一本眉
鬼平犯科帳 スペシャル
2007.4.6CX


 急ぎ働きの凶賊が跋扈、本格のお盗めの清洲の甚五郎が三年前から引き込みを入れていた店にも血の雨を降らす。その賊の首領は甚五郎に背き袂を分かった元手下、あまりに酷い手口を許しておけぬと討ち入った先で、甚五郎は懸念していた発作に見舞われる。己を凍蝶に喩えた気のいい男の死を悼む鬼平、彼が気にかけていた妻子に心尽くしの金を届けさせる気配りを見せる。

八幡掘 明治橋

ロケ地
・豊島屋へ押し入った賊について聞き込みに回る火盗改のくだり、釣りの親爺に聞き込みの沢田同心は八幡掘、洗濯女に聞き込みの伊佐次は上賀茂神社ならの小川神事橋たもと、大工を追いかけて小川に入る同心はならの小川
・仏具商・三橋重慶の裏に用意した「馬方」の小屋で恋人のおみちを見かけ尾行する与吉、八幡掘堀端(明治橋・白雲橋間の南岸/上下二段を使う)
・引き込みに入っている店で連絡の折鶴を見つけたおみちが駆け出す道、八幡掘堀端。与吉と会うのは沢ノ池東岸汀。
・行商のなりで町をゆくおまさ、八幡掘・新町浜対岸の堀端(おまさの背後、カーブの向こうの下流側に木の太鼓橋がのぞくのは映画「憑神」のセット←2007年6月24日確認)。下で客が呼んでいると声を掛けられるのは明治橋、橋下に甚五郎がいてひとしきり問答(このあと粂八の船宿へ)
・凶賊・佐喜蔵のアジト、大沢池北岸にセット。天神島との間に木橋も架けてある。
・町をゆく甚五郎を付け狙う佐喜蔵の手下、セットへ移行前に八幡掘堀端の家裏の路地
・佐喜蔵の手先に襲われた甚五郎を助けた平蔵が招き入れられる隠れ家、酵素民家セット(見張りは竹林越し/煮売り屋・治郎八の地下を見た平蔵が馬で駆けつけてくる段では「木」の前あたりも映る)。歓談のなかで出る、甚五郎の妻子がいる岡部宿イメージ、山室堤下
・佐喜蔵を殺るという甚五郎に助太刀を申し出た平蔵、共に船に乗りゆくのは大覚寺大沢池。平蔵の動きを見張っていた伊佐次が火盗改の船を誘導するのは天神島鳥居前。
・佐渡送りの前に、と平蔵に岡部宿行きを頼まれた与吉がゆく街道、大覚寺遣水跡(彦十らが見ている)。おみちとの連絡に使った折鶴を水に放す与吉、沢ノ池東岸汀。

*使われた原作は「一本眉」と「墨つぼの孫八」、病を恐れている/己を冬の蝶に喩える/平蔵を引き入れようとする/切所で発作等のメインの筋は「孫八」から、急ぎばたらきの凶賊に先を越され引き込み女が無駄になる/嘗役が茂の市/甚五郎のビジュアルが忠吾言うところの一本眉/酒肆・治郎八等は「一本眉」から。

キャスト
与吉/山田純大 おみち/大路恵美 倉淵の佐喜蔵/遠藤憲一 伊助/上杉祥三 茂の市/火野正平 清洲の甚五郎/宇津井健 彦十/長門裕之

参考文献:池波正太郎「鬼平犯科帳 13」文春文庫

→ 鬼平犯科帳 表紙


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