新桃太郎侍  2006テレビ朝日/東映

上賀茂神社 ならの小川

キャスト
桃太郎(桂木新二郎)/高嶋政宏(丸亀藩世子新太郎と二役)
お葉(矢場・あたり屋女将)/富田靖子
蓑吉(瓦版屋)/ヒロミ 松吉(あたり屋下足番・オカマ)/宮下直紀 亀八(地回り)/浪花勇二
神島伊織(丸亀藩江戸家老)/津村鷹志 伊之助(桂木家従僕・元盗賊)/左とん平
千代(桃さん養母)/中村玉緒


第1話 2006.7.25

 仕官が嫌で家を出て矢場に居候中の「桃さん」桂木新二郎は弱いものいじめが大嫌い、侍に囲まれピンチの女を助けるのがお話の発端。桃さんが見惚れた美女は、刑死した夫の無実を晴らそうとしていた。

 ロケ地、おとせが上田藩士に斬られかかる市中、仁和寺水場(背景に観音堂)。おとせを逃がすものの大勢出たので逃げた桃太郎が走る路地、妙心寺大庫裏脇路地福寿院道(このあと池之端の自邸に)。桃太郎とそっくりの「若様」が入ってゆく丸亀藩邸、大覚寺大門。矢場の女将・お葉との馴れ初め、入水と間違い止めて揉み合い二人して落ちる橋、中ノ島橋。お葉が鼻緒を切った桃さんの母・千代を助ける川辺、上賀茂神社ならの小川(そのあと二人が話す茶店も川辺にあしらい)。今の俺は喜十ではないと呟く伊之助、大覚寺大沢池西岸。おとせが息子を待たせていたお堂、仁和寺経蔵。雨の夜、上田藩江戸家老の企みを桃太郎に告げる伊之助、大覚寺勅使門橋下・御殿川河床。おとせに仇討ちをやめ房州へ行くよう説得する桃太郎、妙心寺法堂基壇。

*雷蔵のは貴公子、英樹のは豪快だった桃太郎、この高嶋政宏版はひとことで言うなら野獣系。髷は結わずポニーテール、成敗衣装は白地に裾が赤で桃太郎伝説の刺繍入りの薄物を被き、まっかっかの着流しは可愛い桃柄散らし、鬼面はナシで白マフラーをマスク巻き、決め台詞は「天に代わって鬼退治に参上!/天魔不動剣に映りしおぬしの姿、鬼に見えたり」→母上に向かって「斬ったのは人でなく鬼」と言い訳。
*おとせに羽田美智子。*桃さんの出自は若様をちらっと出して、玉緒ちゃんが実子でないと呟くことで匂わせる。
*福ちゃんチラリは道場主KOシーン、弟子の一人。


第2話 2006.8.1

 矢場の新入りは訳あり女。いきなり店の金を盗ったりするが、ヒモじみた男との間には涙の事情、二人が新生活をはじめた矢先その「事情」がらみの刺客が差し向けられる→血塗れの二人を看取った桃さん暴発。

 ロケ地、「母上」がお葉に息子とのお見合いを頼み込む茶店、上賀茂神社ならの小川畔にあしらい。財布を盗った仙之助を追った桃さんがハマる川、桂川か。丸亀藩邸、大覚寺大門。矢場新入りのおれんが仙之助に金を渡す船、大覚寺大沢池北辺水路に繋留(つけてきた桃さんは池畔の並木に)。ガミガミ母上を怒鳴ってしまった桃さんが落ち込む水辺にやって来て謝るよう諭す伊之助、桂川松尾橋下手右岸水制上に染物干し場あしらい。母上が仙之助に刺される騒ぎで実子でないと書いた母の文を見て茫然自失の桃さんが歩く路地、妙心寺大庫裏脇路地。おれんに仙之助の居場所を迫る桃さん、大覚寺天神島(事情を聞くくだりで北辺水路や朱橋も映る)。お葉が額づく仙之助とおれんの墓、大覚寺五社明神裏手にあしらい。

*仙之助の店を潰した乗っ取り常習犯の米問屋に沼田爆、南町与力とつるみ成敗対象。


第3話 2006.8.8

 金太郎という名の勤番侍と知り合う桃さん、無骨で気のいい彼と意気投合、妹が美人でデレデレ。金さんは乱暴な殿に諫言し勘気を蒙った一徹な亡父を嫌っており、自分はうまく世渡りと志すも、好人物の彼に悪党の手先はついに務まらないのだった。

 ロケ地、矢場から帰りの指物師が殺人現場を見てしまい斬られる夜道、大覚寺五社明神。指物師の娘が借金のカタに連れていかれたのを追っかける桃さん、逃げてきたその娘と行き会うのは仁和寺五重塔脇、ヤクザを懲らしめている金さんは九所明神(桃参戦、ヤクザから金を毟り取る)。指物師を殺したのが金さんの藩の者と知り、黒幕の留守居役に突っかかろうとした桃さんを阻む金さん、仁和寺観音堂(抜き合わせかける二人のバックに塔)。留守居役の根津寮、大覚寺望雲亭。金さんがそこへ行ったと聞き走り出す桃さん、仁和寺金堂前を走り抜け。留守居役の手下に囲まれ襲われる金さん、はじめの林間は嵐山東公園か。場面は水辺にスイッチ、矢を射掛けられ水に落ちる金さん、嵐峡。駆けつけた桃さんが金さんを看取る場面は大覚寺大沢池北辺水路にスイッチ。

*桃さんの成敗は金さんが義憤に駆られての奮戦で討ち死にと瓦版、父の代で減らされた家禄は復され妹が婿をとり家督を継ぐことに←婿取りと聞き「あ、そうっスか」の桃さんに脱力。
*今回は「伊之さんはなんでも知っている」はなくて、指物師殺しの侍尾行を買って出る←ひょいひょいと天水桶をのぼる姿はなんか現役くさい。
*金さんに高知東生。指物師殺しの侍を探し町を歩く桃さん、中村座の前で目をとめる編笠を目深にかぶった旅装の武士は福ちゃんかも…つぅか福ちゃんだという見解、周囲で圧倒的。


第4話 2006.8.16

 冒頭から勝手な夢を見てデレデレの桃さん、武家娘に惚れられ馬鹿な舞い上がり。紀州家留守居役の息女との婚儀に親子してはしゃぐが、どうにも話がうますぎるのだった。

 ロケ地、桃さんが玖美とデートの縁日、仁和寺参道にセット(矢場女たちに冷かされ/若党が呼びに来て玖美去り発展ナシ)。桃さん玖美に求婚するも「実は今日はお別れに」と泣かれる東屋、長岡天神八条池上の東屋。玖美を追いかける桃さんのくだり、紀州家上屋敷は随心院薬医門、玖美が若党に導かれる裏口は長屋門(若党が桃さんを阻み「そっとしておいてあげて下さい」)。出てきた「用人」に事情を聞かされる桃さん、大覚寺勅使門橋。母上にお金のことは心配無用と言われ事の真相に気付いた玖美が走る汀、大覚寺放生池堤

*桃さんとの出会いも母上との知己も、みんなまるっと詐欺の大芝居で、悪党の目論見は池之端大歓楽街建設←桃さん家立ち退き対象。黒幕の勘定組頭に西沢利明、ヤクザ紛いの口入屋とグルの大悪党。
*成敗登場時スモーク焚き、前回同様剣戟に火花演出で天魔不動剣に映る井筒屋の顔が鬼に変じたり。
*放火に一家心中と物騒な情勢に逃げ出す商家、引越荷物を運ぶ人夫に福ちゃん。口入屋が追い出した店の看板を放り捨てているくだりにも登場。


第5話 2006.8.22

 お葉の矢場から出た女たちがむごい目に遭う。幕閣と組んだ回船問屋が女を集めるのは異国へ売っ払うため、手先に使われた島帰りの男は姉を騙して女を調達するが、彼らは使い捨ての道具なのだった。

 ロケ地、みかじめ料取り立てのヤクザと悶着を起こし逃げ出した桃さんとお葉が駆ける林、大覚寺大沢池北辺並木。斬られたおなつがふらふらと歩く小川、上賀茂神社ならの小川(神事橋を来たお葉と桃さんが駆け寄り抱き起こすが「騙された」と言い残し絶命)。おなつの墓、大覚寺大沢池畔。丸亀の若様と桃さんが約束した件で困り果てる母上と江戸家老の神島さま、神光院中興堂(遊ぶ子らあしらい)。矢場からおきくを連れ出したおみねが行く道、下鴨神社河合社(蓑吉がつけていて浪人に因縁をつけられる)。浪人がわらわら出ておきくを連れ去るのは池跡。弟にたばかられおきくを不幸に落としたことに絶望し入水しかけるおみね、広沢池東岸(伊之さんが来て止める)。おみねと弟・竜次の墓、大覚寺遣水跡芝地

*竜次に斬られたお葉を見てパニくる桃さん、好きだと口走るがみんなには馬鹿にされ当のお葉にはからかいのネタにされ散々。
*悪党の回船問屋に石立鉄男、髷切り大わらわで済ませるかと思いきやずんばらり成敗。乗り込み時、桃さんの瞳に雷光映り込み演出。ラス立ち福ちゃん入りで用心棒のセンセイ。
*今回も何でも知ってる伊之さんで、おみね姉弟の過去に関係あり。


第6話 2006.8.29

 お家騒動から逃れてきた姫様を拾う桃さん、あたり矢で感化された姫様は運命に立ち向かい、悪家老と殺し屋は桃さんに成敗されてメデタシ。下々を知らない姫様の繰り広げるギャグはお約束でたっぷり。

 ロケ地、植木屋の荷駄に隠れ藩邸を出てきた姫が職人の小休止の隙に出てくる小川べり、上賀茂神社ならの小川畔。縁日をうろつく姫、大覚寺五社明神に屋台あしらい。西瓜売りと揉めているところへ介入の桃さん、「苦しゅうないそちの家へ」と言われてしまう水辺、放生池堤。藩邸へお招ばれの一同の帰り道、ならの小川畔。

*松姫に星川七瀬、幼君を擁し藩政壟断を目論む江戸家老に原田大二郎、雇われる殺し屋に四方堂亘、毒見で死んだ姫付きの侍女の祖父(あたり矢常連のご隠居)に桂小金治。とっても怖いビジュアルの殺し屋だが、ラス立ちでは手下とまとめてあっさり串刺しで拍子抜け。姫ギャグ傑作は松吉のオカマ解説に「もののけ」発言。ラス立ち藩邸では後ろで花火がどどーん、火の粉舞うなか家老をばっさり。


第7話

当方近畿地区在住のため、オンエアされず視聴できませんでした。
関東では、第8話放送当日の午前中に放送された模様です。


第8話 2006.9.5

 若君に害意を持つ一派がそっくりの桃さんに目をつけ接触、これを奇貨とし入れ替わり話に乗った桃さんは藩邸入り、そんなこととは露知らぬ神島さまは「弟君」のことを告げてしまう。

 ロケ地、こっそり藩邸を出る若君、随心院長屋門。若君を探し回る藩邸の人々、随心院本堂から書院の廊下。町をゆく桃さんにお葉のことで話がと出てくる蓑吉、妙心寺大庫裏脇路地。丸亀藩御用達の塩問屋・讃岐屋殺害の件で現場を見ていた男の話を聞き激昂する亀八、大覚寺放生池堤。若君に入れ替わり話を持ちかける桃さん、上賀茂神社北神饌所裏手。側用人一派の侍に話に乗ると告げる桃さん、大覚寺五社明神。丸亀藩邸門、大覚寺大門。探りを入れる桃さんを警戒した側用人が手下に注意するよう指示を出す藩邸の廊下、随心院本堂前縁。若君付きの腰元が桃さんに告げる側用人の意図、密談の回想シーンは随心院渡廊。天井に忍び「迎えに来た」伊之さんと帰るさ、聞いてしまった出生の秘密を告げる堀は大覚寺御殿川河床。二日酔いの若君と散策のお葉が正体を問う茶店、上賀茂神社ならの小川畔。話をしながら移動していると刺客が出るのは奈良社北神饌所裏手(若君の刀引き抜いたお葉が襲撃者に啖呵を切る)。桃さんがお葉に経緯を聞きその後プロポーズの茶店、ならの小川畔。讃岐屋の娘の死を知ったあと単身悪徳商人のもとに乗り込んだ亀八のことを桃さんに注進におよぶ子分、妙心寺大庫裏脇路地

*若君付きの腰元にこっそり話を聞くくだり、偽装工作に使うああン若君の喘ぎ声は「夜7時代のお茶の間」にはちょっとアレ。


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