お兄哥さんとお姐さん  黒田義之監督作品 1961.12.8大映


 ところは上州、お話はヤクザの縄張り争い。貪欲に拡張を続ける外道は、先代の遺言を守り自分限りで組を散らすことを心に決め静穏に暮らす親分のシマを強引に毟り取り、遂には密殺。殺された親分が外に預けてあった娘は男勝り、親の仇を討とうと男姿に身をやつし故郷に帰ってくるが、子分は既に二人きり。死ぬ気でかかればと無茶をするところへ、直参崩れの渡世人・三次郎が颯爽と駆けつける。

ロケ地
・三次郎が当地へやってくるくだりの渡し場付近、木津河原や堤か。
・島村の渡し(三次郎乗船、八州乗り合わせ)、川と湖を併用か。
・島村の仙右衛門の娘・お仙が江戸へ向かう街道、不明(松の根方に祠)←船着きで助けてくれた男(三次郎)を思い振り返るお仙をお供の彦兵ヱがからかうくだり。
・島村のシマを荒らす熊の沢一味のくだり、賭場荒しのあと傘下に下るよう強制する鎮守は鳥居本八幡宮
・芸者の注進で三次郎を待ち伏せする熊の沢一味、木津堤か(銃撃され、玉村の一家に助けられる)
・お仙が預けられている川甚の木場、例の「材木置場」にも似る(後段出てくる際には「山」映り込み)
・玉村の一家を辞した三次郎がおきぬと幸三に送られる道、不明(かなり幅広)
・街道をゆく三次郎(勝新の歌入り)、渡る木橋は犬飼川下河原橋か(欄干つき、河畔に竹林)〜川べり(流れは瀞、河原は礫)
・江戸でお仙の様子を見てきた幸三が帰ってくるシーン(玉村一家の屋敷のそば)、琵琶湖或いは内湖か。
・僅かに残った子分たちに盃を返した仙右衛門宅を襲う熊の沢一味、上陸は湖畔か。
・仙右衛門が熊の沢の手にかかったと聞いた三次郎が上州へ急ぐ道、渡る木橋は穴太橋か(ごくごく低い欄干)
・渡世人姿で街道をゆくお仙を止めようとする三次郎のくだり、ちんぴらガキがお仙をからかう茶店、ガキどもを返り討ちにするお仙、ともに不明(地道、山道)。仙右衛門の墓、不明。仙右衛門の法事が営まれる正法寺、不明(塀は瓦練り込み、門に鏝細工の狭間、門から庫裏がのぞく)
・高崎の石井に掛け合いにやって来る三次郎、大覚寺式台玄関(きっと来てくれと大門を出てゆく)
*三次郎は勝新太郎、お仙は万里昌代。仙右衛門は志村喬、おきぬ(お仙の妹)は小桜純子、彼女と相思の子分・幸三は小林勝彦。熊の沢の親分・八五郎は稲葉義男。三次郎の友人の八州は田宮二郎。


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ