遠山の金さん

2007年1〜3月 テレビ朝日/東映  39

キャスト
金さん/松平健、東条八太夫(内与力)/森本レオ、三浦真二郎(同心)/金児憲史、松吉(岡っ引)/中村繁之、おまき(鶴や女将)/萬田久子

第1話 2007.1.16

 存在感たっぷり・貫禄のマツケン金さん、初手のお話は不可解な死を遂げた勘定吟味役の一件。捜査対象の舟宿へ船頭で入る金さん、そこは事件を仕組んだ男が経営する悪の巣窟で、偽証を強要された哀しい女がいた。

 ロケ地、江戸城、姫路城天守。薬研堀の舟宿・たつみや、八幡掘新町浜。岡っ引の松吉が金さんを冷やかすシーンで他の堀端も。偽証のお女郎・おしのが参る心中相手の無縁塚、大覚寺五社明神裏手。墓参の帰り、おしのに勘定吟味役のことを聞く道、石仏群裏手〜大沢池畔(歩いて帰ると言うおしのは放生池堤石橋たもと、ここに船が舫ってある)。事件に関わった献残屋が金さんを短筒で脅し詰問する船は大沢池上、上陸は船着(小)。悪党に追われ金さんとともに堀に落ちたおしのが打ち上げられ目覚める汀、嵐峡か落合か。石川島送りのおしのが乗せられる船、大沢池か。
*おしのに若村麻由美、献残屋は木場勝己で、けっこう荒っぽい悪党。黒幕の材木商は清水紘治、勘定吟味役は鷲生功。*歴代の金さんと比べるとおとなしめでイマふう、カーン等の派手な効果音もなく「やいやいやい」とか「おうおうおう」もない。しかし「できることなら人目に曝したくはない」なんて言ってるわりには長いこと片肌脱いでておかしい。斬りかかってきた奴を足蹴はアリ。


第2話 2007.1.23

 凶賊の内緒話を聞いてしまい殺された大工の女房は、仇を討つべく密談が行われた料亭に仲居として入り込む。同じくそこへ潜入の金さんは、彼女の危機を救い罪を犯させぬよう立ち回る。

 ロケ地、お奉行の指示で怪しい向島の隠居を調べに行く松吉親分、船をやる船頭にところを尋ねる堤は大覚寺大沢池堤、隠居所は望雲亭(門と脇の草戸、内部はセット)。大工の女房・お涼が幼い息子に因果を含め別れる水辺、広沢池観音島(水少なし)
*お涼の危機に駆けつける金さんの破壊力が凄い。お白州、後ろで福ちゃんが警備している。


第3話 2007.1.30

 悪辣な両替商に踏みつけにされる、かよわき民に心を寄せるお奉行。無辜の死に怒りわななき金さんとして大暴れののち、悪を裁き哀れな女には粋なはからい。

 ロケ地、品川宿から足抜けした女郎が走る堀、大覚寺御殿川河床。別の人間になりおおせているその女を脅した岡っ引が殺されて見つかる水辺、天神島朱橋際の蓮池か。職場を変えた「おなみ」を捜し当て事情を聞く金さん、放生池堤。大和屋から救い出した又平を「おなみ」と会わせる祠、天神島
*おなみを騙る足抜け女郎を脅していた岡っ引に草薙良一、悪徳両替商は下條アトムで手下に成瀬正孝、お女郎は小田茜。


第4話 2007.2.6

 怪しさ満点の、金さんを用心棒に雇った常盤津の師匠にはとんだ悪党がついており、金さんを己の身代りに仕立てて殺し、新たな悪事を働こうとしていた。逃れられぬしがらみに苦しむ女を、桜吹雪が鮮やかに救う。

 ロケ地、井坂浪人が「阿修羅の五郎蔵」に殺される芝山、鳥居本か。お奉行の回想、井坂殺害現場から立ち去った女が井坂と会っていた平河天神、上御霊神社本殿前。金さんと八太夫のツナギも上御霊さん、本殿脇と合祀摂社前。所払いとなったおちかがゆく道、大覚寺大沢池堤
*おちかに床嶋佳子、夜鳴き蕎麦屋に河西健司←お白州でお奉行に向かってゆき蹴り倒され。


第5話 2007.2.20

 羽振りのよい材木商・山徳の周囲で起こる殺し、その被害者から何かを聞き出そうとしていた鳥追い女には悲しい過去。彼女が掻き鳴らす童唄の調べと鈴の音は、凶賊の押し込みで運命を狂わされ離れ離れになっていた姉妹を結び合わせる。

 ロケ地、江戸を売る途中の女郎屋の男衆の駕籠の前に立ちはだかる鳥追い女、大覚寺大沢池北辺並木(紅葉)。その女に事情を聞く金さん、天神島。故郷へ帰る姉妹、放生池堤
*鳥追い女に池上季実子、親を殺され店を焼かれたあと旅の浪人に拾われ芸を覚えた設定で、得物は仕込み三味線。山徳は大出俊、女房の女郎屋女将は長谷川稀世、手下の荒くれは篠塚勝。最初に鳥追いに迫られ味方に殺される木場人足に小峰隆司、久しぶりに凶悪なご面相。*金さん女郎屋に潜入は無銭飲食で居残り金さん←鶴やの女たちに岡場所就職斡旋を断られ。


第6話 2007.2.27

 阿片密売組織を探る金さん、怪しい回船問屋は口入屋を通さないのでそこへ出入りの仕出屋に潜り込む。その店の息子は母を誤解し家を出てヤクザに身を投じ、当の密売組織に関わっているのだった。

 ロケ地、江戸城イメージ、姫路城天守。卯之吉が故郷へ帰そうとしていた弟分が運び屋をつとめたあと消される川端、嵐峡汀。母を拉致し卯之吉を呼び出す鳥居神社、鳥居本八幡宮鳥居下(駕籠に乗せられ)
*卯之吉の母に丘みつ子、回船問屋は中田浩二、捕り方が入った段で消される番頭は小沢象、用心棒は福ちゃん(役名・設楽十蔵、何遍も金さんに石ぶつけられて「オワっ」。北町の隠密を斬る際のステップはお見事、お白州でも活躍のほかリアルな人相書も出る)。


第7話 2007.3.6

 鶴やに閑古鳥が鳴くのは新興の口入屋のせい、妙な一人勝ちの裏にはきっちりどす黒い事情があり、恋しい男を思う娘心も悪事に利用する。

 ロケ地、大黒屋のやり口を金さんに愚痴るおまき、仁和寺境内石畳。二人がおたえとおはるの言い争いを見るのは水場脇の石段上、おはるがおたえを引っぱたくのは観音堂脇。おはるの死体が見つかる大川端、広沢池東岸(水無し)。大黒屋に苦情申し立ての寄合の帰り、金さんがおまきに尾行者の存在を知らせる道、仁和寺金堂前〜鐘楼前。思い詰めたおたえが袂に石を仕込み入水の寸前止めに入る金さん、松尾橋下手右岸水制
*大黒屋の裏にいた凶賊の首領に笹野高史、親切面の貸本屋の親爺も良し、白州では手向かいもする。おたえは大路恵美。


第8話 2007.3.13

 侵入した形跡もなく酒問屋の蔵から忽然と消えた六百両、新築時からの細工が露わとなり、犯罪を糊塗するための惨たらしい殺しも白日の下に曝される。

 ロケ地、失踪した父を案じる娘が、事情を知っていそうな恋人の大工を問い詰める川端、上賀茂神社ならの小川畔。事後、所払いとなった大工と、彼とともに川越へ発つ娘を見送る鶴やの女将も同所河畔。それを陰で見ていた金さんと女将がゆく縁日、仁和寺参道
*秘密を見て殺された大工の娘に遠山景織子、きりっと吊り目が凛々しく可愛い。普請に細工の小頭は蛍雪次朗。


第9話 2007.3.20

 阿漕な取り立てで死人まで出す件で怪しのヤクザ一家に潜入した金さんは、他ならぬ遠山金四郎を妹の仇と憎悪する浪人と出会う。

 ロケ地、暗闇一家が屋形船で開帳する賭場、大覚寺大沢池。事後、お袖の墓に参る金さん、大沢池北東汀・菊ヶ島前。
*実は南町与力でけっこうなワルの浪人に中条きよし、ヤクザの親分に団時朗、手下に上杉祥三、黒幕の両替商に鶴田忍、賭場の帰り殺される旦那に穂積隆信。お白州警備の下役人に福ちゃん。


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ