月形半平太

マキノ雅弘監督作品
1961.4.25東映

キャスト
月形半平太/大川橋蔵
梅松/丘さとみ 染八/青山京子
早瀬辰馬/里見浩太郎 小宮山俊平/平幹二朗
西郷吉之助/近衛十四郎 桂小五郎/高田浩吉


 時は幕末、薩長連合成立前夜の京。藩論統一のため長州へ帰った桂小五郎に後事を託された月形は、同志の暴発を抑える役目を果たすが理解されず憎まれ孤立、四面楚歌となる。京に潜入した桂から連合成るを聞く月形だが、その夜彼は同志の手で新選組に売られ、壮絶な斬り死にを遂げる。

頼山陽 本能寺

ロケ地

  • 桂・西郷会談が行われている大乗院、曼殊院勅使門(このときは役者入らず)
  • 見廻組の過酷な浪士狩りの噂をする舞妓たち、八坂神社本殿前。
  • 長州浪士の寄合が持たれる二軒茶屋、本物(祇園さんの西鳥居も映る)
  • ごろつきにからまれた舞妓・歌菊を助ける見廻組の早瀬、上賀茂神社奈良社前。
  • 会津本陣(見廻組本部?)御所長屋門
  • 長州藩邸、不明(長い塀、背の高い門)
  • 萩の城門を出る早馬、不明。それが京へ走る街道筋、不明(堤と野原の地道)
  • 偽の桂の文で月形が呼び出される松ヶ崎大乗院、曼殊院勅使門(駆けつけた早瀬の立ち回りは下の塀際で)

■工夫を凝らした橋蔵の殺陣がたっぷり拝める。桂や西郷を逃がし新選組と戦う際の、本能寺を吟じながらの立ち回りは華麗。見廻組に襲われる夜道では、べろんべろんの千鳥足でのユーモラスにして雄渾なステップ。そして圧巻は大乗院本堂での大立ち回り、大広間で気配に向き直りくるりと羽織を脱ぎ捨てる所作からもう憎いくらい決まっていて荊軻の吟も良し、二刀流も駆使しての殺陣は悲壮感たっぷり、血塗れ大わらわで「混乱」のシーンは一場の舞の如く・バックに流れる春畝公の詩もよくハマる。
■新国劇で有名な「春雨じゃ」は、傘をさしかける染八に「ナニたかが春雨」。
■松ヶ崎大乗院は現存せず、松ヶ崎廃寺塔頭の大乗院と思われる。都名所図会にはそれらしき甍が描かれている。


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