怪談 牡丹燈籠
1982.8.13CX/映像京都

 新三郎を林与一が、お露を佳那晃子が演じた、恋が基本の簡潔な筋立て。
妻を亡くして失意のうちに暮らす新三郎は、旗本の娘・お露と出会いすぐ恋に落ち二世を誓う仲となる。しかし二度目の約束の場所に来ないお露、焦れる新三郎は屋敷まで行ってみるが訪ねはならず、しかし不思議に生々しい白昼夢を見る。会っていない筈のお露の香箱の蓋が手にあるのを怪しむうち、夜更けた長屋にお露と侍女が駒下駄の音を響かせ訪ねてくる。

広沢池

 ロケ地、助けてくれたお礼を言いに訪ねてきたお露(この時点ではナマモノ)を送ってゆく川辺、上賀茂神社ならの小川(また会ってくれと新三郎のほうからせがむ)。初デートの観桜、大覚寺大沢池堤天神島大楠の根方(新三郎、求婚)。これを見ている義理の母・お国と隣家の次男坊(この二人は不倫関係、お露に対する良からぬ企みをヒソヒソ)は広沢池西岸か。四谷左門町の旗本・飯島平左衛門邸、妙心寺養源院。伴蔵の出す猪牙船で釣りにことよせて飯島邸の裏塀を見にゆく新三郎、広沢池東岸(塀をあしらってある)。訪ねてくるのは死霊と言われ確かめにゆく新三郎、妙心寺路地養源院(門に竹矢来)。番所で飯島家で刃傷があり娘と侍女が手討ちになり当主は狂乱の果て切腹と聞く新三郎、外に見えているのは衡梅院。お露の墓へ行く新三郎、相国寺墓地か。寺の和尚に死霊に憑かれていると断定され護符を渡される新三郎、相国寺大光明寺方丈縁先。

*コワい表現は抑えめ、美男美女のキャストを生かし美しくかつ渋く仕上げてある。墓地のビジュアルが秀逸、円朝の見立てでは谷中・法受寺の荒れてさ加減や、燈籠を吊るしてある奇妙に捻れた大木も良し。*護符貼られて一夜目にして連れ出し成功の運び、一ヶ所見逃された小さな穴から入られてしまう。*長屋衆に谷啓(伴蔵)や殿山泰司(八卦見)、和尚に山形勲(護摩焚いて真言を唱える)。


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