銭形平次

737〜748話  フジテレビ/東映

広隆寺キャスト
銭形平次/大川橋蔵
お静/香山美子
八五郎/林家珍平
おきよ/市毛良枝 おくみ/桂木あや
松吉/鎌倉俊明
万七/遠藤太津朗 清吉/池信一
青柳伸之介/森田健作 樋口一平/永田光男


第737話 「大激流」 1980.10.1  74

 遠く秩父で起きた事件が波及し、江戸で冤罪が発生。悪党と通じた同心が事件を壟断するが、十手を置き私人として現地に出張った親分の活躍で暗雲は払われる。

ロケ地

  • 長瀞の工事現場から逃げる人夫たち、保津峡落合崖道。追っ手迫り斬られて落ちる男は落下岩、撃たれ一本橋を掴んで流れてゆく男は落合河口、一人逃れた辰三は保津峡の巌頭に隠れて追っ手をやり過ごす。
  • 辰三殺しの真犯人・重蔵を見かけ追ってゆくおゆう、川べりの道や山道、林間は不明。これとは別に秩父へ向かう平次たちがゆく道、林道や「怖い橋」は不明、工事現場を見下ろす崖道は保津峡落合崖道(落下岩前)、「現場」に仕立てた落合河口汀に小屋あしらい。
  • 捕まったおゆうを救出し逃げるくだり、保津峡落合を中心に清滝川下流部も使い、激流下りはもちろん保津峡で「大胆な」合成もあり。重蔵が馬で岸を追ってくる道は保津峡沿いの道か、護岸やカルバートもちらりと映る。

*冤罪で入牢の大工は森次晃嗣、恋人のおゆうは日向明子。大工の友で江戸へ逃げ帰ったところを殺される辰三は石倉英彦。黒幕の、ピンハネ+手抜き工事の口入屋は田口計、そこの小頭・重蔵は浜田晃、グルの同心は石橋雅史。


第738話 「晴れ姿神田祭り」1980.10.15  48

 孫娘と仲良く暮らす老爺には秘密、そして十年を経て立ち現れる悪夢。孫の命をとると脅され蔵の鍵を開けてしまう爺さま、しかし遺児を育て上げたことで贖罪は済んでいるとして、目こぼしを決め込む親分だった。

ロケ地

  • 弥助の家へ押しかけ外へ連れ出して仲間になれと迫る隼組、不明(651,655,707話と同所、脇に灯籠林立の石段)
  • 新吉に語るおさよの回想、弥助に何度も連れて行かれた両親の墓、不明(丘の上っぽい立地、あしらった二基の卒塔婆の後ろは竿石の上に宮付きの同デザインの墓碑が並ぶ)

*元鍵師の弥助は下元勉、「養女」の孫娘・おさよは小林幸子で恋人の新吉は峰竜太。賊のかしらは汐路章で手下に中田博久や平沢彰。


第739話 「愛の墓標」 1980.10.22  48

 あまりに哀しい、男女の邂逅と別離を描く。父を冤罪で亡くした寂しい女は、懐に飛び込んできた男を庇護し愛を紡ぐが、その男は使命を帯びて行動中の工作員なのだった。

ロケ地

  • 宇和島藩江戸家老の駕籠が襲われる夜道、広隆寺東塀際。
  • 若君擁立派の脇田が、浪人してまで使命を果たした二人の懐刀を連れ国許さしてゆく街道、下鴨神社参道。参道を西側から見上げるアングルもあり、親分に打ち負かされた相良が瀬見の小川河床に落ちる図もある(撮影当時水は枯渇/現在は復元されて流水あり)。ここの設定は、先回りして三人の前に立ちはだかる親分が道中合羽羽織ってるので、御府外の街道筋・宇和島へ向かう道ゆえ東海道と推測、品川あたりか。

*無実の父が獄死したせいで影のある女となった端唄の師匠は新藤恵美、彼女の運命の相手は竜崎勝。江戸家老暗殺のカムフラージュのため辻斬りをはたらく朋輩は五十嵐義弘、二人の「浪人」を操る脇田は西山辰夫。*師匠に惚れて通いつめる万七親分、どうやったらそこまでの音痴ぶりがナイスだが聞いてるとマジで頭イタイ。


第740話 「わたしは見ていた!」 1980.10.29  48

 殺人事件を目撃する女だが、折りしも亭主に秘密の行動中。頑なに証言を拒む女を情をもって説く親分、ちゃんと亭主に話も通してやる。

ロケ地

  • 夜五つの鐘を撞く鐘楼、不明。おせんが酒肆(曖昧宿じみたいかがわしい場所設定)を出て渡る本所・二ツ目橋、中ノ島橋(橋標も「書き替え」)。若旦那が女を絞め殺していたのは橋下手右岸河川敷。
  • 届け物途中のおせんを呼び止め二ツ目の酒肆にいたか聞く平次、大覚寺五社明神祠前。
  • 若旦那の策略で犯人に仕立て自死を装い殺された男の検分、広沢池北岸
  • おせんが巳之吉に金を強請られているところへ現れ捕縛する親分、大覚寺護摩堂

*おせんは山口果林、亭主の小間物屋は住吉正博。安中宿でのおせんの情夫・巳之吉は田中浩、いつもねっとりと悪いが女に切りつけられるのは初めて見た。身籠った女を殺す外道の若旦那は高峰圭二。


第741話 「負けるな!父(ちゃん)」 1980.11.5  74

 悪党に逆ねじを食らわされ十手召し上げとなる熱血目明し、屋台蕎麦の親爺となっても永年染み付いた職業意識は消えず、結局事件に関わってゆく。家族三人三様に運命が激変するドラマを、最後にきゅっと情話で締める。

ロケ地

  • 新吉坊が落ちた橋へ行ってみる平次、御土居の天神川。この時点では木橋と土手のみ。
  • 母が見知らぬ男に証拠の鈴を渡すのを目撃する新吉、吉田神社竹中稲荷。二人がいるのは本殿脇の祠前、母をなじり駆け去る新吉は竹中稲荷参道の重ね鳥居を走り抜け、吉田神社本殿脇の参道石段を駆け下りる。ここから先は御土居まわりにスイッチ、御土居西側の現京都衣笠アーバンライフ南塀際の路地を北野さん方向へ走り、マンション南東角のラウンド塀を背景にして「谷」を下り、橋上から真っさかさまに天神川河床へ落っこちて頭を打つ運び。

*猪と異名をとる熱血目明しは下川辰平、昔の男に出てこられ姿を消す女房は谷口香、実は父の子でなかった新吉は早川勝也。御用材横流しの悪徳商人は睦五郎、つるむ普請奉行は柴田昭彦、殺し屋は浜伸二。目明しが十手を取り上げられた事件の被害者の幼馴染で、睦五郎を強請りにかかる船乗りは福ちゃん、ベタでクレジットあり。


第742話 「眠りからくり」 1980.11.12  48

 妹の死因を作った男を殺すのに、周到なアリバイを用意する女。僅かな痕跡も見逃さぬ平次により罪は暴かれ、青柳同心の淡い恋も終る。

ロケ地

  • 芸者・お涼が若旦那殺しに利用する深川の船宿・きらく、大覚寺大沢池畔に裏口あしらい。そこから船着きが見える設定で、大沢池船着(小)を使用。ここで昏睡強盗の男女二人の打ち合わせおよび若旦那殺害が行われる。船着きにはきらくの幟が上がっていて、これがアリバイ突き崩しの決め手に。
  • 若旦那の土左ヱ門が検分される大川端、大覚寺大沢池溢水口
  • お涼を連れ出しきりきり探りを入れる平次、灯籠だらけの一件は不明、石材店か何かか・灯籠とか多すぎ。
  • お涼の悪夢および若旦那への恨みを語るくだりで出る妹の「墜死」、保津峡落合落下岩(設定は伊豆・下田)

*青柳同心を誘惑しアリバイ作りに利用する芸者・お涼は結城しのぶ、彼女の幼馴染で妹を孕ませ捨てた若旦那は大月正太郎。昏睡強盗をはたらいた船頭と女中は福原圭一と中条郷子、船頭がとっ捕まる賭場の中盆は福ちゃん。


第743話 「傷だらけの恋」 1980.11.19  48

 島帰りの青年が、曲折を経て恋を取り戻す過程を描く。平次や青柳同心の見守りも泣かせる情話。

ロケ地

  • 井筒屋の番頭から、刃傷沙汰後にお店が傾いた経緯を聞いた政吉が佇み物思う橋、永観堂放生池石橋。政吉の回想、番頭の手引きでおきくと密会した神社もここの弁天社。
  • 自分を庇って無抵抗で殴られた政吉を手当てするおきく、手拭を浸す川は罧原堤下河原

*政吉は江藤潤、おきくは佳那晃子、兄で現井筒屋当主は北條清嗣。政吉の勤め先の主で井筒屋乗っ取りを企むおためごかしの腹黒男は穂高稔、汚れ仕事を請け負うチンピラは木村元。


第744話 「祭囃子に金が降る」 1980.11.26  74

 盗っ人の上前はねて殺す役人、かたや金を手にするも我が物とするに臆す貧しき民。職を汚した痴れ者に、親分のみならず八や青柳も怒りをぶつける。

ロケ地

  • お祭りの深川八幡、松尾大社。参道から楼門内外、水場や舞殿など境内をフルに用い露店やモブをふんだんにあしらって賑わいを演出。ガマの油売りが金を掘り出すのは門内側の橋たもと、金を埋めた寄場破りの盗っ人が死体で見つかるのは門続きの塀際(内側・東側)。

*旅人宿で働く薄幸の女は三好美智子、彼女を慕うガマの油売りは大山勝巳。寄場破りの盗っ人は福本清三、彼の逃走を助けた同心は宗方勝巳。


第745話 「謎の南蛮かるた」 1980.12.3  48

 抜け荷商人どもに罪を着せられ消された父の仇を討つ女、彼女を愛してくれる男もいるが、苦界から這い上がり既に目的を遂行中の復讐鬼に、他の道は開かれていなかった。

ロケ地

  • おいとが元いた品川の遊郭に向かう平次、駕籠が渡る橋は中ノ島橋
  • おいとに求婚する仙太、今宮神社境内(鳩に餌やり)。二人を見ていた男たちが武蔵屋に報告するのも境内。
  • おいとの墓、不明(大きな五輪塔あり、立地丘の上っぽい)。帰り道の平次と八が渡る橋は中ノ島橋

*おいとは香野百合子、同じ長屋に住む仙太は石田信之。おいとの父をハメた悪徳商人ども、いっとう悪いのが外山高士であとは山本清に溝田繁に鈴木淳。


第746話 「怨みの紅折鶴」 1980.12.10  75

 入婿としてお店を継ぐ話が持ち上がった男には、間の悪いことに孕んだ恋人。もちろん欲が先行し惨事が出来するが、その後怨みの形相凄まじい女が男の前に現れ手荒い報復を加えはじめるのだった。

ロケ地

  • おみのが大根を洗う小川、上賀茂社家町・明神川。裾をまくって川中に立ち、川に渡した台に野菜を並べる。おみねが勤める八百屋は三河町設定。
  • 船宿裏の船着き傍の汀に折鶴を見つけるお栄、広沢池東岸汀。
  • 大川端に上がるおみのの土左ヱ門、広沢池東岸
  • 水天宮へ赴きおみのの結んだ御籤を見つける平次、梅宮大社本殿前。
  • つけられていることに気付いた礼次郎が文七にツナギをとる茶店、梅宮大社境内にあしらい。お栄は楼門外にいて格子越しに窺う。
  • お栄を始末するべくつけてゆく文七、北野天満宮御土居西側の路地(現京都衣笠アーバンライフ南塀際の路地)。お栄を見失う文七の絵は塀南東角(ラウンド形状)を天神川の谷から見上げる構図が出て、背後から忍び寄ったお栄が彼を絞めにかかる運び。さすがに女の力では完遂できず反撃に遭うが、平次が間に合い。八が文七を捕縛するのは天神川の橋上(橋桁は木)
  • お栄が真実を告白する池端、梅宮大社神苑・咲耶池南東畔(池の石橋や神苑入口の門が映り込む)
  • お栄の回想、年老いた二親と妹と四人で暮らした信州の家、不明(萱葺きで軒瓦を出した仕様、よく出てくる一件)。江戸へ働きに出るお栄を見送った妹、柊野堰堤落差工下(堰にかかる大岩も映り込む)。おみのが礼次郎と逢瀬の夕暮れの水辺、広沢池東岸。殺される直前に姉に会いに来て赤子ができてもうじき結婚と話していたおみの、柊野堰堤(背景は落水のみのバストショット)
  • 江戸を去るお栄を見送る平次と八、罧原堤下汀(水面にくっきり、対岸の嵐山東公園の高木が映り込む)

*酌婦の姉は夏純子、妹は木村弓美。おみのを孕ませた青年は永井秀和、彼を婿に望む雇い主は村田正雄、青年とともにおみのを始末する悪い友達は根岸一正。
*紅折鶴はおみのが願掛けしていたアイテム、恨みを告知する小道具になったり、おみのの意図を察した平次たちが真実に辿り着くきっかけにもなる。


第747話 「身代り八年」 1980.12.17  75

 堅気になるため親分の罪を被った島帰り、恋しい女との再会は叶わぬ夢と終るが、思わず助けた女掏摸は愛しいひとの忘れ形見の己が娘なのだった。

ロケ地

  • 辰三郎が親分と約束した鳥越稲荷、吉田神社竹中稲荷。回想シーンでは舞殿越しに参道の重ね鳥居を望むアングル、元締が殺されるシーンは舞殿前。このほか摂社祠なども映り込む。
  • 辰三郎が女掏摸に意見する町角、北野天満宮脇お土居降り口。不適な女掏摸を殴り倒したあと辰三郎が去る路地は、お土居西側の路地(現京都衣笠アーバンライフ南塀際の路地)
  • おたかの母の元芸者・小りんの墓、招善寺。墓地参道坂と墓地が使われるほか、寺男に聞き込みの親分のくだりは本堂縁越しのアングルで鐘楼など映り込み。

*女掏摸のおたかは沢かをり。彼女の父だった島帰りの辰三郎(ノスリの辰と異名をとった掏摸)は犬塚弘。
*刑を終えて帰ってみると実は、というお決まりの展開。ステレオタイプの悪党が親分に懲らされたあと、ぎこちない父子は新天地を目指すめでたいフィニッシュ。


第748話 「一日だけの家出」 1980.12.24  75

 働かないDV亭主と幼子を抱えた女は、一から出直すという同郷の男の誘いに乗り家族を棄てるが、実は賊の一味だった男は殺され約束の場所に来ず、ばかりか賊が女をつけ回す。しかしトラブルの果て、亭主の改心という褒美が待っていた。

ロケ地

  • 浅吉がお幸に財布を託し先に行かせる夕暮れの二ツ目橋、中ノ島橋。翌日、浅吉の死体検分は橋下手右岸河川敷。後段、大家がお幸を連れ帰る際にも渡る。
  • お幸の回想に出てくる木曽の雪嶺、不明(バンクフィルムか)
  • お幸が勤める本所の悪所近くの塔、仁和寺五重塔。店で聞き込みの平次をお幸が連れ出し、塔の前で話す。背景に梵字の額が映り込んでいる。塔全体が映る、石畳を前景にしたロングの絵が最初に出る。
  • お幸が土方仕事をはじめる普請場、大覚寺聖天堂前にビケ組んで筵あしらい。土固め作業の労働歌に「ヨイトマケの唄」が流れる。子らが母に作ってきたおむすびを食べるのは大日堂前、子の健気さに嗚咽をこらえるお幸が見上げる空は聖天堂の甍越し。八に弁当を持ってきてそのまま見張りに入る親分、青柳同心もやって来て様子を聞くくだりには五社明神裏手映り込み。遂に現れた凶賊の手下を追う八、わらわら湧く人数とやりあうのは天神島で危機一髪には銭が飛んでくる。一味を全て捕縛し連行してくるところへ、品川から帰った万七と会い縄尻を譲るシーンは護摩堂前、天神島朱橋が背景に来る。

*お幸は赤座美代子、亭主は山田吾一。もっこ担ぎの女房を見て改心の運びだが、山田吾一がこんな程度で反省するはずもないし、赤座美代子がこんな程度で幸せゲットのはずないじゃんというのがウォッチャーの感想。浅吉は和崎俊哉、賊の首領は玉生司朗、深川の悪所の女将に新屋英子。
*ヨイトマケの唄は、もちろん工事現場とか小学校とかの歌詞は使われず、「母ちゃんのためならエーンヤコラ」の部分のみ使用、「放送コードに引っかかってアレ」な時点を忖度する際の資料として貴重な一件。時代劇では「長七郎江戸日記」にもこの歌の使用例あり、ロケ地は同じく大覚寺。


銭形平次 表紙


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