘘から出た真実」 1980.5.21 47

 女房にも愛想をつかされた法螺吹き男、悪癖はついに身の破滅を招きかけるが親分は彼を信じ、そのことが難事件の解決につながるのだった。

ロケ地

  • 源太が八王子へ向かう道、広沢池北西岸田畔。
  • 戻り道の小川や竹林、不明(酵素っぽい小川に木橋、鳥居本っぽい小柴垣も出る)
  • 逡巡する源太を追い越して江戸へ向かう妻子がゆく野道、北嵯峨農地・松の根方。
  • 思い直し江戸へ戻る源太がならず者に囲まれ殺されかける林は広沢池北岸汀。

*源太は大山勝巳、逃げた女房は野口ふみえ。女を孕ませた件で医者殺しも仕出かす、良家の娘と縁談がある手代は水上保広。源太に騙される旗本は喜味こいしでお供の侍に峰蘭太郎、ラス立ちのチンピラに福ちゃんや小船秋夫入り。


第720話 「消えぬ傷あと」 1980.5.28 47

 むかし仕出かした「凶行」が心の枷となり、急ぎばたらきに嫌悪を示す盗っ人。その思いは身を助けるだけでなく、一組の親子をも救う結果となる。

ロケ地

  • 町方から逃げてきた仲間を始末する竹蔵、大覚寺大沢池(刺して池へ放り込み)
  • 盗めに出る際裏口から出て船に乗る竹蔵と一味、渡月小橋下手右岸河川敷と岸辺の建物(セットあしらいか有りもの利用か不明、いずれにせよ現在は様変わり)

*過去の行為に呵責を抱く盗っ人は富田浩史、彼に父を不具にされた娘は鮎川いずみ。仲間も容赦なく殺す賊の首領は和崎俊哉。阿漕な金貸しは藤尾純、消された賊一味を検分の際立ち働く男衆の一人に福ちゃん、船頭か町方の下っ端か設定は不明・お仕着せ着用。


第721話 「ひとりぼっちの反抗」 1980.6.4 47

 厳父に憤った青年は賊の仲間に入ってしまい、あろうことか立て籠もり事件を引き起こす。しかし入った先はゆめやで、親分の情けたっぷりの処置がなされ痛い結果は回避される。

*ロケなしセット撮り。青年は佐藤仁哉、頑固な職人の父は陶隆司、離縁した母はたうみあきこ、妹は大森不二香。賊の首領は汐路章、青年を一味に引き込んだ兄貴分は川浪公次郎、盗っ人一味には福ちゃん(ちょこっと台詞あり)や小船秋夫入り。


第722話 「消えた花嫁」 1980.6.11 48

 祝言直前に失踪した花嫁、裏にあった哀れな事情を調べ上げた親分は、せめてもと娘の幸せ確保に奔走。晴れの席に出ず、歌を餞とする父が泣かせる情話。

ロケ地

  • 鈴政の裏留が殺されて見つかる大川端、広沢池西〜北西岸。後段、回想シーンでは湿地も使われ、養魚場端の流れも映り込む。
  • おとよが若旦那を呼び出す神社、吉田神社竹中稲荷(舞殿脇、本殿前)。回想のデートスポットも同所。
  • 松造の仕事場、不明(池泉、建物は縁先のみ)

*娘のため罪を犯してしまう畳職人は山田吾一、娘のおとよは清水めぐみ。若旦那は高峰圭二、放蕩親爺は神田隆で彼を誑す女は桜井浩子、操る鈴政は五味竜太郎で手下の裏留は小峰隆司(登場時死体)。


第723話 「帰って来た極道息子」 1980.6.18 48

 倅の更正を信じない母だが、近寄る気配はしっかり感じていたという情話。彼の生家を乗っ取った男が殺され、当然のように疑いがかかるが、親分は証言者のふるまいをきっちり怪しんでいた。

ロケ地

  • ご赦免の浜(船番所)、大沢池か(柵あしらい)

*極道息子は田村亮、失明している母は葦原邦子、恋人の芸者は奈三恭子。彼をハメたヤクザは宮口二郎、乗っ取りに加担する元壺振り女は黒沢のり子。


第724話 「猫の毛」 1980.6.25 48

 八を見込んで猫を捜させた女の哀話、女の情夫の盗っ人を捕え彼女を解放したあともひとくさりお話が続く凝った作りで、親分の鋭さと情け深さを描き出す。

ロケ地

  • 宗兵ヱがお園を呼び出す根津権現裏、今宮神社稲荷社周辺。平次が現れ大立ち回り。

*賊の囲われ者の美女・お園は三浦真弓、情夫・宗兵ヱは内田勝正で八の頭をぶっとい薪ざっぽ振りおろしてカチ割り。お園に「遺産」を残そうとした賊のかしらは清水彰、宗兵ヱ以外の手下は平沢彰に安井孝。
*猫は三毛の子猫でオス、お園に託されたかしらの飼い猫。帰巣本能で「遺産」のあるかしらの家に案内という趣向。


第725話 「裏をあばけ」 1980.7.2 73

 寄場帰りだが更正した、馬鹿正直な青年をハメる悪党ども。彼を信じる親分の粘り勝ちで、真実は明らかとなる。

ロケ地

  • 巴丸が航行する洋上、琵琶湖か(モデル浮かべ?/お芝居はセットで)
  • 仙太が大八に轢かれた権現坂、吉田神社大元宮脇坂

*ちょっとトロい青年は住吉正博、ヤク中なため彼をハメる兄貴分は西園寺章雄。水夫頭は田口計、情婦は行友勝江、グルの岡っ引は左右田一平、この三人が阿片がらみの悪の枢軸。伍市の申し立てのくだりで出る回想シーン、後片付けを済まし去る人夫水夫の一人に福ちゃんチラリ。


第726話 「命を賭けた訴え」 1980.7.9 48

 民を泣かせるヤクザ、その束ねの親玉に司直の手がのびることはなく、歯噛みするのみ。しかし被害者の老爺が我が身を捨てて体当たりした事件が、暗雲を吹き払うきっかけとなる。

ロケ地

  • 山崎屋の賭場で儲けて消された男の検分、大覚寺大沢池溢水口。
  • 所払いとなったお千代の行く手に立ちふさがる山崎屋の子分たち、北嵯峨の竹林か。

*山崎屋はスガカン、捕まっても全然平気な傲岸不遜さがハマり役、ラス立ち前平次に追い詰められた際の表情が凄絶。菅貫の手下に有川正治や阿波地大輔。菅貫に刺された芝居で自刃する親爺は増田順司、彼の娘は沢井桃子で恋人の魚屋は小野川公三郎。
*憎いヤクザの首魁を罪に落とすため打たれる芝居、これを放置せず事実を暴く平次という捻りを入れたシナリオで、手柄に浮かれ騒ぐ万七親分がコントラストを作り出す。


第727話 「刈干切唄」 1980.7.16 48

 寄場帰りの青年は世間の冷たさに挫折しかけるが、似た境遇の娘との出会いと平次の言葉が、蟻地獄へ落ちる一歩手前で彼を救う。

ロケ地

  • 安吉の回想、幼い頃見た山で働く両親の姿、不明。山の斜面が草場、稜線の向こうに杉の大木。美山の萱場か。燃えた家は不明(崖際か)。鞠子の宿で両親が吊った木は酵素の木。回想は冒頭と中段に出てくる。
  • 安吉が怠業と責められる寄場、不明(河原か)
  • お秋と話し込む川端、桂川松尾橋上手右岸河川敷(罧原堰堤下中州合流点の下手)

*安吉は江口正昭、お秋は木村理恵。安吉を唆す狡猾な女衒紛いの兄貴分は佐藤京一、彼とつるむお秋の養母で野心家の毒婦は松村康世。平次に頼まれいやいや安吉を雇う髪結床の夫婦は小鹿番と伊吹友木子。
*安吉は日向の出で、両親の歌う労働歌が「刈干切唄」。


第728話 「瞳の中の鐘」 1980.7.23 73

 欲深い男のせいで、忌まわしい記憶を呼び覚まされ奇行に走る娘。幼女を気遣っての秘め事だったが、きれぎれの記憶が却って娘を苦しめていた。

ロケ地

  • おしのが無茶苦茶に撞く穀町の鐘撞き堂、不明(建物の配置は妙顕寺に似る)
  • 結城屋の根岸寮、中山邸。通用門と庭園、建物も映り込む。
  • 寮近くの沼に張り出した鐘の無い鐘撞き堂、広沢池観音島にセット組み(池に張り出し)。沼の汀は東岸で撮影。
  • 寮近くで聞き込みの平次、背後の民家は北嵯峨か。

*結城屋の一人娘・おしのは藤真利子、母のおときは小林トシ子。母と組んで事実を隠蔽した医師は溝田繁、寮の番人は梅津栄。
*八百屋お七まで入っている幻想シーン、鐘の向こうにウルトラQみたいなインク流しのサイケ模様が演出され、記憶が戻ってゆくにつれ実景が重ねられ、最終的に子守女を襲う色魔がクリアに。


第729話 「小町娘と鬼の親」 1980.7.30

 因業金貸しの父親は、娘の選んだ青年が当然の如く気に食わない。そんななか青年が殺しの罪を着せられると、浅薄な態度をとって娘を決定的に怒らせてしまうが、このとき平次に投げつけられた嫌味はオヤジの胸にぐさぐさ響くのだった。

*ロケなしセット撮り。金貸し親爺は殿山泰司、娘は村地弘美で恋人の大工は南城竜也。親爺のもとで取り立てをしていて殺される男は唐沢民賢、彼の取立て先は伊達三郎で実行犯の用心棒に阿波地大輔。


第730話 「精霊流し」 1980.8.13 73

 数奇な経緯で夫婦となった男女は、江戸の片隅でひっそりと愛を紡ぐが、禍々しい運命は追いついてくる。

ロケ地

  • おさよが島抜けの追い剥ぎにお使い中の金を盗られた藤沢宿の夜道、下鴨神社河合社脇。
  • おさよを助けて足を刺された同じく島抜けの卯之吉を匿う船、広沢池東岸葦原。
  • 竹細工の材料採りの卯之吉、北嵯峨の竹林か。
  • 島抜けの追い剥ぎ三人組が潜む小屋、広沢池東岸にあしらい(カメラ「小屋」の中から)
  • おさよが勤め先で盗みをはたらいたらしいとの噂を聞いた卯之吉が考え事をしながらゆく道、広沢池東岸汀。後段、小夜に強請られているか問うのも同所。
  • 藤沢宿でのことをおさよに問う平次、木島神社本殿前。
  • 江戸から逃げようと待ち合わせの紅葉橋、上賀茂神社神事橋。千石船を流すのはならの小川、平次が祠脇から見ている。

*おさよは浅野真弓、卯之吉は高橋長英(島抜けって死罪と思うが、親分が口利き?)。追い剥ぎは遠藤征慈、野上竜也、白川浩二郎。


第731話 「花の若衆やくざ」 1980.8.2074

 強面の用心棒を連れて乗り込んできた男装の娘は、先代の隠し子と称し相続を主張する。見た目からもとてもまともと思えぬ振舞いにはちゃんとした理由、したり顔の店主の犯した悪事が暴かれてゆく。

ロケ地

  • 平次を訪ねてきた老船頭が殺される夜道、中ノ島橋(殺害は橋たもと・堰堤脇)
  • 用心棒を連れず一人河豚を買いに出たお美代を襲うゴロツキたち、広沢池東岸
  • 蘭医に聞き込んで回る平次たちのくだり、八が行く一軒に中山邸門。

*お美代は汀夏子、双子の妹と二役。用心棒は原口剛、実はお美代の弟子の役者で強面は見掛け倒しという設定の珍しい役回り。老船頭と心を合わせ先代殺害の真相を探っていた番頭は水上保弘で、こちらもはじめ悪党仕立て。先代を河豚中毒に見せ掛け毒殺した現当主は早川保。ラス立ち福ちゃんちらり、雇われゴロツキの一人。


第732話 「浮かれ男が落ちた罠」 1980.8.27 48

 過剰に嫉妬深い女房の亭主が浮気性、それだけでも騒がしいのに、囲われ者の性悪女が殺しの罪をダンナにおっつけるから大騒動に。事後も変わらぬがちゃがちゃ夫婦の話のシメは、平次夫婦のおのろけコメディ。

ロケ地

  • 妾に死体の始末を頼まれた米屋の吉兵ヱが「それ」入りの米俵を運ぶ不忍池端、広沢池東岸汀。夕涼みの市民あしらい。

*米屋の夫婦は笑福亭仁鶴と正司歌江。妾の端唄師匠は山口奈美、情夫のヤクザは内田勝正、彼と金銭トラブルを起こした死体は暁新太郎。


第733話 「もう逃げはしない」 1980.9.3 48

 子を孕んだことで凶賊の亭主を密告した女、爾来逃亡の日々を過ごしつつ倅を育て上げるが、その子も長じ落ち着きかけた矢先、盗っ人どもが江戸に現れる。

ロケ地

  • 蝙蝠組が江戸に現れたと聞いたお直が仕事先の倅を訪ね、江戸を出ようと言い出すのは上賀茂神社、仕事を抜けてきた新吉がならの小川で手を洗う。
  • 蝙蝠組の下っ端に仲間に入りたいと申し出る新吉、上賀茂神社校倉
  • お直を見つけたこうもりの大八が外へ連れ出して恨みつらみを述べ立て匕首を出す町角、下鴨神社河合社脇。鳥居の方から平次が現れ水入り。
  • お直が入水しかける水辺、広沢池東岸。親分が水に入って止める。
  • お直の回想、幼い新吉を連れ旅ゆく道、桂川松尾橋上手右岸汀嵐山自転車道北嵯峨竹林(このパート、プチ「砂の器」)

*お直は宮園純子、倅の新吉は佐藤宏之、彼の父だったこうもりの大八は垂水悟郎。


第734話 「お婆ちゃん捕物帳」 1980.9.10 48

 孫娘のお相手が気に食わぬ婆さま、実は相当な欠格理由があるのだが孫を傷つけたくなくて取る行動は突飛。八の子分に志願し珍騒動を巻き起こし、掏摸の大物を捕えるお手柄ののち「婿」とも打ち解けてゆくのだった。

ロケ地

  • 掏摸の親分をさした女が殺されて見つかる川、下鴨神社泉川(外へ通じる橋の下手)
  • 伊佐次らに捕まった万七が葛篭に込められ運ばれる林、下鴨神社糺の森。林の中に小屋あしらい、生き埋めの穴は池跡。

*婆さまは菅井きん、パワフルな活躍ぶりでイケズ風味もあり。放映当時は仕事人を放送中。孫娘は賀田裕子、恋人は高橋仁。掏摸の親分は松山照夫、万七がよろめく情婦は原良子。婆さまに頼まれ脅迫状を代書した八卦見は日高久。


第735話 「呪われた蔵の中」 1980.9.17 48

 見たとおりで済まされかけた首吊りを怪しむ平次、粘って見つけた麻糸の輪っかから密室トリックもお見通し、出てきた15年前の悪夢には同情を示し酌量を約す。

ロケ地

  • 15年前山形屋の蔵で縊死した女中・おきぬの千住の実家を訪ねてゆく八、聞き込みの西新井大師は今宮神社参道に露店あしらい。露店の老婆に連れて行かれ悲惨な昔話を聞かされるおきぬの母の墓、広沢池東岸に卒塔婆あしらい。
  • 店を抜け出した市松とおしまが密談を交わす神社、今宮神社境内祠前、おもかる石もちらりと映り込む。ここへ現れ犯行を指摘する平次の談話で出る、江戸へ出立する母・おきぬ(渡船に乗船)を追っていった幼い兄妹、桂川畔か。

*復讐のため山形屋へ入り込んだ兄妹は佐藤仁哉と山本ゆか里、操を汚され縊死した母は宮本毬子。色魔の山形屋は北原将光、主の死因を追求もせず覆い隠そうとするなんか微妙な女将と番頭は伊吹友木子と大竹修造。


第736話 「闇の商人」 1980.9.24 74

 大店乗っ取りの、手の込んだ仕掛けにハメられる青年。しかし逃げ込んで立て籠もった先にいた娘は彼を怖がるふうもなく、どころか同郷と知ったのちは積極的に助けようとして動く。身寄りも亡くし江戸に疲れた娘は、これを機会に青年とともに故郷へ帰ろうと志したのだった。

ロケ地

  • 政吉とおなつが話す伊那のくだり、天竜川イメージに清滝川下流部の荒瀬。柿をもって連れ立ってゆく子らは保津峡落合の崖道。雪嶺は不明、用心棒シリーズで同じのを見た覚えが。
  • 「火傷男」が追い使う、殺しもしてのけるゴロツキどもが隠れ家にしている下谷の但馬屋寮、中山邸通用門

*政吉は火野正平、盗みに入って死体見てギャーのあと娘が一人で暮らす家に逃げ込み立て籠もるが、このとき使う脅しの道具は娘の仕事道具の火熨斗で、大真面目にそれをかざす仕草が可愛いったらない正ちゃん。この陽性は故郷の話をする際も同じで、名物被害者役女優が前向きな性格になっていて笑える。そのおなつは久保にしき名義で出ている。賊を引き込んだ番頭にして怪しの「火傷男」の黒幕は中井啓輔、乗せられて資金提供のライバル店主は永野辰弥、賊の一人は福本清三で「由松」の役名あり・物騒な台詞あり。
*この回でゆめやの妹が退場、理由付けはお屋敷奉公でニューフェイスも顔見せ。


銭形平次 表紙


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