兇賊
鬼平犯科帳スペシャル
2006.2.17CX

 芋酒を呑みにやってきたお侍に惚れ込んでしまう元盗っ人の九平は、その正体が鬼の平蔵と知り姿を隠す。しかし昔の誼で五郎蔵を頼り匿われた先は五鉄、しかも彼は故郷を訪ねた折に凶賊・網切の甚五郎が平蔵に宿意ありとの密談を聞いてしまっていた。

沢ノ池

ロケ地

・故郷・加賀の田近谷を訪ねる九平、美山町かやぶきの里(北村の公民館近くの民家、登り道の上にある萱葺の門)
・倶利伽羅峠で雷雨に遭い地蔵堂に雨宿りする九平、沢ノ池東岸汀(ラスト、甚五郎を待ち構え成敗する鬼平も同所)
・加賀やを出た九平が行き暮れて佇む堀端、八幡掘明治橋下堀端(五郎蔵が橋上を通りかかり見つける)
・匿われた五鉄で地蔵堂で見た一味の男を認め尾行する九平、妙心寺聖澤院前路地上賀茂神社ならの小川畔〜酵素の「木」の後ろへ入り川を渡って竹林→民家セットへ。このコースはあとで伊佐次が尾行し「ならの小川」の祠脇でまかれるが、おまさに語った道筋は「久保町から梅窓院の脇道を南へ・青山様の下屋敷から小川に沿って赤い社の並んでるとこ」。梅窓院は今も青山通りにあるから、「久保町」は秩父宮ラグビー場あたり、「青山様」はいま青山霊園になっている青山大膳亮邸(参照した切絵図は天保年間のもの)ということになる。「小川」は切絵図には認められるものの現在跡形も無いが、外苑西通りの曲折が名残りと思われる。「盗っ人宿」は、「大安寺の大屋根を望む丘の上の百姓家」と原作にあるから、いまの西麻布あたりと推測される(切絵図に「原宿村」とある付近)
・甚五郎の盗っ人宿を見張る九平、出てきた男を尾行するルート、日牟禮八幡宮(拝殿前)八幡掘(上下二段の個所)大覚寺天神島宝厳院通用門(向島料亭・大村、内部はセット撮り)。このルートは原作によると、青山通り〜麹町〜神田川沿いに両国へ出て大川を渡り向島へ。
・大村の小女が内緒で猫に餌をやっているのに声をかける九平、大覚寺天神島祠脇。
・盗っ人宿を覗いていて見つかった九平が簀巻きにされ放り込まれる裏の溜池、天神島鳥居前・大沢池
・屋敷へ帰ってきて平蔵からOKを貰ったと「最上監物の家来・山本」に告げる天野彦八郎、建仁寺久昌院前庭、縁先(遠景に法堂の大屋根がのぞく)。「密通」にある天野邸の住所は麹町・表六番町。市ヶ谷御門内の旗本屋敷がびっしりと並んだ一角、いまの麹町郵便局あたりか。
・「最上監物」が寄越した迎えの駕籠に乗り平蔵がゆく道、八幡掘堀端〜大覚寺天神島宝厳院通用門(料亭・大村)

*九平が頼る昔馴染みを「大黒の吉右衛門」から五郎蔵さんに変えてあり、従って寄宿先は「青山久保町のいせや」ではなく本所の五鉄。尾行ルートがちょっと怪しくなるが、せっかく劇中伊三次が語ってくれているので脳内変換。
*「只者」でない九平の足運びが映像化されていて、ちょっと言いたいことはあるが見もののひとつ。
*グルメ描写は芋酒屋の原作どおりのアレのほか、あんまりおかしらが芋酒屋をほめるもんだからむらむらと対抗心を燃やした猫どのの芋尽し。
*鷺原の九平は小林稔侍、網切の甚五郎は大杉漣。冒頭すぐ死体になってしまう馬返しの与吉に本田博太郎、回想シーンも無しで勿体無いが存在感は大きい。芋酒屋にくる夜鷹のおもんは若村麻由美、化粧もいい感じ。久栄の伯父の天野彦八郎に神山繁、このお話の限りでは「密通」にある破廉恥漢ぶりはなく、平蔵に無理を言ってくるだけの気のいいオジサン。
*ロケ地、今回沢ノ池の倶利伽羅峠は第一シリーズの米倉斉加年版兇賊では谷山林道。料亭・大村は同じ「旧中山邸」の通用門。沢ノ池が峠に見えるかというと、ちょっと苦しいかも。


→鬼平犯科帳 視聴メモ 表紙

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