銭形平次
 244〜262話

瀬田橋竜宮キャスト
銭形平次/大川橋蔵
お静/香山美子 八五郎/林家珍平
お弓/土田早苗 お勝/武田禎子
為吉/神戸瓢介
万七/遠藤辰雄 清吉/池信一
樋口一平/永田光男


第244話「猪の呉れた百万両」1971.1.6 21

 年の初めは、十七年前行方不明になった娘が見つかるめでたいお話。都市伝説を信じ込んだ盗っ人が引き起こす騒動から、品川の弁天さまに捨てられていた赤子の素性が判明する。

 ロケ地、平次ファミリーが初詣の神社、不明(複雑な造りの殿舎、舞殿の向こう段差っぽい。駕籠屋が溜る鳥居まわりは竹林、同じ神社かは不明)。品川へ行く三河屋の娘の駕籠が襲われる道、大覚寺大沢池堤。お供の下女・お梅が賊に食ってかかるが振り切られるのは望雲亭木戸に似た場所だが不明(近くにお堂)。賊が三河屋の娘を監禁する浄福寺、神光院中興堂(使いのお梅を乗せてきた駕籠舁きは平次と八)。駕籠屋の権三の倅に行方不明の孫娘の話をする爺さま、大覚寺大沢池畔。撥に文字の弁天の祠、不明。三河屋品川寮の弁天の祠、御室霊場(祠自体は作り物をセット、大窪寺前の池と石橋付近でラス立ち)。とっ捕まって唐丸に籠められた萩の亥三が大坂での幼児誘拐を告白は大覚寺五社明神
*賊が狙う三河屋のお宝の正体は、お決まりの家訓。撥無しの弁天に撥を嵌めると池から泡が立ち宝船出現の仕掛けが大笑い。*万七親分復帰、勘違いで偉ぶったり欲かいて騒いだり元気いっぱい。大坂の富商・鳴海屋の跡取りだったお梅に九重祐三子、祖父の隠居に曽我廼家五郎八、17年前の誘拐犯・亥三に外山高士。お梅ちゃんに岡惚れのやもめ駕籠舁きに由利徹。


第245話「長兵衛の災難」1971.1.13 32

 博打狂いの大工は、充分すぎる証拠をもって金貸し殺しの犯人とされ死罪確定。無実申し立ての裏取りに走る平次だが、博打をした家はもぬけのカラ、証人の蕎麦屋の親爺は水死で万事休す。将に土壇場の、刀が振り上げられる瞬間まで行くぎりぎりの展開となる。

 ロケ地、蕎麦屋の親爺が水死の堀端、疏水か。水量はほぼ縁近くまであり、流速はかなりな勢い。周囲は緑濃い林。川相から自然河川ではあり得ないので水路は間違いなし、水量から西高瀬や堀川および哲学の道の疏水分線等は×、川幅から桂川用水は×、周囲の様相から鴨川運河も×。最も怪しいのは山科の第一疏水と推理、天智陵裏手あたりか。
*検分の場面から怪しいのは出てきて、その後も妙にネガティブな態度に親分が眉を顰めてるから方向性は判りやすく、見どころはややこしい仕掛けを一気呵成に解く爽快感。*大工の長兵衛に大山勝己、いちいち仕草や表情が決まっていてさすがの名優。得意げに博打の話をするとこなんか最高。


第246話「月夜ばやし」1971.1.20 32

 満月の夜に暗躍する凶賊、一味の男の周囲に見え隠れする御高祖頭巾の柳橋芸者、謎めいた展開。頑として真実を語らない芸者は、「夫」の切迫した事情にひとり心を痛めていた。

 ロケ地、満月組の上陸を待ち張り込む大川端、罧原堤周辺河川敷(ラス立ちも同所。平次らが潜む草原にはアワダチソウ満開)。柳橋芸者・音弥が征一郎と会う神社、松尾大社(亀の水場、石橋、舞殿)
*音弥に河村有紀、小柴征一郎に和崎俊哉。若くてすらりとした和崎氏ナイス、しかし彼が弱いのか平次が強いのか、泥棒に返り討ちはお気の毒。*親分、音弥の心情を慮り刀を持たせた手に介添えして…しかし職務に立ち返りビビらせるに留めるのが泣かせる。しんみり場面一転、端唄で上機嫌もいい感じ。*万七親分、音弥引っ張るべきとブチ上げるが、俺なら逆さ海老にして(以下略)はとってもお下品。これだから可愛いんだよな、三輪の。饅頭握りつぶしてアンコ付いちゃった手を清吉の服で拭いたりもする。


第247話「ぎやまん地獄」1971.1.27 32

 奸商の使い捨ての道具にされなぐさみ者にされ、数多の人が奈落に落ちる。憎さげに構える金満家に嫌味たっぷりの啖呵を切る親分、執念の十手がワルを追い詰める。

 ロケ地、追手から逃げる弥吉が蜆売りの爺さんとぶつかる石畳、今宮神社東参道(このあと東門に駆け入り、境内で刺殺される。設定は深川八幡)。弥吉の死体を無理に引き取っていった侍のあとをつける平次、入った御家人・柏木の屋敷は相国寺源光院(一帯は小普請組御家人屋敷街設定)。平次宅を訪ねたお京がならず者に囲まれてしまう神社、今宮神社稲荷社。お京の土左ヱ門が上がる神田上水、お土居か(疏水の可能性もあり)。主が頓死し閉門となった柏木邸を取り巻く町衆の中に一味の丑松を見つけ追うも見失う、相国寺弁天社。丑松がお京の妹を監禁する荒れ寺、イメージに神光院本堂裏手。
*重苦しいドラマの救いは、姉の真実を語るお京の妹に打たれ彼女を救い死んでゆく丑松。*タイトルは日向屋の蔵の地階に禁制品の悪趣味なお宝どっちゃり展示のさま、親分が「がらくた」と言い切る爽快な一幕が笑える。もっと言ってやって。


第248話「なさけ深川」1971.2.3 21

 東照宮御用材の入札に勝った武蔵屋が狙われる。地回りを使い仕掛けてくる相手、親分の口利きで武蔵屋に雇われた島帰りの老爺は彼らの元の仲間、引きずり込まれかけるが、武蔵屋の小頭が赤子のとき別れた息子と知る。

 ロケ地、祝宴帰りの武蔵屋が帰路お参りに寄って襲われる八幡さま、木島神社舞殿前(お参り中だった平次らは本殿。後段も迎えに出たお静のくだりで出る)。木場、よく出てくる材木置場と同じか(今回は山なみと木立ちが見えている)
*源太爺さんにアラカン、人斬りと異名をとった名うてのヤクザだったが組織のため罪を着るも報われず、という典型的鉄砲玉のその後設定。天狗のおじちゃんの実人生を見るようでちょっと切ない。彼が赤子の頃別れたままの息子が武蔵屋小頭、演じるは亀石征一郎で悪人どころか親方の娘といい仲の幸福な好青年。はじめ親分の聞き込みに応対した際、武蔵屋が無事か問われて目を泳がせたからてっきり「あっこいつが敵と通じて」と思っちゃったゴメン亀石さん。地回りは深江章喜、武蔵屋のお供に峰蘭太郎も見える。


第249話「幻の遺言状」1971.2.10 33

 江戸でも指折りの札差・板倉屋急死後、遺産をめぐって起こるおきまりの醜い争い。枕経も上げずにやいのと騒ぐ通夜の席から当の死体が消えて大騒ぎ、出てきたのは昔の女に寄せた板倉屋の思いだった。

 ロケ地、町奉行所、永観堂中門。板倉屋の女中が参る、一年前縊死した江州屋の墓、永観堂墓地(崖上のほう、阿弥陀堂破風映り込み)
*隠し子だった軽業一座の裏方に三上真一郎、財産受け取りを拒否。


第250話「わらべ唄殺人事件」1971.2.17 33

 叩き上げで財を成した炭屋は、娘が由緒ある大店へ縁付くのに有頂天。しかし娘が交際していた男のことで強請られ、大金を吹っかけられた直後そのチンピラが変死、童謡通りの判じ物という謎めいたゆくたては果たして仕組まれたものだった。

 ロケ地、脅迫者・伝兵衛の死体が見つかる湯島天神、吉田神社大元宮(拝殿前、崖際の柵、崖下斜面と石畳の坂)。肥前屋の若旦那の回想、お京と遊んだ向島でお供の次郎吉の童歌を聞いた茶店、今宮神社境内か。見送られ出羽へ帰る次郎吉、北嵯峨農地・竹林際。
*純朴な出稼ぎ人・次郎吉に山城新伍、炭屋の大将は織本順吉。


第251話「かどわかし」1971.2.24 21

 札差の一人娘が誘拐されるが、犯人は父親が持ってきた金を足蹴にする。娘の目の前でその父親を殺そうとする激情の裏には、鬼子母神で起きた凄惨な親子殺しが絡んでいた。

 ロケ地、お咲が誘拐される縁日の神社、および身代金持って来いの楠神社とそこから逃げる船を出す汀、瀬田橋竜宮鳥居雲住寺門前、汀は竜宮社務所裏。音吉が船をつける岸は罧原堤下か。


第252話「地獄街道」1971.3.3 21

 凶悪な囚人の護送を依頼される平次、与力が偽者入りの唐丸を運び親分は本物を駕籠に乗せ佐渡を目指す。唐丸のほうは早々と襲われ全滅、駕籠舁きも恐れをなして逃げ、平次と囚人・常五郎の二人行となり、旅程の様々な出来事は男たちの間に友情を芽生えさせてゆく。

 ロケ地、護送の中山道から越後路、ほぼ湖南アルプス(雪のない個所と雪嶺と出てくる。花崗岩の巨石が山肌に露出しているのが雪中でも判る。天神川の奥、草津川の奥などの特定は不能なるも田上山山系は確実と思うが、開発著しいことに加え第二名神工事中なので現状が気になる。遠景に段々の山肌あり、養山工事中のものと思われる。金井宿を出たあと与力一行が惨殺される千石坂の谷には特有の砂川が見られる)。江戸でお静が雪のなかお百度の神社、氷室神社や廣峰神社に似るも特定できず。湯沢代官所で入浴を勧められた平次が一味に襲われお静の渡したお守りで危難を回避の温泉、日吉山荘。平次が弥彦峠越えと知らせが入る、一味が屯するお堂、不明。*鴻巣手前の松林、木橋、池等の街道筋についてはほぼ判らず。
*護送される常五郎に内田良平、仲間の勢力を恃んで強気の彼が平次との道中を経て徐々に心を開いてゆくプロセスが見どころ。高熱に震える彼を服脱いで温めてやる、一見キショい場面もある。遂に本音剥き出しの仲間に愛想尽かしのあとは銭を取って渡す連繋も見られ、佐渡奉行所に身柄が渡される夜の男泣きは圧巻。途中出てくる佐渡奉行所与力の世良に御木本伸介、はじめ常五郎に遺恨を返そうとして平次に諭され、ラス立ちの危機一髪に駆けつけてくれるのもいい感じ。常五郎の仲間の悪い面々には伊達三郎、阿波地大輔、五味竜太郎と強面が揃う。


第253話「三度笠の男」1971.3.10 33

 久しぶりに江戸へ帰って来た家出息子がお店の危機を救う話、家に顔を出した彼を邪慳に扱い悪者だと誘導する叔父さんがきっちりワルい、判りやすい構図。

 ロケ地、橋場の衆が半次郎を殺りそこなう谷筋、湖南アルプス(下に砂がちの谷川が流れている)。下谷瑞光寺の父の墓に参る半次郎、黒谷墓地。半次郎に呼び出された手代がゆく夜道、永観堂智福院前。半次郎が屋台で待つ梅ノ木坂下、境内か。夜回りの平次が呼子を聞くお堂、画仙堂前。手代の死体が見つかる池之端、放生池畔・弁天社鳥居脇。半次郎が弟を待つも橋場の衆が現れチャンバラの三間堀、上賀茂神社ならの小川畔。店を継いだ弟・孝之助を騙して約定書を奪う気で待つ「叔父」一味、日吉大社東本宮(叔父らが待つのは樹下宮前、渡世人に化けた平次がくぐるのは楼門)
*正嫡の弟に継がせるため家を出た兄に里見浩太朗、渡世人姿。親分のラス立ちも渡世人で得物は長ドス。


第254話「虎の穴」1971.3.17 21

 周到な罠を仕掛け平次殺害を企む凶賊、それと知って虎穴に入る親分だがさすがの人数と人質に危機一髪。そこへ現れた助け手は、更生のきっかけを与えてやった元辻斬りだった。

 ロケ地、まさかり組に雇われた的場浪人が平次に挑みかかる林、不明(松が目立つ。二連の蔵と収蔵庫みたいなお堂の裏手が見える)。大山詣りの街道、ほぼ不明(林道タイプと、峡谷の崖道タイプと二種に大別できる)。平次を父の仇と狙うお京に連れ込まれる小屋、砕石場跡か(岩盤の露出した大きな崖と丈の低い疎林、遠景に養山中のような段々)。事後、納め太刀を携えお山に登る平次とお京、豊国廟参道石段
*本格の盗賊だったまさかり組のおかしらを惨殺したうえ、これからの仕事に邪魔な平次を殺す算段の外道・伝次に今井健二、橋蔵の銭平では珍しい救いようの無い凶悪な人物を好演、顔見るだけで怖いさすがの説得力。手下の蛾次郎もいい味。親分に情けをかけられすぐに更生しちゃう単純な辻斬りさんに佐藤充、殺陣ちょっと硬めなのは「峰打ち」って念押されたからか。吉田義夫演じる先達怪しすぎ、金貰って転ぶ性格は親分がお見通し。*貰ったばかりのお手当てを全部あげちゃうとか、盗っ人の供養を黙って行うとか、クサいまでの伏線が収斂する筋立ては見事。後を追う覚悟で「来ちゃった」お静という特大のおのろけも入っている。


第255話「狂った武士道」1971.3.24 33

 「おさむれぇってやつは」もの、話を引っ掻き回すのは武士どころか人にあるまじき卑劣漢。その男の厳父と剣友もまた武士の体面のため己を曲げるさまが描かれ、武家の女として生きてきた男の妻女は別の道を選択することとなる。

 ロケ地、「俵藤主水」とされる武士の死体が見つかる川辺、日吉大社境内・大宮川河川敷。俵藤邸、金戒光明寺瑞泉院。通夜の席で主水の父に面罵された新庄鉄馬にものを尋ねる平次、大覚寺五社明神(観月台映り込み)。主水の墓、黒谷墓地。外で鉄馬が屋敷を窺うと見た主水の父が槍を持って走り出てくる坂、金戒光明寺長安院下坂(平次らが来合わせる)。「主水」の死体が見つかった川辺で平次に主水と会った日のことを語る鉄馬、回想には走井橋上から河原が使われる。身代りにされた浪人の墓へ参る主水の妻女、黒谷墓地


第256話「辻占せんべい」1971.3.31 3362

 世話好きで通る煙草の振り売り屋は賊の一味、大店の内情を探るため仕立てた娘さがしだったが、盲目の孤児に情が湧いての深入りは身を誤る結果となる。

 ロケ地、お直が辻占煎餅を売る神社、新日吉神社境内(辻占売りは水場付近、蔵や楼門の翼が背景に。親分が入ってくるシーンは楼門)。亀八の墓、黒谷墓地
*亀八に大坂志郎、ワルになりきれぬ気のいい親爺を好演。偽者のはずの娘が実はという救いもついている。


第257話「死霊のお告げ」1971.4.7 33

 大店の後継に隠し子の我が子を押し込もうとはかる悪党、親分の知るところとなり、観念させるためワルが使った手でお返しの大芝居、道具にされた子も安堵されメデタシの幕。

 ロケ地、お静が実は才賀屋の孫だった坊を連れ、殺された坊の母の塚へ参る下谷妙法寺、西教寺(ヤクザに囲まれる塚は墓地、親分に追われた藤岡重慶が消されるのは大師堂)。事後、本物の孫の坊と大番頭の隠し子だった「天一坊」が鮒とりの川、上賀茂神社ならの小川
*才賀屋の主を引っ掛ける小道具は霊媒師の婆さん、魂おろし憑依シーン大笑い。


第258話「どくろ駕籠」1971.4.14 33

 法仙寺駕籠から白骨死体が出る事件、身元からして怪しい謎の裏には、娘可愛さゆえに仕出かした乱暴と横暴が隠れていた。

 ロケ地、浅野屋の丁稚に兼吉の首実検をさせる縁日の羅漢寺、不明(物と人多過ぎ)。死体隠しをさせた民五郎を始末にかかる駕籠甚を捕縛する夜のお宮さん、木島神社舞殿脇。
*甚兵ヱに原健策、娘夫婦を脅しにかかった駕籠舁きを絞める怪力怖し。パワー系仕事人並みだけどなんか事後処理とか雑、こんなだから店先に吊るした駕籠で死体腐ってても気付かないんだな。


第259話「七年目の十手」1971.4.21 33

 父を殺し出奔したお尋ね者を追って江戸に来た南部藩の若者、江戸の町方の手は借りぬと当初鼻息荒し、しかし藩に期限を切られ進退窮まり結局親分に助けてもらうことになる。

 ロケ地、若槻英之進に斬りかかる殺し屋、嵐山公園南岸堀端(川向こうに中州料亭の萱葺き屋根)。殺された元南部藩士の遺骨を抱いた娘と若槻が出てくる寺、常寂光寺仁王門と参道石段。この続きできっと仇を探し出すと述べる若槻のくだりは大覚寺大沢池堤
*若槻青年に太田博之、両替商になりおおせている仇に加賀邦男、若槻を慕い手助けを買って出る元不良少女に江夏夕子。*タイトルは若槻の父が南部藩与力なことから。ラス立ちでは仇を追い詰める青年に、平次が自分の十手を投げてやる。


第260話「親子の絆」1971.4.28 3362

 呉服屋の若旦那が実父と邂逅、しかし父は卒中を起こし帰るに忍びず。この事態に悪心を喚起された隣人が、とんだ誘拐騒ぎを引き起こす。

 ロケ地、南本所への渡し場、罧原堤下河原。身代金を置けと指定の稗田神社、不明(参道は短いステップつき、その脇に小さな屋形)
*若旦那に柴田p彦、実父の大工に藤尾純。*おやつ食べてて見張りをしくじる万七親分、清吉持参のゆで卵は網袋にどっさり。


第261話「母子つばくろ」1971.5.5 33

 悪い男に騙され苦界に落ちた上方役者、行方知れずの母に会うため子が江戸にやって来るが身を恥じ名乗れず、そのうえ男の奸計で縁も無い女賊の身代りにされてしまう。

 ロケ地、坊を連れ江戸へ向かう途中のおすみが竹筒に何やら仕込むアイパッチの男を見る宇津ノ谷峠、不明(山道と谷川)。品川宿で女賊・弁天のお駒を待ち受ける平次、琵琶湖西岸に茶店あしらい。鈴ヶ森で雲助にからまれる坊とおすみ、舞子浜
*悲劇の母に藤間紫、坊は大川辰五郎、お奉行に高田浩吉でうるうる人情劇。


第262話「黄金の罠」1971.5.12 22

 射幸心を煽る富籤興行の黒幕は薩摩藩重職、一番富を引き当てた者を闇に葬りアガリはごっそりの魂胆。無辜の民を虫けらの如く殺した者どもを放っておけぬ平次、死を覚悟して威勢よく啖呵を切る。

 ロケ地、どこか怪しい易者・青雲堂が帰り道に芸者とばったり会う橋たもと、上賀茂神社神事橋。青雲堂を腕試しし殺し屋にスカウトの島津侍、ならの小川畔。富突きが行われる浅草の神社、新日吉神社(楼門、境内、舞殿)。札改役の大槻掃門の駕籠がゆくのを青雲堂が見ている夜道、上賀茂神社奈良社鳥居。八が富籤の払戻金について聞きこむ社務所は御香宮か。薩摩藩邸、仁和寺本坊表門
*不敵な元侍の青雲堂に若林豪、平次決死の立ち回り中に介入し正体を明かす。銭平には珍しい印籠ものパターン。千両富当てて殺される左官の江波多寛児(現・江幡高志)や、按摩の梅津栄もいい味。*親分、乗り込み時下に着込んだ白装束は背に念仏入りで襷掛けで決め、さぞ段取りが大変だったろうと思われる見せ場いっぱいの多彩な殺陣を披露。*今回でおしまいの土田早苗のお弓ちゃん、寿引退設定で「次の娘」もちらっと顔見せ。


→ 銭形平次  大川橋蔵版表紙


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