徳川の女たち 第二部 悲恋 お袖 吉宗

1980フジ/東映

キャスト
お袖/吉沢京子 紀伊頼方(吉宗)/中島久之 お清(お袖の叔母)/桜町弘子 筒井順斉(昌平黌教授)/武藤英司 田崎玄右衛門(側用人)/北村英三 間部詮房(筆頭老中)/勝部演之 月光院/西尾美奈子 瀬山(大奥総取締)/加茂さくら 亀岡(大奥年寄)/長谷川待子


第1話

 紀州の若様・頼方は昌平黌の学生、気のいい仲間たちと青春を謳歌する日々を送る。年に一度の昌平黌祭りの夜、鍛錬大会で優勝した頼方はご褒美のお袖の抱擁にご満悦、友とキャンプファイヤーに酔い潰れ、介抱してくれたお袖に愛を告白する。しかし、無頼の日常は唐突に断ち切られる。

ロケ地
・本物の海の汀のあと江戸城イメージに姫路城天守
・昌平黌学問所、大覚寺大門、式台玄関。
・清明寮、相国寺大光明寺(寮生の往来する道に方丈塀際なども)
・全員参加の心身鍛錬大会で多摩へ向かう寮生たちが高歌放吟して渡る橋、流れ橋
・河岸へ魚を取りに行くお袖(船上)、水面に映る橋の影が渡月小橋に似る。
・大会、ウェイトの砂袋を作る学生たち、木津河原。褒美はお袖ちゃんの抱擁と発表する塾頭、登り道。
・寮生に振舞う料理がセッティングされる水辺、大覚寺大沢池(キャンプファイヤー用の井桁も組んである)
・結ばれた翌朝、物思うお袖に近寄り怒っているか問う頼方、罧原堤下汀
*寮生の振る舞いや風俗は、ほぼ旧制高校のバンカラ学生。学問に勤しむシーンはまるでなく、昌平黌なのに剣術の稽古してたり軍事訓練紛いの遠出などあったり。


第2話

 兄上が病と聞き紀州へ帰るべく駆けつけると、当の本人が藩邸に来ていて将軍が病と頼方に八代の口がかかっている事を告げる。城へ上がると、口々に頼方に将軍職をと迫るメンバー、寝耳に水のまま幼将軍逝去の知らせがやって来る。

ロケ地
・藩邸から昌平黌へ馬を引いてやって来る紀州家用人、駒を繋ぐのは大覚寺参道の並木、門は大門。
・用人が寮の前で焦れていると、寮生たちと高歌放吟しながら帰ってくる頼方、相国寺大光明寺と前の路地。
・お袖にこのまま帰れなかったらどうすると問う頼方、罧原堤下汀(中州にユリカモメの群れ)
・江戸城イメージ、姫路城天守
・馬を駆る頼方(豪華衣装着用)木津堤
*鯖江藩主にも紀州藩主にもなってない感じの展開なので突っ込むのもアレだが、兄のほか尾張公まで「健康に自信がない」とか言って将軍位から逃げようとするのが大笑い。


第3話

 八代将軍の座につく吉宗、お袖は順斉に諭され前向きに生きると決意。なったものならと張り切る将軍だが、月光院と間部は吉宗を自儘に操る手立てを画策し始める。

ロケ地
・将軍に就くのを迷った頼方が母に会いにゆく紀州、本物の和歌山城天守をイメージに。
・頼方、吉宗と改名し将軍に就くテロップに姫路城天守
・就任祝いの下賜品が寮に届くが、遠い人になってしまったことを実感したお袖が泣いて寮を走り出る、相国寺大光明寺門。追った順斉がお袖を励まし諭す河原、罧原堤下河原
・吉宗就任が面白くない月光院が間部と密談の庭、枳殻邸か。
*祝いの品のお礼に寮生らが贈る寄せ書き、お袖は頼方の足袋を描く。この微笑ましいメモリアルグッズが後をひく。


第4話

 将軍が女の名を口走ったのを聞き逃さなかった間部は月光院にはかり、大奥総取締の瀬山を制する動きに。一方、お袖の許婚者が丹波からやって来て連れて帰る話が出る。

ロケ地
・文を見た吉宗が女の名を呟いた件を月光院に報告する間部、枳殻邸印月池畔。
・お袖が「頼方」の足袋を繕う寮の縁先、相国寺大光明寺方丈縁側
・お清に相談を受けた順斉がお袖を船遊びに連れ出す川、広沢池か(水面に円錐形の山の影)
・吉宗をあきらめて婚約者と丹波へ帰る話のあと、お袖が佇む川辺、罧原堤下河原
・調べ上げたお袖のことを話す月光院、間部に大奥年寄の亀岡、枳殻邸池畔。
*玄右衛門が寄せ書きを燃やそうとする一幕、一つくらい心の宝をと言う吉宗に折れる。


第5話

 瀬山の御台ばなしは吉宗の不興を買い、お袖をゲットに行った亀岡は順斉に阻まれる。月光院直々の申し出も蹴られ、間部は姑息な手を思いつく。

ロケ地
・清明寮、相国寺大光明寺(門の内外ほか式台玄関、お袖が久兵衛と話す場面に方丈縁先)
・瀬山の御台計画頓挫を聞き高笑いの月光院、間部と渡る橋は枳殻邸侵雪橋
・お城から寮に使いがと順斉を呼びにくる源太、大覚寺式台玄関(昌平黌)
・年寄・亀岡が怒って帰ったあと川端で考え込むお袖、罧原堤下汀
・野点の席で側室を持てと吉宗に持ちかける月光院、枳殻邸芝地
*源太、亀岡さまを「怖い顔した女の人」と形容。お袖の婚約者は、順斉の説得を受けおとなしく帰ってゆく。


第6話

 間部名義で昌平黌に来た通達は閉校、自分のせいと心痛めるお袖を慰める順斉だが、事実を知った学生たちはお袖に詰め寄る。

ロケ地
・清明寮、相国寺大光明寺
・間部と亀岡が月光院に企みの経緯を報告する庭、枳殻邸池畔(陶製ガーデンセットあしらい)
・悩むお袖に自分を責めるなと励ます順斉、嵐山公園中州(はじめ中ノ島橋たもと左岸堀端、中州北岸の堰堤前に移動)
・順斉が陳情書を持ってお城に上がるも不調、その後学生らがお袖に詰め寄るのは先の堀左岸、中ノ島橋を渡ってやって来る。その場から逃げたお袖が佇む川端は中州北岸・桂川畔、堰堤前。
*閉校と聞いてえづきを覚えるお袖がちらっと出る。


第7話

 間部に会うため、お城に通い詰める順斉。なかなか会わぬ狸老中だが、ようやく会うと直截にお袖を要求。取次の御坊主たちの生態も描かれる。

ロケ地
・お清が買い物から帰ると源太がやきもき待っている寮の門、相国寺大光明寺
・ようやく帰ってきた順斉に説明を受けるも納得ゆかぬ学生たちが出てくる学問所の門、大覚寺大門
*御坊主の長命に新屋英子、月光院に叱られ瀬山に寝返る。もたもたの禿鬘が笑える。


第8話

 心痛めた順斉は自決、お袖が止めるも重態に。追い討ちをかけるように城からは腹を切れと通達、お袖は大奥入りを決心する。

ロケ地
・清明寮、相国寺大光明寺
・江戸城イメージ、姫路城天守、はの門下坂から小天守、西の丸遠景。
・城で亀岡に会ってきたお袖が物思いに沈む川端、嵐山公園中州北岸・堰堤脇。


第9話

 順斉には明るく取り繕い、お袖は大奥へ。してやったりと哄笑する月光院たち、己の手柄にしようと瀬山は先に吉宗に接触する。

ロケ地
・清明寮、相国寺大光明寺
・源太が丹波へ帰る話は本当かお袖に問う橋、中ノ島橋か。
・学問所、大覚寺大門(寮を出たお袖が前に立ち物思う)
・江戸城イメージ、姫路城天守
・相撲を取る吉宗、枳殻邸傍花閣前芝地。


第10話

 最も嫌う者どもの手垢まみれの手で、大事な思い出が汚されたことに激怒する吉宗。昌平黌閉鎖はじめ企みを知った吉宗はずかずかと大奥に渡り、そこにいたお袖に帰るよう大喝。

ロケ地
・お袖のことを吉宗に告げる瀬山、それは自分の手柄と主張する月光院、枳殻邸傍花閣前芝地。
・瀬山を泥棒猫と罵り殴打する月光院、枳殻邸遣水脇。
・間部にお袖から取り上げた「穴の開いた足袋」を見せ吉宗を説得するよう頼む月光院、枳殻邸池畔(植え込みの陰に連れ込み)
・物思う吉宗に足袋を見せる間部、枳殻邸池畔
・目安箱設置を指示したあと、お袖を思い空を見上げる吉宗、枳殻邸か(廊下)


第11話

 放心したお袖は寮に帰りつくが、医師の診察により懐妊が発覚。お袖は案外良い娘と認識を改めた玄右衛門が迎えにやって来るが、順斉は巡礼に出てもういないと偽る。

ロケ地
・寮に帰りつき玄関で倒れるお袖、相国寺大光明寺式台玄関前。
・江戸城イメージ、姫路城天守
・お袖を診た医師に口止めをするお清、相国寺大光明寺門
・お袖のことよもやこのままと間部にはかる月光院、枳殻邸侵雪橋〜築山?
・玄右衛門を出迎えるお清、相国寺大光明寺式台玄関


第12話

 子は上様の第一子、生母となって幸せか考えたすえ順斉はお袖に丹波行きを提案する。寮には早や間部の手が伸びてきて、お袖自身はからくも逃れるが、浪人たちは医師をシメて秘事を聞き出す。

ロケ地
・寮に押しかける浪人たち、相国寺大光明寺式台玄関。寮の裏口から逃れ出るお袖、南塀通用門方丈塀際に身を寄せていると、源太が旅装で現れ連れ立ってゆく。
・街道、城の方を遥拝するお袖と源太、下鴨神社河合社(三井社の中からの撮り)
*浪人のリーダーは小峰さん、寮を探し回った浪人たち「太った娘が一人いた」発言が大笑い。


第13話

 小田原までゆくも間部たちの放った浪人に拉致されてしまうお袖、連れ込まれた御浜御殿には勝ち誇る亀岡。野駈けの上様がやって来るが、会うことはかなわない。

ロケ地
・東海道をゆくお袖と源太、下鴨神社馬場、泉川畔、糺の森(茶店の向こうの池?が疑問。源太が浪人らに斬られるのは林)
・天守に登り町を眺める上様、二条城の甍に町なみを合成か。
・玄右衛門を従え野駆けの上様、大覚寺大沢池北岸並木。
・御浜御殿、遠景は不明。入口は大覚寺御殿川越しに勅使門を望む図。お袖入りの駕籠を従えやって来る浪人たち、参道石橋。亀岡に駕籠を引き渡すのは枳殻邸傍花閣前。急の御成りの上様を迎える留守居役、大覚寺勅使門橋上。


第14話

 玄右衛門からお袖の現況を聞いた上様は怒気を発し間部を難詰、しかし子が男なら公的なものと開き直られてしまう。

ロケ地
・江戸城イメージ、姫路城天守
・清明寮、相国寺大光明寺方丈縁先、中仕切、門。源太がからがら辿り着いたところへ、ちょうど玄右衛門がやって来る。


第15話

 御浜御殿に監禁されたままのお袖は、女たちが争う隙に逃げようとするが産気づく。子は無事生まれるものの、情け容赦なく持ち去られてしまう。

ロケ地
・お袖を案じ祠に祈るお清、広沢池観音島(傷癒えた源太が石橋に腰掛け)
・お袖が産気づいたあと御殿を出てくる瀬山付きの侍女、大覚寺勅使門橋
・瀬山に事情を聞いた上様が単騎駆けつける道、大覚寺大沢池北辺並木


第16話

 お袖は手元で子を育てたいと願い、お由利の方は子とお袖を保護する方向で動くが、権高な月光院はそりくり返って申し出を撥ねつける。

ロケ地
・秘密を漏らしたお犬子供が浮く堀、二条城か。
・争いごとの芽を摘むため母子を引き取ると申し出るお由利の方、枳殻邸印月池畔。


第17話

 寮へ帰されるお袖、経緯を聞いた叔母は怒り心頭で目安箱に訴状を。一方吉宗は間部に怒りを露わにするが、やり込められ苦悩する。また、月光院が「育てて」いた和子は重態に陥る。

ロケ地
・清明寮、相国寺大光明寺
・長昌院(六代家宣生母)に苦悩を訴える吉宗、臨川寺(石篠・花頭窓・石庭/設定は寺)
・川で洗濯のお清のところへやって来るお袖、罧原堤下汀
*嬉々として若君を手元に置く月光院、赤子に重湯とかしかやってないみたいでヒド過ぎ。


第18話

 若君の回復は見込めぬと医師、間部は即座にすり替えを決意。月光院の部屋の異常な様子は瀬山に知れ、深更長持を運び出す医師は瀬山に見つかってしまう。

ロケ地
・間部が月光院と密談/吉宗が玄右衛門や母と話す庭、枳殻邸印月池畔。
・日がな思い出の川辺に佇むお袖、罧原堤下汀
・間部の意を受けた浪人たち(リーダー小峰隆司)が赤子を物色する神社、今宮神社(舞殿越し本殿、稲荷社脇)
・お袖に会いにやって来るお由利の方、大覚寺大沢池畔。
・お参りに行った先で浪人らの赤子さらいを目撃するお清、上御霊神社(本殿、裏手の蔵/設定は湯島の神社)
・江戸城イメージ、姫路城天守(間部が月光院にさらった子を渡す門は不明)
・長持の中を見た瀬山が寮へ使いを寄越し、お袖の生んだ子の特徴を聞く庭先、相国寺大光明寺方丈裏手。


第19話

 お袖の生んだ子が亡くなり替玉が来ていると聞いたお清は、湯島の神社で子を奪われ殺された物乞い女を思い出す。人として許せないと憤ったお清は、御対面の儀の場に乗り込み啖呵を切る。

ロケ地
・瀬山の使いに話を聞くお清、相国寺大光明寺(寮)


第20話

 子と叔母二つの位牌を前にただ嘆くお袖、順斉は丹波から許婚者だった男を呼び寄せる。過ぎ去った青春のひとこまと区切りをつけ、「頼方」とお袖の恋は終る。

・庭に佇む吉宗に今回の処置を誉めお袖に与える反物を渡すお由利の方、枳殻邸印月池畔。
・昌平黌学問所、大覚寺大門(学生らお清を悼み吉宗をちょっと批判)
・お袖を船遊びに誘い丹波へ帰れと諭す順斉、嵐山公園中州際か。
・馬場で馬を責める吉宗、下鴨神社河合社脇
・お袖を送る「ストーム」、大覚寺大沢池(吉宗が馬で駆けつける)
・思い出の川辺で吉宗に別れを告げるお袖、罧原堤下汀。船で江戸を去るお袖も同所(見送る玄斉は別撮りか/背後に松原)


→徳川の女たち 第一部
→徳川の女たち 第三部

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