銭形平次  101〜139話 1968年

 キャスト
 銭形平次/大川橋蔵 お静/八千草薫 八五郎/林家珍平
 お民/園佳也子 為吉/神戸瓢介 お弓/鈴村由美
 万七/遠藤辰雄 清吉/池信一
 笹野新三郎/根上淳 樋口一平/永田光男


第101話「翡翠を持つ女」1968.4.3

 因習により忌まれた双子がテーマのお話。よそへ出され過酷な環境で生きてきた妹は、悪い情夫を持ち悪事に手を染め姉を巻き込みかけるが、血の絆は断ち切れないのだった。姉妹は悠木千帆の二役、育ちのよい商家の娘と莫連を演じ分ける(後年のねっちょりした演技はないが、妙に貫禄がある)。小道具は、闇取引の紛い物の翡翠。

*ロケなし、セット撮り。近所の夫婦の双子の片割れを戻させるお静の人情話や、親分のアイパッチ+髭のヘンな変装も見られる。


第102話「御前様は誰か」1968.4.10 9

 飛び切りの湯女を揃えて評判の極楽湯、女にとっては地獄。虐待の訴えを聞いた親分は解放を期す。女たちも用心棒も顔を知らぬ謎の黒幕「御前様」に迫る平次の働きが見もの。

 ロケ地、川岸に流れ着く極楽湯の女の死体、桂川か(対岸は礫河原、屋形船あしらい)。笹野さまの話を聞いて出てくる親分を待っている八、大覚寺参道石橋。浪人・森安のあとをつける妻女、上賀茂神社ならの小川畔。
*町奉行日記などのスラムものによくある仕立ての、黒幕の正体が見せ所のお話。最初からけっこうわざとらしい伏線が張ってあるのも面白い。*浪人は川辺久造、臆病者の弥市は海老江寛。


第103話「平次一番纏」1968.4.17

 若い火消しに殺しの疑い、その組のかしらはお静の親代わり。お役目と情に挟まれ苦悩の平次、粘り強く真犯人を追い詰めてゆく。珍しく嫌味も言わず平次を気遣う万七などもあり、彼に手柄を譲った平次は、傷ついた纏持を助けて大屋根に上る。

*ロケなし、セット撮り。引退間近のめ組のかしらに月形龍之介。


第104話「番神堂異聞」1968.4.24 9

 護送中殺された若侍から親分に託された護符が、職人三人の殺害現場でも見つかる。また、八が幽霊退治に行った神社ではきっちり怪異が目撃される。そのうえどう見てもいかがわしい祈祷師まで出て怪しさてんこ盛りのてんでばらばらな事象には、一本の筋が見えてくる。

 ロケ地、成田参りの帰りの平次らが守山藩の罪人護送の列に行き会う松戸の街道筋、不明(「首なし佛」で出た道と同じ、道端に蔵)。お百度参りで怪異が起こると評判の住吉神社、不明(今回の主舞台で文之進の養家、お由良の方を匿ってある。外囲いも立派な本殿の前に土間で横長の回廊のような拝殿、境内広く参道には段差多し)。三人の職人(左官・大工・屋根職人)が殺されて見つかるのは大覚寺天神島
*お由良の方に「お品親分」宮園純子、忠義の士・竹村兄弟に「赤影さん」坂口佑三郎が二役で。*番神堂は守山藩の神社、建替えの際出た古材が江戸へ運ばれ出入り商人の屋敷に移築される。*ラス立ち二段構えでど派手、犬のハチ引渡しの場で一味の大入道とまず一戦、武器の特大数珠(これで人絞め殺すんだからたまらない。絞め跡の不気味なことといったら)に立ち向かう…鹵獲品のこれを首に巻いて番神堂へ踏み込み、数珠で壁を破壊し金塊を暴露。掛けてあった槍をとっての殺陣もあり。


第105話「風車の唄」1968.5.1 9

 薄幸の女が初めて持った暖かいつながり、失うわけにはゆかぬ大事な亭主は悪事に手を染めていた。平次の説得を受けた女は、謗りを受けながらも耐え亭主を更生させるべく訴人するのだった。

 ロケ地、モデルを終えて絵師宅から帰るお時、御香宮本殿脇〜参道。お時への聞き込みから帰る平次らが通る道、御香宮本殿裏。いよいよ亭主の三之助への疑いが濃くなり今一度お時に聴取する平次、上賀茂神社(お時が風車を購める屋台はならの小川畔、話を聞くのは渉渓園のスダジイ脇)。お時を尾行する八、八をまいたお時が亭主と会う賭場のある屋敷裏、不明(築地塀と海鼠壁の蔵、遠景に複数の甍)。身の上を語るお時、角兵衛獅子のあと売られた旅芸人一座とゆく街道、不明(道端に蔵、行く手に低い山、北嵯峨か)。越後屋に押し込んだ賊を追い詰める平次、首領の浪人と立ち回りは上賀茂神社北神饌所裏手。お時に亭主が自首したと告げに来る平次、御所・厳島神社(導入は高倉橋からのショット)。奉行所前で待つお時に亭主の流人船は金杉橋から出ると教えてやる平次、大覚寺明智門前。
*三之助に川津佑介、お時に小野久美。*初のカラー作品、OPの吉田神社も朱が見えてはっきりと確認できる。今ひとつ頼りなかったごこんさんもこれで確定。


第106話「黒い傷あと」1968.5.8 26

 子ゆえの闇に迷う老目明し。しかし女に誑かされたと思った息子は、逆に女を闇に叩き落すチンピラだった。愛憎交錯する三人の心を、親分が解いてゆく。

 ロケ地、おみのに茂十が上方へ帰ったことを告げ託されていた銭袋を渡す平次、大覚寺天神島
*お役目を擲ち上方から息子を探しに出てくる老目明しに嵐寛寿郎、タイトルの傷痕は「夜鳴き蕎麦屋」の彼の腕にあり怪しさが募る仕掛け。後年、ヨロキンの破れ新九郎や新必殺仕置人に出ていた折のヨボヨボぶりとは一線を画ししゃっきりのアラカン、鋭い目線や上方弁のボヤキも趣き深し。息子の情婦・おみのに三浦布美子。


第107話「逃亡の果て」1968.5.15 26

 女房殺しで追われる男には過去、投降した彼に話を聞いた親分は、裏にあったもつれに縺れた事情を見事に解き明かし真犯人に迫る。

 ロケ地、サブタイトル背景に大覚寺天神島。女房の首を絞め逃げた与五郎が釣りの子供・ゲンと知り合う水辺、護摩堂前。松山藩上屋敷、大門か。与五郎の回想、松山藩士時代、釣った魚を町人に売る水辺、大沢池畔(水面に堤の並木や護摩堂が映り込む)。与五郎を逃がしたゲンが武士の乗る馬にはねられかける道、大沢池堤
*脱藩後江戸へ出るも人別改めから逃げ続けるため定職に就けぬ与五郎、松山から出るため与五郎を利用したけっこうな悪女の女房、忙しい母に構って貰えぬこまっしゃくれたゲン、人物描写がなかなかに細かい。*強請りを猫ババで済まそうとしたチンピラが平次に見抜かれて一言「万七親分の係りになった時助かったと思ったのに」…鼻白む三輪が笑える。


第108話「腐れ縁」1968.5.22 10

 万七を利用し御金蔵破りをしてのける大ワル、親分は単身無法地帯の「川向こう」に潜入、怪しまれつつ立ち回り一味をお縄の大活躍。

 ロケ地、お静がさらわれる祠、不明(左右に石の玉垣)
*お手柄続きの万七大得意、かたやホシをとり逃す平次。落ち込み、商売替えなど思いつくしおれた姿がなかなかに可愛い。トホホ万七はもっと可愛い…折詰持ってきたときの硬直が最高。一味の首領は金田龍之介、愛想のいい顔してるうちも迫力でコワい。冒頭、平次らが取り逃がし万七が捕える島抜け男に福ちゃん、役名「与一」がしっかりクレジットされている。*笹野さま根上淳にスイッチ。


第109話「かげろうの女」1968.5.29 26

 奸計に陥ち店を追われた先妻、時を経て家に残した彼女の娘に同じ魔手が忍び寄るが、全てを見通した親分が企みを防ぐ。

 ロケ地、捕り方も多数出て張り込みの橋、中ノ島橋(越後屋の女中が人殺しがあったと駆けて来る。あとで平次の台詞に「両国橋も竹屋の渡しも固めていた」とある)。越後屋向島寮の裏手、船がもやってある岸、不明(ほぼ静水域、護岸は石積み。寮の裏手設定なので塀をしつらえてある)。投げ文の行商女を求め小梅村を聞き込む平次たち、大覚寺大沢池畔。行商中のおつやがならず者たちに囲まれるお堂、大日堂(今とステップが少し違う。東隣に建つ聖天堂も映り込む)。逃げるも追い詰められるおつや、天神島。寮にお美代を訪ねてきた新助が平次を見て逃げたあと上陸の岸、中ノ島橋下手右岸河川敷(栗石の高水敷)
*親分が家で着ている半纏の柄に「斧琴菊」。


第110話「紅い扱帯」1968.6.5 10

 家族間のトラブルに見えた丸屋殺し、真実を探るうち哀しい女の秘めた恋も露わとなる。三十の誕生日と張り切る八が、はじめ一人で現場を仕切る設定が楽しい。タイトルの「しごき」は、対岸の嫁の実家に向けた逢引のサイン。

 ロケ地、丸屋と嫁の実家の間の川、不明(掘割状、岸辺に見える家は虫籠窓のある重厚な作り、堤に並木。ここを若旦那が監禁される蔵の窓から眺める趣向も)。小僧の注進を受け丸屋へ走る八、松本酒造前東高瀬川堤。嫁の実家、不明(ヨシズ作りを演出の前庭は道から一段低い模様で、石段を上がるさまが見られる。八の背後に並木が見えるからはじめに出た川と同所の可能性あり)。仕官先へ向う石巻浪人がゆく道、相国寺路地各所。上田藩上屋敷は林光院
*若旦那に住吉正博、浪人に待田京介、若旦那を密かに慕う下女に八木昌子。*八の「今日はあっしの命日」に親分も軽口「四十けぇ」が大笑い。


第111話「蛇と人形」1968.6.12 26

 命を狙われた上総屋の娘を保護する平次、調べを進めるうち大昔の金塊強奪事件の真相が浮き彫りになる。タイトルの蛇は妻女が上総屋を嫌って呼んでいたもので、人形はその蛇を記した呪いの藁人形ともうひとつ、娘に託した書付入りの京人形のいちまさん。

 ロケ地、上総屋の娘が襲われ手代が殺される林、下鴨神社池跡(外塀が明瞭に見え外の建物も多数映り込み、資料的価値高し)。御用を終えて帰りの平次らが騒ぎを聞きつけるのは河合社塀際。岡っ引だった上総屋を使っていた当時の同心・駒田(隠居)を訪ねる平次、大覚寺参道、大門。姿を消した元盗賊・伝造を追って旅に出る平次、これより川崎宿の道標がある街道、北嵯峨農地竹林沿い。甲州・黒崎村の寺で和尚に伝造のことを聞き込む墓地、雲住寺墓地。寺の裏山の伝造の家跡や金を埋めてあった林間、不明。事後、墓参りの娘、不明(墓地の奥に花頭窓のある小堂やストゥーパ様の堂が並ぶ)
*元岡っ引で賊と組んでいた上総屋に沢村宗之助、怪優・伊藤雄之助の兄。上総屋と取引し遠島で済ませて貰った賊の一味・伝造に牧冬吉、白影さんと違ってずいぶん年寄設定。


第112話「腹切り侍」1968.6.19 26

 奉行所から三年前の調書が盗まれる事件、責をとって切腹と騒ぐ物書同心を宥めた平次は、捜査のすえ当りをつけ旅に出る。一味の間でのいざこざや、関わって落命した同心の女なども出て、親分のはったり芝居も飛び出す。

 ロケ地、南町奉行所へ入る平次、大覚寺明智門。記録係の同心の死体が上がる大川、不明(汀と並木のみ映る。広沢池か)。用心棒を従え東海道をゆく越前屋を追う平次と八、北嵯峨農地竹林脇。品川宿を逃げ出した越前屋が浪人に脅される街道、および平次らが駆けつけ立ち回りの道、北嵯峨農地竹林脇、陵付近の小径。御用部屋で揃った書類にご満悦の村垣同心を見た平次が出てきておうたに次第を告げる、大覚寺参道参道石橋
*「腹切り侍」は物書同心の村垣、演じるは芦屋雁之助。何度ももうダメ腹切ると衣を寛げ、形見に盆栽をやると騒ぐのに、またかと眉根を寄せる親分の困り顔が笑える。


第113話「親子雲」1968.6.26 10

 子の病のため盗っ人の一味となる長次、親分は目星をつけて張り込むが、そのため家族は職を失い窮地に。苦悩する平次がひとしきり描かれ、最後は容態篤い坊のことで情をもって長次を説き幻組のアジトを吐かせるに至る。

 ロケ地、長次が盗んだ反物を売った行商人が斬殺されて見つかる谷、東福寺三の橋川(遠景に通天橋が映り込む)。その検分の帰り、八に下っ引を集めるよう指示する平次、東福寺境内か。そのあと渡る橋、臥雲橋(車止めが映り込む)。長次の女房が往診を頼みに走りこむ医師・竹庵邸、東福寺大機院(石段、門)。平次が手配する麹町の蘭方医・道庵邸、不明。長次が協力者と接触するとの情報を入手し下山神社で張り込む平次たち、下鴨神社御手洗社、楼門。長次が船でやって来るのを見て柵越しに説得するシーンは不明。
*タイトルの「親子雲」は熱に浮かされた坊が父を思って呟く言葉。今回は見ていて辛い親分の心情、長次の女房役の女優さんの熱演もお静の凛とした態度も光る。しかし膝が腫れる病ってナニよ破傷風だったらヤバ過ぎ。


第114話「山刄の掟」1968.7.3 10

 旅籠で殺される男、凶器は山窩(サンカ)の使う山刄(うめがい)。これを皮切りに立て続けに起こる血腥い事件、親分は僅かな手がかりをもとに二昔前の因縁を解いてゆく。

 ロケ地、旅籠に泊まっていた薬売り二人が土左ヱ門で見つかる水辺、広沢池観音島。奉行所で古記録を見てきた平次が八に殺された男は盗賊の啄木鳥の源十と話す道、大覚寺参道。猿回しを見張っていてバレてからかわれる八、不明・御香宮か。旅籠の番頭が縊死体で見つかる谷中の林、不明(林の奥に小柴垣)。信濃へ帰る猿回しの小六を見送るおゆきと峯吉、北嵯峨農地北端付近か(道端に蔵と崩れ土塀)
*人間関係複雑過ぎの設定、しかしよく練られたシナリオですっきりと筋が通る。途中何度もいろんな場面で「陰から見ている」猿回しがいい味、平次にサンカの生き方を呻くように漏らすシーンや、恩を仇で返した賊に誇り高く山窩の長と名乗りを上げる場面もカッコいい。*山刄は漂泊の民・サンカの神聖な守護神刀で、両刃の短刀。


第115話「稲妻お光」1968.7.10 10

 頻発する強盗を追うなか関わった女掏摸、親分は何か知っていそうな彼女に張り付く。そして知る、捨て子のお光が生きてきた逆境。彼女が九年も温めてきた想いを、無下には扱わない「甘い」平次なのだった。

 ロケ地、深川八幡の茶店にいる平次に注進に走る八、御香宮参道。お光が手下の六とツナギをとるところへ現れ財布を出させる平次、嵐山公園中州舳先護岸。お光が掏った相手に金を返しに行き財布の細工を作った職人に会わせてとせがむ船宿・満月、嵐山公園中州料亭・錦(後段出る「裏手の堀端」は同所か不明)。お光がその職人と契った思い出の富士神社、御香宮摂社。賊のアジトだった船宿へ踏み込んでラス立ちの堀端、瀬田橋竜宮(殺陣がなだれ込む先に「傾いだ玉垣」、水面に唐橋脚映り込み)
*お光に中村メイ子、賊一味には川谷拓三や志賀勝の顔が見える。


第116話「四人目の男」1968.7.17 26

 風流人の隠居殺し、これが抜け荷で手配中の男だったから大騒ぎ。財宝を狙う男が打つ大芝居、見破った親分はその設定で犯人の前に現れる。

 ロケ地、隠居が通っていた船宿・鶴喜、嵐山公園料亭・錦。隠居の死体検分、中州下手の河原(川は映さず、背景に桜堤映り込み)。八に遺留品の手拭を調べるよう指示する平次、相国寺湯屋前。茂吉に印籠を持って来いと指定の祠、不明。財宝を隠してあった柳原土手の柳森神社、不明(立ち回りの際三叉の石畳が見えるから御香宮もしくは竹中稲荷の可能性あり)
*隠居を刺すものの殺していなかった大工に田口計。行商人の茂吉に花柳喜章。*親分の立ち回り派手、とんぼ切りや得意の十手くるくるなどあり。


第117話「妻恋い笛」1968.7.24 26

 不正を告発するもしてやられ浪人した男、しかし再び藩出入りの商人を窺い証拠をつかみ訴えて出ようとする。それを陰から助けていたのは彼のもとから去った妻、身を犠牲にして耐えてきた天晴れ貞女なのだった。

 ロケ地、伊勢屋が殺されて見つかる川、上賀茂神社ならの小川。松前藩上屋敷、相国寺林光院(上月が江戸家老に駕籠訴して取り押さえられるのは少し西の路地)。速水邸、不明(塀は置いてあるっぽい)
*乱刃のなか全ての黒幕だった兄と相討ちになる上月の妻女、彼女を殺したのは侍の世界と平次が述懐、妻を思って笛を吹く上月で締めくくられる。*上月浪人に高野真二、義兄の速水に須賀不二男。上月の娘といい仲の元泥棒・源太もいい味。


第118話「二度死んだ男」1968.7.31 11

 高家が売りに出した鼓、代金を払って帰ったはずの仲買人が行方不明になるが死体は出ず。欲望と愛憎渦巻く裏事情、卑劣な下衆を親分は許さない。

 ロケ地、仲買人弥之吉の帰りを同業の二人が待つ船宿・河芳、嵐山公園中州料亭・錦。殺しを命じたチンピラに失敗を聞かされる雲仙堂、智積院密厳堂祠前。八に声を掛け弥之吉失踪事件のことを聞き出す小唄の師匠、不明(大師堂前石段と思われるが細部に相違点)。高家・倉島邸、相国寺林光院(門、前庭)。高飛びのため旅装で女を待つ倉島家の家来・小川とやりあう平次、密厳堂境内(蔵の前で声掛け、腰掛けて話すのは鐘楼でこの前で立ち回り。弥之吉の女房・お美根がやって来て観念し手を差し出すのは宝筐院塔脇)
*八、でかい茶碗で8杯も食ったりするけど、うたた寝の間もお仕事を忘れない勤勉さがかわいい…飴買いに飛んでったりもするけど。


第119話「狂犬」1968.8.7 27

 商家へ押し入り凶行をはたらいた賊は、自分がつきまとって不幸にした女のもとに転がり込み高飛びをはかる。察した親分が踏み込むが、人質をとった凶悪そのものの首魁に押され窮するところ、押し込みの際女将に殴られた頭が痛み出し自滅の運びとなる。

 ロケ地、八が犬を使って探り当てる賊の足取り、着くと平次が先に来ている河原、罧原堤下河原。殺された駕籠舁きの駕籠が乗り捨ててある林、下鴨神社糺の森・河合社裏。矢場女・おれんの回想、行商の途中父と待ち合わせ昼を使う神社(紋次に襲われる)、不明(板の玉垣、手水場)
*まさしく狂犬の賊・紋次は南原宏治。花瓶で殴られた頭が痛むシーンではぎゅわわ〜んという不愉快な擬音が入り、見ているこっちの頭も痛くなる。苦悶の表情も、凄んでみせる顔もにたりと笑う顔もマジで怖い。手下の伊太八は北原義郎。*凶賊を追って疲れた万七たちの居眠りギャグが傑作、デブのお腹はよい枕か。疲れ果てた八の土間で泥眠りもあり…それにしても八っぁん、尾行中お餅盗って食べてなかった?


第120話「炎を呼ぶ女」1968.8.14 11

 獄死した盗賊の子らが時を経て裏切った手下に復讐する話、末の妹は仕える相手を害しえず、恩讐を越え明日を見ようとする。

 ロケ地、放火で蔵を焼かれ顧客の品を損じた質屋が縊死する神社、木島神社(探しに行った八は本殿前から元糺の池の方へ)。芸州屋の娘がさらわれる路地、社家町か(片側塀、反対側に小川)。質屋に勤める仙太郎(六兵衛の息子)とダチのならず者が屯する本所の船小屋、不明(汀に船係留、水面に橋脚映り込み)。仙太郎らが殺される芸州屋湯島寮、豊国廟参道脇の桐院席(林の奥に竹垣)。盗賊・六兵衛のことを調べ奉行所を出てくる平次、大覚寺明智門(待っていた八は参道石橋)。末の妹・おけいに真実を迫る平次、不明(堀?に船、石垣が見える)。六兵衛の子らが身を寄せていた谷中清香庵、永観堂(石段、墓地)
*鳥追い女に化け「六兵衛が来る」と謎めいた脅しをかけてゆく長姉は弓恵子。六兵衛は大坂城の御金蔵を破った大泥棒。


第121話「鬼の眼」1968.8.21 27

 その昔学費欲しさに賊の仲間に入った医師、後悔の念に苛まれつつ医術を学び人々に徳を施すことで罪を贖おうとする。しかし或る日やって来た患者は、彼と仲間が凶行をはたらいた商家の生き残りなのだった。賊の目を覚えているという娘、手術後包帯をとるくだりが圧巻。

 ロケ地、調書を見て奉行所を出てくる平次、大覚寺明智門、参道。
*医師を賊と認識するも違うと言い張り泣く娘の前で連行する親分、後味わるい結末なれど徳の高い医師に敬意を払い丁寧に扱う心遣いが静かに描かれており、救いとなっている。


第122話「平次を消せ」1968.8.28 11

 江戸に阿片を持ち込む一味を追う平次、もちろんそれが邪魔なワルどもはストレートに平次を暗殺にかかる。爆殺されかかり失明する平次、弱ったところをさらに襲う一味だが、どんでん返しが待っているのだった。

 ロケ地、荷揚げ人足の一人を捕まえる平次、不明(湖畔らしき護岸された浜、お堂も見える。唐崎あたりか)。花火師くずれの七太郎の小屋、木津河原か。町方が張っているのに気付き取引を中止する八重洲湊、不明(先と同じ湖畔か)。尾行してくる侍が実は笹野さまの路地、不明(窓のしつらいは寺社境内には見えず)。奉行所で平次を狙った男を追いつめるが爆薬が飛んでくる塀際、御香宮本殿脇。平次をやった褒美を貰う段で始末されかかる七太郎、斬られて水ボチャは広沢池東岸。「失明」した平次が療養する長岡藩医療所、民家長屋門
*実は海賊の首領の医生に外山高士、二丁拳銃で最後まで抗うが、笹野さまと親分の合わせ技で敢無くお縄。


第123話「海鳴りの狼火」1968.9.4 27

 賊を追って伊豆へ旅の親分と八、一味の一人を捕え連行の途中仲間が来襲、決死の脱出がはじまる。立て籠もった小屋にいた若い男女の恋話なんかも挿まれる。捕まえて連行する賊に中田浩二、瘧を発症し劇中ほぼ半病人。

 ロケ地、街道筋や海浜、不明。海中に突出した巨岩は柱状節理、間人の線強し。


第124話「血染めの手形」1968.9.11 27

 都市伝説じみた怪異譚をモチーフにした一話。もちろん頭からあやかしを信じない親分だから、世間が仏という備前屋の真の顔もお見通し、正直で誠実な者たちのハッピーエンドで締めくくられる。

 ロケ地、おみつが父の薬を貰って出てくる医師宅、御所拾翠亭門。直後願人坊主が出ておみつを襲うのは南側の竹垣際。亡妻の墓に参る番頭・嘉兵ヱの自刃を止めて話を聞く平次、黒谷墓地(在所は小石川設定)。ラス立ちの堀端、宇治川中州。
*モチーフの「池袋の女」は柳田の著書にも見える、ひろく流布した「噂話」。池袋に限らず、江戸市街辺縁の在所から来た下女に主が手をつけると起こる石鳴り等の怪異。うまく筋立てにからめてある。


第125話「夕顔の秘密」1968.9.18 27

 質屋から大金が奪われた事件を追う平次、あまりに都合よく用意された証拠はきっちり疑ってかかり、不幸な姉弟を見守る暖かい目は真の悪も見通すのだった。

 ロケ地、若旦那が殺されて見つかる仙玄堂、不明(花頭窓のあるお堂)
*タイトルの夕顔は若旦那の死体が握りこんでいた花、よそで殺され運ばれたことの証左となる。*冒頭質屋を訪ねる八が傑作、大荷物を見たお静の「夜逃げ?」は爆笑もの。*往生際のわるい犯人に声を荒げる親分、帳面で顔をばしっとハタいたり。


第126話「錦絵秘聞」1968.9.25 11

 岡っ引殺しからはじまる事件、抜け荷一味には骨肉の恨みが隠されていた。

 ロケ地、万七が殺された岡っ引の妹に心得を説く寺院?不明。身を捨てての潜入を思いつくお吉、中ノ島橋上。渡海屋の四男を生んだ女中の墓(谷中)黒谷墓地。品川の海浜、琵琶湖か。


第127話「おかめの涙」1968.10.2 11

 おねだり老中に競って賄賂を差し出す材木商、足の引っ張り合いに乗じて金無垢の仏さまを掠めたチンピラは、父の死因を作った松木屋を恨んでいた。チンピラに河原崎健三、その姉に江利チエミ、後で結ばれる浪人に里見浩太郎、チンピラを雇っていた松木屋の商売敵に江見俊太郎。

 ロケ地、松木屋の番頭が浪人に言いがかりをつけられる品川土手、嵐山公園か(荷車が落とされている河原の護岸が中州付近に酷似)。姉の甘酒屋へ来た弟が十手を見て逃げ、やってきた親分と行き会うのは相国寺宗旦稲荷(平次の背後に鐘楼映りこみ)
*タイトルのおかめは、罪一等を減じられるも寄場送りになる弟に涙するお絹が客から涙を隠すため被るお面。はじめ怪しい感じの浪人里見は結局善人側、ラス立ちにも参加。甘酒屋に通い詰めの八、でも万七たちもご贔屓でナンパもしている。*老中は「柳沢」…小説だと家光とか島原の乱の記憶がとかあるのに?


第128話「鏡の中の顔」1968.10.9 12

 祝言を控えた太田屋の娘、五歳の折成田山で親とはぐれた際送り届けてくれたおじさんに恩義を感じ、結婚前に会いたかったと願う。そのおじさんは出てくるし幸せいっぱいのところへ血腥い事件が多々起こるのには、きっちり裏があった。

 ロケ地、婚約者の長崎屋の若旦那とデートのお千代、不明(公園のような庭、池泉に築山・ベンチもあり・石段も見える)。「伊太八」を寄場に迎えに来た髪結いのお辰に迫る平次、木島神社本殿前。
*ニセモノ作兵衛「伊太八」に多々良純、騙り芝居の最中は福々しく親分に指摘されるやコワい顔に変貌の演技が見もの。本物の作兵衛は寄場の飯炊きで南都雄二、成田からの道中歌ってやった子守唄が泣かせる。*しかし鏡に会いたい人が映るというアレ、映った多々良純はうしろにいたのかひょっとして。


第129話「ふくろう組異聞」1968.10.16 12

 船宿勤めの女たちの哀歓を、凶賊事件とからめて描く。したたかな賊を懸命に追う親分の活躍は八面六臂、とんでもない顔に作って牢に潜入したり、盗っ人に化けたり。腕に傷を負い髷振り乱しての死闘を制するのは、やはり投げ銭。

 ロケ地、凶賊が出る高砂の金蔵、不明(脇に五本線入りの塀)。船宿・佐野家裏の堀端、宇治川畔。金箱を船に積んで逃走をはかるふくろう組も宇治、水に入るシーンは別撮りか。


第130話「潮風の歌」1968.10.23 27

 ちんぴら殺しの疑いを掛けられる若者たちだが、親分らの奔走で嫌疑は晴れ再出発のめでたい話。うまうまとワルに利用される万七親分が、地道な捜査で名誉挽回のエピソードなんかもある。

 ロケ地、若者たちの故郷・下総今ヶ崎の海浜、不明(親分が着いた際の海際に広がる棚田の光景は袖志に似るが合成くさい。浜には柱状節理の巨岩が露出、先だっての海ロケと同様間人とも見えるが、あのへんには似たような景色がいっぱいあるので特定困難)。お波が首を絞められる夜中の鎮守、鳥居本八幡宮
*実はもとヤクザの船宿の主人に高城淳一、ちんぴらその三に志賀勝。


第131話「浅野屋の娘」1968.10.30 27

 賑わう酒肆の二階での殺しには、恋人を失った女の深い恨みが潜んでいた。一回も笑わない暗ぁい玉緒ちゃんが見られる。後味のわるい結末に沈む親分は蟋蟀の声に包まれてエンド。

 ロケ地、浅野屋の娘をかどわかし店の金を盗んだかどで遠島を申し渡される孝吉、お白州は相国寺方丈前白州・石畳上。
*酒肆で浅野屋の娘の駆け落ちの経緯を手柄顔に喋り殺されてしまう軽薄な男に江幡高志、下卑た笑い顔が実に小憎たらしく、一瞬で殺意を燃え上がらせるに充分過ぎるほど説得力ありまくりなのが、さすがに巧者。ツレの工藤堅太郎もへまな感じよく出ててイイ。玉緒ちゃんと暮らしている孝吉の弟には峰蘭太郎で、珍しい前髪の若衆。あと酒肆のオヤジが初代万七の藤尾純。


第132話「怪盗稲荷小僧」1968.11.6 27

 乞われて「義賊」稲荷小僧の探索に乗り出す親分、しかし着手早々頼み手の同心が賊に刺され死亡。そののちも跳梁する賊、平次は盗っ人の行動に異なる二つのパターンがあるのに気付く。

 ロケ地、追い詰められた「稲荷小僧」が飛び込んで逃げる大川、嵐山公園中州堰堤付近水路(このとき橋は映らない)。浅見浪人を詰問する平次、中ノ島橋下手右岸河川敷(八が証拠の品を持って降りてくるのは鉄製の階、平次と浅見の殺陣は橋上に移動)。事後、神社に額づくお八重、神泉苑善女龍王社(見守る親分と八は入口付近に立つ)
*スラム潜入ものの側面を持つ話、浅見浪人が自刃の際の自嘲・住人は金が降ってくると働かず呑むばかりという問題提起に仕立ててある。浅見浪人は若林豪、雑賀衆の末裔設定。実は「潜入」ではなく、八のポカでせっかく変装していった親分はハナっから身分バレてたりする。同心の妹・お八重が兄の仇を討つべくスラムの酒肆に潜入というお話も入れてあり、浅見浪人に慕情を抱き悲劇に終わる…親分、落ち込んでる娘に狐のお面手渡すのは…意味あいは判るものの笑える。


第133話「ご寮はん」1968.11.13 27

 お店のお嬢さまに惚れられた幸吉だが、ほかに好きな女。お嬢さまが幸吉と忍び会いの際に蔵で焼き殺されかけ、その女に疑いがかかる。そしてたった一人アリバイを証言してくれるはずのおばさんは、特殊な事情を抱えていた。

*ほぼセット撮り、お仙がお嬢さまに幸吉と別れてくれと迫る堀端は、中州料亭裏かセットか判別できず。*幸吉に近藤正臣、幼い頃はぐれた母はミヤコ蝶々。大店のご寮はんとの触れ込みは果たして悲しいお芝居というよくある筋立てを情味たっぷりに展開する。


第134話「唐人服の男」1968.11.20 2748

 備前屋に出た怪しの唐人は、無実の罪を着せられ獄死した主の仇を報じるべく現れた男。粘り強く調査し真実に辿りついた親分は、同じく仇討ちの意志を秘めて潜入していた娘を保護し、ワルに向けて大芝居を打ってみせる。

 ロケ地、備前屋付近の街路、相国寺路地。町奉行所、大覚寺大門
*唐人飴売りのあちゃさんに身をやつす元使用人に和崎俊哉、「でアルよ」の剽軽な口調や踊り、唐人服姿に本来の弥助と大活躍。実は殺しはやってナイ設定。明王室の末裔という設定のお美代のチャイナドレスもあり。唐人服は親分も着用、髭もつけてノリノリ。備前屋には藤岡重慶で投げ矢とかみんなコイツ。*あちゃさん張ってた八、お茶漬けさらさら・秋刀魚焼いて食い銭湯に通う彼を見て「アイツ日本人ですよ」が笑える。


第135話「呪われた能面」1968.11.27 27

 能の家元で起こる殺人事件、跡継ぎに決まっていた次男に続き、自分の出番と小躍りしていた長兄も殺られる。家元の代稽古もつとめる有力な高弟が菅貫なもんだからてっきりこいつと思いきや、格式高い家に踏みつけにされて凝った恨みが全ての起こりと知れる。

 ロケ地、宝雲流家元邸、永観堂智福院(家へ戻る長兄のくだり、女房と別れるのは放生池に架かる石橋、奥の一つは祠のある弁天島へ渡る太鼓橋で、長兄と女房が立つのは池尻の小橋)。刺客の浪人に後金を渡しにくるお甲、北嵯峨農地・陵前付近(田地の端に蔵が見える)
*身持ちのわるい長兄と深間にはまる水茶屋女・お甲に桜町弘子。高弟に菅貫太郎、ちょっと野心も持ってみるが人殺しなんかはできないフツーの人で、菅貫としてはちょっと珍しいが、後継者にはなれぬ立場への屈折ぶりはよく出ていてさすが。菅貫だから犯人に決まってるじゃんという決め付けに肩すかし狙いもあるかも。


第136話「死人の罠」1968.12.4 12

 五年前色恋沙汰で人を殺し逃げている栄三、しかし立ち戻った江戸で殺した筈の男とばったり。混乱のうちに栄三は親分に保護され謎もほどかれるが、月日を無駄にしたことの憎悪は彼に殺人を犯させてしまう。

 ロケ地、船宿・菊川のある蜆河岸、不明(石積みの護岸、川面は静水域と早瀬が見える。ラストシーンでは欄干の低い土橋から行く船を見る画があり、中島に渡された橋とも見える。宇治の中ノ島に似るが現在は様相が違う)。菊川の亡き主の墓に詫びる栄三、永観堂墓地(北望)。やってきた菊川の娘・お菊と話すのは阿弥陀堂脇。奉行所を出てくる平次を迎える八、永観堂中門(拝観受付が無い)参道


第137話「三日だけの子守唄」1968.12.11 12

 左官の源さんが拾った赤子はお大名の子、道端で泣いていたのは御子の命を救おうとした腰元が連れ出したもので、よくあるお家騒動。その腰元の横死に怒った親分は、好まざる大名家の揉め事に関わってゆく。

 ロケ地、腰元の死体が見つかる六間堀、不明(川は早瀬、護岸は古い様態、高堤には松林。宇治か)。館岡藩江戸屋敷、相国寺林光院。藩邸を出てきた従僕?の幸助が密かに出府してきた国詰の藩士・原沢に文を託される路地、大光明寺南路地。平次や源さんが赤子をあやしているところへ通りかかり鈴を見咎める原沢、永観堂中門前。藩邸を張り込んでいた平次が、六間堀で見た編笠の武士が出るのを尾行する路地、相国寺大光明寺南路地湯屋角鐘楼(ここで見失う)。後段、その侍(留守居役)に証拠を叩きつけるのは林光院北西角(駆けつけた家老が上意を示し一件落着)
*お話の芯は赤子を引き取り育てようとする源さんで、子のない夫婦・源さんの不幸な生い立ち・遊び仲間と手を切って更生などあり、最後はお屋敷に引き取られてゆく「源太郎」に泣く人情話。源さんを演じるのは「番頭はんと丁稚どん」に出ていたコメディアンの茶川一郎。女房役は正司照江。留守居役に雇われた刺客に五味龍太郎。


第138話「女の賭け」1968.12.18 12

 三年半別れての暮らしは、恋人たちの間に越えられぬ溝をつくる。男との再会に揺れた女は夫を害し、女の行為を知った男は我が身に罪を引き受けようとするが、結局は悲しい終の別れが待っているのだった。

 ロケ地、大番屋送りの芳三の身柄を奪おうとしたならず者を泳がせ尾行する八、神光院西門本堂脇・(男の消えた先からおとせ、蔵脇から彫師が出て女を脅す。八はこれを本堂前の橋上から見ている)。大番屋、大覚寺明智門。芳三の裁きが迫り、おとせに質しにゆく平次、墓参の帰りのおとせを呼び止めるのは神光院中興堂前。平次の指摘に遂に崩れるおとせ、蓬月庵前。裁きを待つ牢内の芳三が回想するおとせとの日々、デートの追っかけっこは大覚寺天神島(池畔、碑、祠)。京へ発つ芳三を見送る平次、不明(松林沿う地道、堤か)
*おとせを落としたあと裁きの場へ引き出される寸前の芳三のもとへ伴う親分、この先二度と触れ合えぬ定めを思いやり二人にしてやる。結果おとせの自害で平次の失点となるが、樋口同心の「よく不覚をとってやってくれた」が泣かせる。*ワキ、彫師の伝法三千雄や番太の小峰一男(現・小峰隆司)が渋い。


第139話「無宿者狩り」1968.12.25 13

 オランダ使節入府を控え治安強化の下達、万七などは片っ端からしょっ引いて大得意だが、人情家の平次に同じ真似ができる筈もなく、一応連行した島帰りの伊之吉にも温情を見せる。そんななか出る賊、目すりかと悩む平次だが、信じた心は通じていた。

 ロケ地、町奉行所、大覚寺大門。無宿人狩りの一情景、橋の上の捕物、中ノ島橋。伊之吉の女房から聞きだした屋台へ行ってみると殺し、そのとき鳴る鐘のイメージ、本法寺鐘楼越しに多宝塔。分け前の相談をぶつ盗賊と火の番、木島神社舞殿脇。仲間割れするところへ平次の銭、本殿前(平次が現れるのは元糺ノ池鳥居前から)
*平次が情けをかけた島帰りの左官・伊之吉に寺田農、強面はナシ。


→銭形平次(大川橋蔵版)表紙


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