長七郎江戸日記
  101〜118話


第101話「頑張れ!おとう」1986.6.17

 八丈から島抜けの盗賊・軍鶏の虎造が大工の佐八を脅し商家の図面を強要。裏には次期長崎奉行を狙い猟官運動資金が欲しい船手奉行・熊坂半兵衛、凶盗を八丈送りで済ませたほか島抜けの手配もする。悩む佐八は遂に無理心中まで思い詰めるが、長さんが計らい虎造を引っ掛けて捕え、これを熊坂邸に放り込んで成敗。

ロケ地
・虎造が囚人服を替えるため釣り人を襲う、広沢池東岸(釣りの長さん居合わせ)
・佐八が虎造の手下に声をかけられる、中ノ島橋(橋下で六さんが聞く)
・ツナギをとる神社、不明。
・船手奉行邸、建仁寺西来院(宅兵衛が尾行)
・奉行が屋形船で虎造とツナギ、大沢池
・佐八の子らが子守のバイト中に虎造の手下が接触するのを阻む長さん、大覚寺護摩堂
・佐八が図面引渡しを断りボコられる神社、不明(先のツナギと同所)
*佐八に松山英太郎。病がちの佐八を気遣う幼い子ら、蜆売りをして家計を助ける→夢楽堂の食卓は蜆尽くし。


第102話「片思い」1986.7.1

 篤実な油問屋・上総屋が放火され主人以下が焼死した件、引っ括られた大工は身に覚えの無い罪を黙って被ろうとする。加えて妙に証拠が揃い、しかも証人は次々と不審死を遂げる。探るうち浮上する上総屋のライバルと火盗改長官、大工はかつて恋人だった火盗改長官の妾を庇い立てしていたのだった。

ロケ地
・証人の一人の夜回りが密殺される浅草川、大沢池汀か。
*タイトルの片思いは身売りまでして金を作り夢楽堂を動かそうとした幼馴染の娘、結局思いは通じることなく終わる、このシリーズによくある重い展開。この娘は杉田かおるが演じる。大工は伊庭剛。


第103話「謎のエゲレス時計」1986.7.15

 夜の市中、浪人者が南京出刃で殺られるのを見る長さんと辰、彼は英国製のオルゴール付き懐中時計を所持していた。また或る日、大道芸の浪人父子を見るが、父が行方不明に。背後を探るうち浮上する抜け荷を働く富商と懐中時計を仕入れ賄賂に使う役人、浪人を用心棒としてハントする怪しの女。酩酊を装いその富商に時計のことでカマかけにゆく長さん、帰途きっちり出る刺客は行方不明の「父」だった。長さんの説諭に刀を引いた浪人は雇い主を問い詰め後ろ暗い仕事を断るが、直後に刺客が放たれ南京出刃で殺られてしまう。
 ワル三人、用心棒が立て続けに役立たずと話す座敷に響く懐中時計のComin' through the Rye。白に薄墨流しのお召で現れた長さん、悪事をぴしぴし指摘の末大立ち回り。

ロケ地
・居合抜きの芸を披露する瀬川浪人、仁和寺水場脇。
・瀬川を連れ去った怪しの女を探索し小休止の辰と五郎太、金戒光明寺三門の框に腰掛け。連れていた瀬川の息子が怪しの女を見つけ尾行する、金戒光明寺石段下〜永運院下坂
・西海屋にカマかけた帰りに長さんが瀬川に斬りかかられる、相国寺鐘楼宗旦稲荷(燈明いっぱいアレンジ)
・西海屋の仕事を辞した瀬川が襲撃される、今宮神社境内摂社付近。立ち回りは高倉下で。
・事後、長さんが京極藩の殿様に宛てた書状持って旅立つ瀬川の息子、琵琶湖西岸松原。
*瀬川浪人に有川博、西海屋に和崎俊哉。


第104話「目明し気取り」1986.7.22

 凶盗・かま鼬が岡っ引を殺害する現場を見た大工見習いの勘太は十手を隠匿、市中でおもちゃにしてポーズとっていて恐れ入られたことで図に乗り、「目明し気取り」の日々が始まる。助けた娘に親分と呼ばれ気遣われ、その気になってかま鼬を捕えようとするが岡っ引殺しの生証人であることから盗賊一味に密殺されてしまう。長さんは勘太の死体から十手を取りかま鼬の背後にいた北町筆頭与力宅に乗り込み一味ごと成敗。

ロケ地
・勘太がゴロツキに絡まれたお咲を十手かざして助ける神社、今宮神社(境内、東門)
・出合茶屋から出て来た男女が十手おもちゃにしている勘太に「見なかったことにして」と袖の下を渡す、大覚寺望雲亭(大沢池の碑が映りこんでいる)
・かま鼬が与力に勘太のことを報告する屋形船、広沢池東岸
・縁日で賊に襲われる勘太、今宮神社境内。賊を散らした六さんがかま鼬を見たか聞く、大覚寺放生池源頭部(勘太が石組に腰掛け)
・考え込む勘太が通りかかったお咲に声かけられる、大沢池北西畔。このあと共に参る天神様、吉田神社竹中稲荷(本殿、舞殿、三高碑への石段)
・勘太の墓、不明(起伏あり)
*勘太に岡本信人、お咲に高木美保、与力に川合伸旺、賊に宮口二郎。


第105話「風の噂の風小僧」1986.7.29

 五年前旗本屋敷から名品の香炉を盗み評判になった怪盗・風小僧が、同じ屋敷に入り名刀を盗む。その際奥方を刺殺という凶行を聞き、今回のは風小僧ではないと言い張る辰。その態度から風小僧の正体が実は辰自身と長さんにバレバレ、旗本の欲がらみの自作自演を暴き、最後は二人して盗みに入り刀を取り戻す。一世一代の大仕事だった香炉盗が、実は騙りの片棒だった辰がちょっとカワイソ。

ロケ地
・偽風小僧が侵入する南条屋敷、大覚寺南塀(映画村セットと併用)。あとで長さんと辰が入るのも同じ侵入経路。長さんが盗み装束で御殿川河床をやって来る、珍しいシーン。
・長さんが六さんから報告を受けるシーンに大沢池畔放生池堤護摩堂前。
・盗み装束を隠してあった「辰三郎の墓」のある墓地、不明。
*旗本に滝田裕介、研師に外山高士(全くの善人)、南條の家来に峰蘭太郎と福ちゃん。


第106話「泣くな山鳩」1986.9.2

 宅兵衛をお供に荒川上流までヤマメ釣りの長さん、襲われている侍を助け秩父藩の幼い姫を拾う。これは殿の隠し子で、山深い竜神谷の里にいたもの。娘を殿の傍に上げ世継をと目論む江戸家老、隠し子を里ごと滅そうとしたその所業を長七郎ぎみが断罪、殿に化けて能を舞い鬘と衣装を脱ぎ捨てそのままラス立ちに。

ロケ地
・姫を迎えに行った武藤が襲われているのに介入の長さん、保津峡落合河口(川の中で派手に立ち回り、鎧櫃に隠されていた幼い姫を救出、船で保津峡へ)
・事の真相を探るべく再び秩父に赴く長さん、騎馬のシーンは酵素ダート
・湯里村の湯治場、日吉山荘
・壊滅した竜神谷の里、酵素。山方支配に追われ穴に落ちてしまう一幕も。
・江戸に帰り六さんに事件の話して調査を依頼する長さん、大覚寺護摩堂前。
・江戸家老と山方支配が密談するのを探りに入る六さんは御殿川河床。庭は不明。
*悪家老は今井健二、ラス立ち福ちゃん入り、辰不在。


第107話「とんぼ ないた」1986.9.16

 お家騒動もの。屋敷うちで何度か狙われた若様は市中に出て自ら的となり、犯人を焙りだそうとする。しかし行く先々で襲われ誤認による殺人や馴染みとなった芸者の拉致、しまいに侠気を発しついてきた幇間が斬られるに及び、キレて刀とって走り出そうとする若様。これをとどめお説教、任せておけとワルに引導渡しにゆく長さんなのだった。

ロケ地
・襲撃犯を尾行していた若様付きのじいが見つかって腕を斬られる道、大覚寺大沢池堤(宅兵衛さん駆けつけて蹴散らし)
・若様の一件を六にツナぐ長さん、中ノ島橋下。
・若様たちが肝試しの小屋を出たあと立ち寄り、虚無僧に化けた浪人たちに囲まれる天神様、北野天満宮(楼門、本殿脇や縁下、地主神社)
・芸者・とんぼが拉致され若様が呼び出される赤池神社、車折神社参道、中門付近。
*若様に榎木孝明、幇間は橋本功、若様に惚れる芸者は園みどり、己が係累を殿様にとはかる江戸家老は高城淳一。襲撃犯の一人に福本先生、若様の寝所を確かめに行ったりする。女郎が部屋替わってて、翌朝「人違いでした」なんて報告もする。もちろんラス立ちにもたっぷり映り、斬られたあとの一旦停止やのけぞりもクリアーに拝める。辰不在。


第108話「裏町恨み唄」1986.9.30

 長さんが諭した女掏摸は改心し、たまたま助けた仇持ちの侍の世話をするうち恋情を抱くように。侍の身なりを整えてやろうとしたり、自分との約束を守り盗みを働かなかったおぶんの健気さに有り金はたいて協力してやる長さん。おぶんの真情はその侍・岡田金吾にも届き、仇討ちのあとは所帯を持とうという話に。その矢先、仇の差し向けた刺客がおぶん宅に乱入、二人は斬殺されてしまう。このことはおぶんと同じ長屋に住む辰が泣きながら走り長さんに注進。金吾の藩の留守居役を籠絡し居所を聞き出した敵の実父・御側用人長井佐渡邸に乗り込む長さん、おりしも一堂に会し、金吾の件を相対死とする旨をはかり高笑いのワルどもを血祭りに上げる。

ロケ地
・長さんがおぶんと会った縁日、大覚寺五社明神付近、背後に心経宝塔
・掏摸をはたらいたおぶんを諭し指を封印する長さん、大覚寺大沢池北西畔(六さんが屋台を出している)
・金吾が仇を討とうとして斬りかかり用心棒にやられ川に落ちる、中ノ島橋
・おぶんが金吾の刀代調達のためスリをしようとして思い止まる神社、五社明神本殿。
・刀を抱えて嬉しそうに道をゆくおぶん、大覚寺放生池堤
・米倉藩江戸屋敷、大覚寺大門
・おぶんと金吾の墓、大覚寺大沢池畔
*おぶんに熊谷真美、金吾に冨家規政、側用人以下悪役陣は田中明夫に内田喜郎、西山辰夫と賑やか。掏摸の親分は小峰隆司、ラス立ちで用心棒に福ちゃん(関わり無き者は下がれと呼ばわる声に退く者も出るが、もちろん福ちゃんはかかってくるほう)。


スペシャル7「血闘 荒木又右衛門」 1986.10.7

 敵討ちに事寄せた岡山池田藩潰しの柳生の陰謀をとどめようと長さんが動く。
 荒木又右衛門と河合甚左衛門の御前試合が行われる、神護寺山門前白州に幔幕張ってセット。数馬が又五郎らに荒木の敗北をからかわれる、大覚寺五社明神。数馬がお光に結婚を申し込む、桂川松尾橋上手の汀。岡山へ飛脚の格好で急ぐ六さん、谷山林道、遠景に京の町なみ。六が渡辺源太夫の墓前で下男の銀平に話を聞くが手裏剣飛んできて爺さんが殺される、二尊院墓地。長七郎が登城の石段、神護寺金堂前石段、帰途宗冬と睨み合い。岡山藩主・池田忠勝が馬を走らせる水辺、桂川罧原堤下。長さんがその馬をとどめる、大覚寺心経宝塔前の広場・背後に聖天堂の屋根〜大沢池畔。数馬がお光に別れを告げる、先と同じ桂川。おれんと辰がゆく東海道、木津川堤。決戦の場(設定は…鍵屋の辻じゃないんだから伊賀の木津川河原ってことかな…服部川かな)木津川流れ橋(橋桁無し)。木津川の流れに入っての殺陣も。


第109話「黒髪情話」1986.10.14

 長さんが呑み屋で耳にした渋い隆達節の門付けの男は、お家騒動の渦中にある藩の後継者だった。殿を密殺した江戸家老の壟断を糺そうと世継の信次郎を探す窪川藩士と関わりあい、彼が落命するのを見た長さんは、家も世も捨てたという信次郎を説得しようとするが、長い間冷や飯を食った妾腹の彼は江戸へ連れて逃げた愛人の献身をたてに断る。しかしその女は長さんに信次郎の身を託し凶刃に倒れるのだった。仇を取るという半次郎をとどめ、長七郎は我が世の春を嘯く江戸家老のもとに乗り込み成敗の双剣を振り下ろす。

ロケ地
・信次郎を探す窪川藩士・関根が暗殺される、相国寺鐘楼
・江戸家老の手先・原田を尾ける六さん、相国寺大光明寺南塀(気付かれひらりと内側に入る六さんと原田を塀を挟んでのクレーンショットも。窪川藩邸はセット)
・信次郎が国元へ出立するのを見送る長さん、大沢池堤
*加納信次郎に橋之助、パートナーのおつやに山本みどり、悪家老は藤岡重慶で手下に中田博久、忠臣・関根の父に内田稔。冒頭、門付の信次郎夫婦に突っかかる地回りの一人に福本先生。


第110話「寺子屋ぎらい」1986.10.21

 或る夜、慕っていた寺子屋の先生が殺しを働くのを見てしまう少年・多吉、以来寺子屋には近づかず拗ねた日々を送る。行き合わせ事情を知った長さんたちが陰で見守るなか、再度の殺しを働こうとする「先生」荒木新兵衛は殺しを六に阻まれ長さんにお説教を食らい、また多吉の心情を思い足抜けを決意するが時遅し、殺し屋元締の背後にいた坂部藩家老の手先に斬られてしまう。瀕死の荒木から殺しに引きずりこまれた経緯を聞いた長さん、また一人の浪人が仕官を餌に腕試しされている坂部藩邸の庭に現れ、からくりの人間入り藁束の紐を切り裂き陰謀を暴く。

ロケ地
・長さんが多吉を見かける縁日、今宮神社境内。
・荒木の寺子屋、西明寺(山門、境内)
・荒木の素振り練習、大覚寺天神島
・寺子屋に入らず塀から覗く多吉の回想、荒木との楽しい思い出、大沢池畔・五社明神
・足抜けを決意した荒木が寺子屋の西明寺山門をくぐりゆく道は二尊院にスイッチ。黒門前〜紅葉の馬場(斬り合い)
・荒木の墓、二尊院墓地
*荒木新兵衛に美木良介、悪家老に江見俊太郎。


第111話「おれん絶叫!」1986.10.28

 仏の善兵衛と称され尊崇を受ける中屋、或る日五右衛門なる賊に入られ有り金を奪われるが家人は無事。しかしその後五右衛門に入られた、中屋と呉服商頭取を争っている店では主人が斬殺される。不審を抱いた長さんが調べを入れるが、おれんは火事の折の中屋の親切が忘れられず信じない。お光を連れ調べに侵入、果たして正体は五右衛門そのもの、見つかり捕われてしまい消されかかって怒りまくり「絶叫」。

ロケ地
・六さんに五右衛門のことを聞く長さん、大覚寺護摩堂
・六が聞き込みにゆく矢切の渡しの茶店、広沢池東岸
・中屋が後藤に出させているボランティアの寺子屋、大覚寺聖天堂(内部も使用、前に移動築地あしらい)
・竹庵と中屋が黒幕と会い後藤の始末の顛末を話す屋形船、大覚寺大沢池(見張りの五郎太は五社明神祠脇)
*中屋に御木本伸介、一味で医者の竹庵に柴田p彦、黒幕の勘定役は永井秀明。辰三郎不在。


第112話「お嬢様どこに?」1986.11.4

 大奥御用を餌に商家から大金を毟る両替商、背後には御納戸頭。金を吐き出させたあとは密殺して渡した大奥御用の念書を奪い店も乗っ取る悪辣さだが、刺客が念書を紛失したことから事が明るみに。長さんとの関わりは、主人の死後潰れた京屋の奉公人・伊助が食い詰めて辰を騙し食い逃げしたことから始まる。いい気になって伊助を追い使う辰はしじみ売りをやらせるが、伊助は川で刺客の落とした念書入りの財布を拾うのだった。

ロケ地
・ナンパ中の辰が伊助に作り話で釣りこまれる縁日、仁和寺参道。塔前にも屋台。
・伊助がしじみ売りの最中京屋の「お嬢様」と出会い話す汀、広沢池東岸汀。
・しじみ獲りの伊助、中ノ島橋下の川中。伊助が財布を拾うのを見ている長さんは橋の上。
・京屋の娘が働いている水茶屋に赴き事情を聞く長さん、大覚寺望雲亭(草戸のほか庭も)
・念書と引き替えに奪われた京屋の金を取り戻そうとする伊助、ツナギの八幡様は鳥居本八幡宮(広場に祠多数あしらい)
*伊助は坂東正之助、御納戸頭は山本昌平、悪徳商人は汐路章で騙される人のよい京屋は中村錦司。福ちゃん三態、辰が伊助と間違えて人足を殴り大騒ぎのうしろで見ている人足、ラス立ちの家来、京屋のバーゲンを見に行く長さんのうしろを通る行商人。*伊助が拾ってきた財布の中身を神様が下さったなどとほざきガメようとする辰、番所に届けろと言われ長さんを睨む顔が傑作。


第113話「山から来た女」1986.11.11

 夜釣りに行き勘定吟味役が狙撃されるのに居合わせる長さん、背後には上役の勘定奉行と結託した回船問屋、こいつらは奉行が長崎奉行をしていた頃からの腐れ縁。大目付昇進を目論む奉行は、更に己の不正を知る目付衆を狙う。この企みには丹沢から出て来た腕のいい猟師が関係、仕官を餌につられたもの。ターゲットの目付衆が墓参の折、女房の命を盾に狙撃を強要された猟師は、土壇場で逆らい殺されてしまう。

ロケ地
・吟味役暗殺の水辺、広沢池東岸
・猟師の女房・お勝とともに亭主を探して聞き込み回る五郎太、ワンシーンに中ノ島橋(橋の下に髭もじゃのお貰いさん)
・六さんが狙撃現場で見つけた丹沢神社のお守りを長さんに見せる朝靄の水辺、嵐峡か。
・回船問屋へカマをかけに行った宅兵衛が長さんに報告中用心棒らに囲まれる神社、松尾か今宮か(大きな常夜灯と倉)
・墓参の目付衆を狙いに猟師夫婦を船に乗せ赴く奉行の配下、船着きは嵐峡か。
・ターゲットの菩提寺・芝の光福寺、神護寺(石段、五大堂前、鐘楼付近をミックスして使用)
・丹沢へ帰るお勝を見送る五郎太、中ノ島橋
*茂作に丹波義隆、お勝に三浦リカ、勘定奉行は浜田晃。


第114話「なまくら新兵衛」1986.11.18

 同僚にも「なまくら」と称される南町同心・山倉新兵衛、いつもうるさい上司が飛ばされいい気味状態のところ、新任の同心支配は真情こもるアドバイスのうえ何かと持ち上げてくれる。気を良くした新兵衛はなまくら返上、やる気の新兵衛に豹変しきびきびと働き放火犯を検挙するが、これが叔父の油奉行と組んで仕組んだ、篤実な商人を陥れる陰謀だった。真実に気付いた新兵衛は牢から自分の捕えた無実の手代を連れ出し同心支配と対決、斬られてしまうが長さん介入、黒幕の油奉行宅に長さんの双剣が血の雨を降らせる。

ロケ地
・新兵衛が長さんに井筒屋の荷を襲った賊について聞き込み、仁和寺中門
・新兵衛が放火犯として捕われた井筒屋の手代を牢から連れ出し大八に乗せてゆくと高森が現れる林、仁和寺九所明神鳥居前。高森と対決の林は付近の茂み。
*新兵衛に木場勝己、元の上司の鬼瓦は織本順吉で新任の悪党は島田順司。油奉行配下の侍に福本先生、黒イカで油屋の荷に火をつける/編笠被って市中で証人を消す/ラス立ち前には長さんの気配察していち早く出てきて派手な斬られ方をする大活躍、役名は犬伏源造。


第115話「殺しの配達人」1986.11.25

 入婿の御広敷役人・小谷宇兵衛ははたで見るも気の毒な扱いを奥方から受けていて、たまさかの芸者遊びも酒を飲むだけという小心者。誰かかみさんを殺してくれないかと愚痴を垂れる酒席に「女房の殺し引き受け候 左の字」の投げ文、小谷の女房は文のとおり役者遊びの出合茶屋で殺されるが、これは大奥での血腥い事件の幕開けだった。

ロケ地
・織江の墓に参る小谷、丘の上の墓地、不明(巨大な五輪塔多数)
・左の字に包みを届けるよう強要される水辺、広沢池東岸(夜)。のちに小谷家の下女が証拠隠滅のため消されるのも同所、薄暗い。
・姪の遺髪を納めに行った牛さんを元気づけようと纏わりつく辰たち、中ノ島橋上。
*気の弱い恐妻家の御広敷役人に本田博太郎、お中摧嚴後パニくって切腹。暗殺の黒幕の勘定奉行とその娘のお局さまに勝部演之と日向明子。お中揩ニともに爆死する腰元は牛さんの姪、このシリーズで牛さんの身内が出てくるとたいてい不幸になるのは法則か。


第116話「天狗におびえる街」1986.12.9

 剣友・川辺左馬之助からのSOSを受けた長さんは彼の任地・甲府へ。川辺は甲府勤番を装い大目付が派遣したスパイ、しかし長さんが見たのは酒に溺れ人足にも侮られる姿、しかも街は天狗の跳梁で荒れ果てていた。調べるうち、勤番支配の津上が隠し金山から出た金を巧妙な手段で持ち出そうとする陰謀が明らかに。痴れ者を装い天狗の正体を探っていた川辺だったが土壇場で妻を拉致されてしまい長さんと共に絶体絶命、しかし天狗さまに雇われるフリをしていた宅兵衛がうまうまと奪還。

ロケ地
・長さんと六さんが落ち合う甲州街道の茶店、谷山林道切り通し裾にあしらい。このあとの街道も同所、分岐道の上から天狗が長さんを見ている。
・川辺の妻と会う信玄公ゆかりの恵林寺、西明寺山門、境内。
・竹に金を詰める作業をしている笹子峠近くの小屋、酵素
・未だ酔漢を装う川辺に長さんが会いに行く、愛宕念仏寺石仏群前、本堂。
・拉致された川辺の妻を救出にゆく笹子峠、谷山林道切り通し(長さん、土を蹴って三角飛びを見せる)
*河辺左馬之助に河原崎次郎、勤番支配は黒部進、甲州屋は唐沢民賢。天狗の手先の鉄平に福本先生。江戸で長さんのもとに遣わされた川辺の中間を天狗面つけて斬る・甲府へ赴く長さんを窺う・宅兵衛を用心棒にスカウトするなど大活躍。最後は笹子峠で川辺にかかってゆき斬られる。


第117話「名君会津に入る」1986.12.16

 会津の殿様・加藤式部少は七本槍の父の威光と保科正之の娘を妻に迎えたプレッシャーから心を病み、金に異常な執着を見せ領民を苦しめる。また、その所業を見限り退転した家来を追い掛け回し高野山や東慶寺からまで引きずり出すという挙に。奥方の身を賭しての訴えにも耳を貸さず、また幕閣から内々に隠居を勧められたのを保科の企みと逆上し、捕えた元家臣と妻子を処刑する始末。奥方は自分がいては思うように馬鹿殿を処分できぬと考え自刃、これを見た長さんは怒りの双剣をふりかざす。

ロケ地
・式部少について六さんと話す長さん、仁和寺中門
・式部少上屋敷のイメージの大屋根、西本願寺諸堂甍。
・奥方・顕子が押し込められる築地の荒れ屋敷付近に仁和寺塔付近。
・江戸城イメージ、姫路城天守
・顕子の墓、二尊院か。
*保科の息女で長さんの従姉妹に当る顕子に奈良冨士子、式部少に小林尚臣、江戸家老に小林勝彦、保科正之は中山昭二。馬鹿殿への成敗は髷を切るにとどめ出家勧告。
設定エピソード
・辰が市中で保科の駕籠見かけ呟く「長さんの叔父さん」発言。


第118話(終)「長七郎最後の対決」1986.12.23

 上様重篤の情勢下、忠長卿を陥れた書状の秘密が明らかになる。柳生が噛んでるのはもちろんだが卿が信頼していた旗本・江口が関わってのこと、秘密を知る夜鷹が殺されかかるのをたまたま助ける長さん、夢楽堂へ連れ帰り世話見るが江口のお手つき侍女だったその女は恋情已み難く騙され殺されてしまう。紆余曲折を経て書状ゲット、本物の忠長卿の文が謀反を促す決起文などではなくただの病気見舞いだったことを確認しこれをたばさみ登城の長七郎ぎみ、その前に宗冬が立ちはだかる。曙光差す城の坂で対峙する二人、抜きつれるところで宅兵衛が駆けつけ上様逝去を告げ刀を合わせることなく終わる。

ロケ地
・浪人に襲われる夜鷹を助ける長さん、広沢池東岸
・上様の見舞いに登城する宗冬、お城のイメージに姫路城天守、罷り通る御廊下は相国寺方丈裏手縁先、導入は庭園から見上げのアングル。面会を断られた宗冬に話しかける江口、方丈南側縁先・法堂大屋根を望む。
・宗冬邸、大覚寺大門
・江口邸から書状盗み出した茜が長さんに投げて寄越し恋情を告げ去る、広沢池東岸
・登城の長七郎ぎみ、城のイメージに姫路城西の丸。宗冬と対峙の坂、二尊院紅葉の馬場
*忠長卿が信頼を寄せていた旗本に本郷直樹、グルの同心は宮内洋。


→第一シリーズ表紙  →第二シリーズ  →第三シリーズ


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