松田定次監督作品 1961.10.14東映 |
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新選組副長・土方歳三の恋を描く異色作。時流や新選組内部の話は、土方の置かれている状況を表すために挿まれる。
ロケ地 ・見知った長州の侍が緊張の面持ちで走り去るのを見るお房、八坂神社境内・絵馬堂前から本殿への石段を望むアングル。直後土方を襲い返り討ちに遭い、止めの刀にお房が割って入るシーンはセット、もろに作り物だが丁寧な仕事がしてある(設定は祇園さん境内)。 *土方の性格設定は傍目は規律にうるさい鬼副長、しかし内面はナイーブという最近では珍しくないものだが、これを描くのに平隊士の処断や山南総長断罪を持ってくる。女の子といちゃついてて役目をしくじり切腹となる平隊士に里見浩太朗、山南は岡田英次でなかなかに見せる。近藤勇の月形龍之介も「型」をよくつとめいい感じ。御大演じる土方のなりは総髪の切り下げ髪、お年召しすぎかもの千恵蔵土方をちょっと若く見せている。隊服は白基調の浅葱ダンダラ。里見の父に志村喬が配され、土方が恨み言を黙って聞くシーンがあり秀逸。ラストの土方は東帰の船上、江戸での再戦を期し暗いけどやる気満々、でもそっとお房の名を呟いてみる演出が心憎い。*お房に入ってくる情報は、店を手伝っている妹の亭主が町の噂を聞き込んでくる設定で、これがなかなかに利いている。後家さんの火遊びに終わる哀しい恋が、一方のテーマにもなる脚本は素晴らしい。*東映時代劇の旗手である松田監督が作った、勧善懲悪のラス立ちがない「明るく楽しい東映明朗活劇」とは毛色の違う貴重な一作。新選組ものとしても異色、沖田総司が出ていたこともあとでクレジットを見直して気付いた。 |