名奉行!大岡越前
第二シリーズ  2006年 テレビ朝日/東映

キャスト
大岡忠相/北大路欣也
香織
(忠相の娘)/水橋貴己 池田大助(内与力)/冨田翔
笹倉采女
(筆頭与力)/金田明夫 与平(門番)/奥村公延
おりん
(密偵)/涼風真世


第1話 2006.4.18

 お奉行が大川端で蘇生させた土左ヱ門は記憶喪失、すぐに身内がやって来るが三組も現れ三様に怪しい節もなく謎めく展開。この上に、駿府から来た岡っ引が女は殺人犯と主張、ますますややこしくなるが、お奉行はそれぞれの人体を鋭く見ていた。

 ロケ地、南町奉行所へやって来る役人の辿る道筋で奉行所の位置と広さを説く冒頭のくだり、姫路城天守(甍と合成)南禅寺僧堂坂妙心寺玉鳳院前路地妙心寺大通院裏路地映画村屋敷町セット(奉行所門)。香織がおりんを待ち構えて父との関係を詰問のくだり、八幡掘明治橋上からおりんの乗った船を見て、新町浜で話す。ここで死人と騒ぐ声、場面河原に切り替わりお奉行が女に活を入れるシーン、桂川松尾橋上手右岸汀。女の夫と名乗り出た一人・飛脚の喜助が状箱を持って走る街道、大覚寺大沢池堤(昼を使うのは天神島大木の根方)。役宅から女を斬られたかも知れない場所へ連れ出すお奉行、大沢池船着(小)。女が駿府で夫を刺したヌタ場、広沢池観音島南側の池底(水無し)。お裁きの後、おりんと女の行く末を話すお奉行、大覚寺天神島朱橋(香織が来て犬を押し付けられお散歩は放生池堤)。江戸払いになった女がゆく街道筋、大沢池北岸並木。
*のっけから部下たちはお奉行がいないと探していて、またコレ(酒)などと言われているうち登場するお奉行は井戸端で二日酔い。娘には女性関係を忖度されていて、前シリーズと変わらずホントに名奉行?扱い。周囲がなんだかヒステリックな割にお奉行と老僕はゆったりと静謐なのも同じ。


第2話 2006.4.25

 玉扇堂主人の誘拐事件、本人が見つからぬまま開かれるお白州。お奉行は謎解きとともに心得違いの家族を諌め、主が自分の金を持ち出しただけの事と扱い、全ては夢と笑う。

 ロケ地、おりんの屋台で知り合った人足の源助に声をかけるお奉行、上賀茂神社ならの小川(源助は神事橋上、欄干に腰掛け)。玉扇堂の下女が身代金を携え赴く富岡八幡宮、上御霊神社楼門〜参道〜舞殿前(源助と「ぐる」のおりんが場所変更を耳打ちして去る)。要橋で接触を待つ下女、八幡掘明治橋(堀端に変装した町方が詰める)。橋から金を放らせ受け取った源助の船が去るのは新町浜。おりんが神社から出たあと古着屋で追っ手をまくくだりは、映画村お化け屋敷脇をうまく使ってある。
*源助に竜雷太、爺さん役なことにちょっと感慨。商家主の画はEDにあるが、汚いカッコのほうがハマると思うのは浪人姿ばかり見ていたせいか。*お奉行の夢発言に書記の手が止まっているのがおかしい。


第3話 2006.5.2

 四十年前の刃傷沙汰の真相を解明するお奉行、お白州にたっぷり尺をとり科学的証拠を突きつけ真犯人を屈服させ、仇と追う身と追われる者の日々、恋人たちが無駄に過ごした月日を埋めよと勧める情話で締める。

 ロケ地、茶道師匠・宮部波津邸、大覚寺望雲亭(主に草戸を使う)。波津邸からの帰り、師匠の話をするお奉行と香織、八幡掘堀端(導入は明治橋から)。波津の義弟(夫の弟)の浪人が斬殺されて見つかる水辺、広沢池東岸(北寄り)。味噌問屋・諏訪屋が語る仇討ちの経緯、宮部と結婚前の波津が浦沢とお参りの神社、大覚寺五社明神(正面、セピア)。浦沢が偶然波津と会い、宮部を斬っていないと告白する神社、梅宮大社本殿前。事後、義弟の墓へ参る波津と浦沢、大覚寺大沢池北西畔。隠れて二人を見守るお奉行と香織は五社明神前、波津らが帰る道、放生池堤
*波津に池内淳子、諏訪屋に佐野浅夫、浦沢に川津裕介、義弟の市之丞に福本清三(登場時死体、回想シーンで台詞や立ち回り←斬りあいではなく佐野浅夫を詰問していて刀とられてぶっすり・海老反りあり)。*冒頭の町なみ、お城は姫路城天守に似る。


第4話 2006.5.16

 奉行所からトンズラこいて昼酒呑んでいたお奉行、殺人犯として北町に連行されてしまう。暗い顔をした証言者の酌婦は、幼い頃生活苦から盗みを働き責められていた自分を信じてくれた男を庇っていた。

 ロケ地、昼酒のお奉行が北町の捕り方に連行される茶店、大覚寺護摩堂裏手広場(酌婦と与力がお奉行を見て確認しているのは心経宝塔基壇の石垣脇)。帰ってこなかった父に怒り堀端をゆく香織に声をかけるおりん、八幡掘新町浜(おりんは船でやって来て横付け。後段、おりんの報告を受けるお奉行も同所)。おしまともう一人の目撃者の遊び人を刺す北町与力、大覚寺天神島祠脇。事後、江戸払いになったおしまが見送られて旅立つ街道、嵐山自転車道
*お奉行は北町の牢に入れられ、笹野が受け取りに来るが北町の扱いがアレなので意地張って居続けたり、大トラとして再度戻ってきたりといいだけ皮肉をカマす。北町奉行の居室に届けられた菓子箱をネタにしての嫌味もあり。


第5話 2006.5.23

 権力者の犠牲になった恋人たちの仇討ちと見えた件には、永年の怨みも隠されていた。決定的証拠が出ぬまま開いた白州で、お奉行はまたハッタリかまして自白を導く。

 ロケ地、人気役者の銀之丞が斬られる道、大覚寺有栖川畔。江戸城イメージ、姫路城天守。政吉とお房の墓、二尊院墓地。二人が心中死体で見つかった御厩河岸近くの大川端、広沢池東岸。登城したお奉行が御年寄・尾島に呼ばれる野点の席、二条城二の丸書院裏手。大助と二人政吉たちの墓に参ったお奉行が犬の散歩中の香織とばったり会う帰り道、二尊院紅葉の馬場
*元御家人の絵師・川喜多俊斉が狙う相手に示す斬奸状代わりの無残絵がなかなか凝っている。役者と悪徳商人のはフツーに殺されてるだけだが、尾島のは石抱き拷問。俊斉に橋爪淳、尾島に辻沢杏子。


第6話 2006.6.13

 恋い慕う女のため謂れのない罪を着て出奔した男は、再び罪に落とされかかる。死も覚悟し全て己の仕業と主張する男だが、隠されていた真実がお白州で明らかとなる。

 ロケ地、村松藩江戸家老が娘に婚礼支度の進み具合を聞く庭、二条城清流園。斬殺された家老の傍らで血刀を持って立っていた佐竹浪人が捕縛される波除稲荷、今宮神社稲荷社前(白州での「再現フィルム」もあり)。牢内の佐竹の回想、柴田に渡してと鴛鴦の根付を託される水辺、広沢池東岸。柴田に相談を受け己が罪を着て脱藩すると申し出る佐竹、大覚寺護摩堂前汀。事後、逍遥のお奉行ファミリー、放生池堤


第7話 2006.6.20

 香織が知り合い懇意にしている小間物売りの女、母を亡くした香織と娘を亡くした女は深く心を通わせる。女は娘の死因を作った相手を許せぬまま十年を過ごしてきていた。

 ロケ地、おふじに届ける花を摘む香織、大覚寺大沢池北東汀。丹波屋の女将が殺されて見つかる郊外の野、鳥居本八幡宮広場。縁日で香織とおふじを見かける大助、今宮神社境内。舟着きに佇むおふじに声を掛ける香織、広沢池東岸。二人に声を掛けおふじに挨拶するお奉行、大覚寺放生池堤。十年前の誘拐事件のことを口にするお奉行、大沢池畔に茶店セット。おふじが丹波屋の女将を亡き娘の花簪で刺した野原、鳥居本八幡宮広場(夜)。事後、川辺に佇む香織のところへやって来るお奉行、上賀茂神社ならの小川。
*おふじは浅茅陽子。*おふじのことを父には内緒と大助に話す香織、お奉行の誘導にコロっと乗ってつらっとゲロる大助にカンカン。また、おふじに突然絶縁を言い渡され「父上が」と怒って「表」にずんずん罷り通るオーラを一同恐れるさまが大笑い。


第8話 2006.7.4

 用心棒の浪人が雇い主を殺したとされる北町扱いの事件、父の無実を信じる娘を拾ったお奉行が動き真実は明らかとなるが、ちょっと待ての幽霊が残ってしまう。

 ロケ地、北町同心を刺そうとしていた浪人の娘・お京を阻止し話を聞くお奉行、上御霊神社本殿裏手。お京が北町同心らに消されかかる夜の神社、竹中稲荷参道〜本殿裏手摂社群。
*話の起こりの稲荷堂に出る幽霊は峰蘭太郎、鼻筋の通ったお顔が下から照らされギャーな雰囲気満点。EDのうばぁなヤツもナイス。お芝居じゃなくマジで「出ている」設定が笑える。お白州もわざわざ日暮れてからやってて、篝火消えたりなんかする。何度もねじこみに来る北町年番与力を丸め込む笹倉さまも笑える。


第9話 2006.7.11

 死んだ筈の盗賊が江戸に舞い戻り訴人した男にお礼参り、穏やかに幸福な家族を切り裂く。女房は亭主が残した血文字の意味を解すが黙し白州でも証言を拒むが、お奉行の心利いた誘導で暴露せぬほうがよい真実は伏せられたまま結審。

 ロケ地、殺された元密偵の墓、鳥居本奥の竹林か(巨石の傍)。遺された女房に知る情報をぶつけ迫るお奉行、大覚寺大沢池北岸(庭湖石前)
*上方商人を装う賊に西田健、お白州でバックレの舌なめずりも良し、侠気を求められての陳述もさすがに巧者。賊の情婦だった「母」に多岐川裕美。*EDに被せ香織と大助との結婚を示唆。


第10話 2006.7.17

 お奉行襲撃事件が出来、黒幕と見えた爺さんは知らずに操られており、彼を庇った娘の出自がお白州で明かされ情話となる。

 ロケ地、襲撃実行犯について報告するおりん、大覚寺大沢池畔。このときお奉行を凝視する「鈴を投げた女」は五社明神にいる。粗朶を拾うその娘に声をかけ、槍から助けてくれた件を持ち出すお奉行、鳥居本八幡宮広場。水辺に佇みもの思う「鈴の娘」、大覚寺天神島(お奉行とおりんが見やるのは水路隔てて北側の池辺から)。所払いになった隠居と二人甲州路をゆく娘、酵素ダートか。事後、お散歩のお奉行と香織、大沢池北辺水路際並木道。頼まれた酒を持って駆け寄る大助、遣水跡芝地
*実は元老中筆頭の忠相を狙う隠居に長門裕之、頑固爺設定で「女中」の「鈴娘」おふさを怒鳴りまくり。おふさは遠野凪子。*槍で突かれても布団から抜け出すお奉行、最終回は脱出お奉行に皆してハァ↓な情景が過剰なくらい描かれて幕を閉じる。


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